20190818 第28節ホーム山形戦

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相楽副審の復帰戦?となったホーム山形戦。ヴェルディは左右のSBが逆配置。

ヴェルディ保持時2-3-5非保持時河野が残って4-4-2。山形保持時3-2-5非保持時5-4-1。

序盤の山形は前線からプレスをかけてくるけどここの所のヴェルディの失点パターンからすれば定石なので当然かなと。


内田がインターセプトしながらレアンドロに当てて梶川に落としサイドの小池に渡して仕掛ける。相手の陣形が崩れていてスペースがあるので素早く前進していくいい形でした。7分にも似たような形があったのでこれも永井監督がやりたいプログレッションの1つなんでしょうね。

5分過ぎから山形の非保持時はリトリートになる。ヴェルディのビルドアップはWGが幅をとりSBが2ライン間まで上がったらWGが中に絞ってSBに大外レーンを渡し、佐藤が山形のCFDH間から展開して横幅を広く使って相手を揺さぶろうという共通理解はしっかりある様子。右サイドは理仁が大外、ハーフスペースに河野と晃樹が並んでのトライアングルを回転させて前進を試みるシーンがあったけどこれは即興かな。

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12分にジェフェルソンバイアーノが抜け出して上福元と1対1になった所は上福元はボールに対してチャレンジしていて先にボールに触れていますのでノーファウルの判定は正しいです。

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新ルールでは守備側のチームが3人以上で壁を作る時は、攻撃側のチームは壁から1m以上離れなくてはなりませんので壁に入る事はできませんが、このような形でGKの目線を遮るのは問題ないです。

繋ぎながら前進する分背後にスペースがあるのは当然なんですが、カウンターケアを含めたネガトラはまだまだ不安定。ジェフェルソンバイアーノの能力を誉めるべきだというのもあるんですけどね。

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気になってたんですが、山形は大外にはWB1人しかいないので、WGが絞るよりこのようにSBWGが大外IHがハーフスペースの方が前進しやすいと思うんですよね。SBが1人で大外ならまずIHに当ててから大外を使わないと相手に簡単に中を閉められてしまいますので。試合後の監督のコメントからするとWGが外に張って受けてそこから仕掛けるような印象なんですがどうなんでしょうか。

山形はハイプレスで引っ掛けるか(とはいってもダメそうなら撤退するのは早い)引いてブロックを作ってジェフェルソンバイアーノを使って逆襲という形はやり慣れてる様子だしいつも通りの形なんでしょうね。

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この場面、結果的にオフサイドになりましたが、落としのパスポート(レイオフ)からなので難しい所はあるんですがボールホルダーにプレッシャーがかかっておらずボールウォッチャーになっていて大外で山田がどフリーになってるのはにんともかんとも…(^_^;)非保持時にコースの限定やどこで奪うのか等の整備は引き続き取り組んでいってもらいましょう。

栃木戦と同じようにCFとIHで相手を真ん中にピン止めしてサイドを使う意図はあるんですが、相手を引き付ける事があまりできていないので佐藤からWGへのフィードからの仕掛け以外で中々効果的な形が作れない。出し手と受け手のタイミングが合ってないのでオフサイドが多いですが、WGが裏抜けで深さを作る意識が出てきてるのでここは前進かなと。


河野がワンタッチでレアンドロ戻してハーフスペースのライン間に進入してリターンを受けワンツースリーと繋いだシーン。こういうのヴェルディらしいですね。

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ヴェルディはボール保持率は高く相手を押し込む事はできてましたが中々シュートまでいけず、WGが深さをとりCFが降りるいつもの形なんですが、幅をとるのがWGなのかSBなのかの整理はもう少し必要かなと。山形はしっかり守ってジェフェルソンバイアーノを起点に逆襲に転じるとお互いの良さが出ていた前半



後半山形は縦一辺倒だけではなくサイドからのクロスも使ってきて攻め手を増やしてくる。山形はクロス時に必ず中に3人くらいは入ってるのでこのパターンを得意にしてるんでしょう。


内田が相手を引き付けてリリースした事で時間とスペースを作り奈良輪のダイレクトパスをライン間で梶川が受けて佐藤に落としてからの縦パスを晃樹がサイドに叩いてグラウンダークロス。大外からハーフスペースや中央を使って相手を寄せてからもう一度外といい崩しでした。こういうセットオフェンス(パターンプレー)を仕込んでいきその上で選手のインテリジェンスを生かせるようになればチャンスも増えてくるでしょう。

前半は大外がSB1人で中を閉められてましたが、梶川が外に流れる(パラレラ)ように修正。これなら奈良輪にはWBの半田がつく分梶川には中からついていかなくてはいけないので小池へのコースを開けられますし、梶川がサイド奥で受けられればクロスやカットインを狙っていくと。

右サイドは大外で理仁か晃樹が受けた時にもう1人が外から上がっていくようになる。形は違いますが大外のボールホルダーの前にも人がいる事で選択肢を増やすというのは共通してます。

5-4-1でセットされた時はサイドに入れて戻し逆サイドへ展開という今までの形と、CBに山形のWGが寄せてくればGKまで戻して相手を引っ張り出したスペースを使って前進する。少しずつチャンスメイクができるようになってきてると思います。

55分に大槻と河野の小競り合いがあった所から左右のWGを入れ替える。WGが積極的仕掛けてクロスを入れるように変えてきたんでしょう。

暑い分消耗するのも早いので65分くらいからややオープンになってくる。本来ならポジショナルプレーでは好ましくないんですが、効果的な崩しがそう多くはなかったので今日はこういう展開の方が良かったかもしれないですね。

67分小池→端戸へと交代。そのまま右WGに入る。

山形はWBが前線まで上がってくるようになる形は前半はありませんでしたが、点を取る為でもあるんでしょうけどボールを保持する時間を多くして休む意図もあるように見えます。

山形もさすがに疲れてきて非保持時に寄せる所や選手間が空いてきて中も使えるようになってきましたが、もう少し我慢して相手を振り回して疲弊させてからでもよかったかなと。守備の時間を減らしながら押し込んでカウンター時に長い距離を走らせる事もできますので

