20231105 第41節ホーム栃木戦

ホーム栃木戦。ヴェルディは4-4-2で栃木は3-4-2-1でスタート。

ヴェルディの保持時は両SBが高い位置をとりGKのマテウスがCB間に入る3+2のビルドアップ。2DHはマテウスがいる時は中盤にいて少し前進するとどちらかが降りてきます。基本的にそこまで低い位置にいるって程ではないので2DHを経由する事にはそこまで拘ってなさそうですし、今節はそれより染野や上がった綱島へのフィードで競り勝つ事や中央で奪う方に重点を置いてる様子。栃木はSBをシャドーが見張る事が多いので左右に揺さぶってスペースができたら中央(降りてきた斎藤が多いです)に縦パスを差し込み、SBに栃木のWBがついたら背後をSHが狙うのが狙いのよう。非保持はいつも通りのハイプレスなんですけど数的劣位でも寄せにいって剥がされたり、ミドルプレスでももう少し相手との距離を詰めたいなってシーンがあるんですけどトランジションやプレスバックは引き続き安定してますね。

栃木の保持時は、フィードでCFの矢野が収めてセカンドを拾う事や2シャドーが背後を狙うダイレクトな攻撃がメインで、そこから落としを拾ってそのまま中央又はタメてWBがサポートしてクロスが基本線。ビルドアップは3バックからWBへ外回りのパスを繋ぎながらヴェルディのSBを引き出してシャドーへ斜めのパスを入れ、WBや上がってきたCBやDHに落としたりシャドーがサイドに流れてからのクロスでチャンスメイクしてきます。非保持はボールと逆サイドのWBが降りる4-3-3で最終ラインに制限をかけるミドルプレス(バックパスには追ってきます)からサイドに追い込んで絡め取る又は蹴らせて回収が主な狙いのよう。可変で守ってるんですけど相変わらずスライドが速いですね。ミドルゾーンの後ろ辺りからは5-4-1でセットします。

序盤押し込んでると陣形を整えやすい事もありカウンタープレスが効いてますし、栃木にフリーで蹴らせない事ができてます。この後すぐお互い蹴り合うような展開になりましたけどプレスバックはしっかりしてますね。

6分に林が左シャドーの大島のプレスを内側から運んで剥がしたのはいい判断だったと思います。

前半からやはり森田晃樹の不在は影響し、正直苦労した部分があるので、もう少し選手層のところで誰かが欠けたときにどのような最大値を出すかというところは、しっかりと振り返って準備したいと思います。

今節は2DHの役割が中央でカウンターやロングフィードの防波堤兼上がってロングフィード受け手になる事が多いんですけど機能してましたので元々のゲームプランのように見えましたので森田の不在はある程度前からわかっていたのかなと。

お互い蹴るのでフィードの跳ね返しを拾う攻防が激しいので中盤で密集する事が多く、そこからお互い中々上手く前進できない五分五分の展開。栃木戦は固いというか平坦というかみたいな感じになる事が多いんですよね。なので書く事が無い時間が比較的長めになる傾向が高めになります。

中原が絞ってゲームメイクに参加するとボール回しがスムーズになり宮原が上がりやすくなりますけどここはある程度流動的にやってる様子。

ヴェルディは横に揺さぶってスペースを作ろうとしてますけど栃木のスライドが速い分隙を作れませんので、中央に差し込んで圧縮させてからサイドを使った方がチャンスになりそうではありますが、スコアを動かすのはお互いカウンターになりそうです。

栃木はボールを持たれる事にストレスを感じてないようですし、スコアレスの時間を長くしてリスクを負って前に出てきた所を刺せばいい位な感じに見えます。

35分過ぎくらいからヴェルディは前へのプレスを強めてきましたので栃木は矢野へのフィードでひっくり返す事が増えテンポが上がって展開に動きが出てきたのと、綱島と斎藤が入れ替わって斎藤が繋ぎに参加するようになりましたので中央からゲームメイクした方が崩せそうと判断したのかなと。

45+2分に林の横パスを西谷にインターセプトされて運ばれた時に深澤の手が出てしまい2枚目の警告で退場になりました。谷口が間に合ってたのでもったいないプレーではあったんですけど、その前の集中力を欠いていたと言われても仕方がない横パスからでしたのでビルドアップの所は修正してほしいですね。

その後の福森のFKが左右のポストに当たりましたけどこれが入っていたら一気に流れが変わってたでしょうね。

平均ポジションはヴェルディは中盤、栃木はやや後ろに選手が固まってますし、ヴェルディが押し込み栃木がひっくり返す展開が長かったですけどいつもの栃木戦って印象ですね。

ヴェルディがプレスを強めてテンポが上がったとこから試合が動きましたけど、中々優位性が作れずリスクの方が大きくなってしまったなって印象です。勝ち点3がマストなのでどこかで勝負に出る必要があるんですけど結果的に凶と出てしまった前半。



後半、ヴェルディは加藤蓮が左SB斎藤が左SHに入る4-4-1へ変更。

ヴェルディは染野へのフィードで時間を作ったり奪ってからのカウンターが主な狙いで、バックパスでプレスを引き出して背後や空いたスペースを作るか、ロングフィードで陣地回復しながらのハイプレスで前進しようとします。引き続き中盤での攻防が激しいですけど1人少ない分スムーズに運ばれ押し込まれる事が増えました。染野が無理をしてファウルを貰いましたけど栃木は繋いで前進して押し込む事や、背走しながらの守備はあまり慣れてないと思いますので意外とチャンスが作れそうな感じです。

ヴェルディは1人少ない分非カウンターのリスクが高いので今までよりシンプルにクロスやシュートを選択するようになりましたのでここもいい傾向ではあるんですよね。

ヴェルディは4-3-2でプレスに行くようになったので栃木もフィードを選ぶ事を多くなったので前半と似たような展開。セットして栃木にボールを持たせてポゼッションのミスを狙う方がチャンスを作れそうですけど今までのやり方を選択してるようです。プレスにいって自由に蹴らせない所はできてますのでそれでしたら継続でいいと思います。

まあ当初からプレスにいく事ありきでチームビルディングをしてますので、はっきりセットできずに中途半端になる方が圧倒的にハイリスクになりますし、右WBの石田に展開した所からのクロスが西谷に当たってコースが変わり矢野にポスト直撃の決定機を作られたように低い位置では事故も起きやすくなりますからね。

中盤でのパスミスを拾ってカウンターに転じる事が多くなりましたけど、やはり栃木は背走しながらの守備はあまり慣れてないように見えるのでこれを続けていけばいいかなと。例えば格上相手に後ろ重心で受けに回る事はあり得ますけど1人少ない相手には普通できませんからね。

嫌な言い方ですけど、栃木は数的優位になった事で弱者の立場でいられなくなったので結果的に慣れてない事をやる時間が増え攻守に渡って噛み合わなくなってる印象なので、チームで重視する部分があるにせよポゼッションもダイレクトもハイプレスもセットディフェンスもできないと苦手な所を突かれてしまうんですよね。

62分に佐藤と大森→宮崎と福島へと交代。宮崎はCFに入り矢野が右シャドー西谷が右DH高嶋が左CBへ移動。

ヴェルディがボールを保持する時間が増えましたけど、栃木にとっては数的優位を活かしてリスク管理をしながらダイレクトに攻撃ができる分こちらの方がやりやすそうですし実際チャンスも作れてます。前線に当てる他にサイドでWBにシャドーやCBが絡んで数的優位を作りながらスムーズに運んでチャンスメイクできるようになってきました。

68分に斎藤と加藤蓮→平と山田へと交代。山田は右CFに入り中原が右IH綱島が左IHへ移動。

ヴェルディは勝ち点3が必要なので数的劣位でも前に出でいかないといけない分段々プレスにいけなくなってきたので栃木のペースになってきました。まあここはやむを得ない部分はありますよね。

76分に矢野→森へと交代。

ヴェルディはプレスにいければ栃木に制限をかけ押し返せそうなのでどこまで走る寄せるができるか?が分かれ目になりそうな展開。

80分に綱島→河村へと交代。

染野が時間に作って中原に渡した所で得たフリーキックを中原が直接決めて先制します。栃木のペースになっていた所から再度プレスにいって押し戻しそうなタイミングで獲れたのは大きいかったですね。

ビハインドになった事で栃木はシンプルにサイドに運んでクロスやフィードを入れてくるようになりました。まあ当然ですね。

ヴェルディは押し込んでパスを回しや前線でキープして時間を使いながら隙ができたら突くようになりましたけど、変な奪われ方をすると数的劣位でカウンターを受ける事になるのでリスク管理がより重要になります。

85分に福森と大島→吉田とラファエルへと交代。クロスの出し手と受け手を入れるわかりやすい采配。

フィードとデュエルが激しくなってきましたけどこのスコアと展開ではこうなるでしょう。

90分に染野と中原→奈良輪と千田へと交代。奈良輪は右IH千田は右CBに入り河村が右CF林がアンカーへ移動

栃木はパワープレーをしたいんですけど、この時間帯でもヴェルディがハイプレスにくるので低い位置からのフィードが多く、高めやサイドから入れる事ができないのでやや単発気味になってます。

栃木のパワープレーをしのぎきって終了。



最後に、35分過ぎ位からヴェルディがハイプレスにいくまで前半は静かな展開でしたけど、後半数的劣位になってから盤面をひっくり返しながらポゼッションもできていてクロスやシュートの判断もシンプルになりましたのでポストに助けられたのは事実ですが内容としては悪くなかったと思います。

それと栃木がビルドアップからの前進や背走での守備と慣れない事をやる事になった分エラーが出てた印象が強いです。ヴェルディがプレスに出ていけなくなってから栃木のダイレクトな攻撃の良さが出てきた所をフリーキックでひっくり返せたのが大きいのは間違いないんですけど、再びプレスにいってパワープレーを単発気味にできたのも大きかったと思います。

とにかく生き残れてよかった!


