20211016 第34節アウェイ北九州戦

相変わらず小林監督のインタビューは質が高いなーと思ったアウェイ北九州戦。ヴェルディは左CBに加藤が入り若狭が右SBの4-1-2-3で北九州は4-4-2でスタート

ヴェルディの保持時は2CF脇のサイドから前進し、IHが大外に流れてくるか(こちらの方が多いです)WGが降りて起点を作る形。若狭を偽SBにして左SHの斧澤にポジションを守るか若狭につくかの選択肢を突きつけながら守備の安定化を図ろうとする意図もありそうです。サイドチェンジやバックパスからWGに背後を狙わせたり縦横の揺さぶりも意識してやっている様子。

北九州の保持時は、SHに仕掛けさせたりスペースに走らせたりして奥からや中をエグってからのマイナスクロスが基本線。SHとは限りませんがここの狙いがはっきりしてる分選手達に迷いがないですし、さすが小林監督って印象。ハイプレスからのショートカウンター狙いもあるでしょうけど、セットした所から奪って背後を狙う意図の方が強い印象があります。ただ縦だけでなくサイドチェンジからチャンスメイクする形もあります。

ヴェルディの非保持時はいつも通り4-4-2なんですが、ハイプレス時は佐藤優平も加勢して4-3-3になってGKや後ろに残ってるSBへプレスをかけていくようにしてきました。最終ラインに時間を与えるとSHやCFを走らせてくるのでその対応なんじゃないかなと。若狭をSBにしたのは斧澤対策なんでしょう。

北九州の非保持時は、ハイプレス時はCBに2CFが寄せていき、SBにはSHがつく定石通りの形なんですけど、アンカーを見張るよりも根性でスライドするって印象。セットしたら綺麗な4-4-2から奪って背後を狙う形。

北九州のハイプレスは根性で走る部分があるので序盤から動かされてますが、どこまでが想定内なのかはわかりません。

堀監督も試合中にメモとるんですね。インプレー中ではないので何かを見逃す事はないと思いますが

アンカーとサイド(左は理仁右は大雅が多いです)を使いながら前進できる分安定したボール保持がしやすくなっていて、ポケットへ打ち込むのが勝負のパスのようですけど仕掛けてたり侵入した時も選手同士の意図がいまいち噛み合ってない様子。

北九州はサイドからマイナスクロスを基本線としながらGK-CB間。狙ったり攻撃に迷いがないので一撃で刺せそうな感じがあります。

ヴェルディがボールを保持し、北九州が縦に速い攻撃で刺しにいく展開が続いてますが、4-1-2-3の構造上アンカーやCFが真ん中にいる分北九州の守備が中央に寄るので、ヴェルディとしてはWGに背後を狙わせてたりしながら起点を作るのは機能してるように見えます。ただ相手SBの所でSB(WG)IHで数的優位を作れてない時が見受けられるのでここは修正していってもらいたいですね。

押し込んでる時はカウンタープレスが効きますので即時奪はできてるんですが、北九州の守備がほとんど崩れてないので攻めあぐねてる印象。

21分の北九州の決定機は永田→斧澤→佐藤颯汰のマイナスクロス→佐藤亮がフリーでシュートと狙い通りの形でしたね。こういう一撃必殺で刺せるのでおっかない…これだけ綺麗に崩せればゴール裏のサポーターが立ち上がってガッツポーズするのも頷けます。

飲水タイムでのボールポゼッションが71%でシュート1本と崩しの所でいまいち意図が合ってないのがスタッツにも表れてますね…

飲水タイム後は理仁が偽SBになる形も取り入れてきました。ここからも展開させていきたいのかなと。

27分に山岡主審にボールが当たったシーンは、佐藤亮の切り返しを大雅が引っ掛けたボールが山岡主審に当たって大雅が拾いました。

主審にボールが当たった時に試合を止めてドロップボールで再開するのは

・チームが大きなチャンスとなる攻撃を始める
・ボールが直接ゴールに入る
・ボールを保持するチームが変わる

のどれかになります。

北九州の守備人数が揃ってましたし、保持するチームも変わってなかったので試合を止めなかった判定は正しいです。

小池がほとんどボールを触ってませんが、小池が張る事でライン間を3センターや竜士が使ってますのでゲームプランなんだと思います。ただこれならセカンドも拾いやすいのでもう少し小池目掛けてクロス入れていってもいいんじゃないかなと。

飲水タイム後はシュート数が増えましたが、ヴェルディがボールを保持して前進できますけど、中々意図が合わずにチャンスを作れずに北九州が縦に速い攻撃で刺しにいく展開がずっと続いてましたし北九州のペースだった印象が強い前半。



後半頭から竜士→佐藤凌我へと交代。CFに入り小池が左WGへ移動。元の形に戻してきました。

後半は保持時に大雅と若狭の位置を入れ替えるようになりましたのでSBを起点にしたいようです。ボール保持が安定してますし、若狭を前に出してポケットへのクロスのターゲットにしたいんですかね?