80分にレアンドロが左WGで河野が右WGで端戸がトップへとポジションを入れ替える。

レアンドロは普段は外に張って逆サイドからクロスがきそうな時や奈良輪が上がってきたらハーフスペースに絞るしほんと知性の高い選手だと思います。

86分河野→潮音へと交代。そのまま右WGに入る。

89分佐藤→澤井へと交代。右SBに入り理仁がアンカー。正直佐藤のアンカーは???ってなってましたが、起点になってボールをうまく回せてたと思います。

蒸し暑く疲労困憊な中では組織的にある程度崩れてしまうのはやむを得ない所はあるんですがヴェルディのリトリート時が6-4-0のようになったりする事もあるので非保持時の約束事の整理は必要ですね。

オープンな殴り合いのまま終了。

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オフサイドが多かったのは受け手と出し手のタイミングが合ってなかったというのはありますが深さを作る意識としては良かったかなと。後はシュート枠内シュートに繋がっていければ

最後に、現地で観てた印象よりも保持時の形の整理が進んでいて永井監督の言うプログレッションの片鱗がなんとなく見えてきたのは収穫だったと思いますが、もっと緩急の使い分けがはっきりしてくればいいかなと。ただ非保持時の不安定さはまだまだの様子。

現状中々結果がついてきませんが確実に前進はしているのでもう少し様子見といった所ですね。トップチームは何よりも結果が求められるというのは確かですが途中式も大事なので

20190811 第27節ホーム鹿児島戦

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黒と白って見やすい!と思ったホーム鹿児島戦。ヴェルディ保持時左SBの理仁が上がって3-2-5非保持時はボールサイドのWGが出て4-4-2。鹿児島保持時は左SBが上がって3-3-4非保持時はトップ下が出て4-4-2。

鹿児島は前節ヴェルディが修正した逆三角形に正三角形をあてる形なので中盤のマークがはっきりしている分中央を効果的に使っていけないので、後ろで廻してから相手を寄せてから右サイドでポツンと張ってる(アイソレーション)小池が突破するかSB裏で寛也が起点を作って前進していく事が多い。左利きで相手を引き付けられる理仁が左SBなのもこれが理由の1つなんでしょう。


小池からのマイナスクロスに合わせてニアに入っていくレアンドロと同じライン上に姜修一がいて、レアンドロがシュートすればGKが弾いた所に反応できるし、当たらなければ自分がシュート打てると。まだ回りと合わせるというのは難しい所はあるでしょうけどストライカーとしての資質を感じたシーンでした。

近藤は久しぶりの出場になったけど積極的に運んでレアンドロに当てて前進をさせてくれてるし新監督の戦術への適応は問題なさそう。

姜修一は梶川とレーン交換というよりは中に入っていくのが少し早い印象。ここはまだ擦り合わせが必要かな。

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8分に寛也が膝を痛めてしまい晃樹と交代。このように配置を代えてくる。非保持時は潮音が最終ラインまで降りる5-3-2に変更

この配置でも右サイドを起点に攻めていき、クロス時にはニアにレアンドロ中梶川ファー姜修一という形も同じなので特別やり方を変えてきた訳ではなさそう。

鹿児島はサイドチェンジで右サイドから攻めてくる形が多い。前回対戦した時もSBの裏を狙い所にしてたからね。

ヴェルディの非保持時はミドルプレスが主体の様子。前節裏をとられて失点していたのでその修正なんでしょうけど、誰が寄せてどこに誘導して奪うのかはまだ曖昧で整備はこれからといった所。鹿児島もハイプレスやりたい割には不安定なのでここはお互い様かと。

ボールを制限できてないので鹿児島に持たれてしまう時間帯が増えていく。ボールを奪わなければ攻撃できないし、ボールを保持するサッカーをやる為には非保持時の形や約束事がもっとしっかりしてないと難しいかなと。

それまで小池を使って前進していたんだけどWGが裏を狙う事が少なく深さをとれず、相手を広げられなくなっているのでスペースが無く保持時に中々前に進めなくなってくる事が多くなってくる。鹿児島は人につく傾向が高いのでWGとIHの関係性でSBの裏をとりやすいので効果的に使っていけたらなと。

姜修一が仕掛ける時は梶川が幅をとって押し込んだ時は奈良輪になる。SBが理仁の時も同じだったので事前に仕込んできた形なんでしょう。

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お互いにシュートが少なくボールポゼッションもほとんど互角。平均ポジションは途中で配置を変えたので選手の位置に関しては何とも言えませんがWGが幅と深さをとるというのはできてなかったかな。左サイドを使って右に展開したりレアンドロに当てて奈良輪に出してクロスがメイン。

鹿児島は右サイドで起点を作るので1トップの酒本も右に寄りがちで堤のフィードとDHがアンカー脇から配球してチャンスメイクをするといった所。

ボール支配率からしてもアタッキングサードに効果的に入っていったシーンは少なかった。

やりたい形は見えてきてるんだけど非保持時の不安定さがもったいないなと思った前半。



後半、右サイドから姜修一を狙って前進できたシーンはあったけど、酒本の中途半端なプレスを剥がして奈良輪が一気に前進できたように鹿児島も非保持時は不安定なので相手につけこめるのがどっちが先かというような展開。

55分に姜修一→佐藤へと交代。今日は中々持ち味を発揮できなかったけど、戦術理解や連携面は仕方ないし、ポテンシャルの高さは間違いない事を確認できてのは収穫かな。

この後、佐藤がタメを作って時間を作って押し込めたんだけど大外からのマイナスクロスは組織として共有されてきている様子。

57分に酒本に代えて前回対戦時に散々やられた韓優太が出てきたけどコンディションか何か問題あったのかな?

