20241130 第37節ホーム川崎戦

ホーム川崎戦。ヴェルディは3-4-2-1で川崎は4-2-3-1でスタート。

ヴェルディの保持時はまずは前線に蹴って背後を狙って陣地回復とプレスのスイッチを入れるいつも通りのの形で繋がれば最高って感じではあるんけどいつもよりやや急ぎ過ぎて上手くいかない事が多い印象です。繋ぐ時は右CBの綱島がやや高い位置をとり森田が降りて斎藤が左サイドに開いて両WBを押し出しながらまずは背後、その次はライン間を使って前進していくダイレクトな形とサイドで密集を作って突破してからのクロスとここは川崎と似たような形もあります。非保持は川崎が後ろに人数をかける分相手の後ろの枚数によって5−2-3と5-4-1を使い分けるミドルプレスから出ていってサイドに誘導していき縦パスには後ろから迎撃に出て潰しにいきますけど川崎の選手の技術が高い事もあり外されるのは仕方ないとしても寄せに行けてないシーンが結構あるのは気になる所です。

川崎の保持時は右SBのファンウェルメスケルケン祭がやや高い位置をとり2DHと右SHの家長がやや低めで後ろに人数をかける傾向が強く、サイドへのフィードやフリックやヒールパスで前進してサイドで密集を作って(家長がいる右サイド多いです)ボールホルダーを追い越しながらワンタッチを使ってきますけどここは相変わらずですけど狭い所を崩し切るよりは逆サイドが中に入ってくる所を使う意識が高くなった印象です。非保持は4-4-2のハイプレスでできるだけ前向きに守備がしたい様子でボールサイドのSHが前に出て噛み合わせながら寄せにきますけどそこまで守備に強みがある訳でない事もあり剥がされてファウルで停めるシーンが結構ありますね。

今節の右サイドへのフィードからスタートしますが、山見がターゲットになってもこちらのサイドなんですね。

予想通り川崎が保持する時間が長いですけどヴェルディは行く行かないとチャレンジ&カバーはしっかりしてると思いますけどいかんせん相手の技術が高いので外されるシーンもまあまあありますけど寄せられてない事があるのはいただけません。

いつも通り再三背後を狙う所で木村が倒されて佐々木にカードを貰わせたのは大きなプレーでしたし木村はほんと無理が効きますよね。

ヘッドでのバックパスが中途半端になって奪われて山田とマルシーニョが被ってやや時間はかかったんですが(おそらくマルシーニョはオフサイドポジションにいたので山田がプレーに関与させないようにしたのかもしれません)山田の切り返しの所で足が出てしまいPKになりましたけどここはやむを得なかったかなと。これを山田に決められ先制されます。

川崎はシンプルにロングフィードでマルシーニョを使うようになりましたけどここのギャップを狙ってる様子。

20分くらいからヴェルディが保持する時間が出てきますが川崎は構える守備はそこまで得意そうではないので保持する時間を増やしたい所です。

右サイドで密集を作った所からファーへのクロスを山田に合わせられ失点します。これは再三川崎が狙ってた形ではあるんですけど明らかに優位性がある中で楽に合わせられてしまうのはさすがにマズいです…

川崎の技術が高いのは確かなんですけどヴェルディの失点が(そこまでの過程も含みます)あまりにもお粗末なのでこれではにんともかんとも状態になってしまいますけど試合感もあリそうな感じに見えます。

再三背後を狙いますけど川崎に余裕が出てきた事もあって絞って対応される事が多くなってきたのもありますけど全体的にやや急ぎ過ぎて合わない事が多い印象ですね。

ヴェルディは繋ぐ時に川崎の選手の前で受ける事が多くプレスに捕まってしまうので繋ぐ蹴るの判断がいつも以上にいまいちなんですけどここも試合感なのかもなと。

34分に綱島→染野へと交代して4-4-2へと変更。スピードのギャップを突かれてたのはありますけど攻守に渡ってハマってなかったので配置を噛み合わせてきたようです。

川崎も蹴って前進する事が多いので行ったり来たりになってるのでヴェルディにとってそこまでいい展開ではないですけどビハインドですしやむを得ない部分はあるでしょうね。

配置は変わりましたけど川崎の選手の前で受けるので前進するのが難しいのは変わってないですけど守備では噛み合わせた分やりやすそうです。

コーナーキックはファーが多いですけどここからの折り返しでズレを作っていこうって事のようですし実際効いてるように見えます。

狭い所を繋いで森田から染野にスルーパスが出てクロスのこぼれを見木が決めて1点返します。川崎側からすれば意図しない形でカットバックになったので対応が難しかったでしょうけどヴェルディはエリア内に人数をかけられてましたからね。

ヴェルディは明らかに動きが良くなってきたので得点の力は大きいなと。まあ配置が噛み合う分寄せやすくなったのもあるとは思いますが

川崎は味方同士が被る事が多いんですけど保持に関してはかなり自由があるんでしょうね。

保持するとヴェルディもサイドで密集を作るので真っ向勝負で挑みに行くようです。ビルドアップも川崎が出てくる背後を使えるようになってきたので前進しやすくなってきましたし、大外から入ってくる形も出てきました。

やや急ぎ過ぎる分タイミングが合わずあまり機能してない攻撃とミスはある程度やむを得ないとしても緩い守備で2失点と配置を変えるまではいいとこなしって感じでしたけどその後は守備やプレスが機能してきて攻撃でも2DHが前を向けるようになってきましたので、前半の途中から配置を変えた事で流れを変えられたと思います。