中原のインタビュー中にマジでありがとう!って入ってきたのは深澤だったんですね。やや軽率なプレーではありましたけどビルドアップのミスからだったのでやむを得ない部分はあるんですが少し数が多いので修正していってほしいですね。

栃木はいつも通りの振る舞いができてましたけど数的優位になって慣れてない事をやる状況になりエラーが出てましたが、プレスが弱まってきた所でしっかり主導権を握り返せてたのは流石でした。正直福森のポスト直撃が分岐点になりましたね

20231028 第40節アウェイ磐田戦

アウェイ磐田戦。ヴェルディは4-4-2で磐田は4-2-3-1でスタート。

ヴェルディの保持時は、降りてきた染野へのフィードをスラして深さを作る河村に落とすシンプルな形が多く、いつもより繋ぐ意識はそう高くなさそうです。ボールの握り合いで優位性を作るのは少し難しそうな感じなのでリスクとリターンを天秤にかけたらこちらの方がいいと思います。非保持は最終ラインまで寄せるハイプレスで蹴らせて回収を狙いながらも10分くらい経つとミドルプレスでサイドに誘導して後ろで奪ってショートカウンターを狙う形にシフトしてきましたが、攻守に渡ってこちらの方が安定しそうな印象です。磐田が手数をかけずに前進する時はシンプルにタッチに出す事が多いので、セーフティファーストで鋭いカウンターをさせない意識がかなり高そうです。それと起点になろうとするジャーメインにはかなり厳しく寄せるのでここは前節から修正されている様子。

磐田の保持時は、右サイドへのフィードが多く、ジャーメインが収めたりスローイン等のリスタートから大外で起点を作って大外内を経由してポケットを攻略するか、クロスが主な攻め手で、ボールを持とうとすれば持てると思いますけどダイレクト志向がかなり強いのであまり手数をかけずに攻撃を終わらせる事を重視してるようです。繋ぐ時は左SBの松原が高い位置をとる3+2なんですけど、2DHの位置が低くどちらかが最終ラインに降りた時はトップ下の山田が空いた所に降りてくるので繋ぐ事よりヴェルディのプレスを引き出してひっくり返す意図の方が強そうな印象です。非保持はバックパスには追ってきますが、最終ラインに制限をかける位のミドルプレスで後ろは人を掴んできて奪ったら前線に入れてきますが、前線が後藤になってからは積極的に最終ラインまで寄せてくるようになりました。

ここの所キックオフは最終ラインから右サイドに展開する事が多いんですけど、今節はボランチからでしたので虚を突く為だったのかもしれませんが、お互いシンプルに蹴ってくるので立ち上がりは慎重にいきたいようですね。

磐田の出足が速い事や、蹴った後全体を押し上げて人数をかける分カウンタープレスが鋭く押され気味の序盤戦。両チーム共ボールホルダーにしっかり寄せて時間と選択肢を奪ったり競る闘う身体を張るの所はしっかりしてますね。

5分経ちましたがお互い蹴り合うセーフティな展開が続きます。お互いこの試合の重要性を認識してるからこそ固い立ち上がりになってるんじゃないかなと。

7分にジャーメインがハムストリングス?を痛めてプレーが難しくなってしまいましたが、ここで起点を作るのが磐田のキモになってきたので負傷は痛いですね…

9分にジャーメイン→後藤へと交代。磐田にとって痛いのは間違いないんですけど、長い目で見ればこういう大事なゲームを経験するのは後藤にとっていい事だと思います。

行ったり来たりの忙しい展開ですがお互いセーフティにタッチに出すので少し間ができますけど緩む感じはないですね。

ジャーメインがいなくなった影響が大きそうですが、10分過ぎから磐田は繋ぐようになりましたけど2DHがかなり低いのでポゼッションを安定させながらプレスを引き出してひっくり返す意図が強そうです。

ヴェルディはミドルプレスでサイドに誘導するようにもなりましたので、慎重に入りながら出力を出していこうって事だったのかなと。

お互いセーフティファーストの影響もあるんでしょうけどチャンスらしいチャンス(ピンチらしいピンチ)はありませんが、中盤の攻防が激しく見応えのある展開。

磐田の前線が後藤になったのでドゥドゥや山田が早めに寄ってサポートするようにしてきましたが、タメを作るのが少し難しそうなので間に合わないシーンがまあまあありますね。

15分のセットプレーがヴェルディの初シュートでしたが、前回対戦時にも感じましたが、磐田はセットプレーの守備でマークが曖昧になる事があるんですよね。

デュエルが非常に激しいですけど蹴り合う事が多くどちらかと言うと守り合いのような展開なんですけど、低い位置で繋いで奪われショートカウンターを受けるリスクを避けようとする意味合いがかなり強そうです。

磐田はボールが前線に入った時に後ろから選手が出てくるのが速いですけどヴェルディもかなり速くなってきましたし、デュエルも五分五分ですね。出足は磐田の方がよくトランジションの反応はヴェルディの方がいいのが違いかなと。

磐田がヴェルディのプレスを引き出すと降りてきた後藤が山田に叩いて展開するので本来はこれがやりたかったんでしょう。

お互い縦志向でカウンターの応酬になっていてリスク管理を優先させながら主導権の奪い合いが続く展開なのでやや停滞気味ではありますが、ここまで行ったり来たりが続くとスタミナの消耗が激しそうです。

ヴェルディが両SBを少し上げて2DHが少し下がる2+4でビルドアップするようになりました。SBが大外で張る分SHが絞ってビルドアップの出口を作りながら運ぶか逆サイドに展開して前進していきます。

お互い低い位置でのミスを避ける事と隙を見せない事を何より重視してる様子でカップ戦決勝のような固い展開が続いてますが、この試合は正にその通りなのでやむを得ない部分は間違いなくありますね。

43分に鹿沼に剥がされた所からマークがズレてドゥドゥのシュートまでいかれた所をマテウスがセーブしてくれましたが、やはり隙を見せると命取りになりそうですね。

終盤に押し込んで左右に揺さぶりながらポケットを突こうとしますが、磐田は中央を固く締めて守りますのでカウンタープレスからの方がチャンスを作れそうではあります。

低い位置でのミスを避けるのと隙を見せない事を優先して攻撃もあまり手数をかけないので普段やってる事をある程度犠牲にしてでもリスクをかけない展開が続いてましたが、お互い勝ち点3が必要なのでスコアが動くか残り時間が20分くらいになってこないと変わってこなそうな印象です。

蹴り合いながらカウンターの応酬でしたのでお互い平均ポジションが真ん中に寄ってますし、これだけ見ても展開はわからないでしょうね。

お互いの良さを消し合う固い展開ではありますが中盤での攻防やデュエルが激しく非常に見応えのあった前半。



後半、磐田のキックオフはGKの三浦まで戻して少しタメてからフィードしましたので前半同樣プレスを引き出してひっくり返す意図を感じます。ただ両SBが高い位置をとり2+2のビルドアップからCBがサイドに運んでヴェルディの陣形を拡げて絞ったSHに入れて前進するようになり立ち上がりから出力を上げてきました。

それと前半はお互いポケットを攻略してクロスが主でしたけど、後半の磐田は中央から縦に差し込むパスを入れてくるようになりました。もちろん通れば決定機になりますけどヴェルディに前向きで奪われるリスクが上がりますけど、ヴェルディはそこまでカウンターが上手くないのを織り込んでるのかもしれません。

前半から終始行ったり来たりの展開でしたので流石に疲れてきたのか中盤が空くシーンが出てきましたのでカウンターが効きそうではありますが、磐田は繋いでコンパクトな陣形を保つようになりましたので主導権を握りつつあります。


コーナーキックから落としのパスをドゥドゥが空振りしたボールを中原が拾って中央から運び、相手を引きつけてから左サイドの斎藤に出してGK-CB間への速いクロスを中原が合わせたこぼれに林が反応して押し込み先制します。中原が運んで出した後もスプリントを止めなかった事とよく林があそこまで上がってきましたね。正直ヴェルディはあまりカウンターが上手くないんですけど久しぶりに観た観た綺麗な形でした。

磐田からすれば主導権を握れそうな展開でリスクをとった所をやられてしまった格好になってしまいました。

前半終始固い展開でしたのでスコアが動いてからかなと思っていたのである意味ここからが始まりでもあります。磐田は当然前への圧力を強めてきました。

ヴェルディはGKの三浦が時間を作っても寄せに行かなくなりましたのでここの切り替えはできてますね。ただ最終ラインには寄せていきますので基本的なやり方は変えないようですがこの時間帯ならこちらの方がいいと思います。

またお互い縦に速い展開になりましたがデュエルやトランジションでの攻防がより激しくなってきました。もちろんクリア等セーフティなプレーでは蹴りますけど繋ぐ意識が高くなってきた印象です。

ヴェルディとしてはゲームを落ち着かせたいんでしょうけど磐田が時間を削ってくるので難しそうです。基本的にゲームのテンポは非保持側が決めるのでやむを得ないんですけどね。

磐田は幅をとる両SHに入れながらヴェルディのプレスやスライドのズレを突いていきたいようですが、お互い中央が固いのでもう1つ何かが無いと難しそうな感じです。ヴェルディとしてはテンポを落としゲームを落ち着かせるにはセットディフェンスしかなさそうなので悪くはないんですけど、ボールを渡して主導権を握るスタイルはロティーナさん以降やってないんですよね。

57分に河村と斎藤→山田と平へと交代。平は左SBに入り加藤蓮が左SHへ移動。磐田は繋ぐシーンが結構増えてきましたけどヴェルディはダイレクトが多いのでより消耗が大きいと思います。

60分に山田と松本→藤川と古川へと交代。前線の選手は運動量が多くなるのでヴェルディと同じ理由なんでしょう。磐田は繋ぐよりスペースを突いていきたい交代のように見えますが、ヴェルディの寄せが速い分遅らされてしまうって感じなのでドゥドゥや古川が仕掛けたり個の強さを押し出すようになってきましたが。

