ロゴデザインを変えてリブランディングをしていくクラブ戦略について考えてみました

東京ヴェルディブランドをTOKYOから世界へ


東京ヴェルディのブランド化~ロゴデザイン変更

 
企業の起源、関わる人々、ビジョン、オフィス… すべての環境が情報となり、ブランドとして形成される時代。徹底した統一感がなければ共感は生まれません。

そこで、50周年を迎え総合クラブとして変貌を遂げようとする東京ヴェルディも、ロゴデザインを一新します。

ユベントスリバプールFCなど世界のビッグクラブも世界的なマーケティングを意識してロゴを変更し、ブランディングの再構築を行っています。エンブレム枠を外してシンプルに再構成したロゴを開発し、歴史を継承しながらファッションなどのカルチャーに導入しています。

東京ヴェルディも日本で初めてこの運用を導入し、他競技を同じグッズで応援・協力し合う一体感を醸成してブランドを強化しながら、ヴェルディブランドを表面化できる他領域でニュース性と新しい売上の拡大を図ります。

ロゴデザインの変更にあたり、

①デジタル・マーケティングへの対応

ヴェルディだけが持つ価値の再表現

③総合クラブで展開できる新システム

④ファッションとして成立するクオリティー

をポイントに、世界の名門クラブと同等レベルのクオリティを投下するために、ロゴ・タイポグラフィの巨匠『 Neville Brody 』を起用しました。世界から見た『TOKYO』を表現します。

ロゴデザインを変えてリブランディングをしていく中で4つの柱がありますが、それぞれのクラブ戦略について考えてみました。


①デジタル・マーケティングへの対応


今は情報収集源が新聞や雑誌って方は少数派でしょうし多くの方がweb媒体だと思うんですが、web上ではシンプルなロゴ方がわかりやすく使いやすいと思うんですよね。

それに、これからこの国は人口が減っていくので外に向けたアプローチも必要になってくるでしょうけどそういう方々はweb媒体しかないのもありますし。


ヴェルディだけが持つ価値の再表現

ここは正直よく理解できてないんですが、全ての競技にアカデミーを持ちたいとの事なので、フロンティアスピリットの精神や今まで培った育成のノウハウを他競技にも生かしていきたいんでしょう。


③総合クラブで展開できる新システム


総合型クラブへの転換は色々な競技をやる事でタッチポイントを増やすのもありますが、今の学校では教員の負担軽減と部活動の維持を課題にしてる所が多いので、外部委託を検討している自治体には色々な競技をやっているのは大きなアピールポイントになるでしょう。

もちろんいくばくかのお金は頂戴する事になりますが、こういうケースでは行政からの補助もあり得ますし、関係を強化できる可能性もありますね。


④ファッションとして成立するクオリティー


ここが一番書きたかった所なんですが

プロスポーツクラブ経営において勝つ事やタイトルを獲る事が最も効果があるのは事実ですが、お金をかければ必ず結果が出る訳ではないですし、当然資金力には限界があります。

勝敗に関しては経営努力でどうにかなる訳ではないですし、収益が大きく左右され来年の予算も不透明な中ではどうしても正社員より契約社員が多くなってしまい待遇面で恵まれてるとは言えない環境なので長期的な展望を共有しにくい面はあると思います。

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エンブレムやロゴを含めデザインに時間やお金をかける事は強化には直接関係ないんですが、デザイン性を高めた「カッコよさ」で多くの方に訴求し、色々な競技をやる事でより知ってもらう(タッチポイントを増やす)その為に情報や流行の発信地である渋谷で勝負するのを選んだのかなと。もちろん他の理由もあるでしょうけど。

それと、ワールドカップとかで若者達が何故わざわざ交通費をかけて渋谷まで来るのかを考えると「嬉しい・楽しい・悔しい」等の感情の共有をしたいからだと思うんですが、これって交通費やチケット代を使ってスタジアムまで来るサポーターと同じなんだと思います。それならあの若者達は比較的サポーターになりやすいと言えますので「カッコよさ」を起点にして巻き込める可能性も十分あり得ますね。

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このイベントもおそらくその一環なんしじゃないかと。

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その為にはファミリーでデザインを統一する必要がありますが、競技のメーカーさんがバラバラなのでクラブがデザインを持ち、各メーカーさんと調整してユニフォームデザインを統一させたのはスタッフさんは大変だったでしょうけど、この効果はファミリー全競技に波及させられますのでその分相乗効果も期待できます。

デザインを起点として多くの方に手にとってもらう事で露出宣伝効果を生む考え方をコーポレートパートナーの皆さんにスタッフさんが丁寧に説明をしてご理解していただけたので色を統一できたんだんでしょうし、ここまで触れてきた内容を含め収益の多角化を計れれば経営を安定させやすくなりますので、デザインに投資したんじゃないかなと。

残念ながらJクラブのスタッフさん達はやりがいの搾取のようになってしまってる部分もあるのが現状ですが、経営を安定させて優秀なスタッフさんが1000万くらい貰えるような環境していければご家族を安心させられますし、安心して夢や希望を持って仕事できるようようになれるんじゃないかなと思っています。

20191124 第42節ホーム岐阜戦

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5得点したのに完全に柏の影に隠れてしまったホーム岐阜戦。ヴェルディは両WGと梶川藤田が逆配置。

ヴェルディ保持時2-3-5非保持時4-4-2。岐阜保持時3-2-5非保持時4-4-2

前節と同じく最終ラインからのロングフィードを使い裏を狙って深さを作るのは継続してます。

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今まで構造上CFが降りるのもありクロス時に中に人がいないシーンが散見されましたが、IHCF逆サイドWGでニア・中央・ファーとバランスよく配置できてますしここは改善されてますね。

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奈良輪からのフィードで梶川が裏をとってからのクロスからレアンドロのヘディングシュートでの決定機でも同じでした。

序盤に藤田がボールと相手の間に身体を入れたのと縦パスのインターセプトでカウンターの芽を潰すプレーが2つ続きましたが、中盤で刈って直ぐに味方に預ければ2次攻撃がしやすくなるのでペースを握りやすくなるんですよね。ボール支配率8割で相手を圧倒する為には奪い取る形やスキルは必須になるのでここの強化はしていってほしいかなと。

右サイドのクレビーニョがレアンドロに当てて溜めてから戻したり、クレビーニョが持ってる時に梶川がハーフスペースに走り込んだり狙いの形は出せてはいるんですがまだタイミングが合ってないですね。最前線の選手にオープンな状態でボールを持たせる所まではデザインしてほしいので目を揃える為の整備をしていけたらなと。

ヴェルディのネガトラ時の出足が良く奪えてるのはありますけど、岐阜の安易なパスが目立ちます。寄せや球際が甘く非保持時の約束事もいまいち定まってない様子ですし北野監督のチームらしくないですね…

アタックゾーンで押し込んでのパス回しはまだまだ中央に密集してしまいますが、サイドチェンジで幅を使ったり裏を狙って深さを作る意識は上がってきてる様子です。今まではこういうシーンではモビリティが少なく足元足元ワンツー大会になる事が多かったですからね(^^;

