20201017 第27節ホーム栃木戦

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ボール支配率パス数ロングボール比率が1位最下位とはっきりスタイルが違うホーム栃木戦。ヴェルディ保持時3-2-5非保持時4-4-2。栃木保持時3-3-4~3-2-5非保持時4-4-2。

ヴェルディは理仁と譲瑠、栃木は明本と榊、溝渕と黒崎のCFSBが逆配置。黒崎は山下対策なんでしょう。

栃木はやはりハイプレスを仕掛けてきます。榊がアンカーの理仁につき、明本が平に寄せて横パスには二度追いで対応し、祥平にはSHの森が寄せてクレビーニョには黒崎が寄せて山下にはCBの田代が潰しにきてヴェルディのIHにはDHがつきます。ボールサイドのSBにはセオリー通りSHが寄せるんですが、逆サイドに振るとSBが寄せてWGを見張るのがCBとリスクを許容した上で整理されてますね。

寄せきれない時はカバーシャドウ(パスコースを遮断する事です)に入って縦パスが入った所を潰して帰陣する時間を稼ぐのも約束事なんでしょう。

なのでマテウスを使って数的優位を生かす事、端戸が降りるとCBが潰しにくるんですが当然最終ラインにスペースができるので誰がどう使うか?が鍵になりそうな感じです。

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最終ラインで時間を作り理仁についてる榊を引き出してフリーの理仁を使うんですが、真っ先に山下を確認するので栃木のハイプレスの背後を突く為にアンカーにしたんじゃないかなと。

ボールを保持した時にペースを落とすパス回しをするのはいいんですけど、ちとパススピードが遅く相手に寄せられてしまうシーンがあるんですよね。もちろん雨の影響はあるでしょうけどもったいないなと。

それとこれは以前からなんですが、最終ラインとマテウスの連携がはっきりしてないんですよね。もちろん言葉の問題はありますけどシンプルなワードで意思統一できるように進めていってほしいです。

序盤の栃木に立て続けに縦パスを奪われて押し込まれますが、このプレスをずっと続けられる訳ではないので元気な内に点を取るって勢いで前に出てきてように見えます。

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コーナーキック時の栃木の配置なんですが、ゴール前に固まってマテウスとフィールドプレイヤーとの連携ミスを狙いにきます。前述しましたが当然狙ってきますよね

オビンナから高精度のフィードは相手のハイプレスをひっくり返すのに有効ですしこれも約束事になってるようです。

10分くらいから栃木の強度が落ち着いてきてボールを持てるようになりました。カウンター対策で長い真縦のパスをできるだけ使わずに斜め斜めで前進をしていこうとの意図は感じますし、左サイドで潮音-佐藤-福村で縦の三角形に端戸も加わったりして出し手受け手以外の3人目が背後に抜けるのは再現性をもってできてますね。

右サイドはクレビーニョ-譲瑠-山下の三角形は、クレビーニョと山下のレーンが被らないようにして背後を突くのが狙いのようです。縦に速い攻撃の形は大分整理されてますね。

ただ、栃木が前からくるとビルドアップが詰まって蹴らされて回収され押し込まれるんですよね。フリーなのに前を向かずに戻して時間を使ってしまっているシーンもあります。カウンターから敵陣に入れた時は栃木はそこまで寄せてこないので安定するんですけどね。

祥平から端戸に入れてアンカーに落として展開って形はありますが、ビルドアップ時にサイドから前進する割には端戸に当てる形が少ないように見えます。IHがDHを引っ張ってコースを空けるとかもあってもいいと思うんですが。

コーナーキックの時は当然なんですが、栃木はスローインの時もCBが上がってくるんですね。まあこれは横山監督の時にもやってましたが

栃木のプレス強度が高いと前進できずに押し込まれて、跳ね返してもセカンドボールも拾われてます。そして低いとプレスを剥がして自分達のテンポでパス回しができている展開が続いてます。ビルドアップを阻害させてますので栃木のペースですね。速い攻撃はしっかりしてるんですけど

オビンナからの正確なフィードを起点にして攻めこむ事ができるので、ハイプレスが中途半端になると空いた中盤のスペースも使ってきます。

38分のコーナーキックの跳ね返しを譲瑠がしっかりボレーで合わせたのは良かったです。

ビルドアップの形が整う前に縦に入れた所を奪われてしまうので中々前進できません。

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ボール支配率は高いですけどほとんどが自陣でしたし、プレーエリアにも現れてますね。

