20201125 第36節ホーム福岡戦

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負けたら終わりなのは同じでもじゃなくなった読売vsじゃない方の福岡の対戦。ヴェルディ保持時3-2-5非保持時4-4-2。福岡保持時3-3-4非保持時4-4-2。

福岡はまずロングボールで起点に作りサイドからのクロスで高さ強さを押し出してきました。編成からしても現実的ですが戻して輪湖からの斜めの縦パスもあります。中央では山岸、サイドではサロモンソンが起点になる事が多いです。

失ったらハイプレスで奪い返しにくるんですが中央に蹴っても端戸の所で潰され起点が作れないのでSBの背後を狙った方が良さげな印象。

福岡はハイプレスな分背後が空くんですけど、ミドルゾーンに入った辺りからは寄せてこなくなって背後をケアしてきます。ここは整理されてますね。

平からの低めのフィードを端戸がフリックして井出に落として仕掛けたシーンがありましたけど、背後を狙うとかシンプルにプレーした方が効果がありそうな感じです。

福岡のプレスに慣れてきてパス回しができるようになってきたんですけど背後を狙う動きがあまり無いのは気になります。小池は色々駆け引きはしてるんですけど背後を狙う動きをして相手を押し下げて中盤にスペースを作った方がビルドアップもやりやすくなりますし、そちらの方が福岡はやりにくいと思いますので。

ヴェルディはプレスを剥がしてビルドアップできていてカウンタープレスも効いてますし、福岡は前線に起点を作るとすぐに周りがフォローに入るのでお互いやりたい形が出せてますが、ヴェルディはデュエルの局面でしっかり競れてますね。そりゃあ競り勝てれば一番いいですけど、今までは避けようとする傾向が強かったので。

展開はあまり変わりませんがお互い良さを出して真っ向勝負って感じ。

飲水タイム後の福岡はヴェルディの緩くなったパスを狙いにくる傾向が強くなった印象がありますね。

福岡は押し込んだ時に輪湖からの斜めの縦パスや2トップに当てるかクロスなのは同じなんですけど、今までより高さ強さを前面に出しゴリゴリくるようになりました。ヴェルディがクリアするのを見越したポジショニングをしているのでただ単に大きく蹴るだけでは自分達のターンを作れなそうです。

テクニックなんぞパワーでねじ伏せろ!をやられると苦戦するのはこのクラブの全カテゴリーに言える事なんですが、デュエルを怖がる素振りが無いのは前進ですね。デュエルの回数を減らした方がいいのは間違いないですけど競技の性質上避ける事ができないのでデュエルから逃げるな!が大事になりますからね。

福岡の圧力が強まった事で押し込まれる時間帯が続くんですけど、戦えてる分寄せられてもバタつかずに落ち着いて対応できるシーンもありますし、そこから対人が厳しい中でも端戸が降りて捌きポケットを使う、逆サイドポケットへのクロスといつも通りの攻撃ができてますのでこれなら収穫が多そうです。

ボール持った時に最終ラインで廻してゲームを落ち着けられるとヴェルディのペースになってきました。プレスを剥がして前進もできてますがもう少し背後を狙う動きがほしいなと。

福岡はカウンターの局面にでもCFが収めて捌いて一気に前線に人数かけてきますのでここは徹底されてますね。

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思ってたよりボールを持たれましたし、内容的には4:6といった所でした。

ヴェルディは平均ポジションとアタッキングサイドは大体いつも通りですが、輪湖が高い位置を取り左サイドから攻める事が多い分小池理仁が下がり目。ただ右で仕留める形はあまり作れてませんでした。

福岡は山岸が収めると一気に人数かけてきますので前線に並ぶような形で輪湖からのクロス斜めの縦パスをメインとしながらもサロモンソンも右サイドで収める形が結構あった分こちらも高め。

高さ強さを押し出してきた相手に対して競り勝ててた訳ではないですけど、怯む事なく挑み続けこれからに繋がる内容だった前半。



後半頭から理仁→晃樹へと交代。終盤に重廣との接触プレーで痛めたようです。大事に至らなければいいんですが…

後半も福岡はパワフルに攻め込んできてややバタつく所はありますしクリアボールを回収され二次攻撃を受けますが球際ではしっかり戦えてます。

福岡はハイプレスかブロックかの中間でファジーになりスペースができる時があるのでその時はスペースを使ってスムーズに前進していきます。

奪われてもスムーズにカウンターに移行させないのはいいんですが、攻防が激しくなって中盤が空いてくると突進してくるのでできるだけオープンな展開にはしたくないですね。

50分過ぎからは空いてる所を見つけてプレスを剥がせるようになってきましたが、相手が前を向いた状態で奪われると2トップに当ててくるので奪われ方のコントロールをもう少しできたらなと。

福岡の守備がやや間延びするようになってきたので画面には映ってないですけど背後を突くアクションをしてるんだと思います。ただブロックを組むと強固なので中々エリア内には入っていけません。