62分の山田が倒れたシーンは古川が足を蹴ってるのが何でファウルじゃないの?って事なんだと思います。

古川が左サイドから突破を見せる事で左右両方から攻められるようになった分中央に楔を打たれるシーンが出てきたのでヴェルディとしてはまずい展開になってきました。

65分に加藤蓮→綱島へと交代。左DHに入り森田が左SHへ移動。

前から行って中盤で奪えるシーンや中央にパスを入れてサイドから前進できる事も結構あるので行くか引くかの判断は確かに難しい所ですね。もちろん失点したくはないですけど追加点をとれればゲームを終わらせる事ができるので

よく守備を固めて逃げ切るor勝ち点1でも御の字!って相手にわざと隙を見せて奪えそうな雰囲気を出してプレスにきた背後のスペースを使って崩す事がありますけどそんな感じになってます。磐田がそれを意図的に狙ってる様子はないですけど結果的にそうなってます。

ただ磐田が両サイドで優位性を作れるようになった分中央を狙えますのでヴェルディの対応が後手に回ってますし、意図した奪い方ができてる訳ではないのでポジドラも安定しなくなってきたので構えて守った方が良さげな展開になってきました。ロティーナ監督時はそうでしたけど、耐えるより相手に持たせてあげてる位の余裕があればいいんですけどそんな感じはないのではっきりさせたい所なんですけど、一刺しできそうでもあるので城福監督も判断が難しい部分があるのはよく理解できます。

69分にポケットを崩されてカットインしてきた上原にファーに決められてしまいました。上記したように行くか引くかはっきりしたかったですけど所詮結果論ですからね。

ヴェルディがボールを持てるようになりましたけど、ヴェルディは得点して受けに回るような形でしたし、磐田も今までのようなリスクをとらなくなったので展開も振り出しに戻りました。

中盤だけでなく全体的にスペースができてオープンな展開になってきましたのでどっちに転ぶか?の展開。カオスなオープンな展開は個人的には好きではないんですけど、ここまで散々走り回ってきたのでお互いやむを得ない部分は間違いなくありますね。守備に隙がある分今度はボールを保持した方がチャンスになりそうなですが、磐田が持つ事が多いので主導権を奪われている展開。

磐田は個々の質が高く右サイドのポケットを崩される事が増えたので何かしらの手当をしたい所です。カウンターで決定機は作れてますので守備的になれというより意図的に奪える形にしたいんですよね。

78分の山田と染野でカウンターをしたシーンでのオフサイドの笛はおそらく歓声で聞こえてなかったでしょうけどアフタープレーではありますからね。

ヴェルディは中央でレイオフからチャンスメイクしてできるようになりましたのでノーガードの殴り合い状態ですけどこうなると質の差が出やすくなるんですよね。ただ勝ち点3をとる為に今できる事は精一杯やってますので例え結果がどうなろうとこれでいいかなとは思います。

この時間帯でもデュエルが激しいですけどもう気力だけでやってる感じなので文字通り死闘になってます。

87分に鹿沼とドゥドゥ→藤原とファビアンゴンザレスへと交代。ファビアンゴンザレスはCFに入り後藤がトップ下へ移動。

88分に森田と林→梶川と山越へと交代。正直梶川はこんなに早く戻ってこられるとは思ってませんでしたので本人の努力や周りのサポートが大きかったんでしょう。

オープンな殴り合いが続きます。選手達が清水の結果を知っていたかどうかはわかりませんが、お互い引き分けは実質負けなので現状では勝つ為にはこれしかないんでしょう。いい悪いではなくここまで行ったり来たりで消耗しきってますからね。

お互い無意識下でプレーしてる印象なので戦術云々って感じではなく今までチームでやってきた事や経験則を頼りにしてる印象です。

行ったり来たりの展開なので当然審判団も疲弊しますし、選手と違って途中交代もできないのでやむを得ない部分もあるのはよくわかるんですけど、判定基準がはっきりしない事が増えてきました。ただ両チームの選手達もヒートアップしてますのでここのマネジメントもしながらだと難しいのは理解できます。選手や指導陣サイドも谷口のは警告なのかとかファビアンゴンザレスもアフターでプレーしてたじゃないかっていうのもよくわかります。そもそも自動昇格をかけた大一番の最終盤に冷静になれっていうのは流石に無理ですからね。

オープンな殴り合いが続きますがお互い得点を奪えずに終了。両チームの監督が抗議してますけどAT内のATを考えると少し短いからとは思います。



最後に、お互いリスク管理を重視していたので低い位置で奪われたり隙を見せない事を優先させていたのと、終盤のオープンな展開で終始行ったり来たりの展開な上に、デュエルが激しくトランジションの反応もよかったので消耗が大きかっただろうなっていうのが一番の印象でした。もちろんそれだけこの試合の重要性をわかっていたからでもあるんですけどね。

磐田の方が繋いでポケットから崩したりやりたい事をできていましたけど、ゲーム中盤以降はトランジションと強度で上回れてましたし、鋭いカウンターを繰り出す事もできていて今できる事はほぼほぼ出せていたので勝ちたかったですけど内容面は満足してます。後はセットディフェンスをもう少し整備して意図した所で奪えるようになればもっとよくなると思いますし、持たれる事が苦にならないんじゃないかなと。もちろんチームとしての方針はありますけど今日ではできない事や苦手な事を突かれるので最終的には全部できなきゃいけないんですよね。

磐田は前線で起点を作ってサイドに展開したり、最終ラインが開いて両翼や中央への縦パスからチャンスメイクしたりしながらカウンターも強力でデュエルも強くトランジションの反応もよかったですし個の能力の高さは流石でした。


20231022 第39節ホーム千葉戦

ホーム千葉戦。ヴェルディは4-4-2で千葉は4-2-3-1でスタート。

ヴェルディの保持時は、繋ぐ時は左SBの加藤蓮が高い位置をとり(右SBの宮原も上がる事が結構あります)2DHが縦関係になる(前が稲見後ろが森田)3(2)+1になりますが、千葉が時間を削ってくるのでサイドからフリックで中央を使ったりロングフィードでひっくり返そうとする方が多いです。奪った時はSHが起点を作ったりCFが背後を狙う手数をかけない形が多く4-4-2らしい攻め筋になってますね。河村がスペースメイクして染野が使うと2CFの関係性もいいですし2週間で作り込んできたんでしょう。押し込むとSHとSBで内外を共有しながら単純なクロスよりDHも絡んでポケットを攻略したり、戻してファーポケットへのクロスがメイン。非保持は千葉はビルドアップが4枚なのでCBには寄せに行かず(バックパスには追っていきます)DHへのコースを切って構えながらジリジリ距離を詰めるミドルプレスで、サイドに出た所からSHが寄せにいきますけど奪いいくというより制限をかけて後ろが奪う意識づけがいつもより高そうです。千葉が蹴る事が多いんですけど今節は前線が構えて制限をかける意識が高いのでコンパクトな陣形が保ててます。

千葉の保持時は、右SBの高橋が高い位置をとる時もありますけど、基本的には2DHが縦関係になる(前が見木後ろが田口)4+1でのビルドアップ。最終ラインは蹴る事が多いので(呉屋へもありますけど基本的に俊幸をターゲットにする事が多いです)ヴェルディのプレスを引き出してライン間を使いたいのかな?って感じはしますけど、日高の不在でこうせざるを得ない感もありますね。繋ぐ時はDHをはじめ中盤がワンタッチで叩いてチャンスメイクしたいようですけどパスがズレる事が多い印象です。アタッキングサードではサイドでSHとSB(時にはDHも)絡みながら崩してクロスを入れてきます。非保持はハイプレスなんですけど寄せる所に迷いがない分強度はバツグンですが、スペースができる事が多いので掴みきれないとピンチになりやすいんですけどインテンシティを優先させてるような印象です。構える時は4-4-2なんですけど、SHがヴェルディのSBへのコースを切りながらかなり高い位置をとる4-2-4のようにして2CB+DH(基本森田)へプレスをかけてくるかなり攻撃的な守備をしてきます。

いきなり2つセットプレーがありましたが、コーナーキックで本来後方のカバーをするSBの高橋を上げてくるトリックプレーは事前に作り込んできたんでしょう。

ヴェルディはポジドラでチャンスメイクする事が多いですけど、千葉がハイプレスで時間を削ってくる分テンポが上がりますし、結構スペースがある分決定機に繋げそうなのでこれでいいと思います。

ハイテンポなのでボールが行ったり来たりしますが、ヴェルディはフィジカルで劣勢になるシーンは結構あり起点を潰しきれない事はありますけど、最低でも遅らせる事ができてますし、帰陣も速くトランジションでは上回ってる分そこまで問題にならなそうな感じです。ただ押し込む時間が長くなるとどうしても前がかりになるのでカウンタープレスを外されると一気にピンチになりそうではあります。

上記しましたが、千葉が寄せの強度に重点を置いてるからかコースを切れてない分結構スペースがありますし、ラインも揃ってないシーンがありますので速攻の方が効果的ですし、時間もないのでヴェルディはここまでビルドアップらしいものはほとんど見ないですね。

19分に佐々木からの対角線フィードを受けたドゥドゥが加藤蓮を振り切ってからのミドルシュートで先制します。ここまで劣勢でしたけど非セットプレーからのカウンターもほんと速かったですからね。このシーンではドゥドゥが右サイドにいましたけど左右のバランス的にこっちの方がいいと判断したんでしょうか?

