20240506 第1/2節ホーム磐田戦

ホーム磐田戦。ヴェルディ磐田共に4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は後ろ4枚と2DHも低めで六角形を作る4+2のビルドアップで2CF脇からのドライブ又はサイド経由でCFが収めてCF同士の関係性にチアゴアウベスは大外見木中に絞って絡みポケットを狙うのが基本線のよう。非保持は磐田が低い位置で人数をかけるので2DHを背中で消すミドルプレスでサイドに入った所から寄せ、2CFへのフィードにはCBが出てきて迎撃してDHに拾わせる形。ただバックパスには寄せにいって二度追いで対応します。磐田はある程度前進するとSHやCFが絞ってくるので運んでくる選手にはSHが寄せSBがハーフスペースをケアするのが約束事のよう。

磐田の保持時はこちらも後ろ4枚と2DHが低い位置で六角形を作る4+2ですけど磐田の後ろ4枚はかなり幅をとります。そこから前線へのフィード又はサイドから運んで2CFへ縦パスとまずここで起点を作ってからチャンスメイクする形が多いのでヴェルディとよく似てますね。CFへのフィードの時はSHが絞ってサポートしたりDHへ落としてサイドに叩いてSBが上がってきてクロス、中央に入ったらサイドに張るSHが運んでポケット侵入を試みるかクロスの形が多く、全体的に横圧縮して中に人数をかける所もしっかりしてますし、実際クロスからかなり得点してるので自信があるんでしょう。そして浅い位置では通常、深い位置ではマイナスと使い分けもできてます。非保持はCBまでは寄せないミドルプレスでサイドに入った時もSHが構え気味でその先から挟み込むのを狙いにしてるようですが、寄せる構えるが曖昧になる事もありす。ただバックパス等ボールホルダーが前を向けない時は前から寄せにいきます。

キックオフで右サイドへのフィードを染野に当てるすっかりお馴染みの形からスタート。

1分に袴田から縦パス入れた時にチアゴアウベスが磐田のSHSBに挟まれる格好になったんですけど平行サポートが少し遅れてしまいましたね。結果的に繋がって木村がファウルを貰う所までいったんですけと修正してもらいたい所です。

お互い前線2枚がキーパーソンになってる分空中戦でのデュエルが多い展開がしばらく続きますが、序盤はまず蹴り合いとは様子が違いますね。

6分に翁長の縦パスを木村がターンして前を向いてクロスの決定機がありましたけど狙い通りの形で崩せたと思います。それと磐田はかなり横圧縮して守るのでかなり人数がいる割には寄せる構えるの判断がはっきりしてない時がある印象です。

9分に千田が磐田のCFの脇から持ち上がって右SHの松本の足を止めてからチアゴアウベスや染野に縦パスを入れたのは良かったですね。別に運んでから背後に蹴ってもいいと思いますし、CBが時間と空間を運べればCFも前を向けますので続けていってほしいです。ただまたチアゴアウベスに平行サポートが無かったですね…

今節はプレスに行く行かないの判断や連動性がいつにも増して上手くいってる印象なんですが、磐田がそこまでビルドアップに固執してないのもありそうです。

ヴェルディは磐田が後ろ向きで収める所を潰せない事が多いんですけどここはアジャストしていくしかないでしょう。

シンプルにジャーメインや松本を背後に狙わせる形もありますし、2DHが斜めになってサポートしたりCFの落としから中央を使われスムーズに前進されるシーンが出てきました。磐田はある程度前進すると横圧縮してクロスターゲットを増やしたりカウンタープレスが効きやすくしてくる上球際であまり勝ててない事もありヴェルディは蹴るだけになってしまうので全体的に後ろ重心になってきました。

空中戦では五分にやれてますし、チアゴアウベスが受けて森田のポケットに侵入する形も作れてはいるんですけど球際の部分でカバーされてしまうシーンが結構目立ちます。

狙い通りに誘導はできてるんですけど収められて中央を使われる事が多いんですよね…逆に収めたり前向きで奪った時はスペースがある分チャンスメイクできるんですが

33分にファーへのコーナーキックを千田が折り返したボールが松本の左腕に当たりPK獲得。これを染野が決めて先制します。劣勢な中でのセットプレーで得点はあるあるではあるんですけど先制できたのは大きいですね。

