20230503 第13節ホーム磐田戦

ホーム磐田戦。ヴェルディは4-1-2-3で磐田は4-2-3-1でスタート。

ヴェルディの保持時は、左SBの深澤を高い位置に上げ綱島が少し下がった3+2のビルドアップ。アンカーの加藤弘堅から展開する事も多いんですが、サイドに張る深澤やバスケスに当ててピッチを広く使いながら隙を窺う形のよう。本来ならそれをしながらインサイドレーンをビルドアップの出口にしたいんですが強度を落とすと中央を抜かれてしまいそうなので難しいですね。

非保持は、マリオと竜士が並ぶ4-4-2のハイプレスなんですが、インテンシティは十分ありミスを誘えてるシーンもあるんですけど、磐田がビルドアップに人数をかける事もあって剥がされてスペースを使われてる事も多めなんですが、最近この傾向が多く見られるのでヴェルディ対策なのかもしれません。まあ磐田の選手は個々のスキルが高いのも大いにあるんですけどね。ただセットするとコースを限定して最低でも前進させない守備はできてるのでチャンスらしいチャンスはそうそう与えてませんしネガトラの反応もいいと思います。

磐田の保持時は、左SBの松原が高めの位置をとり右SBが2DHと同じ位の高さまで上げる2+3のビルドアップで2列目も結構低めまで降りてきます。そこからサイドへのフィードで起点を作ってヴェルディの選手がプレスに行った所のスペースを使って前進し、サイドからのクロスがメインのよう。ポゼッション時はサイドで手数をかけますけど綺麗に崩しきるというよりクロスに逆サイドSBが入ってきたり押し下げてミドルを打つのが多いように見えます。後半は中央突破を狙うようになりましたので相手を見て使い分けてるのかなと。

非保持は、CFの後藤とトップ下の山田が並び4-1-3-2のようなハイプレス。出し手には2CFやSH寄せていきますが、後ろは一旦構えてから受け手を掴みにくる形なのでアンカー番をつける形ではないんですけどトップ下のようなポジショニングをとる竜士には左DHの山本が見張る形のよう。

前節もそうでしたが、今節は竜士が前に出て晃樹が左サイドに張る4-4-2〜4-2-3-1感がはっきりしてるように見えます。

早速コーナーキックを得たんですが、磐田はマンツーマンなんですけど人につききれてないように見えます。これがセットプレーでの失点が多い理由の1つなんでしょうか

鈴木海音のクリアに竜士が頭からいくようなシーンがありましたが、闘う気持ちが前面に出てるのは素晴らしい事なんですけど自らを危険に晒す事もファウルの対象になるのでそこは気をつけてほしい所です。

落ち着かない展開が続きますが磐田のミスを誘うプレスはできていると思います。

7分くらいからようやく落ち着いてきました。磐田が保持する時間が多いですがプレスをひっくり返すのが狙いなのか最終ラインで廻す事が多めです。体格に恵まれてるのもありますが後藤のポストプレーが効いてますね。

前線のプレスで選択肢を限定しきれないとサイドで起点を作られたり、プレスで空いた中央のスペースを使われて前進されてしまうので整備されてはいますけどもう少し精度を詰めてほしい所ではあります。まあ磐田のスキルが高いのも大いにあるんですけど上でやりたいなら必要になってきますからね。

磐田はフィードやポストプレーのサポートが速く整備されてますが、立ち上がりやセットプレーの守備が課題と言われてるようですけどそのまま現れてる印象です。

ヴェルディはビルドアップがいまいち上手くいってないので前線に蹴る事も多いんですが磐田は万全の準備ができてますし、マリオや竜士のような背後抜けタイプを効果的に使えてないので攻撃が形にならないシーンが多いんですが、ボールホルダーにしっかり寄せて時間と選択肢を奪いながら身体を張る所はできてるのでまずは無失点でっていうのもありそうです。前述したように磐田の個々のスキルが高い事もありアフターやバックチャージでファウルが多くなってるのはあるんですけどね。

実際磐田が保持する時間帯が長いですし、ミドルシュートは打たれてますけど見た目程危ないシーンは作られてませんし、良くはないけど悪くもない展開が続きますけどヴェルディはボールが持てずにストレスを溜めてるように見えないのはいいと思います。

ただ奪っても味方を探しながらになるので攻撃の形を作れず再度奪われて押し込まれるのはやむを得ない部分もありますけど、デザインされた形で奪えるようにしたいですね。

組み立て時に竜士が深い所まで降りてくる事が多いんですが、ボールホルダーがフリーで持てるオン状態の時でも降りてくるのは気になります。こういう時はライン間くらいにいてほしいなと。

42分から晃樹と綱島がポジションを入れ替えました。組み立てがにんともかんとも状態なのでそこのテコ入れなのかと思ったら戻りました。現状組み立てとチャンスメイクをどうするか?が大きな課題になってますのでどうしていくか