千葉はここまでロングフィード時に2DHの押し上げが早いですしやり慣れてる様子。

22分にスローインからのミスにリフレクションも相まって続いて失点してしまいました。シュート自体はやむを得ない部分も大いにありますけど自陣でのセットプレーではもう少し慎重さが欲しかったかなと。

トランジションの反応がよく、深さを作りながらやりたい事は概ねできていてかつ決定機も作れてますのでスコア以外は申し分ないんですけどね…ただ千葉はプレスは強烈ですけどライン設定はマークがはっきりしてない影響が大きそうではあります。

それと千葉がカウンター以外では少しギクシャク感があるので田中と日高への依存度が高かったのかな?って印象はありますね。

ヴェルディはサイドの内外の使い分けと自分が打てない時は味方に出したりスルーも使いながら決定機を作れてるのでシュートを枠に飛ばしたいですね…

中盤での攻防が激しいですけどお互い怯んだり迷ったりする感じが全くなく、ダーティーなプレーが無いのは凄くいいと思います。

ボールを保持して1つ飛ばすパスでプレス回避して前進と主導権は握れてるんですけどって展開が続きます。千葉は2点の貯金があるので無理をしないって感じではないので漬け込みたい所ではあるんですけどね。

プレスを剥がして繋いで前進って訳ではありませんでしたけど、ロングフィードや1つ飛ばすパスで空いた所から前進したり、押し込んで内外でサポートしながらポケットに侵入してシュートを打ててましたし、やりたい事は概ねできていてかなりいい内容だったと思います。

千葉のカウンターは強烈でしたしあわやのシーンもありましたけど、トランジションの反応がよく帰陣も速いのでシュートはほとんど打たせてなかったので個人技とミス絡みの失点がもったいなかったですね…

2失点しましたけど完璧に近い内容となんとも判断しがたい部分があった前半。



後半頭からヴェルディは森田→平、千葉は俊幸→米倉へと交代。森田はどんなに長くてもここで代える予定だったようですね。平は左SBに入り加藤蓮が左SH斎藤が右DHへ移動。千葉の攻撃の多くが右サイドなので右SBの高橋へのプレッシャーを高める意図もありそうです。

千葉は米倉が運んで高橋がサポートするタイミングが良くなってますのでハーフタイムに修正してきまようです。それと相手を拡げた時は中央そうでない時はハーフスペースから背後を狙うようになったように見えます。

後半も中盤での攻防が激しいですけどヴェルディは千葉の速い出足で慌てるシーンが減ってきたので少し慣れてきたみたいですね。

ヴェルディは2CFが左サイドに寄ってオーバーロードを作ってコンビネーションで突破orカウンタープレスで再奪取して陣形が崩れた所を狙う事が多くなってきましたので、トランジションの反応で上回れてるのを活用してきた様子。それと前半から千葉はワンタッチパスがズレて前向きで奪える事が多いのでスペースを突きやすいのもあるかもしれません。

谷口は元々ドライブで中盤で数的優位を作るプレーが得意ですけど、パスやファーストタッチで相手の矢印を折るのも上手いですね。

ここまでずっとハイテンポな展開ですけど、千葉はテンポを落として試合を落ち着かせて2点の貯金を活かそうって意図は全くなさそうなので、ここまで連勝してきた自信が支えになってるんでしょう。

千葉は4バックが開いてヴェルディの陣形を間延びさせて空いたスペースを起点に背後を狙う形やセットプレーの守備からのカウンターがしっかり整備されてますし、米倉に代えてきたのもそこをより活かそうって事なのかなと。

カウンターで米倉から逆サイドのドゥドゥの折り返し呉屋が詰めた所を倒してしまいPKを与えてしまいます。ヴェルディオーバーロードを作ってるので前向きで奪われないようなクロスを使いたいのと、受け手に制限がかかりきってなかったのでリスク管理をしきれてなかったかなと。

PKでドゥドゥがフェイント入れて停まってマテウスが動くのを見たんでしょうけど、マテウスが動かなかったのでここの駆け引きで優位性を作れたのが大きかったですね。1失点目に駆け引きでやられたのを取り返す形になったビックプレーでした。ちなみにドゥドゥフェイントを入れた時に米倉が引っ掛かってエリア内に入ってきましたね(^^;)

58分に千葉は呉屋→小森、ヴェルディは加藤蓮と河村→綱島と山田へと交代。綱島は左DHに入り斎藤が再び左SHへ移動。非カウンター対策のテコ入れなのかなと。

忙しい展開が続く中トランジションの反応がいい分主導権を握れてますが、千葉は低い位置からでも強力なカウンターがあるのでこれでいいと判断してるのかなと。

高い位置で奪い返してショートカウンターや、ポケットをとって崩しができるようになってきて最後の所で合えば位な展開が続きます。サイドで崩してチャンスメイクできるようになり押し込みかたが安定した分陣形を整えやすくなったのでカウンタープレスが効きやすくなったように見えます。

68分に千葉はドゥドゥと風間→西堂と小林へと交代。ヴェルディは斎藤→長谷川へと交代。千葉は小林は左DHに入り見木がトップ下へ移動。

ヴェルディは小森に起点を作られて押し返させる事が多いんですけどここに誰がつくのかはっきりさせたいですね。

勇介も指摘してましたけど76分に林がドライブした時に中原が寄って運ぶスペースを潰してしまっていたんですけど、ボールホルダーがフリーなら離れる事が真のサポートになりますので、フリーのオンかプレスを受けてるオフかによってサポートを使い分けてほしいですね。 

78分に宮原からの縦パスを山田がポケットで起点を作って中原に落とし、ファークロスを長谷川が合わせて1点返します。ファークロスで相手の視野の外から入ってくる形はここまで重点的に取り組んできましたけど、中原がわかりやすく持ち直したので長谷川が中に入るタイミングをとりやすかったのはあるんでしょうけど簡単なシュートではなかったですね。

千葉は繋ぐ時はワンタッチを多用しますけどズレる事が多いのはここまで変わりませんね。プレスはオシムさん繋ぎは風間さんやペトロヴィッチ監督の風味を感じますので様々な考え方がブレンドされてるような印象を受けます。

1点返して元気になってきたのか、ヴェルディは前線に人数をかけて仕掛けやサポートの意識が上がって圧力を強めてきましたので、決定機になりそうなシーンが増えてきました。 

90分に林のドライブから中原が大外で受けて縦を見せながらカットインしてファークロスを長谷川が折り返しメンデスがクリアしきれなかった所に染野が詰めてきて押し込み追いつきました。これも1点目と似たような形なんですけど、ここまで中原の突破が目立った分カットインがより活きたのはあると思います。

GKの鈴木がボールを染野に渡してましたけどこの展開ならボールを持って時間を作っても良かったかなとは思いましたけど、優也と平本みたいになりそうではありますからね(^^;)

これで完全に猛攻モードになり前線に人数を割くようになりました。流れもきてますし上についていくには勝ち点3が必要ですからね。


90+2分に稲見のファークロスを拾った山田が中原に落とし中に差し込むパス(だと思います)を綱島がスルーしてそのままゴールに入り逆転しました。綱島はその前にもスルーがありましたけどこのシチュエーションならファーから入ってくるはずと判断したのかもしれません。

千葉は鈴木とメンデスの上げてパワープレーを仕掛けてきましたが、時間も無いですし当然ですね。

ヴェルディは後ろで回して千葉のプレスを引き出してひっくり返しながら押し込んだら無理せず時間を使いながらカウンタープレスに備えてリスク管理するようになりました。

90+5分に長谷川→山越へと交代。途中出場途中交代ですが1ゴール1アシストですし長谷川云々より時間を作りながらパワープレー対策をするんだと思います。

城福監督のコメント

途中投入の長谷川選手を最終盤に下げた意図を聞かせてください。
決して長谷川竜也が悪いわけではなく、彼の1点がなければおそらく追いつけなかった、逆転できなかったと思います。ただ、相手がパワープレーで来ると考え、実際にセンターバックのメンデスが前線に上がってきましたし、サイドハーフのところに山越を入れて流れの中でのサイドの守備とパワープレーへの対応をしたというだけで、最後の2、3分のところは自分の判断でやりました。長谷川竜也にとって気持ちがいいかと言われればそうではなかっただろうと思いますが、このチームは全員がベンチメンバー以外の選手を含めて勝利のためにやれるチームなので、彼も受け入れてくれると思います。

高さ対策の意味合いも強いので長谷川も受け入れてくれると思います。

引いて耐える訳ではなく、山田が前線で収めて時間を作れてますしこういうプレーは大きいですね。

このまま終了。



最後に、前半は千葉の迷いなく出足のいいプレスに面食らったような感じはありましたが、空いた所を使って前進してポケットに侵入したり、ペナ角からのファークロスでチャンスを作れてましたし、インターセプトからショートカウンターでシュートまでいけてたので城福監督も繰り返し言ってましたが内容面は良かったと思います。今節は前線に上がってくるタイミングが遅くポケットが攻略できなかったり逆サイドを効果的に使えおらず攻撃が停滞気味になって居た時間帯もありましたが、鋭いカウンターの脅威があるのでさじ加減が難しい部分はあったと思います。

ただ前回対戦時もそうでしたが、ライン間で起点を作る所に誰がつくのか曖昧で潰しきれない事が多かったのは修正点ですね。

千葉はセットプレー守備からや、後ろが大きく開いて陣形を間延びさせてから中のスペースを起点にする鋭いカウンターは強力でしたけど、繋ぐ時のワンタッチプレーにミスが多かったのが押し込まれる要因になっていたように見えました。守備は迷いなく寄せてきますけど意外とスペースがあるのでまずは強度とインテンシティを重視してしっかり落とし込んてから連動性を上げていこうって事なのかなと。


小林監督のコメント

後半になり、もちろん相手は圧力を増してくる。その準備の部分では、しっかり自分たちが前に出る姿勢を示すことができました。もう1点取れば試合を決められるというマインドで自分たちはずっと戦い続けている大前提があった中で、チャンスがまったくなかったわけではなく、3-0にするチャンスはありました。そのチャンスを逃せば失点することも起こり得るという部分があり、流れが完全に持っていかれている中、自分たちも何か変化を加えるかどうかというところは、自分自身いろいろな考えを持って悩みました。ただ、自分自身は「続けてきたことをしっかりと表現し続ける」という決断をして、あのままの形で戦いました。