縦に速い攻撃の方が効果的なように見えるんですけどそうなるとネガトラ時にバランスが崩れてるのでカウンターを受けやすくなってオープンな展開にもなりやすいので難しい所ですね…

前半にもあったんですがGKのセランテスがキャッチした時に若狭が寄せてスムーズに攻撃に移行させないプレーは良かったですね。目立ちませんけど大事な事なので

61分に山下のクロスを跳ね返された所から若狭が地を這うようなミドルシュート打ってきましたけどどこの松山君?って感じでしたね。前半にもありましたけど思い切りのいいミドルシュートは相手にとって脅威になりますし積極的に狙っていっていいかなと。

62分、石津→木戸へと交代。

崩しきるのは難しいですが、ポケットを使う事と逆サイドポケットへのクロスはかなりオートマティズムにやれている分決定機を作れてる感じですね。おそらくここが進んでなかったらボール持ってるだけになってたと思うので前進してます。

65分、井出→佐藤へと交代。右IHに入り晃樹が左IHに移動。

佐藤投入直後の66分、大外で佐藤が若狭からのパスを受けて小池へのフィードで背後を取り、端戸が深い所に入って2CBを引きつけてその手前で山下が合わせて先制!佐藤からのフィードで小池が背後を突くのは定番になってますしこの崩しはモノになってきたようですね。もちろん小池の安定したトラップもあっての事なんですけど。

直後の67分に福村がクリアしたボールが晃樹に当たってしまい失点。若狭の所で入れ替わってしまった所より前はわからないので何とも言えませんがこういう事もありますよ。

69分に遠野の決定機を作られたのはデュエルにいった結果ではあるんですが、2人が被らないような整理は進めていきたいですね。

72分に晃樹がスペースに運んでいって山下に預けたシーンは相手を引きつけられるようにもう少し運んでほしかったですね。その後すぐポケットに入っていったので取り返さなきゃという意識があったんでしょうけどちともったいないなと。まあ冷静になれというのも難しい所ではあるんですけどね

もう75分なのでやむを得ない部分はあるんですがオープンな展開になってきました。別にオープンが悪という訳ではないんですがこの展開は高さや突進力で勝る分福岡の土俵で勝負する形になってしまうんですよね…

76分、遠野と福満→フアンマと増山へと交代。運んで当ててと馬力で殴るという事なんでしょう。この時間帯からフアンマが出てくるのはエグい…

フアンマが入って高さ強さの圧力は強まりましたけどその分プレス強度は落ちるので今こそ繋ぎ倒す時!なのでヴェルディは繋いでいきます。ここで無闇に蹴って相手にボールをプレゼントしなくなったのは改善させてますね。

81分、福村→奈良輪へと交代。

押し込まれて耐える時間帯が続きましたが福岡はリスク取って押し込んでますからね。

繋いでペースダウンするのはいいんですけど押し込んだ時の失い方次第ではオープンスペースを使われカウンターを受けてしまうので相手に十分な体制で奪われるのは避けたい所。それなら無理目でもミドル打ってしまった方がいいので。

87分、重廣→松本へと交代。

急いでるのはよくわかるんですけどフアンマのスローインは全然頭の上を通っておらずファウルスローにしてしまったのはもったいないですね。まあ普段スローインやる事なんでそうそう無いでしょうけど

馬力を前面に押し出してきて押し込まれますが身体を張って対応できてます。

90+2分、小池と端戸→松橋と潮音へと交代。松橋は左WGに入り山下が右WGへ移動。繋ぎ倒せとのメッセージなんでしょう。

この時間帯でもお互い良さを生かして締まった展開が続きます。

ラストプレーで山下が逆サイドポケットへのクロスに松橋が飛び込んできた意識は良かったと思います。もちろん足裏見せてるので警告は妥当ですし相手選手を危険に晒す事になるので誉めてはいけないんですが。

締まったゲームのまま終了。

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背後を狙うプレーが無かった訳ではないんですが(少ないなと感じた時間帯はありました)試合を通してオフサイドが無かったので福岡はラインを下げるのが速いのは間違いなくありました。



最後に、そんなに展開に変化は無かったんですけど、しっかり寄せる競り合うデュエルに挑む姿勢が一貫してた分プレスを剥がして前進し自分達のやりたい形が出せてたと思います。今までならなす術なく負けてた可能性が高かったでしょうから

デュエルを怖がらなくなったのでバタつく事も減りましたし、メンタル面でも成長を感じたのでこのクラブの長年の課題が少しずつ改善されてきてるのが見えてきたので個人的には勝ち点1以上の価値がありました。

フィジカル、メンタル、タクティクス、ここがしっかりしてくればテクニックも十二分に生かせますし、どれか1つ秀でてるより総合点が高い選手の方が価値がありますからね。

福岡も自分達の強みを生かしたサッカーをしてきましたので終止締まった好ゲームだったと思います。このインテンシティを保ったまま今季を終えてほしい所です。