ヴェルディは端戸と小池が縦関係になった4-2-3-1で栃木は4-4-2でスタート。
ヴェルディの保持時は、4バックに栃木のCFSHが数を合わせて寄せにくるので、ロングフィードをトップ下の端戸やトップほ小池が受けて起点を作りレイオフ(落としのパス)を使って前進する形と、山下や竜士のSHに背後を狙わせるのを併用し、栃木のハイプレスをひっくり返してリバースカウンターを狙いにいくのが今節のプランのよう。ビルドアップ時に梶川加藤のどちらかが最後ラインに降りて寄せてくる枚数プラス1の数的優位を作って栃木のプレッシャーラインを超えて落としのパスで前向きの選手を作りながら前進していきます。
栃木の保持時は豊田と矢野の2トップなので基本的に上から殴る形なんですけど、簡単に放り込むというよりサイドから角度をつけて豊田や矢野の落としやキープを起点に主な攻め手のよう。サイドから攻める事で1vs1の場面を作り、スローインやコーナーキックを含めたセットプレーなら豊田と矢野に加えてCBの三國や柳も攻撃参加できるのでここも重要視している様子。もちろんハイプレスで奪ってショートカウンターも大事な攻め手の1つになってます。
ヴェルディの非保持時はいつも通り4-4-2なんですが、今節は4-1-2-3からの可変ではないので、CF(端戸)とIH(佐藤優平)ではなく小池と端戸が2トップになります。栃木の攻撃が縦に速いので、前半はしっかりセットしての守備はほとんどなかったですね。
栃木の非保持時も4-4-2。ヴェルディのレイオフやスペースを狙うリバースカウンターが多い分栃木もしっかりセットした守備はあまりなかったですね。
序盤からお互い縦に速いので落ち着かない展開ですが、両チーム共こちらの方がやりやすそうな印象です。
端戸のレイオフで前向きの梶川から背後を狙う小池へのスルーパスや、小池がオビンナを位置を見てかわし、三國のブロックを見越して浮き球を使った判断がよかったですね。
🎦 ゴール動画
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) 2021年8月21日
🏆 明治安田生命J2リーグ 第26節
🆚 栃木vs東京V
🔢 0-2
⌚️ 10分
⚽️ 浜崎 拓磨(東京V)#Jリーグ#栃木SCvs東京ヴェルディ
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端戸が倒されのFK。オビンナはファーの動きに釣られてなかったんですが、このコースにこのスピードで飛んできたらGKはノーチャンスですね。
溝口や黒崎ロングスローを活かす為にタオルをビニール袋に入れておくのも抜かりない(^^;)今節はベンチ外ですけど面矢も投げれますし、ロングスローも強みの1つなってます。
カウンター時に山下が運ぶ場合は、スピードが出る分もっと蹴りだしてヨーイドンの方が良さげに見えます。
ビルドアップ時にCBがかなり開いてマテウスとの3バックみたいな形で栃木のプレスをサイド方向に分散させ、中央にスペースを作ってDHや竜士に使わせるのもプランの1つのようです。相手の寄せ方によってSBかDHを使うか蹴るのかを決めてるような印象。
ヴェルディが執拗に背後を狙った事で出足を鈍らせたのも大いにありますが、15分過ぎから栃木のハイプレスの強度と連動性が落ちてきて前進が楽になってきました。ヴェルディにもありますけど、数的不利でボールホルダーに寄せていって、相手に前進するスペースをプレゼントするだけってシーンも見受けられます。
これで押し込められるようになってきましたが、セットした時の栃木は寄せの強度も落ちてますし、バックパスでの押し上げも遅くなってるのでスペースができてる分ヴェルディとしては楽な展開になってます。
レイオフや背後を使って前進し、やりたい事が概ねできていてボールを保持しながらゲームの支配ができてる展開が続きます。
SBが比較的フリーで持てる事や、2点リードしたのもあるんでしょうけど、落ち着いてボール回しができてますし、最終ラインからの持ち上がりもちゃんとあってビルドアップが安定してます。