また空中戦のスクランブルになりましたけど、これならデュエルは五分なのでヴェルディとしてはこちらの方が良さげです。

ビハインドになったので磐田はハイプレスになりましたけどそこまで連動性が高くなさそうで意外とスペースがあるので出てきてもらった方が前進できそうな感じです。


コーナーキックを中央で染野が頭で合わせたこぼれを木村ニアハイに決めて追加点をとります。染野がフリーでしたけど磐田はゾーンなのでヒンズドで合わせられると難しい面はありますね。染野もしっかり叩いたからこそ川島もキャッチできなかったと思いますのでいいシュートだったと思います。

ヴェルディは無理をする必要がないのもありますし、2点のリードができた分中盤でしっかり構えてコンパクトな陣形を作るようになりました。ジャーメインや松本へ背後を狙わせるフィードが出てきた辺りから全体的に低めでしたからね。

45分にフィードを木村が収めてチアゴアウベスに出した時にかなり遠目からシュートを打ってしまったのはもったいなかったですね。確かにシュートを打つ意識は大事ですし、結果が欲しいのもよくわかりますけど2点リードの終盤なら簡単に相手にボールを渡さない事を優先させてほしかったなと

サイドに張った時から内外からサポートしてポケットを狙う形は出せてますので球際の部分なんですよね。慣れていくしかない部分もあるんですけど受け手がプレスのベクトルを受けにくい形はもう少し作れると思うんですよね。

中盤くらいから球際で劣勢になりましたけど奪ってからのカウンターでコーナーキック7本xGも2.75vs0.33とチャンスを作れてましたので本来のゲームプランとは違うかもしれませんけどセットプレーをモノにできたのが大きかったなって印象です。

2点リードで折り返せましたし、しっかり寄せて時間と選択肢を奪いながらのプレスや攻撃で運びや崩しの形は出せていたのでやれる事やるべき事はやれていたけど球際が…って印象が強かった前半。



後半頭からヴェルディはチアゴアウベス→松橋へと交代。松橋は右SHに入り見木が左SHへ移動。2点リードしたので守備でより計算できる松橋にしたのかなと。
磐田は平川→古川へと交代。前で収まるのでアタッカーの方がいいと判断した様子

磐田は左SHが古川になったので左SBの松原がやや高い位置をとりサポートするようにしてきました。(上原が降りて西久保も上がる形もあります)ヴェルディはそれを見越して松橋を右SHに持ってきたんでしょうね。

前半からやってましたけど、ジャーメインがポストプレーに降りるタイミングがよくなってヴェルディの選手が寄せられなくなるシーンが出てきました。この辺りの修正はさすがですね。それと迷いなくロングフィードを入れてくるようになりましたので馬力で押せると判断した様子。

磐田はシンプルに2CFへフィードする事が増えてきました。ヴェルディはラインを上げてブロックを作れてるんですけど起点を潰しきれないので下がって対応する事が多い分押し込まれるようになってきましたけど、後ろに人数をかける分ボールホルダーに制限をかけきれないのもありそうなので前半みたいに構えて前向きに寄せにいった方が良さげに見えます。。それとサイドからのクロスが多い分前向きに奪えないので時間を削られて反撃に転じにくい時間帯が続きます。最後の所で耐える事はできてるんですけど出し手に制限をかけきれないのでかなり苦しい状況。

55分にクロスのこぼれをペイショットに押し込まれて1点返されます。横パスをインターセプトされた所からなんですけどシンプルに高さ強さで押されると難しい部分がありますね…

2CFへのフィードやクロスで引き続き高さや強さでゴリ押しされリアクション型の守備になってしまう分奪い所を作れないので防戦一方になり京都戦の前半みたいになってきました。後ろに人数がいる分ボールホルダーに寄せきれない状態から蹴られるので下がりながらの対応になってしまうのも状況を難しくしてしまってる印象です。

57分に見木→宮原へと交代。右SBに入り翁長が左SHへ移動。サイドの所で食い止めながらあわよくば一刺しできるようにしてきたようです。

ボールが持てるようになると斜めに繋ぎながら前進しますけど木村がファウルを貰ったり起点になるプレーがかなり効いてますね。非ファウル数が1位と言われても納得します。

城福監督が言うようにもう一戦あるので詳しく書きませんけど、磐田はセットプレーの守備で空きやすい所がありますね。

62分に松本と西久保→ブルーノジョゼと藤原へと交代。藤原は右DHに入り植村が右SBへ移動。

ハンマーで殴られ続けてる分ボールホルダーに寄せにいきにくい状況が続いてるのでいつ決壊してもおかしくない展開なんですけど耐えきるにはまだ25分くらい残ってるんですよね…