58分に低い位置で牛之濱に奪われ枝本に繋がれ失点。

これで元気になったというのもあるんだろうけど、鹿児島が前からプレスをかけてビルドアップのミスを狙ってくる。小池がWBのような位置にいるので3+1のビルドアップに鹿児島の2列目まででハメられてしまっていていたのでこういう時はIHがフォローした方がいいかなと。

中々崩す所まではいけないけど鹿児島は人につくので中盤以降ではパス廻しに叩いたりタメを作ったりして変化をつけたり、仕掛ける事で穴を開けられる確率が上がるので使っていけたらなと。

74分にカウンターからエリア内で韓が収めて左サイドに展開され牛之濱に決められる。

79分に理仁→河野へと交代。右WGに入り潮音が左WGで佐藤がアンカーとなる。佐藤がアンカーに入ってから最終ラインに降りてサポートしたら上がっていくのでビルドアップが安定してきたかな。

鹿児島の守備を崩せずしばしばカウンターを受ける場面があるけど2点リードしてる事もあって無理に攻めてこない。ボールの奪い所がはっきりしてないので奪えずに中々ボールが持てない。


85分、右大外に張った河野がカットインして左ハーフスペースを狙い、奈良輪→潮音と渡った時にポケットに移動してパスを受けマイナスクロスをレアンドロが合わせる。モビリティがあっていい崩しだったと思います。

2点のビハインドで中々ボールを持てなかったけど1点返した事で鹿児島のプレス強度が落ちた事で流れが傾いてきた。


続いて87分、佐藤が左サイドでフリーになってる奈良輪を見ながら運んでるので萱沼がパスコースに入り八反田は梶川を見張りにいった事で佐藤がフリーになってたのでシュートを選択して同点!スリッピーなピッチだったのでGK前でバウンドさせるのは効果的だし佐藤の判断と弾道が良かった。


90+1分、梶川のパスで小池が裏をとってからのマイナスクロスを弾いて浮いたボールを河野のダイレクトボレーで合わせて逆転!ふかさずに上手く抑えたシュートでした。

逆転された事で割りきった鹿児島が一気に圧力を強めてくるけどボールホルダーに寄せられてないのは変わらないし、押し込まれても陣形は安定してない、

90+3分、藤澤から萱沼と頭で繋いでからのクロスを上福元が弾いたこぼれを牛之濱がシュートしたのは近藤がブロックしたけど韓に押し込まれる。

ヴェルディも力ずくで押し込もうとするけど逆にカウンターで決定機を作られた後のゴールキックからの繋ぎは疲労もあれば技術や判断にもミスが出がちになるので無理をしない方がよかったかな…

PKが外れてそのまま終了。



最後に、非保持時に退いてスペースを埋めるのは前節から修正されてるけどボールホルダーの自由を奪う所はまだ難しい様子。リードした時のクロージングに関してはお互い様ではあるので。

それと裏をとったりインナーラップしてきたIHを使ったりして前線で深さと幅をとって違いを作ってた小池をSBに下げてから攻撃が上手く機能しなくなってきたので永田を入れるなりでWGから動かしたくなかったかなと。

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今日はこれだけシュート打てた事と何より河野が復調してきたのが一番の収穫ですかね。もっとできるはずなんで期待してます!

20190804 第26節アウェイ京都戦

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四審がボール持ってからやっぱり置いていったアウェイ京都戦。平と理仁、皓太と潮音のポジションが逆配置。

ヴェルディ保持時3-2-5非保持時4-4-2、京都保持時2-3-5非保持時4-5-1

京都は左SB片上げの3人でレアンドロと佐藤に対して数的優位を作りながらその背後に庄司を置いて2トップ間を締めさせて、もう1人出てくると庄司が降りてくる。WGの梶川なら近いんだけどIHの潮音だと下畠までの距離があるというもあるけど寄せきれずに前進される。

4分に福岡のバックパスをレアンドロがカットして下畠を引き付けてから小池に出したシーンがあったけど、繋ぐサッカーをやる以上こういうミスは起こりうるので主導権争いをしてる時間帯だという事からしてもシュートで終わっておきたかったな。

両チームともWGが幅をとって4バックをピン止めしてCFが降りる形と後ろからWG(小池やジュニーニョ)へロングフィードで前進する所は同じ。


ヴェルディは早速新ルールでのゴールキック。左右のCBがポケットにいてDHが真ん中でSBがサイドに張る。そこに京都の3トップと重廣がついてきたのでロングフィードを選択して佐藤が競り勝ち梶川へ落として中央に運んでから小池へのスルーパスで裏をとりレアンドロへという決定的なシーン。ゴールキック時に相手が食いついてくるという事は真ん中が空くのでそこから前進すればいいといういい判断でしたし、新ルールを上手く活用できていたと思います。

ヴェルディは非保持時に誰が寄せて誰がスペースを埋めるのかやラインコントロールがいまいち整理されておらず不安定なので京都にキーパス(プレッシャーラインを越えるパス)を通されて前進される事が多く押し込まれるし、奪っても京都の寄せが速いのでクリアボールも拾われてしまう。

16分、頭でのパスをジュニーニョに拾われて一美に渡され3人で囲んだ所からのシュートで失点して、17分にもパスミスジュニーニョに拾われて押し込まれてしまう。京都も序盤にあったように繋ぐサッカーをやる以上こういうリスクはあるのでミスにつめこめたか、つめこめなかったという所かな。

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この直後並びを変えて3-4-2-1に変更。後ろで廻してる時にライン間にいて不必要に降りてこないし、皓太が上がった時は一緒に佐藤も上がっていってビルドアップ時のバランスはとれてるんだけどパスミスから重廣に決定機を作られてた辺りからパス廻しが落ち着かなくなってくる。

本来並びを代える時は噛み合わせのいい所ろから前進(WBがフリーになりやすいのでここからアンカー脇をWGが使う)とかなんだけど5-4-1で守ると一美に対して5人がいるいびつな形になってるし、後ろ重心なので逆襲が難しいのとアンカーに誰も寄せられていないので自由に持たれてしまっている。

25分にここからのロングフィードで一美に裏をとられて失点。

点差がついた事で京都は無理に攻める必要がないので気持ちに余裕が出てくるし、反対にヴェルディは余裕が無くなってきているのがパス廻しにも表れるようになってきている。攻撃の起点やチャンスメイクをする理仁やボランチ(皓太への警戒が強い印象)を押さえられていてヴェルディは庄司や一美を押さえられていないという差もある。

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スタッツでのパス数にそんなに差は無いけど、プレーエリアで見てもほとんど後ろだったしチャンスも少なかった。平均ポジションも京都は当然高めでCFが深さWGが幅をとりその間にIHが入る綺麗な形でヴェルディは低めで場所に関しては途中でフォーメーションや配置を変えたので何とも言えない所があるので。

アタッキングサイドもここまで観た中での永井監督のゲームモデルからすれば中央が一番多いという事は無いと思うし、ミスにつけこめたかつけこめなかったかの差ではあるんだけど、それによるメンタル面の影響が大きかったかなという印象の前半。



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後半頭から栄直→澤井、平→内田と2枚代えで4-2-3-1に変更して京都の中盤の逆三角形に正三角形を合わせて庄司を梶川に見張らせるように修正したのはよかったんだけど安藤のフィードで宮吉に裏をとられて失点。ここも寄せるなら寄せてそうでないなら背後のスペースを埋めなければいけないし意思統一がとれてなかったかな。

