20211009 第33節ホーム岡山戦

ホーム岡山戦。ヴェルディは4-1-2-3で岡山4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は、岡山の前線2枚か、アンカー番をつけて1枚かどうかで深澤や佐藤優平が立ち位置を変えてるようです。岡山のSHがプレスに行ったスペースをIHが流れて使ってチャンスメイクをしていく形。今節のCFは偽ではなく真9番タイプの戸島なので、降りるよりもCB間にいてライン間を味方に使わせようとしている様子。

岡山の保持時は、ハイ~ミドルプレスで奪ってからのショートカウンターとCF(基本的に山本)が収めた落としを上門やSHが拾ってサイドからクロスが基本線。単純に大外からのクロスだけでなく、えぐってからも狙えるようにしてます。ビルドアップでは両SBをヴェルディの2CFの横に置き喜山がアンカーのようになるか、両SBを押し上げて喜山が降りてくる形。レイオフで前進する事が多く、こちらもあまり時間をかけずに攻めきりたいようです。

ヴェルディの非保持時はいつも通り4-4-2。岡山はロングフィードが多いのでGKやCBへの寄せには強くいかないですね。岡山はサイドから前進しようとしますが寄せの強度がいまいちなのであまり制限をかけられるようになってない所は相変わらず(^^;)

岡山の非保持時は、ハイプレス時はアンカーのマークを喜山に渡し、セットする時は山本が見張ります。ただ前線は数的不利なのであまり強くは出てきません。

ンドカからのバッグパスを受けた柴崎が少しタメて山本を引きつけスペースを作ってから佐藤優平に出した事で若狭をフリーにしたプレーがよかったですね。もちろんリスクがありますけど、味方のビルドアップを助けるいい判断だったと思います。こうなると左SHの徳元が深澤と若狹の両方を見る必要があるので、若狭に寄せられずに前進しやすくなります。

竜士がSH-SB間で受けて起点を作ったりとビルドアップは良くなってきました。

2分に低い位置で深澤が奪われたシーンがありましたが、岡山は4-4-2ですからボールを持ったらSHが縦切りで寄せてくるので、まず優平さんを見てダメそうならンドカが空くはずなのでここの優先順位を整理していけたらなと。

岡山の守備が前から行くのか行かないのかがはっきりしてなかったり2DHの脇のスペースをIHが使える事もあって4-4-2と4-3-3の噛み合わせのズレを活かして優勢に試合を進められてます。

非保持時にボールホルダーに寄せる強度がいまいちなのも相変わらずですね…

岡山は奪えそうな時はしっかり寄せてきますけど、あまり回数がないからなのか、ヴェルディの選手はかなりプレッシャーを感じているようで、ミスからカウンターを受けるシーンが結構ありますね。

解説の佐藤も指摘してましたけど、戸島がパウリーニョへのコースを消しながらGKやCBに寄せにいってましたが、これなら実質1人で2人に制限をかけられるのでいいプレーでしたね。ちなみにパスコースを切りながら寄せにいくプレーをカバーシャドウと言います。

岡山はボールを支配下に置いてない状態の時はきっちり寄せてくるので、ただ蹴るようなシーンもあるんですが、オープン気味の展開だと岡山の土俵で戦うようになってしまうので避けたいですね。

佐藤優平が2CFを引きつけさせてサイドから前進し(寄せてこなければ優平さんが前を向けばので)、理仁が右SHの石毛をピン止めしたスペースを佐藤優平が受け、喜山が寄せにきた背後で梶川が受けて前進し、戸島がCBを引っ張って空けたライン間で理仁からのパスを大雅が落としてシュートと冨安が言う

「まずは全選手が、今、誰がフリーなのかを感じる必要がある。相手のシステムをしっかりと判断材料に持って、システムがこうだから誰がフリーになると共有しないといけない。それが分かった上で、どうボールを動かすか、ボールを持っていくかというのを全選手が共有しないといけない。」

ができていたいい崩しでした。

ただあんまり数が多くないんですけどね(^^;)

飲水タイム後はヴェルディロングフィードが増えましたが、サイドの竜士に入れる事が多く、収められればそれでいいしSBが跳ね返せばDH脇で梶川が回収する形。ここまであまりWGを活かせてなかったのでその修正してきたようです。中盤での数的優位を活かせてたのでもっとWGに背後を狙わせてラインを下げさせたいですね。

岡山に前向きで奪われ押し込まれる事が増えてきました。岡山は前向きの選手を使ったり前向きで奪う所はよく整備されてますね。

ヴェルディが最終ラインやGKの寄せにいくようになったんですけどロングフィードでひっくり返されてライン間を使われているので、寄せに行く行かないが全体で共有されてないように見えます。

35分の失点は石毛を誉めるべきなんですが、ここも寄せきれてないんですよね…

岡山の選手の前で受ける事が多いので、相手からすれば迷いなく寄せられる分潰されるように事が増えてきました。岡山のプレス強度が上がったんですけど、ヴェルディの中盤が前に行き過ぎていて繋げなくなってきてるんですよね。縦に速い攻撃の形でポゼッションをしようとするので回りに味方がおらず繋げないみたいになってます。