中央を固めて試合を塩漬けにしてもいいんじゃないかなと思ってましたけど、ここまで連勝してきたやり方を継続する事を選択したようですね。

20231007 第38節ホーム大分戦

ホーム大分戦。ヴェルディは4-4-2で大分は4-2-3-1でスタート。

ヴェルディの保持時は、左SBの加藤蓮を上げた3+1でのビルドアップ。森田が大分の2CFの背後に立って中央を閉じさせたり降りて宮原を上げる形を使い分けるのはいつもの形ですね。寄せがそうでもなければ持ち上がって陣形を歪ませて降りてきた染野やサイドを使って前進します。非保持はいつも通り4-4-2のハイプレス。2CBと噛み合うので寄せにいく迷いはないんですけど、左DHの弓場が降りてサポートするので寄せにいかない方のCFが見張ってSBはSHがつくようにハメ込みにいく形なんですけど大分が間に立ったり持ち運んだりして回避してくるのでそこまでうまくいってない印象です。

大分の保持時は、両SBを上げ(左SBの香川の方が高め)2DHとの2+2でのビルドアップ。左DHの弓場が低めの位置でサポートしながらヴェルディの2CFの間に立ちビルドアップの出口作り兼プレスの牽制役になります。SBは左DHの弓場が降りると上がり、逆サイドSBは事前に高い位置をとるのが約束事のよう。ビルドアップにGKを組み込みますけど、今までのように積極的にサイドチェンジを担う事は少ない様子。奪ったらSBが上がるのを待つ感じではなく(とはいってもSBが高い位置をとるタイミングが早いので既にいる事も多いですが)そこまで幅をとらずにクロスの他に中央をコンビネーションで崩しにいくような形もあり、サイド攻撃が主体だった今までの下平監督のやり方とは少し違うみたいです。非保持は4-4-2のハイプレスなんですが、SHも積極的にSBに寄せてくるのでハメ込み方は両チームよく似てますね。

ヴェルディのプレスが中々ハマらない中、大分は後ろの選手が積極的に出てくる分ヴェルディが押され気味の序盤戦。フィジカルを押し出しながら中央を見せる事でサイド攻撃を活かそうって印象です。(もちろん中央突破ができれば一番いいでしょうけど)それとSBが上がるタイミングが早いので今までより縦志向が強くなりあまり手数をかけずに攻め切る意識が高くなってきた印象です。

大分がハイプレス志向なのも大いにありますが、ヴェルディは河村と染野が背後を狙う意識が高い分いつもよりロングフィードが多い印象で、とれればそれでいいし相手を間延びさせられればライン間を使ってチャンスメイクしていく意識が高そうです。今節は4-4-2に近い形なんですけど、中央を割る所と前線に人数をかける意識づけを高めてきたようですね。ただ4-1-2-3に慣れてるせいかビルドアップのギクシャク感は否めない印象で大分としてはプレスに捕まって蹴らさせる事が多いです。4-4-2は事前に三角形(相手にラインコントロールとスライドを同時に迫る斜め前へのパスコース)を作れないので動いてパスコースを作らないと前進できないのでそこのズレみたいなのは感じます。

大分は中盤が降りてパスコースを作ったり、ヴェルディのハイプレスを牽制して空いた所から前進する判断がいいですし、ヴェルディはマークをはっきりさせられれば盤面をひっくり返せそうな展開。


中原が右サイドでキープして中に持ち出しながら斎藤に渡して稲見に落としミドルシュートを右隅に決めて先制します。多分ヴェルディはファーストシュートだと思うんですけど逆足で難しいコースを突けたと思います。

再開のキックオフ直後にバックパスをインターセプトした染野をペレイラが倒してしまいDOGSOで退場になりました。ゴールまでの距離に方向とボール支配の有無にカバーの可能性と要件を全て満たしているのでやむを得ないですね…

大分は右DHの羽田が右CBに移動して4-1-3-1になり香川が降りてビルドアップを安定させるようにして守備は4-4-1になりました。ここまで概ねやりたい事をできていた中で一気に厳しい状況になってしまいましたが崩れたり混乱してる様子はないのでコンセントがしっかりしてる証拠なんでしょう。退場者を出してしまうと前線を削る事が多いんですが、大分は中盤を削ってできるだけ構造を変えないのも大きい気もします。

ヴェルディは数的同数でプレスに行くようになりましたけど、これでもプラスワンを確保してリスク管理ができますのでこれでいいと思います。ただ大分の選手がプレッシャーラインの背後でかつヴェルディの中盤の横でフリーになってパスコースを作る動きが上手いのでプレスを剥がされる事が結構あるので、寄せるかスペースを埋めるかの判断をしっかりさせたい所です。

ヴェルディは後ろで回してゲームを落ち着かせるようになりましたが、リードしてて数的優位なのでこれでもいいと思います。ゴールから逆算されてないパス回しはこのクラブで1兆回くらい観てるんですけど時間の浪費には効果的ですし、背後を狙ったりするモビリティがあるのでスペースができたらそこに使っていけばいいですからね。

守備も最終ラインには持たせて出し手に寄せるミドルプレスに切り替えてきたのでかなり安定してきました。これなら蹴って前線に収めてもらうかシンプルに背後を狙う事が多くなるので守りやすくなりますし、今やるべき事にアジャストできてるのはいいですね。

ヴェルディアタッキングサードまでは進めますけど無理にコンビネーション等で狭い所を突破しようとすると前向きで奪われてスムーズなカウンターを受けやすくなるのでクロスやミドルシュートが多いですけどこれでいいと思います。

45+1分に背後に抜け出した河村を香川が倒す形になりましたけど、これは羽田がカバーできる位置にいたのでSPAになります。大分としてはリスクを侵さないと得点が難しいのでヴェルディとしてはこういうのを見せていくのは大事になりますね。

序盤は大分の方がやりたい事ができてましたが、得点と退場者で一気に流れが変わる展開になりましたが、大分はできるだけ構造を変えずにやろうとするのは好感が持てます。

ヴェルディは序盤は4-4-2のギクシャク感や大分のプレス回避が良かった事もあり押し込まれましたけど(途中からは事前に4-1-2-3のような配置になってましたが)、得点と数的優位になってからは無理せず時間を使いながら相手を動かしてスペースができたらそこを使えばいいって位のゆとりを持ててるのは良かったと思います。

退場者が出てしまうと一方的になる事が大半な中、展開としてはそこまで変わらなかったのが良かったなと感じた前半。



後半、大分はロングフィードをCFの伊佐がサイドに流れて収める事が増えてきました。ヴェルディのハイプレスの影響もあるのもしれませんけど、守備の対応しやすくなりますのでこちらの方が良さげに見えますし、むしろハイプレスで蹴らせる事を目的にしてる印象もあります。

大分はそこまで積極的ではないにせよ最終ラインにまで寄せてくるので、そういう時はセーフティに蹴るので不用意なリスクを追わずにゲームを落ち着かせたい様子です。変に色気を出して高い位置でセットプレーを与えたりスペースを空けてしまったりするよりこちらの方がずっといいと思います。

ヴェルディとしてはもちろん追加点を取ってゲームを終わらせたいでしょうけど、是が非でも勝ち点3が欲しいですし、攻撃も相手が前向きでボールを持つ事が難しい中央〜ファーへのクロスが目立つのでそれよりも失点しない事に重点を置いてるように見えます。

50分の河村の決定機は谷口の持ち上がりでプレスを引き出してリリースした所からニアゾーンをとった形でしたが、繋いで前進するには必須のスキルなのでリスクはありますけどCBはこういうプレーはしっかり身につけておきたいですね。

しっかり押し込んでれば秩序を保った配置をとりやすいのでカウンタープレスも効いてますし、リカバリーパワーの意識も高そうです。

大分は繋ぐ時はサイドで密集を作ってできるだけ数的劣位を隠しながら細かく繋いでレイオフで前進しようとするようになりました。密集してる分カウンタープレスもやりやすいですし、判断としてはいいと思いますけどあまり慣れてないような印象を受けます。

ヴェルディは最終ラインには持たせるミドルプレスになりましたが、伊佐のケアはできてるので受け手について前進を阻めばいいと判断したのかなと。もちろん当初のゲームプランだったかもしれませんが、ハイプレスだと受け手をケアしきれおらず間を使われてしまうからなのかな?とも感じます。

ここまでの展開を観る限りゴールから逆算されてないポゼッションでボールを保持するカテナチオをしながら時間を進め、大分がジレてスペースができるのを待つ方が安定しそうですね。もちろん河村の献身的なプレスはチームを助けてくれてますけど総合的に観るとそちらの方がいいかなって感じです。

70分に伊佐と梅崎と町田→長沢と藤本と松尾へと交代。前線の選手はどうしても運動量が多くなるので当然ではあるんですけど、数的劣位の中でかなり引っ張った方だと思いますので、ここまで上手くいってると判断してたのかもしれません。

72分に加藤蓮→平へと交代。ロティーナ監督の時はSBをよくやってましたけどそれ以来位ですかね?