ビルドアップの対策はしたけど非保持の不安定さはまだまだといった所で中盤で奪っても寄せが速く奪われてしまう。序盤京都の守備が固いという印象はあまり無かったけど2試合とも早い時間帯で点差がついて余裕がある状態なので非保持時の強度はよくわからない。京都の攻撃は無理に攻める必要がないので廻してチャンスがあればという感じ。

ビルドアップは中々進めないので左右のCBやボランチから逆サイドの佐藤や小池を狙って前進というケースが目立つ

62分にレアンドロ→端戸へと交代してそのままトップに入る。この3連戦ずっとスタメンだったからね。

ボールが持てない事が多かったのでレアンドロの良さが中々出なかったけど追い回せる端戸になった事でプレスがかかるようになってきたんだけど、愛媛戦でもレアンドロはコースを切りながら寄せる事はやっていたけど後ろが連動できてなかったんだよね。

端戸が裏抜けをする事で深さを作って陣形を広げられるようになってきてからボールが持てるようになってきた。後ろから持ち上がって真ん中に楔を入れてサイドへ展開してから中だったりSBのインナーラップも以前からやっている形だけど中々繋げられない。それと内田は相手を引き付けてリリースという所は頑張ろう

京都の起点を潰すプレーは徹底してていいと思うんだけど後ろ向きでもプレスをかける分ファウルになるのは気になる所。保持率が高いから機会が少ないというのもあるんだろうけど反則ポイントが6位なのでカードが多い訳でもなさそう(ちなみにヴェルディは1位)

結局後半にシュートを打てないまま終了。



最後に、4試合目のチームとキャンプからゲームモデルを作ってるチームの組織強度が同じ訳ないのでそこはいいんですけど、非保持時が不安定だったのが大きかったかなと。序盤の決定機を決めてれば勝てたかと聞かれても( ̄~ ̄;)となるので

クラブが掲げるフィロソフィーである繋ぐサッカーをやる上で避けて通れないビルドアップのミスで2点とられたのは仕方がないで割りきるしかないですし(クライフもこういう時は相手を拍手で讃えればいいと言ってる位なので)メンタル面でグラつくと肝心のパス廻しにも影響が出てしまうので選手達も気持ちを切り替えてやってほしいなと。

永井監督がやろうとしてる事はいい方向性に行ってると思いますしまだまだ作りかけのチームではこういう事もあると思いますよ。

ユースも非保持時が不安定な所があったのは事実ですが、監督のコメントからしても守備を無視してる訳ではないようなのでもう少し見ていけたらいいなと。ただもちろん目の前の試合に集中して全力で勝利を目指すというのは絶対条件ですけどね。

20190731 第25節アウェイ栃木戦

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アウェイ栃木戦。栃木もヴェルディも3-4-2-1

栃木保持時3-1-4-2で非保持時5-4-1ヴェルディは保持時3-2-5で非保持時5-4-1

栃木はハイプレスで最終ラインにも圧力もかけてくるけどヴェルディボールで落ち着くと自陣側のセンターサークル端くらいをプレッシングラインにしての5-4-1かなり深く守ってくる。保持時はヘニキ目掛けて蹴ってセカンドを拾ってクロスという形が多く、ロングボールがくる時は前目にポジションをとってきてやり方としては去年のアウェイ戦とよく似ている。

右サイドで落としのパスを合図に裏抜けするキャンプからやっていた形で澤井のシュートまでいけたけど相手が前からきてる時は素早く裏を狙うのは効果的なので使っていきたい所。

栃木の守備が固いのでWBに入れて戻しまた逆サイドに入れて戻しと揺さぶりはかけるけど栃木のWBがしっかり寄せてきて進めない。裏を狙うシーンはあるんだけど中々合わないからというのもあるのかもしれないけど数が少ないので相手を間延びさせられない。WBでも勿論いいんだけどネガトラの事を考えるとWGにやってもらう方がいいかな

しっかし栃木のダブルボランチは運んで引き付けても中々前に出てこないのでライン間を広げられずレアンドロが生かせない。多分、ヘニキや荒井を引っ張り出してその裏のスペースでレアンドロを起点にしようというのが当初のゲームプランだったんじゃないかなと。それなら低い位置で持ってる時に裏抜けが目立たなかった事と辻褄が合うので。

相手の背後をとれずに前で受ける事が多いので中々進めないんだけど、田村も平も運んで相手を引き付けてからリリースするのは意識してやってくれている。最終ラインがミスをしたらあっという間にシュートチャンスまでもっていかれるので当然恐怖感はあるだろうけど、これをやらないとボールを保持するサッカーはできないし、仮にミスから失点したとしてもチャレンジした結果の失敗なら仕方ない。そもそもそうなったらそうなったで2点取ればいいので

HV(ハーフバック。3バックの左右のCBの事)から逆サイドWBへサイドチェンジで揺さぶったりそこからWGがサイド奥に流れるパラレラはあるんだけどブロックの内側に入っていけずシュートまでもっていけない。

相手の最終ラインがペナルティエリアより後ろなら尚更だけど、押し込んでアタッキングサードに入っていった時はラインを押し下げる意味でもコースが空いた時にミドルシュートを打っていってもいいんじゃないかなと。シュートが無ければ相手もラインを上げる事に怖さを感じない分安定して守れてしまうので。

CFとWGが正三角形からCFが降りた時にWGが裏を狙ってとCFが深さをとらない時はWGがとるという所はもう少し整理が必要かなと。

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スタッツからしてもボールは保持してるけど中々チャンスを作れなかったし、平均ポジションもWBが幅はとれてるけど前3人が横並びで深さがとれてないので相手を間延びされられずスペースが作れなかった。栃木は保持したら手早く敵陣に入れてくるので全体的に高めでヘニキをターゲットにしてその回りでセカンドを拾うという形

栃木の方がチャンスはあったけど全体的にシュート数が少なく、相手を引っ張り出す出されないの我慢比べのようだった前半。



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後半頭から内田→小池に交代して4-3-3に変更。噛み合わせでアンカーが浮いたポジションになるので配球役にして栃木のダブルボランチの裏にインサイドハーフを配置して起点を作ったり、シャドーを内側にピン止めしてWGとSBで数的優位を作るという事なんじゃないかと