大雅のクロスに小池が合わせた決定機もカウンターからでしたので、バーティカルな攻撃の方がやりやすそうではあるんですが、「今速攻か遅攻か?」をチーム全体で共有して揃えていきたいですね。

ただ、戸島が降りてきてWGが背後を狙うシーンが増えたのはいいと思います。戸島に収めてもらったりクロスを入れる形がほとんど無かったので、CFのタイプによってもう少し柔軟に対応ができるといいかなと。

序盤は空けたスペースを使って前進できてましたけど、岡山に前向きで奪われるようになってからは押し込まれる展開になりました。岡山はどう守ってどう奪いどう攻撃したいかがはっきりしていて組織力の差を感じた前半。



後半頭から深澤→晃樹へと交代。右からも起点を作っていきたいって事なんでしょうか。

岡山は変わらずボールを保持して前を向いてる時は縦を切り、そうでない時はしっかり寄せて自由と選択肢を奪う所がはっきりしてますね。岡山は中盤で奪ってカウンターとロングフィードで起点を作ってくるので前半と展開は変わりません。

晃樹が中盤に絞り3-2のビルドアップになりましたが、SBが絞った時は岡山のDHが出てくるのでここの対応がいいですね。ただビルドアップは安定してきました。

相手を動かした背後を使おうとしてるんですけど、そこでパスや判断のミスで奪われたり、判断してる間に囲まれたりしてて中々前進できません。まあ岡山の判断が速いのでその影響が大きそうではありますが

ボールは保持してますが持たされてるって感じで町田戦と似たような展開になってますね…

60分の得点はクイックリスタートで岡山の陣形な整ってない所から若狭の縦パスを大雅がライン間でフリックして晃樹に出し上手く抜け出せました。得点自体は事故ではあるんですが、大雅と晃樹の閃きとそこに戸島が詰めていたからこそ押し込めた訳ですからね。

得点すると元気になってしっかり寄せに行けるのでメンタル面の影響が大きそうな印象です。

岡山がまた前から出てくるようになりましたが、そうしたら出てきた背後を使っていきます。スムーズに移行できてるので今節のゲームプランなんでしょう。

64分の失点は上門を誉めるべきなんですが、梶川と徳元の接触の所でセルフジャッジしてプレーを止めてしまってましたからね…ファウルがどうかは審判が判断しますんで笛が鳴るまでプレーを辞めないのは徹底してほしい所です。

65分に山本→川本へと交代。得点したから代えたって訳ではなさそうですが

IHからのレイオフを晃樹が受けたり、戸島が降りてくるタイミングが良くなってきたので、後もう1つって感じになってきました。

73分に戸島と梶川と竜士→佐藤凌我と山下と新井へと交代。小池が左IHへ移動して山下が右WG新井が左WGに入りました。おもいっきり推進力を足してきました。

小池はIHというよりCFのような位置なので、高い位置をとらせたいようです。仕掛ける選手が増えた事でかなり活性化してきました。

75分に徳元とパウリーニョ→濱田と木村へと交代。最終ラインを増やして5-4-1にしてきました。推進力が上がってきたのでセットするように変えてきたようですが、ベタ引きする訳ではなくある程度制限をかけてきます。守備には自信持ってるようですからね。

途中交代で入った選手達はやってやる!って感じなんですけど、できれば最初からお願いしたい所です(^^;)

岡山が後ろ重心になったので運びやすくなりましたが、ここからが大変なんですよね。新井がチャンスメイクして崩せそうなシーンはあるんですが

83分の山下のクロスに宮崎は一度後ろで手を組んでたんですけど、その後に腕を広げているので「手や腕を用いて競技者の体を不自然に大きくした」プレーに該当しますのでハンドリングでPKが妥当だったかなと。

85分にンドカ→福村へと交代。もう時間が無いのでンドカは前線に残りパワープレー要員をしていたんですけど代えるんですか…

佐藤優平から展開してからクロスを入れるのも新潟戦と同じなんですが…まあアーリークロスで背後を狙うのもありますけどね。

福村と理仁が交錯してましたけど、守備の約束事がはっきりしてない事が原因になってるんですよね。

90+2分に上門→斉藤へと交代。

ブロックを崩せず、岡山に上手く時間を使われて終了。



最後に、岡山は相手に寄せに行く行かない所やカウンターとサイドからのクロスで攻めきる所がよく整備されてますし、組織力の差を感じました。堀監督はそうやり方を変えてないので実質3年目の監督同士の対戦なんですが…

相手を動かして背後のスペースを突く形は準備してきたんでしょうし、ここは機能してたんですけどチーム内で速攻か遅攻かの判断がちぐはぐだったので中々チャンスを作れてなかったですね。

来季の為にあまりいじらないのかもしれないんですが、ここまで面白そうなアイデアも出てたので、もう少し堀監督の色を出してもいいと思うんですがどうなんでしょうか。