おそらく飲水タイムで指示があったんだと思いますが、30分くらいから栃木のCFやSHが2度追いやパスコースを制限しながらボールホルダーに寄せてくるようになり、スムーズな前進がしにくくなってきました。パスコースに制限がかかっていれば後ろの選手が迷い無く寄せにいけますからね。
これなら序盤にやってたように、シンプルに背後を狙うのもいいと思うんですけど、そういったシーンはあまり観られません。
守備に関しては、豊田と矢野への対応やセカンドを拾う所はしっかりやってきてるようで安定してます。
レイオフ等、バックパスや横パスを奪われるとあっという間にピンチになりますし、特にバックパスの成功率は100%である必要があるのでもったいなかったですね…
ミスは仕方ない部分ではありますが、ビルドアップから前進しにくくなった中で、シンプルに背後を狙って相手を押し下げてスペースを作る意図があまり感じられず、主導権を握りきれなかった印象の前半。
後半頭から竜士→佐藤優平へと交代していつもの4-1-2-3へと変更。竜士は黒崎との駆け引きや中央での繋ぎや守備で効いてましたが、ワクチン接種との兼ね合いがあったそうなのでやむを得ないんですけど、栃木としてはトランジションゲームで盤面をひっくり返されるのを嫌がってた中で、ポゼッション向きの優平さんですか…
後半は栃木がボールホルダーに寄せる、パスコースを切る所の整理したのと、寄せの強度が上がって全体的に押し上げられるようになったので、セカンドが拾いやすくなり攻撃に厚みが出てきました。
ヴェルディはSBの所で時間を作ってアンカーやIH経由で剥がして中盤に運べてはいるんですが、そこから先に中々進めません。背後を狙って相手を押し下げる動きが減った分コンパクトな陣形を作られてるのもあるかなと。福村と浜崎の所は比較的時間とスペースがあるので、逆サイドポケットにアーリークロスを入れてWGに使わせるのも良さげな感じです。
縦志向の時はいいんですけど、リズムを落とした時に強度も一緒に落ちてしまってるのは気になります。
63分に西谷→松本へと交代。ハイプレスをもっと強めていこうという事なのかと。
65分に小池→ジャイルトンへと交代。今節のゲームプランなら竜士と交代させるのかと思ってたんですが、小池と交代してそのまま左WGに入ります。
栃木はコーナーキック時にヴェルディのゾーンに対して密集エリアを作って数的優位を作り、そこから一部を引かせてセカンドに反応できるポジションをとらせる形。ゾーンに対しての定石ではあるんですけど、重要な得点源の1つとして整備してるように見えます。
栃木は、GKからのロングフィードをサイドに叩いてファークロスを折り返して押し込む形は自分達のストロングを活かしたいい攻撃だと思います。前半に1点返した時もそうでしたけど、チームがノッていけるタイミングで取れたのも大きいですね。
ハイプレスで追い込み奪ってショートカウンターと栃木が主導権を握る展開になってきました。ヴェルディが盤面をひっくり返すようなに背後を狙う事が無くなってきたのも栃木の思いきりのいいハイプレスに繋がってるような印象。
78分に端戸→佐藤凌我へと交代して4--2-3-1に戻しました。
80分に豊田→谷内田へと交代。
残り10分切って縦に速く前進するようになりましたが、栃木としてはこちらの方が嫌そうな感じですね。実際押し返せるようになってきたので、トランジションゲームの方が良さげな印象…
89分に栃木は畑→五十嵐、ヴェルディは福村と梶川→アンカズと戸島へと交代。
終盤押し返せてはいたんですが引き分けで終了。
最後に、前半の飲水タイムで栃木がプレスを整備し直した事もあって劣勢になった時間帯はありましたが、ハイプレスの背後に槍を突き立てて背後を突きトランジションで勝負するプランは機能してたと思うんですが、後半ポゼッション志向にした理由がよくわからなかったです。
プレスを剥がしていかないといけないのは同じなんですけど、背後を狙ってそのまま突ければそれでいいですし、それによってプレスの出足が鈍ってきた時にポゼッションをやれば主導権を握れる展開だったように見えました。
ピッチ内の選手のメンタル面に影響があったようにも思えますが、ベンチにも迷いがあったように感じたのがこの試合の中で一番気になりました。
余談ですけど、ライトニングのデザインが入ったストーミングユニフォームってグリスタらしいですね。