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このシーン。監督が指示してますが、ボールを前進させる為にボールホルダーに複数のパスコースを提供する事を目的として三角形を作るんですが、横並びで後ろに底辺を作る形では相手も出し手受け手が視野に入るので寄せられて進めないので前線が底辺になるような形の方がいいですね。

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こういう感じ

中に楔を入れて戻しを受けてから外を使ったり、WGに入れてSBがインナーラップやWGが絞ってSBが幅をとる形で前進したり裏をとるプレーもあって前半よりも押し込めるようになってきたけど60分過ぎからハイプレスで奪われて逆襲を受けるシーンが2つあった事でメンタル面で楽になったのか栃木の選手がまた頑張れるようになってきた。

67分に田村→潮音へと交代。左IHに入り理仁がCBでアンカーが皓太になる。

前半でも書きましたがレアンドロが降りてきた時にIHが裏を狙うつるべのような形が作れれば相手を間延びさせられるので効果的なんだけどまだそこまでは難しいという印象。

相変わらず運んでいってダブルボランチを引っ張り出そうとするんだけど徹底して出てこない。その分理仁が自由に持てるんだけど今まで大分ボランチの裏を狙われてきたんだろうね。ほんと固いのでシンプルに裏を狙う形もあるんだけどスペースが狭い事もあって上手く繋がらない。

80分、レアンドロ→端戸へと交代。そのままトップに入る。

栃木は蒸し暑い中で散々守備で動かされてる事もあるんだろうけどしっかり守って攻撃は平岡のスピードに託すといった所。西谷を生かすにもヴェルディの攻撃が右サイドが多いので押し込まれて位置が低い分カウンターを仕掛けるのが難しかったので平岡をトップにしたのは正解だったかなと。

焦りもあるんだろうけど真ん中に選手が密集して奪われる事が多くなってきたので逆襲を受けるシーンが目立つようになる。選手を斜め後ろに層を作るような配置にできればネガトラが安定すると思うんだけどここもこれからかな。


ゴールを奪う為にリスクをかけて上福元もフィールドプレイヤーのような振る舞いだったけど負けてるのならともかくスコアレスではちょっとやり過ぎかな(^^;

このままスコアレスで終了。

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1000本に届きそうなパス数で上位10人が全員ヴェルディの選手と圧倒的にボールは保持してるんだけど中々シュートまではいけなかった。



最後に、ボールを保持して圧倒するというのを体現できてた部分はありましたが深さを作る所とネガトラが課題だったかなと。もちろん栃木の守備を誉めるべきではあるんですが。

まだ3戦目なので何とも言えない所も多いのでもう少し見守っていきましょうという感じですかね。

次節からは新ルールが適用されますが、京都も繋いでいくチームなのでお互いにゴールキックのやり方は変えていくんぞゃないかと思ってますがどうなるのか

20190727 第24節ホーム町田戦

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ホーム町田戦。ヴェルディは理人物と李栄直が逆配置。

ヴェルディ保持時3-2-5非保持時5-4-1。町田保持時3-3-4非保持時4-4-2

やはり町田は前線からプレスをかけてくる。ヴェルディの3バックに対してボールサイドのSHが前に出てくるし、上福元がビルドアップに参加した時は両SHで数を合わせてプレスをかけてきた時にはSBが連動してDHの脇を埋めてくる。前節程時間に余裕が無い中からのビルドアップになるので中々進めず押し込まれる時間帯が続く。後ろから繋いでいくので高い位置で奪われてピンチになる事もあるけどここはお互いのゲームモデルで真っ向勝負といった所。潮音がしっかり真ん中にいたのは前節から修正されててよかったと思う。

町田の保持時は以前のような繋いでワンサイドアタックというよりはロングボールで陣地回復からの競り合いでセカンドボールを拾ったりプレッシングで奪ってからショートカウンターに繋げる形の方が多い。

小池がプレスを剥がしてレアンドロから広いサイドに展開して前進できたし、この直後にもレアンドロの落としを受けた皓太からのサイドチェンジで寛也がシュートまでいけたので狭い所を突破できれば大きなスペースがあるのでここまでもっていきたい。

ゲームが落ち着いてきてからはサイドから進んで詰まったら戻して逆サイドへ展開していくようになる。上福元やCB陣に迷いが無かったので事前に仕込んでおいたゲームプランなんでしょう。


ゴールキックオフサイドはないので、レアンドロの立ち位置からしても町田の陣形を間延びさせようという狙いなんでしょう。

左サイドで片寄せして右に展開して小池の質的優位を生かす意図はあるんだけど押し込まれるとCBの脇に降りてきて前線に居れない事もあって中々うまくいってないけど、SBを引き付けてからのダイレクトパスでその裏を寛也が使う形は機能している。

32分、理仁が1列上がってアンカーになって4-3-3(永井監督の言う4-4-2)に変更。町田の2トップのプレスは上福元とCBの3人で数的優位が作れるし、アンカーがいる事で中を閉めざるを得ないので栄直と平が時間的に余裕が持てるし、SHがプレスにくる分SBにはSBがプレスにくるのでその裏をWGが狙う事でビルドアップからの前進を安定させようという事なのかなと。

最終ラインからのロングボール1本でSB裏を狙ったり、左サイドでも永田が大外で起点になってSBを引き付けてその裏を佐藤が使う形が出てきた中でのクロスがオウンゴールを誘発する。

42分にレアンドロのサイドチェンジを土居に奪われて森村に渡しスルーパスを富樫に通されて打たれたシュートを小池が掻き出す。1点を取る事と防ぐ事の価値は同じなのでありがたい!