バックパスから背後を狙ったりサイドチェンジで揺さぶる形が増えたのでもっと相手を動かして隙を突いていこうって感じで、中に入れた時やサイド奥からのバックパスからシュートを打っていくと判断がシンプルになった印象があります。

守備の時に中のスペースを埋めるのはいいんですけど、エリア内にいるボールホルダーへ誰も寄せられてないのは問題ですね。エリア内ではマンツーでついてもいいので、時間と選択肢を奪いにいってもらいたいです。

ここはハーフタイムで堀監督から指示があったんですが…

柴崎を組み込んでプレスを剥がして前進したり、ビルドアップの種類が増えたポジティブな要素もあるんですけどね。

前半よりは良くなりましたけど、保持時に背後を狙ったり後方のサポート等ボールホルダーに選択肢を与える所でノッキング起こしてる感じがありますね。

54分の得点は、小池がポケットをとってマイナスクロスや若狭の落としから佐藤優平ミドルシュートとデザインされた形が出せたと思います。もちろん失格詰めていた佐藤凌我も良かったですよ。

北九州は当然前からプレスにきますけど、ここが上手くハマってないのでヴェルディとしてはこちらの方がありがたい感じ。

ハイプレス時に前線ががむしゃらにボールを追いかけてくれるのはありがたいんですけど、受け手へのパスコースを切りながらボールホルダーにしっかり寄せられると威力が倍増しますんでお願いしたい所。

北九州は保持時にサイドチェンジも含め幅を使った形も取り入れてきました。もう少し縦パスの精度を上げたいなとは思いましたけどポゼッションの形がしっかりしてますし、ちゃんと引き出し持ってるんですよね。

60分に斧澤と佐藤亮→新垣と前川へと交代。フレッシュなアタッカーを入れて前線を活性化させたいのかなと。

61分に前川のパスがまた山岡主審に当たりましたが、今回はそのこぼれを山下が拾いましたので『ボールを保持するチームが変わる』に該当する為北九州のドロップボールで再開になります。

プレスを剥がしたりレイオフで前進したりして攻撃の形がしっかりしてきてたのでペースを握れてます。

64分にコーナーキックからカウンターを受けましたが、山下を後ろに残してるのでしっかり対応できていたのでここは準備してきたようです。

71分に永田と佐藤颯汰→藤谷と富山へと交代。推進力を上げターゲットを入れるようにしてきました。中々中央で起点が作れてなかったのでテコ入れなんだと思います。

ハイプレスを続けてきた結果陣形が間延びして北九州の前進がスムーズになってきたので、ミドルプレスで体力の温存をしてもよさそうな展開になってきました。北九州の勢いを増したハイプレスで奪われるシーンも目立ってきたので判断にも影響が出てきている印象もあります。

こういう時にセットして守れないのが弊害になってくるんですよね…
なので保持で時間を作りたいんですがカウンターのような形が多くサポートがいないのでにんともといった所

77分に大雅と加藤→梶川と新井へと交代。梶川はおそらくここを起点にして時間を作りたいんだと思います。仕掛けられる選手を入れたいのはわかりますがビルドアップで効いていた加藤は…堀監督曰く疲れがあったそうなんですが。2人共IHに入り晃樹が右SBへ移動。

非保持時に4-4-2でセットするんですけど、中央を締めてるだけなのでサイドから楽に前進されてますね…

ハイプレスに行くと中央からでも剥がされてるので収支マイナスになってますしセットもできないので明らかに旗色が悪くなってきました。

82分に藤谷のパスを避けた山岡主審が膝を痛めてしまいました。審判の方々も走り回ってますし大事に至らなければいいんですが…

ここからは4審の上田さんが主審を務めます。

前からいってライン間のスペースが空き富山に起点を作られセットも難しいのでにんともかんとも…

86分の失点は前川に誰も寄せられておらず藤谷に簡単に背後を取られていたので仕方ないですね…

追いついて元気になった北九州と受けに回ってバタついてきたヴェルディとわかりやすい構図になってきました。うーん

その中でも攻撃の形は作れているのでここは前進だと思うんですが

90+1分の失点はコーナーキックから左右に振られて押し込まれてしまいました。こういうのは対応が難しいんですけどゾーンでセットした後相手に寄せられてないんですよね…

こうなると北九州は後ろ重心になりヴェルディが保持する展開になったので体力や判断の面からはありがたいですけど負けてますからねえ(´・ω・`)

北九州も攻め込んで試合を決めにもきてますし時間稼ぎは考えてなさそうです。

90+6分の得点は福森の背後を取った?小池から新井が河野を引きつけて佐藤凌我に出したパスが効いてましたし、この苦しい展開でよく追いついたと思います。

オープンの殴り合いになって終了。



最後に、北九州が逆転した後も前からきてくれたので命拾いしたのが正直な感想です。

ビルドアップの種類が増えてきてプレスを剥がせてるのはいいんですけど、いかんせん押し込んだ時のカウンタープレス以外で意図的に奪えてないですし、何度も書いてますが守備の問題があるので安定した試合運びが難しくなってしまうんですよね…

保持する時間を増やして試合を落ち着かせたいんですけど、それを加藤が担ってたので下がった後は試合運びが難しくなってしまいました。

今季は外野で色々や事があってメンタル面で難しい部分があるのかもしれないので何とも言えないんですけど、チーム一丸となって進んでいってもらいたいですね。