中盤ラインの前でジャイルトンが受けるシーンが多いですが、落としを奈良輪が裏に狙う他にも4-4-2は構造上アンカーが空くので保持している時にDHが寄せてくればIHが空きSHが寄せてくればSBかWGが空くので空けたスペースから前進する形もできたらいいなと。もちろん初スタメンの藤田くんにそこまで要求するのはどうかと思ってますがあくまでも骨格に肉付けしていく部分としてやっていければ武器になりますからね。

いい流れの時に取れないと相手のターンになってしまう事が多いので田村の縦パスをレアンドロがフリックして梶川が抜け出した決定機は決めてほしかったですね…

ヴェルディのネガトラや非保持時も決して安定してはいないんですが、岐阜のインテンシティがあまり高くないのが助けになってる部分はあります。ここは監督がどうこうではないんですが少しずつ進めていくしかないですからね。

岐阜の保持時はカウンター以外では密集作ってパス回しで突破を計る形なのでその分サイドにスペースができるんですけどこれはヴェルディでもありがちなんですよね。ただ、リアクションが悪いので保持時もチームとして共有してる形がはっきりしてない印象が強いです。


レアンドロが阿部へのコースを切りながらビクトルに寄せる事でパスコースを限定して晃樹に手で合図して當間に寄せさせてロングボールを蹴らせたシーンなんですが、レアンドロはこうやってコースを切って相手にスムーズに前進させないプレーが上手いんですよね。


ボールを保持してペースを握りながらも点が取れなかった中での39分。縦パスを藤田がカットしたこぼれを梶川がスルーパスで小池に通し、落ち着いてビクトルの股を抜いて先制!裏を狙う小池に梶川がピンズドのタイミングで出しました。これでループシュートの分帳消しですね。

岐阜はリードされたので前から奪いにくるんですが後ろが連動しておらず中盤にスペースができていた中での44分、ゴールキックを平が跳ね返した落としを晃樹が拾い、スペースを持ち上がってフレデリックを引き付けてからジャイルトンに渡し、グラウンダークロスを梶川がフリックしてフリーの小池がファーポストを巻くシュートで追加点!逆足で技ありのゴールでした。

続いて45+1分、川西のパスをインターセプトしたジャイルトンがそのまま駆け上がりキックフェイントで相手を引き付けてフリーのレアンドロに渡してファーに流しこんで3点目!まああの位置でレアンドロをフリーにすればそりゃあこうなりますよね(^^;

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岐阜の約束事やインテンシティに疑問符がついたのは確かですが、支配率62%シュート11本枠内8本とこれ以上ない内容でした。

前節同様平均ポジションも保持時の綺麗な2-3-5でしたし、アタッキングサイドを見てもバランスよく使えてました。

アタックゾーンで51%ってそうそう見る数字ではありませんが、それだけ押し込んでボールを支配し非カウンターから決定機を作られたシーンもほぼありませんでした。

得点はカウンターでしたが、永井監督のサッカーはポゼッションではなく空いてる所から前進するスタイル(プログレッション)なのでカウンターやパス数が少なくても問題ありませんし、中央に密集する所があった以外はパーフェクトな内容と言っていい前半。



後半、岐阜のインテンシティや連動性に難があるのはありますが、最終ラインにSHが寄せていったスペースにIHが流れて受けたりシンプルに裏を狙いスペースを見つけて前進する形は整備されてきてます。


レアンドロが降りた時に代わりに晃樹が中央に入り、大外でジャイルトンが起点を作ってハーフスペースに奈良輪が進入しクロスの形は良かったです。相手が最も警戒する中央に人がいないとハーフスペースやポケットを使う効果が半減してしまいますのでここはテコ入れしてきたようですね。これで懸念材料だった立ち上がりでペースを掴めました。

ちなみにレアンドロがいない時に逆サイドWGが入る事も多いのでここは共有されているようです。

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この後藤田がインターセプトしてカウンターになるんですが、パスを出せるコースが無いんですよね。意図的に出させて回収するような配置は今まで見られませんでしたのでどうなんでしょうか?

岐阜が2枚代えで守備の連動性を高めにきましたが、サイドに流れるIHを掴まえられてないですし寄せが緩く連動性も高くはないので前進はスムーズにできてます。最後の崩しの共有に課題はありますが自分達のやりたい事が体現できてる時はほんと伸び伸びプレーしてますよね。

保持時の岐阜に連動性が少なく単発になっているので対応ができてるんですが、北野監督のチームらしい躍動感がないんですよね…メンタル面での影響もあるでしょうけど

62分にクレビーニョ→佐藤へと交代して左IHに入り晃樹が右SBへ移動。小池もそうですが前線で効いている選手を降ろすのはもったいないですしここは補強ポイントになるでしょうね。(もちろんサイドバックを軽んじてる訳ではありませんが)

幅をとってポケットを狙ったり中央に起点を作って相手を寄せてからサイドを使ったりシンプルに裏を狙ったり深さと幅を作れてるので押し込みながらも停滞感はないですし、カウンターの芽を潰せているので安定して保持できてます。

前田はプレスのスイッチを入れるのが上手くライン間で受けてチャンスメイクもフィニッシュもできるので効いてますね。何でもできるので個人的には欲しいなと思ってる選手の1人です。

74分、平からSHが前に出ていたスペースでジャイルトンが受けて佐藤が大外に流れてSBを引っ張りチャンネルを拡げた所をジャイルトンがパワーとスピードで突破しグラウンダークロスを小池が合わせてハットトリック達成!

その直後の75分に梶川→潮音へと交代。そのまま右IHに入ります


カウンターにいこうとした所を三島にカバーされたんですが、レアンドロはビクトルに真っ直ぐ寄せずにCBの阿部へのコースを切りながら曲線を描くように寄せてロングボールを蹴らせます。直線的に寄せていたらフリーの阿部につけられて簡単に前進されてしまいますしレアンドロのインテリジェンスが垣間見えたシーンでした。

84分にレアンドロ石浦へと交代してJリーグデビュー。右IHに入り潮音が左IHで佐藤がCFへ移動。キャプテンマークは田村の腕へ


石浦が奪って左サイドのジャイルトンに渡して時間を作り、その間に石浦がポケットに走り込みスペースを作ったタイミングでジャイルトンのカットインからのシュートが決まって5点目!相手のSBCBのマークの受け渡しのピンズドのタイミングでしたし、崩しの形の共有が進んでいけばこういうシーンも増えていくんじゃないかなと。

その直後に馬場の落としのパスを三島がフィードして前田に渡して起点を作ってから馬場に叩いてからのクロスをファーから飛び込んできた塚川に決められてしまいます。得点直後に少し緩くなっていたので引き締めてほしい所です

この後はボールを保持されてカウンターの展開になった所で終了。

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結果内容を伴った完勝と言っていいと思います。



最後に、非保持時が安定しなかったり中央で密集状態になってしまうシーンはありましたが、幅と深さを作って相手を広げながら前進できてましたしクロス時のエリア内やレアンドロが降りた中央の配置が整理されてました。大外で起点を作った時にハーフスペースに入ってくる形やタイミングも良くなってきてますしネガトラの出足が良くカウンターの芽を潰して二次攻撃に繋げられていたのは来季に繋がっていくでしょう。