大分が前に人数をかければヴェルディは1つ飛ばすパスでスペースを使いながら手数をかけずに前進するので落ち着いてますね。群馬同樣中央が固いので本来ならもう少し中央を割る縦パスを入れたりミドルシュートを打ちたいんですけど、リードしてますから相手ボールにしない方がトータルではプラスになるのでこれでいいと思います。

ヴェルディはときより中央に縦パスを入れますけど、基本的にはサイドから前進してニアゾーンを狙いながらもUの字のパスからクロスを入れるのでかなり落ち着ついた展開でゲームが進みますが、ジレてる様子がないのでチームとして意図的にやってる様子です。勝ち点3を得るには堅実な方法ですし実際必要なので、意思統一をしてネガトラ対応ができてればこれで時間を浪費するのが一番得策だと思います。

81分に坂→高畑へと交代。左SBに入り香川が右SBへ移動。

ヴェルディはここまで平しか交代がないですけど、ボールホルダーに制限をかけたりネガトラ対応は安定してるので、動くとすれば守備固めか大分がもう少しリスクを追って前がかりになってきたら山田を入れるくらいかなと。

86分に斎藤と河村→綱島と山田へと交代。

大分が前線に人数をかけてくるようになりましたけど、ヴェルディは守備固めをする感じではないんですけどあまりやってませんし、やはりボールを保持して守るやり方の方が安定しそうですからね。

90+2分に香川→保田へと交代。

90+4分に中原と染野→山越と奈良輪へと交代。まあそういう事なんでしょう。

大分の放り込みを耐えきって終了。



最後に、4-4-2にまだ慣れてない事もあると思いますが、序盤はマークが噛み合うような形でビルドアップが中々上手くいかずに蹴らされるような形でしたし、ヴェルディのプレスをズラすようなポジショニングで中々プレスがハマらず押し込まれてましたが、得点と退場者が出た所からガラリと展開が変わりましたので数的同数のままならどうなったか?とは思いました。

先制後のヴェルディはプレスに行く構えるの判断にメリハリが出てきてボールを保持しながら無理をせず時間を使いながらスペースができたら刺すような形で安定してゲーム運びができてましたので、守備を固める形ではありませんでしたがリーグ最少失点チームらしかったなって印象です。今は何より結果が大事になりますので無駄にリスクを負わずに危険なシーンを作らせなかったのは良かったと思います。

もちろん追加点をとれればゲームを終わらせられたと思いますが、数的優位でリードした状況を長引かせれば大分はリスクを承知で前がかりにならざるを得ないのでそこでできたスペースを突けばいいゲーム運びならヴェルディとしては一番勝利に近づけますし、勝負強さに繋がるんじゃないかなと。

大分はプレス回避や配置を合わせる(合ってたのかもしれませんが)プレスが効いていて主導権を握れてましたし、数的劣位になっても引きこもるのではなく前線ではなく中盤を削ってプレス回避しながら前進したりシンプルにスペースを突いたりして構造を維持しながらゲーム運びをしてたのは素晴らしかったと思いますし、何で2巡目に入ってからあまり調子が上がってこないのがが不思議でしょうがないです。下平監督を言ってましたが、数的劣位でこれだけやれる経験は必ず今後に活きてくるでしょうね。


20221001 第37節アウェイ群馬戦

アウェイ群馬戦。ヴェルディは4-1-2-3で群馬は4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は、右SBの宮原が高い位置をとる3+1のビルドアップ。マテウスを組み込む時は奈良輪も上がりますので相手のプレス隊プラスワンの原則でやってる様子。この組み合わせで宮原を上げるのは珍しいですが、右WGの中原へのフィードがいつもより目立つので左SHの川本を押し下げる意味合いもありそうです。群馬が中央を締めてくるので森田に楔を入れて中央を警戒させてサイドに入れたり、プレスを引き出してWG目掛けてひっくり返すフィードを使い分けて前進していきます。非保持は群馬が比較的後ろにかける分2CFが寄せにいきづらいので稲見も加勢して制限をかけていきます。群馬は繋いで前進というよりプレスを引き出してひっくり返すのを狙ってるのでいつもよりセット気味なんだろうなと。

群馬の保持時は右SBの川上をハーフスペースに上げた3+2で後ろで回してヴェルディのプレスを引き出してCFの平松も狙いますけど基本的には早目にサイドに入れてきます。左サイドは左CFの高木がサポートしながら左SHの川本が突破をはかり、右サイドは右SBの川上が早目にハーフスペースを上がって右SHの佐藤をサポートするので左サイドはサイドから、右サイドカットインから逆サイドへのクロスが多いですね。非保持はバックパスにはGKまで追ってきますが、そうでない時は構えた所から全体を押し上げるように圧力をかけてくるミドルプレスなんですけど中央を締めながら外に追いやる形の練度が高いです。 

立ち上がりは群馬が出足よく寄せてきて押し込まれる展開。いつもよりトラップが大きくなったる印象ですが、プレッシャーなのかピッチ状態なのかはよくわかりません。

8分に横に揺さぶりながらポケットに差し込んでからのコンビネーションは綺麗に崩せたと思います。

染野が降りてきながら入ってきた楔を叩き、止まってる時はターンしてチャンスメイクする使い分けは安定感にも繋がりますのでここは続けていきたい所です。

まあまあ中央に楔を打ててはいるんですが群馬の中央が固いのでどうしてもサイドから前進する事になるんですけど、背後を狙いながら横に揺さぶる所はできてますので(とは言っても群馬は大外はくれてやる位ではあるんですが)後はセットさせる前にカウンターでシュートを打ったりミドルシュートを組み合わせてもいいかなって印象です。

群馬はゴールキック時にGKのすぐそばに右CBの酒井を置いて渡した後右DHの天笠や左CBの
城和に出してプレスを引き出して右サイドを空けて前進しようとする形が目立ちますが、川上を上げて前線に人数をかけてる分ここを使いたいんでしょうね。

ヴェルディは運ぶドリブルで陣形を歪ませる事はできてますが、群馬のDHの手前や脇で起点を作りたいようですけど群馬の選手はギリギリまで寄せてこないのでまずは中央にスペースを作らせない事を最優先させている様子。なので大外はとれますけど中を割るのが難しいですし、単純なクロスは跳ね返されるので角度をつけたりバックパスからアーリー気味に入れてもいいかなとは感じます。

群馬は基本的にセットしてスペースを埋めますけど、トラップミス等モタついた時には一気に襲いかかってくるのでここのメリハリが効いてますね。ヴェルディとしてはボールを保持して幅を使えてるんですけど群馬がのってこないので中々手立てが無い状況です。それと35分くらいからハイプレスというよりセットしたままジリジリと前に出てくるようになりました。

37分にGKの櫛引に染野が死角から寄せにいってあわやのシーンがありましたけど、外から勢いよく寄せて緩急をつけられたのは良かったですね。

ニアゾーンをとれたシーンも結構ありましたけど群馬がスペースを埋めながら奪えそうな時には一気に寄せてくるメリハリが効いた守備で中を割るのが難しかった印象です。

展開があまり変わらなかったので文量は少なめですが、お互いの狙いや意図がはっきり出ていて見応えのあった前半。



後半頭から長谷川→加藤蓮へと交代。中に入っていく為との事ですが、川上のケアに戻る必要もあるのでそこのケアの意味合いもあるのかもしれません。

後半の群馬は右CBの酒井を左に寄せてGKの櫛引を使って右サイドに展開する形も使うようになりました。後ろに人数をかけてる分ヴェルディのハイプレスをいなせると判断したのかなと。

ヴェルディはSBを上げた時に後ろがはっきり3バックの配置になり相手を拡げて中央を狙うようにしてきましたので、いつものように森田に前を向かせてゲームメイクさせたいんでしょうね。

ヴェルディはハイプレスはいいんですけど、数的劣位でも寄せにいって剥がされ中央から前進されるシーンがありましたが、ジレる必要は全くないので行く行かないの判断はブレないようにしたい所です。

森田が中央から運べるようになりましたけど、群馬は中央を締めながら受け手の所から行けばいいって感じで中々寄せてこないのでそこまで陣形に歪みを作れない状況。それなら運ぶドリブルで選手間に入っていきあわよくば突破を狙う位の方が良さげに見えます。

前半と比べると群馬は左SHの川本が絞るようになり、右サイドからや後方からのフィードから内側から突破を狙うようにしてきました。大槻監督は前半も右サイドからのフィードを受けさせようとしてましたからね。

ヴェルディは中央を使えるようにはなりましたけどブロックの内側を中々使えませんし、群馬は選手が被ってノッキングしたりしてるので膠着状態の守り合いのようになってますけど、お互い自分達のやり方を続けた方が良さげな展開。

59分に高木→武へと交代。

61分に奈良輪→綱島へと交代。左IHに入り稲見が左SBへ移動。

ヴェルディは押し込んではいるんですけど、もう少し深さをとる動きを入れて横のスライドだけでなくラインコントロールを強要させながら認知に負荷をかけてズレを作ってブロックの内側に入り込みたいなとは感じます。

お互いやり方は変えてませんが、中盤の選手が前に出ていく事が増えたのでリスクを承知した上で勝負に出てきた印象です。

70分に斉藤が天笠に突き飛ばされる格好になったんですが、気持ちはわかりますけどゲームを壊しかねませんし、何があろうが行為に出た方が完全に負けなのでアンガーマネジメントの所をしっかりやりたいですね。

お互い得点が欲しい分デュエルが激しくなってきましたし、特にヴェルディはリスクをとってるのでやむを得ない部分もあるんですんですけど荒れそうな展開ではあります。

80分に斎藤→河村へと交代。CFに入り染野が右IHへ移動。もう一度ハイプレスを巻き直すって感じなのかなと。

ヴェルディはファウルが増えてますけど、群馬が後ろではゆっくり持ちたがる所を狙ってる様子ですし、剥がされたらピンチになるのでこれでいいと思います。前に人数をかけてる分川上や川本がスペースで受けて仕掛ける事が増えたのでその前に奪いたいんですよね。

オープンな展開になってきましたが、ヴェルディはカウンターがそこまで上手くいってない印象なのでセットプレーも含めもったいないと感じる事が多いですね。

89分にヴェルディ森田と染野→平と佐川へと交代。パワープレーですね。群馬は風間と平松→内田と北川へと交代。

90分に川本→白石へと交代。交代回数を使いきってしまう形になりますけど逆に残しておいてよかったですね。

ヴェルディはシンプルに放り込むようになりましたが慣れてない事もあり少し雑な印象はあります。

前線に人数をかけますがゴールを割れずに終了。



最後に、帰陣も速く中央を締めてくる群馬のブロックの内側を中々割れなかったですね。前線に人数をかける所も少し足りなかったですし、パワープレーを含めいつ誰がどこに入っていくか?が整備しきれてなかった印象が強いです。それと焦りからなのか前半できていたサイドからの崩しができず攻撃が単調になってしまっていたので相手からすれば守りやすくなったとは思います。