先制できた事で落ち着いて廻せるようになってきたので相手を動かしながらプレスが緩ければそこから前進していこうといった様子。

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スタッツに関してはボール支配率が高いとカウンターでチャンスを作られるのはあるあるなんだけど陣地回復から押し込まれてる事が多かったので平均ポジションは逆転してる。レアンドロが降りていて「CFはスペースだ」は体現できてるんだけど町田が最終ラインを上げてライン間をしっかり閉じていたので前向きで仕掛けたり捌いたりできたシーンはほぼ作れなかった。

ボールは持っていたけどチャンスが中々作れず町田ペースだった中で点が取れたといった前半。



後半も町田はロングボールからセカンドを拾ったりハイプレスからのショートカウンター狙いは継続。


上福元からの質の高いロングフィードで寛也が裏に抜け出して相手を引き付けてからスルーパスで皓太に渡し、ここでもタメてから潮音へのマイナスクロスで決定機。町田がハイプレスにくる分裏に広大なスペースがあるのでロングフィードで盤面をひっくり返すのはとても有効なので効果的に使っていきたい。相手が警戒してプレスが緩むようならビルドアップが楽になるので

前半から大外で受けて町田のSBを引き付けて裏を使うプレーはあったけど、そこに理仁も絡んでレアンドロがライン間で前を向けるシーンが出てきた。

前半はボールの質や押し込まれてた事もあって中々小池が高い位置で受けられなかったけど、最終ラインからのロングフィードを小池が受けてSBを引っ張り出して寛也が裏をとる形も出てきた。SBの裏狙いはここまで継続してやっていたけど、カバーをする為に嫌でもCBがサイドに引っ張り出されてゴール前を薄くできるのであえて右サイドから攻めて屈強な深津にゴール前からいなくなってもらおうという意図があるのかもしれないね。小池の質的優位を生かす事もできるので

ここの所急激に暑くなったので町田も疲れてきてきたんだろうけど、プレスが遅くなってきたので奪った後敵陣までボールを運べでプレーできる時間が増えてきた。


相手の視野に入らない逆サイドの大外から入ってくると捕まえづらいのでフリーで受けやすいし、これがワイドストライカーの役割の1つなんじゃないかなと。

62分にレアンドロ→晃樹へと交代してそのままトップに入る。

晃樹が左SBの下坂の裏を使う事が多いし、ここはチームとしての狙いのよう。

65分、立て続けに佐藤→梶川へと交代。そのまま左WGに入る。

町田のロングボールを起点にしての攻撃とヴェルディの奪ってからSBの裏狙いの応酬がしばらく続く。

75分過ぎくらいから町田のプレスがあまりかからなくなってきたので自由にボールを持てるようになったのでサイドを攻めて詰まったら戻してからのサイドチェンジで更に町田を揺さぶっていく。

85分に理仁→奈良輪へと交代。右SBに入り小池が右WG、皓太がアンカーで寛也が右IHとなる。

リードしてて残り時間も少ないので押し込みながらも無理をする必要はないので戻しながらボールを保持して時間を使いにいくプランなんだろうけど引っ掛かって逆襲を受けるシーンもある。それでも後ろが粘り強く対応しているしこの時間でもしっかり相手に寄せられている。

90+4分、右サイドの平尾からのクロスを岡田が触る前に間一髪奈良輪がクリアする。この試合一番の非決定機だったのでこのプレーの意味は大きい。奈良輪ありがとう!

町田の猛攻を堪えて終了。



最後に、MFを真ん中のCBで起用するのはバルセロナマスチェラーノバイエルンのシャビアロンソで見た事はありますが(両方とも監督はグアルディオラ)まさか理仁が真ん中とは思わなかったです。もちろん2DHに通せれば一番いいけど戻しを受けて逆サイドに展開という形は意図的にやっていたので、小池の質的優位を生かす為に左利きの理仁が真ん中だったのかなと。右利きの選手が右サイドに展開するには身体を大きく開かなければいけないのでモーションがわかりやすく相手のスライドが始まってしまってスペースを消されてしまうから左利きを起用したかったのかなと。

町田の守備がタイトなので大外を起点にして数的優位を作ってSB裏から突破と相手を見てプレーができていたし、辛抱強く振り回して空いたら中を使っていくというゲームプランは遂行できていたんじゃないかなと。危ないシーンは作られていたけどしっかり寄せて自由を奪う事はできていたし終止インテンシティを保ててたのは凄く良かったと思います。

満足いく内容ではないでしょうけどやりたい事の形はある程度体現できていますし、連勝していい雰囲気の中で修正していけるのは大きいので進んでいきましょう。

次節は地上戦が難しい可能性があるので少しやり方を変えてくるかもしれませんね

20190720 第23節ホーム愛媛戦

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ホーム愛媛戦。ヴェルディは潮音がアンカーで寛也が右IH、愛媛はシャドーが逆配置

ヴェルディ保持時2-3-5非保持時4-5-1か4-4-2、愛媛保持時3-2-5非保持時5-4-1

ヴェルディの保持時はCFが深さ、WGが幅をとる。WGが大外ならSBはインナーラップで、WGがカットインした時はSBが幅といった所。スペースがある時はロングボールも使っているので徹底的に繋ぎ倒してビルドアップという訳でもなさそう。非保持時はミドルプレスで待ち構える形。愛媛がロングボールが多いのでその対策なのかどうかはなんとも言えない。コーナーキックの守備はゾーン継続

愛媛は後ろで廻してからのロングボールでSB裏やサイドに片寄せさせて逆サイドとヴェルディを引っ張ってスペースを空けさせた所から前進といった所。非保持時は序盤こそハイプレスだったけど基本的には中盤でブロックを作る。

ヴェルディは左サイドは梶川が高い位置を取りそこを起点にして、そこからカットインした時に永田が大外を上がってきてくる。相手の出方によって自分で仕掛けるかレアンドロや永田を使うかという所で、右サイドは河野が大外に張って寛也がハーフスペースを上がったり小池がインナーラップしてレアンドロや寛也とのコンビネーションやクロスといった所。

ボールをリリースするのが早くて受け手が時間とスペースを得られなかったり、降りてきて後ろの人数過多になったりと前に運べない進めないという所はまだまだ。人数が多いと縦方向へのコースが減るので横パスが多くなり、インターセプトされてしまうと出し手受け手の両方が置いていかれてしまうし、相手の裏ではなく正面で受けると相手は敵陣を向いて守備ができる分奪われた時に素早いカウンターを受けてしまう。これは監督云々ではなく以前からずっとある問題なんだけど永井監督がやろうとしてるサッカーはここを乗り越えないと体現できないので平と潮音はもう少し頑張ろう。

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このシーンも後ろに人数が多いので縦方向に進められるコースが少なく前に進めないのでレアンドロがだいぶ降りてきている。こうなっているとゴールを奪う所から逆算する形を作るのは難しくなってしまうしゴールから遠い分相手も怖くない。

19分、GKの岡本のキックミスをレアンドロが受けて運び寛也のリクエスト通りのパスだったんだけどそのまま流れてしまったのはレアンドロもマジ?ってなるよね(^^;寛也も謝ってたけどまあ味方も敵もビックリしたというのはあるんだろうけど