岐阜が失点してから機能不全のようになっていたのはありますが5得点と結果も出ましたのでいい締めくくりができたと思います。

今季はポジション別での人数に偏りがあり似たようなタイプの選手が多く監督としては難しい舵取りを余儀なくされたと思いますので編成の修正をやってもらいたいんですが、それより監督の右腕のコーチが不在の緊急事態を長い間放置したり、またしても根回しをせずユース監督をトップに据えるような信義則が反する事をやっていたら優秀な人ほどこのクラブに近づこうとしなくなってしまうのでここは本当にお願いしますね

20191116 第41節ホーム徳島戦

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3年連続で最終盤での対戦となったホーム徳島戦。

ヴェルディ保持時2-3-5非保持時4-4-2~5-3-2。徳島保持時3-2-5非保持時5-2-3~5-3-2

理仁が上がりクレビーニョが降りて徳島の前線3枚に対して数的優位を作り、寄せてきた所で上福元から空いた理仁→梶川から奈良輪に寄せにきていた竜士の裏をジャイルトンが使い、CBの内田をサイドに引っ張って空いたハーフスペースにクレビーニョが入ってくるといきなり相手のいない所から前進する事ができました。4-3-3と3-4-2-1では噛み合わせ上SBが浮き、サイドにはWB1枚しかいないのでここを上手く突けたと思いますし、逆サイドでも小池がCBの石井引っ張った時に晃樹や理仁がハーフスペースに入ってくるのでここはチームとしての狙いなんでしょう。

ただ、徳島もそれはよくわかってるようでWGにCBが寄せて時間を作り、空いたCB-CB間にWBが入ってきますのでケアができています。

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徳島が5-2-3の時は2の横が手薄になり(監督がそのスペースを指してますね)ここをクレビーニョに使わせれば竜士がクレビーニョとジャイルトン2枚を見なければいけないのでここの狙いもはっきりしてますね。

今日は時間とスペースに余裕のあるSBを使う事もありますが、ロングフィードでWGの所で起点を作りIHがハーフスペースを攻略するか、ライン間に降りたレアンドロが捌く形が目立ちます。ライン間にいる選手が徳島の最終ラインの間に立ち、降りた時にWGが裏を狙い深さを作る事を徹底しているので空いたスペースを活用できてます。

徳島はロングフィードを河田が受けて起点になるかロングフィードやサイドチェンジからWBのクロスが多いです。クロス時に逆サイドのWBも入ってきて中に4枚いる事もあって型が整理されてますのでいつもやってる事なんでしょう。

押し込みながらも中々ブロックの内側に入っていけませんが、そういう時はサイドからクロスと使い分けもできていて主導権を握れてます。

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いつもならこの支配率とパス本数ならシュート数で下回る事が多いですが、ここまでシュートを許してない事からしてもボールを保持しながらもネガトラの出足がよく非カウンター面での改善も見られますしビルドアップも安定しているので点が取れると一気に楽になるんですが

保持時の徳島は前線3枚+WBで5枚になるので最終ラインで数的不利になってしまうので1枚降りてくるんですが、WGのジャイルトンなんですよね。チームとしての約束事でポジトラ時にクレビーニョを中継点にしたかったんでしょうけど足が速くカウンター要員にできる選手が最終ラインなのはもったいない気はしました。

自分達がやりたい事を体現できてる時はほんと伸び伸びとプレーしてます。それと前からのプレスでハメに行くのはいいんですけど、ロングボールを蹴られた時に簡単に剥がされて決定機までもっていかれてしまったシーンがあったように、アラートを効かせるという所や耐える時に辛抱して耐えるという部分をもっとやっていければ一段も二段も上にいけると思うんですがここが難しい所なんですよね。ただ、ここをしっかりやっていく事が今後に繋がっていきますのでやっていけたらなと

ここまでほぼほぼヴェルディのペースだった43分、内田からのパスを受けた竜士がカットインして一度野村に預けてポジション入れ替わってマークがズレた所からブレ球ミドルを決められてしまいます。シュート自体は竜士を誉めるしかないんですがほんともったいない…

ですが、失点後にヘッドダウンしたりバタついたりするのではなく、圧力かけてゴールを奪いにいく姿勢だったのは前進ですね。

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こういったサッカーをやる以上ビルドアップのミスは許容しなければいけませんし(多すぎるのは困りますが)危ないシーンを作られましたが支配率とシュート数で上回れた分失点がもったいなかったです…

ヴェルディはアタッキングサイドでも今までなかった中央突破もあってまんべんなく使えてますし、平均ポジションでも保持時の綺麗な2-3-5でした。

徳島の平均ポジションはその分低めになりますがWBやサイドCBが高い位置をとり保持時にやりたい形がとれてるのはさすがといった所。アタッキングサイドは河田が右サイドに流れる事が多かった分右サイドを使う事が多かったです。

後ろ3枚と梶川(プラス上福元)でのビルドアップも安定していてWGを狙って深さを作り、浮いたSBや梶川から空いたスペースを使って前進もできてましたしスコア以外はかなりの出来だった前半



後半の立ち上がりにインテンシティが緩くなったなと思ってた中で47分、アタックゾーンで横に動かされ野村が受けた時に背後に田向もいて理仁が数的不利になってしまっている所からのクロスをファーにいた河田に決められてしまいます。徳島に綺麗に崩された形なんですがパワーを出さなきゃいけない時に出ないといった感じでインテンシティが安定しないんですよね…


・守備でもっと厳しく相手にいくこと
・後半立ち上がりが重要だそ
という両監督のコメント通りになってしまいました…

2点目を取った事で徳島が守備ラインを自陣まで下げて深く守るようになり引いた時の非保持時陣形も5-4-1に変えてきました。徳島としてはなんとしても勝点3が欲しい訳ですし、ヴェルディは5-4-1ブロックを敷くと攻めあぐねるというのはロドリゲス監督が気づかない筈がないので当然なんですけどね。

後ろからのロングフィードでWGが裏を狙うのは継続してやれていますが最終ラインが深くなり背後のスペースを使いにくくなってきます。

徳島としては引いてカウンターを狙うというプランでいい訳なんですが、ポジトラ時に前線3枚と両WBが飛び出してきてクロス時と同様カウンターの形も整備されてますね。保持時も無理をしなくていいのでゆっくり回してスペースができたらそこを突くといった感じで余裕をもたれてしまい形勢逆転といった所。

57分にレアンドロ→佐藤へと交代して左IHに入り晃樹がCFへ移動

今日はWGが背後を狙う意識が高いので後ろに戻して相手を引き出してから裏を狙う形は狙っていっていいと思いますし、中央への縦パスであわよくば突破を計りながら相手を中央に寄せてからサイドを使うというプレーもあり退いた相手をどう崩すかという部分では一歩前進かなと。

コーナーキック時はゾーンで守るのはいつも通りですが、徳島はGKの正面に2枚入ってくるんですね。確かに上福元の守備範囲は広いんですがGKに枚数を割いてくるのは珍しいですね。

https://youtu.be/P9T4kGe7pfM
平からの縦パスを佐藤がスラしてジャイルトンのシュートと中央突破の形から得たコーナーキックから70分、ニアで弾き返された所から理仁がファーでフリーになってる小池を見つけてクロスを入れトラップしてからのシュートで1点返します。空いてる小池をよく見てたと思いますし、この時間帯に得点できた事は流れを奪い返すきっかけにもしやすいですからね。