ビルドアップの出口を作りチャンスメイクをしていく所は正直にんともかんともでしたが、プレスを剥がされてスペースを使われてた所以外はボールホルダーに寄せて時間と選択肢を奪いながら身体を張る守備は安定してたと思います。実際磐田はシュート9本でゴール期待値が0.48でヴェルディは5本で1.67でしたからね。

守備は安定してますしボールを持てない事にストレスを感じてる印象が無かったのは良かったんですけど、組み立てとチャンスメイクをどうしていくかが大きな課題だと感じた前半。



後半頭から竜士→阪野へと交代。CFに入りマリオが左WG晃樹が竜士がやってたトップ下へ移動。ボールの前進のテコ入れかもしれませんが予定通りだったかもしれません。

2CFのプレスかけ方が1人は中盤又は逆サイドの選手へのコースを切り、もう1人が2人の選手の間に立って両方を見張りながら構えて中盤がマークについたらコースを切りながらボールホルダーに寄せるようにしてきました。前半は勢いよくプレスには行ってましたけど剥がされ背後のスペースを使われていたのでその修正なんだと思います。

この修正でプレスがハマるようになったので高い位置で奪い返せるようになり主導権を握れるようになってきました。

それとSBを経由して加藤弘堅展開にボールが入りやすくなった事と、展開より捌く事が多くなったのでビルドアップが安定してきて、阪野が降りて叩いてから展開してスムーズにチャンスメイクができるようになってきたように見えます。まあ磐田も奪ったらあまり手数をかけずに前進するのでオープン気味になってきたのもあると思います。それと磐田は中央突破が多くなってきたので密集を作ってチャンスメイクするのも中央になりました。

52分に後藤→ジャーメインへと交代。磐田はCFがほとんどいないですし大事に至らなければいいのですが…

晃樹が降りて組み立てに参加するようになってヴェルディのパス廻しにテンポが出てきました。やはりこちらの方が本人もやりやすそうですかアタッカーを活かしやすくする所との兼ね合いもあるので難しい所です。まあ本来得意としているポジションやタスクの方がやりやすいのはどの選手でも同じですし、実際皆活き活きとプレーするようになりましたからね。

スペースを見つけて入り込んで受け前向きに仕掛けるシーンがかなり多くなってきましたけど、適材適所ももちろんありますが磐田の出足が少し鈍くなってきたようにも感じます。

66分にヴェルディ加藤弘堅→加藤蓮。磐田は山本と鹿沼へと交代。加藤蓮は右IHに入り晃樹がアンカーへ移動。加藤弘堅の役割を晃樹、晃樹の役割を加藤蓮が担う形のよう

後半になって見違えるようにパフォーマンスが上がってきましたけど、オープンな展開になってきたのもありそうですけど前半はゼロで抑えて後半勝負のゲームプランだったんだろうなって印象ですね。

75分にマリオ→北島へと交代。右IHに入り加藤蓮が左WGへ移動。やはりマリオはサイドの方が活きますね。

竜士→晃樹→北島のポジションはトップ下とはちと違いますし役割としてはインサイドハーフの方が近いんですけど何て呼んだらいいんですかね?

かなりオープンな展開になってきましたが、後半は運んでチャンスメイクする所までは上手くいってるのでヴェルディからすると収支マイナスになりそうではあります。

83分に上原と松本→古川と吉長へと交代。オープンな展開になってきたのでサイドを突破してチャンスメイクしようって事なのかなと。

交代で磐田のプレス強度が上がってきたのでヴェルディのビルドアップが上手くいかなくなってきました。やはり磐田の出足が遅れてた影響もあったかなと。

87分に深澤→山田へと交代。右IHに入り加藤蓮が左SB北島が左WGへ移動。

磐田のプレス強度が上がったのでまた前進に苦労するようになりましたが、奪った後出し所を探して囲まれるシーンがほとんど無くなりましたし、中盤が降りてサポートする事でプレスを剥がしてインサイドレーンでビルドアップの出口を作れるようになってきました。

オープンな殴り合いでしたがお互い得点を取れないまま終了。



最後に、前半はプレスがハマらずスペースを渡したりしてましたが後半はプレスのかけ方を修正できてましたし、セットディフェンスはボールホルダーに制限をかけられてましたし身体を張る所はしっかりしてたと思いますが、ビルドアップがにんともかんとも状態だったのをどう改善していくか?が課題ですね。

台所事情もあって前半耐えて磐田のプレス強度が少し落ちてくる後半勝負のプランだったのかもしれませんので何とも言えない部分はありますが、インテンシティはもちろんプレス耐性やデュエル強度と引き換えにはできないので難しい所ですね。

ゴール期待値はヴェルディが1.96で磐田が0.93なので後半は磐田の方が決定機を作れてたようですし、ボールを持って主導権は握れてたけど…というのもありますのでアタッカーにクリーンに持たせられないと難しい部分はあるかなと。怪我人が戻ってくればある程度改善するとは思うんですけどそれまでどうしていくかは悩ましいでしょうね。

磐田はサイドへのフィードで起点を作ったり、中央から運んで密集を作り厚みのある攻撃ができていたと思いますが、セットディフェンスと何よりセットプレーでマンツーで捕まえきれてないのは気になりました。