群馬の守備が素晴らしかったのが大前提ではありますが、コーナーキックの回数が少なかったですし、決定機もほとんど作れませんでしたので無得点はやむ無しではあります。ただカウンタープレスや身体を張る所は引き続きでしきてましたのでここは続けていってほしいですね。

群馬は奪ったり後ろに人数をかけて回してサイドから突破をはかり、奪われたら前進を阻みながらの帰陣が速く中央を締める守備が効いてました。特に難しい事はやってないですけど個々の選手がやるべき事をしっかりやりながらハードワークを怠らないのでこの順位にいるんでしょうね。

20230924 第36節ホーム藤枝戦

ホーム藤枝戦。ヴェルディは4-1-2-3で藤枝は3-4-2-1でスタート。

ヴェルディの保持時は、左SBの加藤蓮が高い位置をとる3+1のビルドアップですが、森田がマンツーで捕まえられてるので最終ラインに降りてゲームメイクする事が多く、ロングフィードを交えながら空いた選手が運んでプレスを引き出しスペースを作って前進します。藤枝が基本マンツーなので運ぶドリブルで相手を引きつけ陣形を歪ませたり1つ剥がせるとチャンスになりますし、レイオフでマークを剥がす事もできてるので比較的スムーズに前進できてると思います。非保持はいつも通り4-4-2のハイプレスですけど、右DHの水野がアンカーのように残るのでそこへのコースを消しながらボールホルダーに寄せていき後ろは人を掴みにいきます。藤枝は流動的に動きますけどヴェルディは人基準で捕まえにいきます。

藤枝の保持時はCFが矢村なので背後を狙ってとれればそれでいいですし、そうでなくてもヴェルディのライン間を拡げてシャドーやDHに使わせれば良しって感じでJ2ではよく見る典型的な3-4-2-1って印象です。ビルドアップは右DHの水野がアンカーのようになりヴェルディのハイプレスを牽制しながら中央のシャドーに縦パスを打ち込むかロングフィードを使ってきます。前回対戦時は大木監督に近かったですけど今はザ・甲府!って感じではありますね。非保持はCFの矢村がアンカーの森田を見張ってシャドーが前に出てくる5-2-1-2のような形からボールサイドのWBが高めの位置で3列目の脇をカバーするようなハイプレスで後ろが人を掴んで連動するので、リスク管理をしながらもできるだけ前から寄せていきたいようです。ミドルプレスは前線3枚が並んで横山が中央、矢村とアンデルソンがサイドに出た所から寄せていき後ろは同樣に人を掴みにいき、セットすると5-4-1になります。

藤枝が勢いよくハイプレスにくる序盤戦。前線に人数をかけて押し込もうとしてくるのでライン間にスペースがありますけど藤枝の最終ラインはヴェルディとの数的同数を受け入れてるので人へのケアを優先させているように見えます。

ヴェルディがボールを持つようになってくると藤枝は5-4-1のミドルプレスになるので物理的に保持の時間は減りますけどまずはリスク管理からのようですね。2列目からプレスに行くとWBがそのスペースを埋め最終ラインスライドして対応する所はよく作り込まれてると思います。ヴェルディは最終ラインが持ってる時に背後を狙ったり降りたりして相手を引きつけられてるので出し所に困るようなシーンを見かけないですし、陣形が整ってる分カウンタープレスも効いてるので主導権を握れてます。

17分に中原の中央への斜めのパスを森田がスルーしてその先にいる斉藤からポケットでリターンを受けた森田がファーに流し込み先制点をします。3人が1列に並んだ所から中央が抜けたりズレたりしてスペースメイクするのはフットサルでよく見る形ですね。

19分に横パスをアンデルソンインターセプトされて無人のゴールを流し込まれて追いつかれます。こういうスタイルでやる以上ミスは起こりますので失点自体をどうこう言うつもりは全くないんですけど、詰まってる中で繋ぐのは少しリスキーだったかなと。

追いついた藤枝がヴェルディのプレスを引き出してスペースを作りながら前進し、アンデルソンや横山がタメを作って保持する時間を増やしてきましたけどこれが元々のスタイルですからね。

今節はSBが高い位置をとるより前にWGが絞り染野が降りたスペースを使う意識が高いように見えますので3バックの間や背後を狙っていこうって事なのかなと。

藤枝は縦に速くなったのもありますけどボールホルダーに追い越すサポートはほとんどしなくなったのでリスク管理を優先させているようです。前線の選手を引き抜かれたので収支が合わなくなったのかもしれませんが、後ろから人が湧き出してくるのをポジドラでやるようになったと言った方がいいかもしれません。

ヴェルディは味方が降りたり流れたりしたスペースに誰かが入って埋めて流動性を作りながらも秩序を保つ所はできてますけど、高い位置で奪われるシーンが多くなってきたもう少し慎重さがほしいですね。もちろん藤枝の出足がいいのもありますけど個で守れる安心感みたいなのがあるような印象もありますので

今週カウンターの練習に時間を割いたようですけど、狙える所で出せなかったりするシーンはありますね。このクラブはあまりカウンターが上手くないので一朝一夕にはいきませんけど擦り合わせていってほしい所です。

流動的でありながらも秩序を保ってスペースメイクした所から前進してチャンスを作れてましたし、カウンタープレスも効いてましたけど、高い位置で奪われるシーンがいくつかあり全体的に相手を引きつけるのはいいんですけどもう少し慎重さがほしかったですね。

ビルドアップでのミスはさておき実際失点後から少しバタつくような感じで連動性が落ちてボールを持たれてましたし、個で守れてた分ナメてたとまでは言いませんが、悪い意味で余裕を持ちすぎていた印象でしたのでもう少しリスペクトがほしかったかなと感じた前半。



後半、お互いハイプレスなのでロングボールを蹴り合う展開、いかに陣形をコンパクトにしてセカンドを拾う大会からスタート。

加藤蓮がペースダウンされた所から森田を経由して谷口が運んで相手を目線を引きつけてからハーフスペースの斉藤に縦パスを入れてターンし染野に渡してファーに流し込み勝ち越し点をとります。谷口が運びながら目線を引きつけた事と斉藤のファーストタッチで勝負ありだったかなと。

まだ早い時間帯なのでヴェルディはハイプレス志向は変わらないんですけど、ボールホルダーがオープンなのに追っていくシーンがあるので後ろが連動しきれず中盤にスペースができるようになり押し込まれるようになってきました。藤枝はアタッキングサードでは後ろから選手が出てくるのでヴェルディはそこを捕まえきれてないですね。

ビハインドになった藤枝が圧力を強めてくるのは当然なんですけど、ヴェルディは人を掴むかスペースを埋めるかが曖昧になってきたのでどちらでもいいので意思統一をしたい所です。中途半端が一番危ないですからね。

52分に平がファウルを受けて一旦ゲームが停まった所から落ち着いてきました。プレスにいくのは全然いいんですけど前半みたいに寄せにいく時は最低でも数的同数でいってほしい所です。

落ち着いてきたらまた前半と同じように空いた所からスムーズに前進できるようになってきましたので判断と意思統一の部分のズレからきてたようです。

56分のコーナーキックはスクリーンプレーで加藤蓮を完全にフリーにできたのでモノにしたかったですね…

中盤での攻防が激しくお互い人を掴むのでデュエル合戦になってきましたのでレイオフでプレスを剥がせた方が主導権を握れそうな展開です。

62分に水野→朝倉へと交代。左シャドーに入り横山が右DHへ移動。

64分に長谷川と加藤蓮→新井と林へと交代。林はアンカーに入り森田が左IH稲見が左SBへ移動。

ヴェルディロングフィードを染野に当てる事が増えてきましたが、繋ぐ蹴るのメリハリはいいと思うんですけど少しオープンな展開になってきました。

68分にコーナーキックをファーの手前に入れボレーシュートのようなパスにスルーを入れられたら防ぐのは難しいですね。その手前の非カウンター時に少しバタついたのがもったいなかったかなと。

ヴェルディは味方を探しながら保持するようになってきましたが、二度リードして追いつかれた影響もありそうな印象ですけど、藤枝がスライドより二度追いではっきり寄せるようにしてきたのも大きそうな感じです。

オープンな展開になってきましたけど、後ろから選手が出てくる連動性がいい分藤枝に押し込まれる事が増えてきて人を掴みきれないシーンが出てきましたので、プレスに行く行かない所を整理したいのとダメそうからはっきりセットした方が良さげに見えます。

78分に矢村と小笠原→永田と岩渕へと交代。岩渕は左シャドーに入りアンデルソンがCFへ移動。

ボールが行ったり来たりの展開ですが、ヴェルディが繋いで前進し藤枝が逆襲に転じるどちらに転ぶか?の展開。ヴェルディの方が安定はしてますけどホームランを打たれそうでもあります。

84分に斉藤と稲見→山田と綱島へと交代して3-4-3へ変更。マークの噛み合わせをはっきりさせたかったのかなと。

86分に榎本と西矢→田中と新井へと交代。

押し込めてはいるんですけどヴェルディは勝ち点3マストなのでミスや少し雑なプレーが増え精神的に余裕が無くなってきた印象ですが、リスク管理は怠らないようにしたいですね。

90+2分に平→北島へと交代。

前線に放り込むパワープレーをやりますけど慣れてない感満載でリスクとリターンの収支が合ってない印象です。

危ないシーンを作られる事もありましたが両チーム共得点を奪えずに終了。



最後に、藤枝のスライドがやや怪しかったのはありますが、空いた所を使って前進しチャンスメイクできてた中で先制できた理想的な展開でしたけど、余裕を持ちすぎたというかもう少し慎重さが欲しかったなとは感じました。