しかし徳島は慌てずに河田を起点にして捌いたりサイドチェンジで前進してきますし、メンタル面でのコントロールもしっかりできてるんでしょう。

76分にクレビーニョ→藤田へと交代してアンカーに入り梶川が右IHへ移動

藤田は首を振って浮いたポジションどりをしてますしここの心配をする必要はない様子

82分にジャイルトンと晃樹のポジションを入れ替えます。フィジカルが強いジャイルトンを中央にして起点を作りたかったんでしょうけど強引に中央突破を計るといったプレーも目立つようになってきます。ふかばさんが指摘していたように地上戦でのパワープレーなんだと思いますが、時にはそういった形もいいですけど中央に人が寄る分サイドに大きなスペースができてカウンターを受けやすくなってしまい浮いたボールではないのでポジションを整える時間も無いのでハイリスクなんですよね。サイドを使うのと組み合わせるにはいいですけど中央突破の意識が強すぎると収支マイナスになってしまうんじゃないかなと。

89分に奈良輪→新井へと交代して左WGに入り小池が右SBへと移動

今までより退いた相手を崩すアイディアはありましたが崩せずに終了。

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支配率やシュート枠内シュートで上回り内容はよかったと思います。



最後に、リスク管理やインテンシティが安定しないというのはありましたが、安定したビルドアップから浮いたポジションを使って前進してWGが裏を狙って深さを作り起点になった時にはハーフスペースにIHやSBが入ってきてポケットを狙いコンビネーションでの中央突破と前進や崩しのバリエーションが増えましたので内容はよかったと思いますが、エグい位選手を引き抜かれた中でもこの順位にいるだけあって徳島は勝負強かったですね。

個人的には昇降格がなくなった時点で結果より内容重視なので満足とまではいきませんが概ね印象はよかったです。

次節はお互いに順位が確定している同士の対戦になりますが来年に繋げられる内容を期待してます。

20191110 第40節アウェイ千葉戦

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即位のパレードの裏で生中継での視聴者数が気になったアウェイ千葉戦。ヴェルディは佐藤と梶川、WGが逆配置

ヴェルディ保持時2-3-5非保持時ジャイルトンが残る4-4-2。千葉保持時3-2-4-1非保持時4-4-2

千葉は2CBに2トップSBにSHをつけてハメにきますが、2トップが開くと梶川が空くんですがボールが入るとDHの熊谷が出てきてその背後のスペースをレアンドロが使おうとするとCBのエベルトが出てくるので芋づる式に引っ張り出したり中央に寄せてからサイドとか空いたスペースを活用していきたい所です。

前節は幅を使う事があまりできていなかったからか今日は右サイドから左WGのジャイルトン、梶川から右WGの小池へのサイドチェンジが目立ちます。逆サイドに振ってから突破を計り米倉を自陣に張り付ける為に左右のWGを入れ替えたのかなと。それとジャイルトンはカットインや中央へのパスでバイタルを狙うのがメインのようです。ここは横浜FC戦から修正したんだと思います。

ヴェルディがボールを下げる時には追っていってあわよくば奪うというのは再現性がありますし千葉のゲームプランの1つなんでしょう。実際船山に奪われクレーペに決定機を作られてしまいます。

6分に佐藤に釣られて出てきたエベルトの裏に梶川からのスルーパスで小池が抜け出した所は周りを見る時間もありレアンドロの位置的にも優也が弾いた所に詰められる位でしたので打ってほしかったですね…

コーナーキックの時に打点の高いクレーペに対してはマーカーをつけるのは岡山戦でイヨンジェにもやってましたし、ここはゾーンディフェンスの安定感にもなっていると思います。

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ただ、ボールを保持するも足元で受けてモビリティも1つ飛ばすパスも少ないので中々進めずに失ってカウンターを受けてしまっているのでここはまだまだのようです。ミスもあるんですが勝負というよりは無理目な縦パスを入れてるという事もあるんですが、カウンターケアの配置は改善かなと。

奪われて前進され奪い返して前進と前半のうちからややオープンな展開でこういう殴り合いになるのは千葉戦らしいと言えばらしいんですが…


レアンドロが時間を作り、降りたスペースに小池が入ってきて奈良輪が幅を取り(WGが絞る時はSBが幅を取るのは約束事ですが)梶川から小池を狙った縦パスで相手を中央に寄せてから左のジャイルトンを使い小池へのグラウンダークロスと降りたスペースを小池が上手く活用できてました。

レアンドロが寄せられてる時はワンタッチで叩いて周りを使うのは間違ってないんですが、サイドから進む事を余儀なくされていて構造上レアンドロが降りる分クロスを入れにくいというのもありますし、裏を含めスペースの活用法がまだはっきりしておらず偽9番を生かしきれてないという印象です。

保持時の千葉は前からハメてショートカウンターやクロスでシンプルな形が多く安全性を担保しながらという印象があります。勝ち点を取ればほぼ間違いなく残留確定ですからね

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幅を使う意識は上がっていましたが前節とほとんど同じスタッツでしたね。平均ポジションは千葉はクレーペが中央にいて為田下平が高い位置を取り、ヴェルディはジャイルトンの仕掛けからの形が多いんですがWGがレアンドロと同じくらいの高さで深さを作る動きが少なくスペースを作れてませんでした。

あまり変化が無く時間が過ぎていったというのが正直な感想の前半。



後半、工藤のトラップミスをきっかけにジャイルトンからのマイナスクロスを梶川がシュートとバイタルを狙う意図ははっきりしているようです。

自陣で失ってショートカウンターを受けるシーンが続きましたが、後ろでのパス回しはGKに戻す事も含めて慎重にやっていきたいのと梶川に入った時にはDHがアプローチにきますのでアンカーを使わせない事は約束事なんでしょうけど剥がせれば中央にスペースができCBが埋めにくれば背後が空くのでここはトレードオフになるかなと。

前半よりも中央を使えるようになりましたけど、足元で繋いでモビリティは欠けるの所は同じですね。どこにスペースを作りどう突くのかがまだ共有されておらず合わないというような感じです。もちろんパス回しで相手を動かす事も大事なんですけど57分にあったようなレアンドロのパスから小池が裏に抜けたこういうプレーで深さを作る事ももっとやってほしいですね。

それと後半になって裏を狙う小池を積極的に使っていこうという意図のようでしたから1vs1の時はもっと仕掛けていってもいいかなと思いました。

68分に左右のWGを入れ替えます。後半になって米倉にオーバーラップから攻撃参加をされるようになったので裏を狙う事が多くなった小池を左にもってきたのかなと。

ボールを保持して手数をかけるヴェルディと手数をかけずに前進してくる千葉という感じで膠着状態になってるのでお互いにベンチワークがしづらい展開ではありますね。

74分に千葉ベンチが動いてきましたが工藤→佐藤勇人なら役割的にはあんまり変わりませんし

84分に小池→新井へと交代。仕掛けからのシュートもありましたし自分の良さを発揮する事はできていたかなと。

89分にレアンドロ→李栄直へと交代してそのままCFへ。チームとしての約束事はあくまでもフリーマンなんで動くんですけど、タイプの違いや残り時間を考えたら真9番として中央で構えていてもいいんじゃないかなとは思うんですが