27分から潮音と皓太がポジションチェンジ。永井監督曰く皓太の方が正しい位置を理解していると。実際無駄にボールに近寄ってはいなかったので。

ボールを保持して繋ぐんだけど中々進めず奪われてカウンターを受けるシーンが続く。

32分。エリア脇で吉田からボールを奪った皓太が永田→平→皓太と繋いだ所を長沼に奪い返されてクロスを藤本に合わせられて失点

37分に潮音→晃樹へと交代。そのまま左IHに入る。

39分、エリア脇からのフリーキックを山崎が頭で合わせたのを上福元がセーブしたんだけどそのこぼれをユトリッチに押し込まれてしまう。

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東京ヴェルディ客員教授の動画解説にもありますが、位置的優位(永井監督の言う正しい位置もおそらく同じ意味だと思います)は相手の裏でキーパス(プレッシャーラインを超えるパスの事)を引き出せる所にいる事で、ボールホルダーが相手を引き付けてからリリースをすれば誰かがフリーで受けられて時間とスペースを前線に渡していけるのでボールに近寄り過ぎない事が大事になります。近すぎると当然相手も寄ってくるのでスペースが無くなって進めなくなってしまうので。


栄直が運んで相手を引き付けてライン間の晃樹から大外の梶川に渡してレアンドロのワンタッチでインナーラップしてきた永田を狙った崩し。決定機を多く作り出す為にも相手を引き付けてからのパスと相手の裏をとってボールを引き出す位置的優位性を生かしていきたい。

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スタッツからしてもヴェルディはボールを保持するけど進めずカウンターを受ける事が多く、平均ポジションでも押し込む前の形になってる。愛媛は長沼が高い位置を取って攻撃をする形が多くアタッキングサイドも右に片寄ってたし、失点もここからだった。

カウンターを受ける事が多く、ボールを保持するというより持たされていて愛媛ペースの前半。



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後半頭から河野→理仁へと交代して3-4- 2-1に変更。保持時3-2-5非保持時5-4-1。前に運びながら相手を引き付けてリリースできる理仁を右CBに入れた事でビルドアップが安定してきたのて高い位置で相手を押し込めるようになってきたし、レアンドロが前を向いてボールを持てるシーンが増えてきた。決定力はもちろんだけどポストプレーの際にも広いサイドに散らしてくれるので前進が楽になるし本来こういう使い方をしていきたい。


この流れでの50分、ショートコーナーから皓太のクロスがユトリッチに当たったのは田中にクリアされるもそのこぼれを小池が押し込む。チームトップスコアラーをSBに置かなきゃいけないこの状況何とかなりませんかね?

レアンドロは収めて展開してくれる事で前進できるので理仁は積極的に当てていく事が多い。畠中もそうだったけど

決定機を作る所までそんなにいける訳ではないけど前半に比べたら相手の裏に入る事で位置的優位を作れて保持時の形はかなり良くなった。


63分、コーナーキックをクリアされたボールを拾い皓太からのパス。受けた栄直がターンして近藤を剥がしてフリーの平に渡した時にはレアンドロはCB間の裏に走りだしていたのでここへのドンピシャクロスをレアンドロが叩き込む。クロスの質も良かったし、レアンドロに前を向かせて仕事してもらえばやはりスペシャルな能力を発揮してくれる。

押し込む事でクリアボールを拾えるようになって波状攻撃をかけられるようになったし、攻守に渡ってアグレッシブになってきた。


この流れから68分、理仁がレアンドロに当てた所からのパス廻しで皓太のシュートを岡本がファーに弾いたボールを永田が押し込んで逆転!ゴール前でフリーの小池へパスだ!いやっ!オフサイドになっちゃうから自分で打とうって感じだったのかな?

70分過ぎから愛媛にボールを持たれる事が増えてきたけど、しっかりブロックを作って対応して保持した時は無理して進まずにゆっくり廻す予定なんだろうけど、高い位置で奪われてカウンターを受ける事が多くなってきて愛媛に主導権を奪われ押し込まれてしまう。去年岐阜戦でやられたようなボールを繋ぐだけのなんちゃってポゼッション(グアルディオラが嫌うティキタカってやつですね)で時間を浪費するやり方もあるのでここはボールを渡さず相手の心を折りにいく位のつもりでやっていってほしいかなと。相手がリスクを負って前がかりになったり、陣形を崩していたりすれば空いたスペースから追加点を狙うというのが理想ではあるんだけど。

82分にレアンドロ→陵平へと交代。レアンドロは違和感があるような感じだったけど何も無ければいいんだけど。もう少し時間を絞った方がいいのかな

90分に小池がインターセプトした所から寛也を経由して晃樹に渡しての絶好のカウンターを外してしまったのはゲームを終わらせるという意味でもったいないなかった…

残り時間猛攻を耐えて終了。

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最終的にはチャンスはほぼ互角になったね。



最後に、ヴェルディの長年の課題である

・ボールを保持したいのに降り過ぎるのを含めボールに近寄りすぎたり、ボールをリリースするのが早く前線に時間とスペースを渡せずビルドアップが詰まってしまう事

・スムーズなカウンターを受けて一気に置いていかれてしまう事。

・みすみすボールを手放して相手に主導権を渡してしまったり守備時に人任せというか寄せが緩い時がある事

これらは誰が監督の時でも起きているので意識して改善していかないといけないですね。

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永井監督「潮音は理解しようとして、やろうとすればするほど、身体よりも頭が固まってしまっている感じに見えました。」

というコメントがあるように、アトさんが指摘してた事と一致してますし、理論より感性でプレーしてしまうというかそういう所はあると思います。ちょっとこれは手強いかもしれませんね



20190714 第22節アウェイ金沢戦

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アウェイ金沢戦。ヴェルディは陵平と端戸が横並びで佐藤がトップ下の3-4-1-2

ヴェルディ保持時3-2-5で非保持時5-2-3。金沢保持時で3-2-4-1非保持時4-4-2。

序盤は金沢が前からプレスをかけてきたのでライン間の陵平にロングボールを入れて裏やボランチに落とす形が目立ったけど5分過ぎくらいから金沢が前から来なくなったのでビルドアップでの前進をするようになる。ホワイト監督の前半は満足してるというのは相手が前から来るか来ないかでの攻撃の使い分けができていた事なんでしょう。