ヴェルディは保持した時に繋ぐか蹴るかがはっきりしてないんですけどこれだけ圧力を正面から受けてる状況ではやむを得ない部分はありますね。

高い位置でジャーメインに奪われて右サイドに展開してのクロスをジャーメインに合わせられて追いつかれます。今やれる事はしっかりやってはいますのでやむを得ない部分はありますね

ジャーメインと林が激しく接触しましたけどおそらく林はジャーメインが見えてなかったでしょうね。

71分に翁長と林→山見と山田裕翔へと交代。大事に至らないといいんですが…

ジャーメインはたんこぶができてますけどプレー続行なのでそう問題はないようです。

ヴェルディが保持した時に磐田は構えるようになったので後ろで安定して持てるようになったのと、後ろで繋ぎながら2CFへ入れると保持の振る舞いが整理されたのと、磐田の2CFとブルーノジョゼに2CBと袴田がマンツーでつくようにしてきたので今までより安定してきました。

そのおかげで前向きに守備ができるようになったのである程度押し返せるようになったんてますけど試合中に少しでも修正できるようにしたいですね。

ペイショットの折り返しが千田の腕に当たってPKになります。難しい対応ではあるんですけどやむを得ないですね…獲得したPKをジャーメインが左に外してしまいました。

こうなると形勢が変わってくるのがあるあるではあるんですけど実際そうなってきました。

84分に袴田と稲見→綱島と斎藤へと交代。斎藤は右SHに入り松橋が左SBへ移動。林は脳震盪での交代のようです。

クロスを松橋が跳ね返して森田が前線に出し背後に抜け出しそうになった木村をリカルドグラッサが倒してしまいDOGSOで退場になりましたけどこれはやむを得ないでしょうね。

88分に藤原→鈴木へと交代。本来なら出したくなかったでしょうけどこの状況ではやむを得ないですね。磐田はペイショットがCFジャーメインが右DHの4-4-1になりました。

今度はヴェルディがシンプルに放り込むようになりましたけど押し込めるのでこちらの方が良さそうです。

磐田もフィードを前線が収めようとするんですけど、数的優位になった分ヴェルディは2人で対応して挟んでもプラスワンが作れるようになった分奪えるようになりました。

ある程度余裕を持てるようになったのもあるんでしょうけど、繋いで動かしながら蹴る判断がよくなってきました。数的優位で守備がユルくなる感じもないのでいい傾向だと思います。

林の負傷やVARチェックもありましたのでAT13分のワールドカップ仕様

90+1分にペイショット→小川へと交代。右DHに入りジャーメインがCFへ移動。 

ヴェルディはジレずにパスを回して相手を広げながら斎藤が絞って中央で受け手を増やして前進しようとしてますけど、1つ飛ばすパスか全体的に広がってもう少し横の揺さぶりがほしいですけど、シンプルに背後を狙って縦に揺さぶれてるのはいいと思います。

比較的フリーで上げられる事もありクロスの質はかなりいいんですけど中との意思疎通が合わない展開が続きます。


90+9分に染野が運んで森田に横パスを出し外を向きながらポケットに差し込んで背後に抜け出した木村が同じくニアハイに決めて勝ち越します。大外→ニアゾーン→ポケットをとると理想的な崩しができたと思いますし、この形は相手の目線を振り回せるので崩しやすいんですよね。

磐田はリスクを負って前に出てきますがジャーメインに2人つけるのでここで起点を作られせない事はできてます。

もちろん数的優位なのもありますけど構えて前向きに守備ができれば球際の劣位も結構カバーできてますので受けに回るような形は作られたくないですね。

マテウスがキャッチして終了。



最後に、シンプルに高さ強さでゴリ押しされると厳しいのはありますし、デュエル面はアジャストしていくしかない部分があるのは確かなんですけど、寄せる構えるをはっきりして前向きに守備ができればかなり闘えるのでしっかり意思統一をして受けに回るような守備だけは避けたいですね。

ただセットプレーから2点とれましたし最後は大外→ニアゾーン→ポケットと理想的な崩しができたのは凄くよかったと思いますし、サイドの守備でSHが寄せてSBが絞って蓋をする形はよく機能してたと思います。

磐田はクロスのバリエーションも豊富でかなりの破壊力がありましたのでここは絶対の自信があるんでしょうね。ただセットプレー含め守備で寄せる構えるの部分があまりはっきりしてない印象がありましたので川崎戦のような点の取り合いになりやすいのかなとは感じました。ただ数的劣位になってからは中央を閉じる守備が機能してたと思います。


もちろん関係性は存じ上げてますが、解説の松原さんが他に松原姓の選手がいないにも関わらず后と呼ぶのは気になりました。