このまま展開があまり変わる事なく終了。

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前節とあんまり変わりませんでしたね…



最後に、ヴェルディのモビリティや1つ飛ばすパスが少なく対応しやすかったという要素はあったかもしれませんが、非保持時の千葉はハイプレスとブロックを作る所だったり球際でも戦えてましたので今まではなんだったのかと(^_^;)

WGが米倉を封じ込める分逆サイドの下平が上がってきてましたが、為田は守備が得意なタイプではなく下平も足が速いとは言えないのでこちらのサイドを狙うのもいいんじゃないかなと個人的には思いました。

ブロックを作った相手を崩すのは容易ではありませんが、ここは〇〇という理由でこうした方が望ましいという所にズレがあって、現状では規律の中の自由と自由の中の規律との狭間にいるような印象なので原理原則から整理していければいいかなと

展開としては千葉のペースでしたがお互いにナイーブな面がありましたし似たような所が結構あるなという印象でした。

20191102 第39節アウェイ福岡戦

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キックオフまでの場内アナウンスこんなに長かったっけ?と思ったアウェイ福岡戦。ヴェルディ保持時2-3-5非保持時レアンドロジャイルトンの4-4-2。福岡保持時3-4-3~3-2-5非保持時5-4-1。

福岡のCFSHの2-1対して2CB+奈良輪佐藤で4-1時はクレビーニョも降りてきて数的優位を確保します。城後はアンカーへのコースを切りながらCBに寄せていこうという意図は感じるんですが、ボールを追いかけて佐藤へのパスがスコンスコンと通るんですけど…佐藤が受けるとDHの加藤が迎撃に出てきますが、そうするとその背後にレアンドロが降りてくるのでビルドアップの整備は進んできてますね。

SHの木戸から松田へ渡り裏に抜け出してからのクロスの跳ね返しを淳が撃ってきましたが、序盤ではありがちではありますが非カウンター対策を兼ねてという印象で守備の再構築という所に取り組んできたというのもこういう事なんでしょう。


こちらは動画で、若狭が城後の脇から運んで(前節の潮音のプレーでも触れましたが、梶川がバックステップでライン間に上がり若狭に時間とスペースを渡してます)相手を引き付けてから佐藤を経由して空いてる左サイドを使い、クレビーニョに渡して木戸を引っ張って梶川に当てたり近藤が持ち上がって相手を引き付けてから左サイドを使っていきます。相手が前からこないので時間的な余裕がある事もありますがビルドアップが安定してきました。

引き付けて外と中を空けるなら中と使い分けをして相手を動かしていけてるますしネガトラ時の5秒ルールもやれているんですが、非保持時にジャイルトンのポジショニングが曖昧な事もあって福岡の左サイドからスムーズに運ばれてしまってます。

福岡はしっかり守ってカウンターとチームとして一体感がありますし、ポジトラ時に福岡の切り替えが速いのでここも守備の再構築をしてきた部分なんでしょう。前節柏に負けて守備に取り組んできたというのは栃木もそうでしたけど順番が悪いですね…

ヴェルディはビルドアップは安定してるんですがライン間から進めず中々シュートまでいけないんですが、構造上CFが降りるのでWGが深さをとって福岡の最終ラインを押し下げたりフリック以外の仕組みはもう少し整備が必要かなと。

福岡は輪湖を起点にしてからのクロスや城後に当ててからのセカンドと後ろで回してヴェルディを引っ張り出してからSHやWBが裏を狙う形や中盤で奪ってショートカウンターと手数をかけずに攻撃を完結させてきますのでこれがネガトラ対策にもなってます。

小池が絞り奈良輪にコースを空けるのはいつもやってますが、5バックの所を前に引っ張ってその裏を突くのとの組み合わせは5-4-1殺しのヤンツー式にも通じてきますので積極的に使っていきたいです。

25分にコーナーキックファーサイドの實藤に合わせられ失点。セットプレーの守備は高さの問題もあるのである程度仕方ないんですけどね…

その直後に晃樹が強引に突破したシーンがありましたがリズムを変えるという意味でもよかったと思います。サイドに流れて實藤を引っ張ってレアンドロにスペースを作ろうというという意図を感じますが、前にいられる分には相手も対応しやすいので裏を狙って相手を押し下げてレアンドロにスペースを渡すやり方も組み込んでいけたらバリエーションが増えるのでやっていけたらいいなと思います。

ボールを保持して崩しのアイディアもあるんですが、得点して福岡も元気が出てきたのか粘り強く対応してきます。永井監督はサイドチェンジも使って相手を揺さぶっていこうというという指示をしているようですがここまではないですね。

41分に佐藤のサイドチェンジで奈良輪のクロス→弾かれて右サイドから梶川のクロスをレアンドロと横への揺さぶりの形がようやく出てきます。以前よりよくなってきてますし後は選択肢の中から何を選ぶかをチームで共有する「目を揃える」という所かなと。ここをクリアにしていけばブロックの前で回すだけになってる時間を減らせると思いますので

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スタッツや平均ポジションは押し込みながらも中々決定機を作れずアウェイ栃木戦の時とほとんど同じですね。福岡は輪湖と松田の所からヴェルディは小池奈良輪晃樹の所からの前進が多かったです。

ビルドアップは安定してましたし崩しのアイディアもあるんですけどチームとして今何をするのかを共有しきれてなかったという印象が強かった前半。



後半、右サイドの梶川も外に開いて受ける形が出てきます。相手を外に引っ張るには効果的ですが奪われた時に中央を明け渡す事にもなりますのでここはトレードオフになるんですが、梶川はバランスをとる要になってますのでリスクの方が大きそうな印象です。


1トップ脇から若狭が運んで梶川→佐藤→梶川と渡し小池とクレビーニョが幅と深さをとり降りてきたレアンドロに楔を入れて迎撃に出てきた菊地の背後を晃樹が狙いジャイルトン→小池が相手を引き付けてからリリースして受け手に時間とスペースを渡しながらのクロスでシュートまでいけましたが、これはチームとして狙ってた形だと思います。クレビーニョの所で決めたかったですね…

前半よりクロスで左右に揺さぶる形は出てきてるんですが、ライン間を拡げる為にももう少し裏抜けがほしいというのもあるんですがボールだけ下げても相手はついてきませんので後ろに下げるのであれば全体的に下がって福岡のブロックを引き出す動きもほしいですね。

56分、惇から左サイドに流れた城後へのロングフィードを受けて時間を作ってからのグラウンダークロスを松田に決められてしまいます。福岡がリスクを負わずに攻撃に人数をかけない中でマークの受け渡しにミスが出て失点しまったのは痛かった…

60分に奈良輪→理仁へと交代してそのまま左SBに入りました。ここから右サイドへのロングフィードの起点にしたかったのかなと。

66分にGKのセランテスと接触したジャイルトン→河野へと交代。ジャイルトンに何もなければいいんですけど…

この後福岡は前からプレスをかけてきて面食らった形になりましたがどこかのタイミングで狙ってたんですかね?