潮音→永田→端戸→陵平と繋いで潮音がポケットに進入したシーン。裏抜けでこの位置がとれた時は相手のバランスが崩れてる事が多いので、ローボールでGKCB間かマイナスクロスの方がいいかなと。ハイクロスだと時間がかかる分相手に戻る時間を与えてしまうので。

保持時は左は陵平が長谷川の裏に流れてボールを受けたり、潮音と永田に佐藤。右は晃樹と小池と佐藤や端戸のコンビネーションで沼田の裏を狙う形が基本線のよう。

金沢は奪ったら前に当ててサイドに散らしたりスペースがあればどんどんアタックしてきてあまり手数をかけずに左サイドからの仕掛けが多い。前回対戦の時はヴェルディが左で廻して右から突破を多用していた(前回は4-3-3で小池が右WG)ので小池対策でもあるんじゃないかと。

非保持時のヴェルディは5-2-3というか5-2-1-2といった時が多くてスペースが多く、個で奪い返せる事はあるけど組織としてのネガトラ(ネガティブトランジションの略で攻→守への切り替えの事)はほとんど機能してない。20分過ぎからネガトラ時に間延びした3-2-3-2のようになってるので空いてるスペースからシュートまでもっていかれるシーンが増えてくる。

コンビネーションで崩していくのはいいんだけど崩しきろうと難しくやろうとしないでサイドの突破とか相手を外したりするモビリティを生かしながらシンプルにプレーするだけでもかなり違うとしての思うんだけどね。

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スタッツはボールは持ててもフィニッシュまでいけずに逆襲を食らう展開だったというのがそのまま出ていた。

平均ポジションは金沢はカウンターが多い分落としのボールを拾ったり前線までの中継役として全体的に中央から左サイドに選手が寄り、ヴェルディはほぼ保持時の形。

アタッキングサイドは金沢は徹底して左からと小池を自陣に押し込めながら選手の特性を生かすゲームプランのよう。ヴェルディは持ててもブロックの内側に中々入り込めなかった。

持たせてカウンターとヤンツーさんの思惑通りの展開になったと言ってもいい展開だった前半。



後半頭から金沢は小松→山根へと交代、2トップの右に入る。ツインタワーからスピードやアジリティで勝負といった所なんでしょう。

金沢が前からプレスに来るので端戸や陵平にロングボールを入れる事が多い。相手がハイプレスかミドルプレスかで使い分けができていた所はよかったと思う。

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後半早々、敵陣で奪われた時に永田が高い位置をとっている分左SHの金子とマッチアップするのが晃樹になっていたんだけど、ボールを持ってる山根を見なきゃいけないのでこれだとどうしても追いかける形になってしまう。奪われ方もあるけどこうなってしまうと厳しい。

49分、沼田からのロークロスが逆サイドに抜けたボールを長谷川が受け、晃樹を剥がしてサイドをえぐられGKCB間へのクロスを上福元が弾いた所を山根に押し込まれる。

ここからハイプレスを受けて前に進めず低い位置で奪われカウンターを受けるシーンが増えてきてブロックも曖昧で金沢の縦パスがスコンスコン入るので決定機を作られてしまう。

54分若狭→田村へと交代。ポジションはそのまま右CBに入る。


サイドに流れた垣田を栄直に任せポジションを入れ替えて中央のカバーに田村が入る。カバーリングカバーリング(ペルムータ)がしっかりできていたのは◎

ボールを持っても足元で繋ぐ事が多くて中々進めず、ミスで奪われてカウンターを受けるという悪循環が続く。

65分くらいに左サイド片寄せから落としのパスで裏を狙うキャンプから取り組んでた形が出てきてようやく進められるシーンが出てくる。やっぱり事前に仕込んである形なら迷いなくプレーできる分速度が上がるのでこういうプレーは織り混ぜていきたいかなと。

69分、晃樹→梶川へと交代。そのままDHに入る。

73分に垣田→クルーニーと電柱の交換


途中出場の梶川からの縦パスやスルーパスでチャンスが作れてきた中での74分、中盤3人のパス廻しから永田へ渡して突破からのクロスを陵平が決めて同点!ファーに流れてからニアに寄ってまたファーへと動いて廣井を剥がしてフリーな状態を作り出してシュートと上手いプレーだったと思う。ここまでシンプルに仕掛けてからのクロスってあまり無かったし、こういうプレーの方が中も合わせやすいので増やしていきたい。

追いついて息を吹き返すかと思ったけど間延びした状態からカウンターを受けセカンドボールも拾われ波状攻撃にさらされる。前後での意思疎通が合ってない印象。

80分に佐藤→皓太へと交代。

状況は全然変わらず奪ってもカウンターにいけないし、守備に追われる事が多いので足が止まってきた。中日に天皇杯があった影響もあるかもしれないんだけど

オープンな展開の中で金沢に再三決定機を作られるけど枠にいかないので助かってる。最後のカウンターにいく所で笛を吹かれたのは金沢からしたら不満だろうけどおそらく入らなかったんじゃないかなと(^^;

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ヤンツーさんが勝ち点2を失ったというのは偽らざる本音だし、このスタッツとプレーエリアで勝ち点取れたのはある意味凄い事かなと(^^;



最後に、攻撃は相手がハイプレスの時は2ライン間の2トップにロングボールを入れてプレスを回避してミドルプレスの時は後ろで数的優位を作ってビルドアップと使い分けをする意識があった事は収穫かな。運べない進めない問題は依然としてあるけどこれを解決する方法の1つである事は確かなので

ただ、奪われ方もあるけどいかんせんネガトラ対応がにんともかんとも………というのはあるけど相手に寄せて身体を投げ出すという所はできていたかなと。

ティーナ監督はきっちり型や枠にはめ込むやり方だったので原理原則に加えてこういう時はこうするといった詳細な説明書を渡していたので形になるのは早かったけど想定外の事が起きるとバタつく事があったし(大分戦で5-3-2で守ってた所で大分のDHが3の横に広がってサイドからボコられてた時にイバンコーチの指示でとりあえず5-4-1にしてハーフタイムまで堪えた事がありました)、ホワイト監督のように自主性を重んじるやり方だと監督と選手で描いている絵にズレが生じてしまうといった所は少しずつ少しずつ進めていくしかないと思います。こういう所は一朝一夕にはいかないでしょうし