ヴェルディの平均ポジションは全体的に低く、上手くいってる時はアンカーを中心に綺麗に広がってますからね。アタッキングサイドは潮音-福村-佐藤で三角形を作る形が多く(平均ポジションの図では潮音と佐藤が重なってますね)右は速い攻撃がメインでした。

栃木は全体的に高くそれだけ奪ってショートカウンターができてました。それでも中央は塞げてましたのでサイドがメインでした。

決定機を作れてたのはヴェルディの方が多かったですが、ゲーム自体は栃木のペースだった前半。



後半、栃木はまたハイプレスで押し込みヴェルディに蹴らせて回収と前半と同じ展開になってるんですが、どのように崩すのか?の意思統一ができてないように感じるのも変わってないのでここが課題なんでしょう。

ちなみにスルドの音ってこんなに大きかったんですね。

しばらくしたら栃木は奪ったらシンプルに背後を狙うようになったんですがこちらの方がチャンスになりそうな感じです。

ヴェルディもゆっくり繋ぐというよりは縦に速く攻めるので(前方にスペースがあれば当然ですが)段々中盤が空いてオープンな展開になってきました。まあこの方がお互い得点しやすいようには見えるんですけどね。

ヴェルディは持ててる時はサイドを使って無理なら戻して逆サイドの形はあるんですけど長続きしません。時よりいいカウンタープレスはありますが、ボールが行ったり来たりと50分過ぎの段階で既に75分くらいの展開になってます。

個々にアイディアはありますし、レイオフや押し込んでからのマイナスクロスやポケットへのパスやGK-CB間へのグラウンダークロス等の意図はわかるんですけどそれが組織として今何をするべきか?が固まりきれてないように感じます。

62分、大島と禹→山本と岩間へと交代。お互い中2日で5人まで交代ができる中でここまで交代が無かったのは珍しいですね。栃木は走り回るスタイルなので5人代えられるのは間違いなく追い風になるしょう。

続いて63分、理仁と潮音→新井と晃樹へと交代。晃樹が左IH新井が左WGに入り譲瑠がアンカー山下が右WGへ移動。

64分にクレビーニョからのサイドチェンジを受けた新井がカットインから縦に切り返し左足クロスでチャンスメイクをしましたが、カットインと縦の突破の使い分けができるようになってきたので違いを作る事ができてますね。

これくらいからまた栃木の強度が落ちてきてボールを回せるようになってきました。永井監督もそれをわかってるので新井を入れるのがこのタイミングだったんでしょう。

70分、榊と溝渕→矢野と瀬川へと交代。瀬川は左SBに入り黒崎が右SBへ移動。

飲水タイム後はまた栃木が元気になったのでオープンな展開になってきました。この過密日程でこの展開はシンドイです…そしてヴェルディはまた繋げなくなりました。

栃木は瀬川の推進力を生かして明本や矢野に合わせるシンプルな形が増えてきました。おそらくこれが交代の意図なんでしょうけど

81分、福村と端戸→近藤と小池へと交代。小池は右WG近藤は右CBに入り山下がCF祥平が左SBへ移動。

足下で受けてる分潰されるのもあるんですけど、中盤がリンクになれてない分攻撃が単調になってるように見えます。

残り5分になって栃木はパワープレーに切り替えてきてデュエルで分が悪い分押し込まれ堪える時間が多くなります。

89分、山下→大久保へと交代。

ヴェルディは背後を狙ったり縦の突破からクロスとシンプルな攻撃になって押し込めるようになってきました。クロスなら奪われるのがサイドになるので二次攻撃に繋げやすくなるのもありますが、今やる事がクリアになったのも大きいんじゃないかなと。

この展開のまま終了。



最後に、決定機はヴェルディの方が多かったので決めておけばって所はあるんですが、栃木の方がやりたい事をやれてましたので痛み分けは妥当だったかなと。

栃木のプレス強度がそうでもない時は繋げてたんですが、強い時のヴェルディはポゼッションの陣形を作る前に奪われる事が多かったですが、これは田坂監督のプラン通りだったようです。

ハイプレスの強度が強い相手をどう剥がしていくのか?を突き詰めないと繋ぎ倒してゲームを支配する所にたどり着けませんのでスタイルの構築にはまだ時間がかかりそうです。もちろん一朝一夕にはいきませんし、並大抵の事ではできないんですけどね。

今節は中盤の繋ぎがいまいち機能してなかったのもありますが、再現性のある崩しの形を持ってる中でその使い分けやこの時どうするか?の共有が上手くいってないように感じました。