69分に佐藤と梶川のポジションを入れ替えました。ボールの動かし方も変わって河野や晃樹のチャンスを作れましたし、佐藤はIHで起用した方が活きるとは思うんですよね。

2点を追いかけなきゃいけないので攻め急ぎたいのはわかりますが、ボールの位置に対して選手が前がかりになり過ぎていて自らスペースを狭くしてしまっているのでここは修正していきたいです。

前半より左右に揺さぶる事ができて決定機も作れてるんですが、ここは〇〇だからこうするのがベストだよね!って所の崩しの共有部分がまだ合ってない様子です。ここは優先順位を決めてしまうのも1つの手かもしれません。

82分にクレビーニョ→澤井へと交代してそのまま右SBに入ります。

前がかりになって選手同士の距離が空いてバランスが崩れている状態なので奪われるとシュートまでいかれてしまっていきファウルが多くなってきます。残り時間が少なく2点差なのでやむを得ないというのはあるんですけど、即時奪還ができないとボールポゼッション80%で相手を圧倒するサッカーはできないと思ってるので、進めない時のボールの逃げ道とカバーリングを兼ねてボールホルダーの斜め後ろに人がいるようにしていければ非保持時の安定化にも繋がっていくだろうしやっていければいいかなと。

相手を崩せず逆襲を食らう展開が続いてた中で終了。

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スタッツは栃木戦とよく似てましたね…



最後に、栃木、大宮戦もそうでしたが5-4-1をどう崩すかというのは至難の技なんですが、最後までチームとして共通理解を合わせる事が難しかったように見えました。

ハーフタイムのコメントが具体的なものではなかったのは気になりましたし、チームとして目が揃わずにメンタル面で混乱してるような感じがするのが気持ちが見えないと言われる原因の1つなんじゃないかとも思いますので、判断を速く明確にする為に色々仕込んであるパターンプレーの優先順位を決めてしまってもいいかなと。

ビルドアップのパターンは整理されてきてかなり安定してきてますのでここは続けていってほしいです。

次節の千葉もまだ残留が確定しておらずなりふり構ってられない状態なのでここからどう構築していくかですね。

ちなみに5-4-1殺しのヤンツー式(金沢の柳下正明監督の事です)はこういう仕組みです。SBに負担がかかりがちではありますが抜け出すのが困難なハメ技です。


20191027 第38節アウェイ横浜FC戦

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イバがJ2で通算150試合出場する前に何でJ1勢が引き抜いてくれないのかが未だによくわからない横浜FC戦。

ヴェルディ保持時2-3-5非保持時晃樹ジャイルトンが並ぶ4-4-2。横浜FC保持時3-2-5非保持時皆川レドミが並ぶ4-4-2。

横浜FCは前からプレスをかけてくるタイプではないのでビルドアップはアンカーが2トップ間に入って締めさせて2CB+奈良輪かクレビーニョで数的優位を作って脇から運び、深さと幅要員のジャイルトンが中に絞ったら澤井が幅をとり、クレビーニョが降りた時にハーフスペースへアンダーラップと形の整理は進んできています。


近藤が2トップ脇から上がってきたので潮音がバックステップでライン間まで上がって近藤に時間とスペースを渡してました。晃樹と中を締めさせる事によって今度は奈良輪に時間とスペースを渡せるのでこういう所の個人戦術は確実に向上してきてますね。

コーナーキック時にボールの空気が抜けて一旦試合を止めてボールを代えましたが、誰にドロップするのかが明確になった新ルールはこういう時の試合進行がスムーズになります。

2トップ間やSB経由で梶川がボールを触れられる事が多い事もあり押し込んでいけるんですが、横浜FCは両翼から運んでカウンターで刺せるのでネガトラのケアはもう少しはっきりさせたいのと、前からプレスをかけて外されると俊輔にフリーで受けられてしまうのでコースを切る事を意識して寄せていってほしいなと。

横浜FCのビルドアップは佐藤がCB間に降りてSBを押し上げて俊輔が2トップ間に立って菱形を作りCBが持ち上がってSBやSHを使いサイドを起点してきます。北爪やSHからのクロスが多いので皆川にマークにつきレドミへのコースを切るという所はしっかり準備してきている様子です。構造上ポジトラ時にサイドが空くのでここをWGが狙っていってもいいかなとは思いました。

最終ラインが落ち着いてボールが持てるので、15分くらいから近藤や奈良輪のロングフィードで小池が裏を狙うシーンが出てきます。最終ラインが全員右利きなので左サイドに飛ばしやすく北爪が積極的に攻撃参加をする事の牽制にもなりますので理にかなってると思います。右サイドへのフィードは大外のジャイルトンがハーフスペースに落としてクレビーニョに拾わせるという形がメイン。

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お互いにアタックゾーンまで進んでも中央をしっかり閉じているので大外からのクロスが多く、崩す事ができていないのでここまで両チーム合わせてシュート0本と固い展開。この後に右サイドでのオーバーロード(密集状態)からのアイソレーション(逆サイドでの孤立)で小池が受けて晃樹が撃ったのが両チーム合わせてのファーストシュートでした。

ここまでチャンスらしいチャンスは作らせてませんが、クロス時にヴェルディは構造上CFが下がってる事が多い事もあり中に人がいない事もあります。横浜FCは皆川レドミ逆サイドのSHと人のかけ方が整理されてますね。

26分、最終ラインに降りた佐藤からロングフィードで右サイドで高い位置をとっていた北爪に渡し、中山がサイドに流れる事で近藤を引っ張ってコースを作って皆川に通されてからのポストプレーの落としを俊輔に豪快に決められてしまいます。俊輔のシュートはもう仕方ないですがここまで消せていた皆川に仕事をさせてしまったのは痛かったなと。

得点して元気が出てきたのか最終ラインにまでプレスをかけてくるようになりましたが、あまり連動性が無く間を通せていたのでこっちの方がよかったですね

ここから横浜FCにボールを持たれる時間が増えていき、ハーフスペースの中山から大外の北爪に渡してクロスやレドミや俊輔との三角形から中山にポケットを使われたりして押し込まれます。これが元々横浜FCの狙いなんでしょう

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シュートまでいった2つのシーンなんですが、横浜FCはバイタルを空ける傾向があるのでカットインやマイナスクロスが効きそうなのでここをもっと使っていけたらなと


大外で小池が受けて北爪が寄せてきた裏に晃樹が流れてた所は佐藤が降りて新たな4バックを形成しましたが、佐藤が空けたスペースを潮音が使ってその間に晃樹が降り小池がポケットに移動して受けてシュートまで。小池晃樹潮音の三角形を旋回させる事で自分達のバランスは崩さずに相手が元の4バックに戻った所のギャップを上手くつけたと思います。相手のバランスを崩しながらも自分達のバランスは維持するというのはポジショナルプレーの概念ですね。

ブロック組まれた時に中に楔を入れられる時は打ち込んでいけば相手は当然中を締める分外も使いやすくなりますし、近藤若狭の運び方やどこに出すかの判断が良くなってきてますね。最前線にクリーンなボールを入れられるかどうかはGKとCBにかかってますし、このスタイルを作り上げていけるかどうかの要となる所なのでこれからもチャレンジしていってほしいです。