ダメージがある2失点だったのは間違いないと思いますが、二度リードして追いつかれた影響もありプレスに行く行かないとラインコントロールと連動性が曖昧になっていた所の修正は必須ですけど、精神的な余裕が無くなってきた中で攻撃面でミスや少し雑なプレーが出てきましたので今節はメンタル面の影響が大きかった印象です。

藤枝は深さを作りながらシャドーを起点にして縦に速い形が増え、リスク管理を優先させながらアタッキングサードでは今までのように後ろから選手が出てくる形を組み合わせてリニューアルしてきた印象です。非保持は慣れてないからか怪しいシーンはありましたけどマンツーで掴む所はしっかりしてたと思います。前回対戦はあっという間に先制できた事とボールより早く人が前に行ってしまっていたので参考にならないんですけど確実に変わってきてると思いますよ。

20230915 第35節アウェイ甲府戦

アウェイ甲府戦。ヴェルディは4-1-2-3で甲府は4-2-3-1でスタート。

ヴェルディの保持時は、甲府の2CFの背後で比較的3センターが受けられるので、中央で起点を作ってサイドへ展開して前進は比較的スムーズです。今節はサイドで起点を作ったらIHが背後を狙い、SBが上がってサポートするタイミングが速く、そこからグラウンダーやマイナスの速いクロスを入れてきます。ニアゾーンからポケットを狙うのを基本線としながらも大外からでも背後狙いながら速い攻撃も体現されてますね。非保持はハイプレスのなんですが、左DHの中村がCB間に降りて数的優位を作る時は中央を締めてサイドに誘導した所から寄せにいく形。セットすると人を掴む意識高めの4-4-2。

甲府の保持時は、左サイドに流れるクリスティアーノや三平を狙うロングフィードから収めたら時間を作って右SHの宮崎に展開して右SBの松田が絡んでチャンスメイクする形が基本線のようで、ハイプレスで奪った時も同じような振る舞いをします。ある程度寄せながらもヴェルディを引き出してクリスティアーノを起点に速く攻めきりたい様子。ビルドアップはCB間に左DHの中村が降りてSBを押し出す形ですが、SHが絞って中央3レーンで受け手を増やしてSBがサポートし手数をかけずに前進しようとする意識が高く、繋ぐ意識はそこまで高くなさそうな印象です。非保持はクリスティアーノと三平が並ぶ4-4-2なんですけど、2CFが寄せに行っても2列目がスペースを埋めるようにステイするので、ヴェルディにこの間を使われるシーンが目立ちます。しっかりセットすると中央を固く締めるのでこちらの方が守りやすそうに見えます。これは城福さんが監督をされてた時も同じでしたね。あの時はネガトラ時に前進を阻みながらブロック作るのが鬼のように早かったのを覚えてます。

最終ラインに寄せてきた甲府の2CFの背後で森田が中央で受けられる事が多く、スムーズに前進できていて、深さを作ってニアゾーンも使えてますので序盤からペースを握れてます。谷口が2CFの脇から持ち上がって陣形を歪ませての縦パスも効いてますね。

トランジションでもヴェルディが上回れてるので甲府にチャンスらしいチャンスは作られてません。ヴェルディはニアゾーンからポケットをとる所まではいけてますけどその先がもう1つ状態ではあるんですけどエリア内に2人は入れてはいますね。

10分過ぎから甲府はSHも前目に出て開いたCBに寄せるようになり、DHがヴェルディのIHを見張るようになりました。なのでヴェルディとしては空きがちになるSBやそこを見せておいてニアゾーンを使って前進したい所です。

SBが絞るとIHが大外に出てリスク管理をし、森田が上がると稲見が降りると形を変えながらもストラクチャーを維持する所は引き続きできてるんですけどポジション移動がスムーズになってきたように見えます。

甲府はフィードがメインなのでボール周辺に人はいるんですけど、収められそうになるとボールホルダーを追い越す分ここで奪われると隙がある印象なので、ヴェルディとしてはプレスも含めある程度前に来てもらえた方がやりやすそうな印象です。

ただ、最終ラインからのフィードをクリスティアーノや三平に収められると両SHが背後を狙うのでクリーンに繋がせてしまうと危険なので、甲府としてもある程度狙い通りではあるかなと。

バックパスを奪われれば相手は前向きでスムーズにカウンターへ移行できますので成功率は100%である必要がありますし、ここはしっかりやっていきたいですね。

25分過ぎくらいから甲府が連動して前から追ってくるようになり、プレスに引っかかるシーンが出てきましたが、楔を入れながら相手陣形を歪ませたり、レイオフで前向きの選手を作ったりしながらチャンスメイクしていきます。

32分に宮崎に振り切られて失点します。松田が幅をとった所は寄せられてたんですけど間を割られてしまうとファーへのシュートも警戒しなければいけないので難しいですからね。

甲府はバックパスには追ってきますけどセットするようになったので無理をせず隙あらば刺す感を強めてきました。この後アウェイメルボルン→アウェイ清水と連戦なので当然と言えば当然ですね。

ヴェルディとすればやり方を変える必要はないので変に焦って縦パスをインターセプトされたりするのは避けたいので、サイドから前進したりフィードでシンプルに背後を狙う事を増えてきました。まあ甲府のセットディフェンスが中を締めてくるのも大いにあるんですが

ヴェルディが保持して甲府が逆襲を狙う甲府のペースでゲームが進みます。前線も間に顔を出してるんですけど中央が固いですね。

甲府のプレスの背後で受けてスムーズに前進できていて、流動的に動きながらもストラクチャーは維持されてますし、縦パスも刺せてて連動性もスムーズになってきていてネガトラの反応もいいのでそう悪い印象はないんですけどワンチャンスをモノにされてされてしまった印象が強いです。

しっかりセットされた時に間に顔を出したり工夫は見えるんですけどとにかく中央が固かったですね。

スコアが動いて甲府がセットするようになってからわかりやすく主導権が入れ替わるあるあるな展開だった前半。



後半、頭から森田→新井へと交代。アクシデントがあったようなので起用するならここまでって事だったのかなと。左WGに入り長谷川が右IH斉藤がアンカーへ移動。

甲府はやり方を変えてませんが、ヴェルディもフィードで背後を狙いながらも後ろで繋いでプレスを引き出すので甲府の陣形を間延びさせていこうって事なのかなと。


52分に谷口の縦パスをハーフスペースで受けた新井が起点になり、背後に抜け出した染野がファーに決めて追いつきます。谷口が運びながら大外の加藤蓮を見て右SHの宮崎が寄せにいった所の矢印を折るような縦パスと、右SBの松田もそこにつられてハーフスペースにいる新井を離してしまってたんですけど、新井のポジション移動とそれに合わせて染野がポケットをとったのが良かったですね。

振り出しに戻ったんですけど甲府はセット気味の守備は変えませんので、こちらの方が上手くいってチャンスも作れそうって判断なのかなと。

ヴェルディとしたら思ったより甲府が出てこないからなのかミドルシュートが増えてきました。もちろん決められればそれでいいですし、相手を引き出す為にも有効ですからね。ただ無謀気味なのがいくつかあるのは気になりました。

ヴェルディマテウスが高い位置をとりビルドアップに参加しますが、足裏で持ってプレスを引き出すのは効果的だと思います。足裏で転がすように持って隙を見せるとセットしてる相手が結構寄せてくるんですよね。

62分に長谷川と加藤蓮→河村と綱島へと交代。河村はCF綱島は左IHに入り染野が右IH稲見が左SBへ移動。

ヴェルディは結構縦志向が強くなってきたのでリスク管理に稲見を最終ラインに入れたように見えます。それと甲府はサイドに出た所から寄せてくるので、SBの所でプレスを引き出して3センターがサポートしてプレスを剥がすようになってきました。

67分にクリスティアーノと三平→ウタカと武富へと交代。

甲府がハイプレスに変えてきたのでヴェルディとしては少し前進しやすくなってきました。

甲府の逆襲は強力なんですけど、プレスを剥がしたりひっくり返したりして前進できてますし、河村がプレスのスイッチを入れて守備も効いてますのでいい流れなんですけどねって展開が続きます。

72分に松本と宮崎→林田と鳥海へと交代。

速い攻撃が増えた事で河村と染野が横並びになるようになる形が増えて崩しやミドルシュートまで行けてますし、繋ぐ時もブロックの内側を使えてるので効果的な攻撃はできてるんですけどね…

80分に山越→千田へと交代。アクシデントのようですね。

甲府はボールを持たれてもジレないのでそうストレスは感じでなさそうな印象なので、おそらくカウンターで刺す方がやりやすいんでしょう。

85分に斉藤→奈良輪へと交代。左SBに入り稲見がアンカーへ移動。

オープンになってきましたのでどちらに転ぶかの展開ではあるんですけど、お互いにとってこちらの方が良さげではあります。

お互いチャンスは作れてますがゴールを割れずに終了。



最後に、ポジションチェンジをしながらも空いた所を埋めてストラクチャーを維持しながら2CFの背後から前進できてましたし、効果的な縦パスを刺しフィードを交えながら深さを作る所もしっかりしてました。トランジションの反応やしっかり相手に寄せて球際で闘う身体を張る所も継続できていたので勝ちたい試合ではありましたけど内容面では満足してます。

ただ、最後の所やセットプレーとカウンターはもう少し作り込んでほしいと思いましたけど、全体的にはまあこんな日もありますよって印象ですね。

甲府はプレスにきた時に2列目がスペースを埋める感じでしたので、ヴェルディに2CFの背後を使われてましたけど、セットしたときの強固なディフェンスはさすがでしたね。攻撃面も前線に当てて2列目がサポートして幅を使ったり、早い段階でSBが高い位置をとりSHが絞って起点を作る形はしっかり作り込まれていたと思います。