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ボール支配率とシュート数では上回りましたが、非保持時にしっかり中を締められてチャンスメイクはあまりできませんでした。横浜FCは深く守ってからのカウンターやビルドアップの形は意図したものが出せてたと思います。

平均ポジションからしてもヴェルディは左サイドに人数をかけているんですけどスペースを埋められてオーバーロードを中々生かせませんでした。横浜FCは佐藤が2CB間に降りてSBを押し出して幅を作ってSHが絞りCBDHで菱形作ってCBが持ち上がる形が出てます。

監督がやりたい事を体現できるようになってきて積み重ねを感じますし、拮抗した展開でしたけど現時点での組織力の差は出ていたかなという印象だった前半。



後半頭から潮音→佐藤へと交代してアンカーに入り梶川が左IHへ移動。

後半に入っても展開はほとんど変わらず横浜FCは速攻か遅攻かという所のコントロールは主に俊輔が担っていますので、ボールを持った時にプレッシャーをかけられず自由にさせている事で後手に回っている印象です。

54分、レドミ→北爪→レドミで前進してバイタルに侵入した所で皆川が右に流れて若狭を引っ張り左サイドの松尾へのスルーパスを澤井が触ったんですが、そのこぼれを皆川が折り返して松尾に押し込まれて失点。1点目と同じくCBを引っ張ってからのデザインされた形でしたし、レドミのシュートコースも防がなければいけなかった分反応が遅れてしまうのはやむを得ない所ではあるんですが時間帯的にも痛かった…

2点リードした事もあって横浜FCは無理に前進せずに後ろとサイドで回す形も出てきます。こういうのもゲームプランに組み込んであるんでしょう。

61分に澤井→栄直へと交代してCFに入りクレビーニョが右SB晃樹が右IHへと移動。

その直後の62分、近藤から引いた栄直に渡して左サイドに出したボールを小池がスルーして奈良輪が受けてからのクロスを南がファンブルしてそのこぼれを栄直が押し込んで1点返します。CFが偽9番から真9番になったので奈良輪も意図的に栄直を狙ったハイクロスを選択したんだと思います。

栄直が入って前線からボールホルダーを追いかけまわすようになり、ロングボールを蹴らせて回収する事ができるようになってきたのでヴェルディがボールを保持できるようになってきました。前線は積極的にプレスをかけない時でもコースを限定して後ろを楽にする所はもっとやっていってほしいかなと。

横浜FCが中を締めてる事もあり出す場所を探しながらといったシーンは前半からありましたが、裏抜けやセンター線で繋げられるようになったので中を使ってから外に出してからのクロスとシンプルな形を使えるようになり押し込められるようになってきました。佐藤からWGに裏を狙わせる形も目立ちます。

72分に梶川のFKから若狭に合わせたのがクロスバーに当たりましたが前節はそれで助けてもらいましたから仕方ないです

クレビーニョがボールを叩きつけた事でカード貰いましたが、自分達の流れの中でプレーを切ってしまうのはもったいないですし、もしこの後失点もののピンチをやむを得ず止めた場合に味方を数的不利にしてしまったらチームに迷惑をかけてしまうのでこういう所は考えてほしいですね。

74分にクレビーニョがロングフィードした時に斎藤が足裏を見せてタックルに行ったので警告はいいんですが、栄直が収めてジャイルトンが裏を取れそうだったのでアドバンテージを見てくれてもよかったかなと…

79分に奈良輪→永田へと交代。ポジションはそのまま左SBへ

84分にもジャイルトンがヨンアピンに倒されながらクレビーニョに出して抜け出した所でファウルとられましたがここもアドバンテージ見てくれてもよかったんじゃないかなと…

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ジャイルトンのカットインから栄直がフリックして晃樹がシュートまでいけたシーンがありましたが、ここでもバイタルが空いていたので効果的に使っていきたかったですね。

松尾、松井、イバでコーナーフラッグの所でキープして時間を使ってましたけど、前から思ってたんですがこれって1つの競技にできるんじゃないですかね?

時間もないので栄直目掛けてロングボールを入れるのはいいんですけど、それなら落としを拾う為に近くに味方を配置しておかないと繋げられませんのでこういう所はもっと整備していかないといけませんね。

このまま逃げ切られて終了。



最後に、お互いシーズン途中就任とは言っても期間が全然違うので比較するのはフェアではありませんが、横浜FCの方が組織としての強度は高かったと思います。

ですが、ここまで積み重ねた形が確実に体現されてきていますので、これからプレッシャーは軽減されるであろう中でどれだけ進めていけるかという所が今後の課題になってきますね。


今季途中に横浜FCへやってきた中村。トップ下へのこだわりは捨てていないが、新天地では1列低いボランチを務めている。「ハンドルになりたいが、そういう戦術ではない」。ここでは密集地のボールに顔を出して絡むより、ボールに遠くてもあえてポジションを守ることで、サイドの選手をフリーにしてあげることが求められている。(中略)
こうした戦術に適応するにあたり、中村はベンチ外練習やスタンドからの観戦機会を活かす他、同様の思想を持つ横浜FMや東京Vにおけるボールの動かし方を学んでいるという。「自分のプレーはこうだからというのを捨てないといけないというか、色を変えて、照らし合わせて、何ができるか」。そうした探究心の末に、743日ぶりのゴールは生まれていた。

中澤が証明しましたが、新しい事に適応する為に学び続けようという気持ちがあれば、いくつになっても成長できると思いますので期待してます!

20191019 第37節ホーム甲府戦

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今季最後の西が丘開催となったホーム甲府戦。

ヴェルディ保持時2-3-5非保持時ジャイルトンが前に残る4-4-2。甲府保持時3-2-5~エデルリマを上げる2-3-5非保持時5-4-1。

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開始早々、クレビーニョのバックパスを2シャドーがフワッと追っていった背後で潮音がフリーで受けられたシーンなんですが、前からのプレスでハメてヴェルディのビルドアップを阻害したかったんだと思うんですけどそれにしてはプレスがちと緩いんですよね。


このシーンでも右シャドーの佐藤が左サイドに開いた近藤へのコースをウタカが切ってるのを確認してから梶川に寄せていってるので1トップ2シャドーでGKCBをハメにいきたいんでしょうけど上福元の技術が高いのでその背後のスペースを使う事ができてますし、甲府が前からプレスを行きたい前線とブロックを作りたい後方といった感じで中盤にスペースができるのでアタックゾーンまでの前進はスムーズですね。

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非保持時の甲府のWBが連動してないのでこのように浮いたSBを使えるんですよね。なのでウタカが梶川へのコースを切っててもSB経由でボールが入るのであまり効果がないです。8分に小掠が前に出てきて曽根田に澤井のケアをさせるような数合わせはしてはいるんですが再現性が無かったのでチームとしての約束事ではないようです。


8分、近藤からのロングフィードを小池が受けてアウトサイドで田中をかわしてGKCB間に入れたグラウンダークロスをジャイルトンが合わせて先制!晃樹も詰めてましたし狙い通りの形が出せたと思います。

この後甲府は前からの圧力を強めてきますが数的不利な状況でも突っ込んでくるので剥がして背後のスペースを使って前進する事ができています。

今日の保持時は左は小池が絞り奈良輪がオーバーラップするんですが左はジャイルトンが大外に張って澤井がインナーラップしてきてクレビーニョは中盤に残る形です。左のオーバーラップが潮音、右が澤井というのもありますが、おそらくこういう時にどこに入るで共有してるんじゃないかなと。ライン間に立ちボールを引き出しながら前進を図るという所は良くなってきてますね。

保持時はいいんですが非保持時は誰がどこにつくのか誰を見張るのかという所やパスコースを切るというのが曖昧でウタカをフリーにしてしまったりしていてまだまだ不安定ですね。ネガトラ時のデュエルの意識はいいんですけど

15分、小柳のパスを小池がインターセプトして晃樹が小柳を引きつけた所からカットインしてジャイルトンへの縦パスから右ポケットのクレビーニョへのクロスを弾かれたこぼれを梶川がファーポストを巻くようなシュートで追加点!ジャイルトンと晃樹の裏抜けがあって甲府の対応がはっきりしなかった所をうまく突けたと思います。甲府ヴェルディの穴を突けそうだという所で追加点を取れたのでタイミング的にもよかったです。

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水戸の長谷部監督もそうでしたけど伊藤監督も分析班と通信しているようですね。こうする事で早めに対策をする事も可能になりますしJリーグもこういった流れになってくるでしょう。

点を取らなきゃいけないので奪いにいきたいけど空いてる梶川に組み立てられて剥がされ結果的に退くといった感じなので前からのプレスが曖昧だった事で想定していたゲームプランとは違う展開になってしまったといった所なんでしょうか。立ち上がりに気を抜いて失点してしまうというのはよく見た事ある光景でしたので…

ヴェルディは相手が前からくる事もあって押し込んで崩すというよりインターセプトからショートカウンターロングフィードでシンプルにWGを狙う方が目立ちますがリードしてる訳ですしこれでいいんじゃないかなと。

20分過ぎからはボールが持てない時間が多くなってきましたが、非保持時の対応はまだ道半ばといった所でフィジカルを生かして押し込んできますが上福元とクロスバーの活躍でなんとか守りきれたといった様子。

甲府の保持時は3バックの近くまで2DHが降りてきて前線の人数が足りない事もあってWBに裏を狙わせる事が多く、ここからクロスというのが基本線の様子です。

2点リードしてるので無理に攻める必要はないですし、ボールを保持して時間を作って休むという事もできてますのでシュートまで中々いけませんがここまでの試合運びはいいと思います。

まだ前半なのでオープンにはなってないですがお互い非保持時が不安定な事もあり早い攻撃が多くなってきます。

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クレビーニョと小出が接触して甲府の保持時に主審が試合を止めたシーンなんですが、ドロップボールから再開する時にドロップを受ける選手以外は敵味方問わずボールから4メートル以上離れなければなりませんので主審がジャイルトンに下がりなさいってやってますね

小池の使い方は間違いなく梶川が一番うまいんですが、小池と呼吸が合わずにオフサイドになってる事が目立つのでここは要修正かと。

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支配率で上回りシュート数は4倍以上でしたが立て続けに撃たれたので本数が多かったです。平均ポジションやアタッキングサイドはヴェルディは小池や潮音や奈良輪が関わった左サイドの印象の方が強かったですが澤井が高い位置をとる事が多く、いつも通りWGが幅と深さをとり晃樹が降りる形。甲府は裏を狙う事が多かったので平均的なポジションになってます。パス数ランキングからしてもいかに梶川がボールを触ってそこから組み立ててた事がよくわかりますね。

上福元やクロスバーの活躍に助けられましたが、甲府の前からのプレスが曖昧で梶川を離していた事でスムーズに保持ができて、裏を狙って効率よく点が取れ理想的な展開だった前半。



後半頭から曽根田→アラーノへと交代。甲府は得点が必要ですからね。

甲府は非保持時を3-5-2に変更して2CBに2トップを当てトップ下がアンカー、IHをDHが見張りSBにはSHがつくように修正してきます。今まで梶川とSBを自由にしていたので当然なんですが、これによりプレスがハマるようになってボールを保持する事ができなくなって押し込まれます。


49分にアラーノのサイドチェンジが主審の後頭部を直撃してボールをタッチに出しました。こういう無防備なやつが一番痛いんですよね…当たったボールを甲府が拾ったので甲府のドロップボールで再開となります。

ジャイルトンが起点となるカウンター以外ではボールを保持できない時間帯が続いていきます。非保持時にどこに誘導してどこで奪うのかという所の整備を進めていかないと難しいかなと。

プレスがしっかりハマっているのでゴールキックからでも奪われて波状攻撃を受けてしまっていてフルボッコ状態です…

60分に晃樹→レアンドロへと交代。そのままCFに入ります。

甲府は内田、アラーノ、エデルリマが絡んで左サイドから攻撃してくる事が多くここからクロスやカットインから右サイドを使ってクロスというのが基本線。

レアンドロを投入しても保持した時に裏狙い一辺倒なのは変わりません。確かに押し込んでるので裏は空くんですが、噛み合わせ上WGが空くので少し降りて受けるプレーがあってもよかったかなと。

きっちり人につくような守り方をされてるのはありますけどボール出しが早くかつ相手が寄せてくる前にワンタッチで離して奪われる事が多く自分達で状況を悪化させてしまっていますね。リードしてて非保持時に強みがある訳でもないのでもう少し我慢してボールを動すというもの必要になってくるんじゃないかなと。

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71分に小池→平へと交代して3-4-3に変えて非保持時は5-3-2と後ろの枚数を増やして甲府の前線3枚+WBに対応する形に修正します。

レアンドロが降りて受けジャイルトンが絞り奈良輪が大外とようやく形になってきましたしクレビーニョが降りて受けたりして保持時のバリエーションがようやく出てきました。ブラジルトリオのユニット優位にいつもの形が合わさったような感じです。

80分にスローインを奪われて内田のクロスを金園が落として宮崎が拾って佐藤に渡し右ポケットから撃ち抜かれて失点。マンマークのようにつかれてましたがスローインはもう少し整備していった方がよさそうです。

87分にクレビーニョ→安在へと交代。WBに入り澤井がWGに上がります

失点後にまた押し込まれて身体を張って守るという展開に戻ってしまいますが、ウタカやアラーノに突破されるシーンもありますので寄せる所はしっかり寄せてほしい所です。

なんとか跳ね返して堪えて終了。終了後にレアンドロとアラーノが何か言い合いをしたようで両者とも警告されてレアンドロが次節出場停止…フラストレーションが溜まる展開だったのは間違いないですけどいらないカードでしたね…



最後に、前半は浮いてたアンカーやSBを使って前進できてましたが後半の相手の修正に対応できませんでした。時間を削られてボールを離すタイミングや前進が早すぎてロストしていた事も後半流れを手放してしまった要因だと思いますのでもう少し我慢してボールを動かす事も必要だったかなと。

甲府がパワーで押し込んできてる中で交代が遅かったのは選手達での修正を期待したんでしょうけどここは元のベースがもっとしっかりしてないと難しいと思いますが、序盤の緩みを突けたのが勝負を分けましたね。