監督からすると前半の内に負傷以外で選手を代えるのはリスキーな面もありますけど今までも途中出場途中交代があったように思い切りと信頼関係がないと難しいと思いますので、ブレない基準とマネジメントがしっかりしてるんだなと感じた前半。



後半、川崎は家長が絞ってファンウェルメスケルケン際(何か略称ないんですかね?)が上がるタイミングが早くなってきたので形をよりはっきりさせていたように見えます。ヴェルディはあまり手数をかけずに背後を狙うのは変わらずといった所。

全盛期の頃の川崎は早めに蹴って収めてからスタートでしたけど、今は後ろに人数をかけて繋ぐ事もありますけど疑似カウンターの比重が高くなってきたので試行錯誤してここに落ち着いたって感じなのかなと。

元々トランジション以外の守備に特徴があるチームではないんですけど、前向き状態でない時は人やボールを見る意識が高いのでチャンスは作れそうなので配置を合わせた効果が出てますね。まあ当然その分やられやすくもなるんですけどビハインドですしこれでいいと思います。

ファーへのコーナーキックを千田が合わせたこぼれを谷口が押し込んで追いつきました。前半からファークロスで大外の選手がフリーになりやすいので意図的に狙ってたんでしょうね。

劣勢ではありましたけど防戦一方って感じではなかったので前半の緩い守備での2失点がもったいなかったですね…

もちろんクオリティの違いはありますけど、ヴェルディもサイドで密集を作って崩しに行くので川崎と真っ向勝負をすると腹を括ってるようですし、逃げない姿勢はいいと思います。

ヴェルディはここまでの守備は中切りでしたけどマークをはっきりさせて外切りで中央で奪う新潟戦と同じような形も出てきたので前線の追い込み方によって対応を変えてるようです。ハーフタイム空けからではなく52分に初めて出てきたのでベンチからの指示ではなさそうなんですよね。

54分に山見が背後に抜け出した時に三浦が途中でボールに行くのを止めて中を切るようにした判断はよかったと思います。あのまま行ってたらおそらく振り切られてたんじゃないかなと。

ヴェルディの方がチャンスメイクできる回数が増えましたけど、守備はもちろん大事ですけど今節は保持の時間を長くする方が効果的になりそうです。

57分に佐々木と山本→ジェジエウと河原へと交代。カード対応と盤面をひっくり返すようにしたいのかなと

スローインから山田がキープしてからのマイナスパスをファンウェルメスケルケン際(ほんと略称ないんですかね?)に合わせられて失点します。股を抜かれると対応が難しいですし、山田のキープと切り返しを誉めるべきかなと。自分達の時間でない時でもモノにできるのはそれだけ自力がある証拠ですね。

また川崎の保持する時間が出てきましたけど、ここまでのヴェルディはいざとなったら保持はできるけど敢えて非保持を選んで奪ってカウンターの意識が高かったですけど、やはり今節に関しては積極的に保持した方が良さそうです。

エリア内で山田が倒されたシーンがありましたけど4要素に関してはVARがチェックしてますし、カウンターは物理的に審判が追いつくのが難しいのでVARに任せるでいいと思います。

64分に翁長と斎藤→松橋と松村へと交代。松村は右SHに入り山見が左SH見木が左DHへ移動。

バックパスを山田に拾われ拡げてカットバックから山田のシュートのこぼれをマルシーニョに押し込まれて失点します。川崎は元々カウンターも上手いので難しい面はありますけどやや軽率ではあったかなと。VARは明らかな間違いの時は介入しますけどすぐ近くで見てますし、念の為の確認って感じだったんでしょう。

保持させたくないけど押し込むとカウンターを受けるのでバランスが難しい面はあるですけど、予防的マーキングがやや足りない印象はあります。まあ川崎の選手のスキルが高いのももちろんあるんですが

69分に松橋が森田に当てて上がりながら絞ってリターンを受けて持ち上がりましたけど(ブラッシングってやつですね)、3バックだった事もありあまり見ない形でしたけどいい判断でしたね。

セットプレーでのファークロスを谷口が合わせて1点返しました。ここのGKが届かないファーがエアポケットになるのはずっとそうなんですけど、チョンソンリョンが飛び出して触れなかったのも大きかったかなと。以前はヴェルディもこの形の失点が多かったんですよね。

破壊の鉄球と布の服おなべのフタで殴り合い感が出てきましたけどこれは完全に川崎の土俵なので真っ向勝負を挑む所は変わらない様子。

72分に木村と山見→山田剛綺と食野へと交代。食野は右DHに入り見木が左SHへと移動。

結構前からオープン気味ではあるんですけど75分過ぎからわかりやすくオープンな展開になってきたのでリスクはある程度飲み込んで殴り合う姿勢はブレないですね。

78分にマルシーニョと家長→山内と瀬川へと交代。

オープンな展開なのでチャンスが多くなるのは当然ではあるんですけど、染野が川崎が下がってる最中にその手前にグラウンダークロスを入れた判断は良かったと思います。

ヴェルディのプレスを誘引してフィードする形が多くなってきたのでほんとブレないですね。まあこれだけオープンな展開が続くと審判団は〇こす気か!ってなるでしょうけど

82分に遠野→エリソンへと交代。

オープンな展開では選手の質の差が出やすいんですけと、剥がされる事はあってもデュエルでは互角以上にやれてると思います。ただ山田はまあ…ですが

今度は珍しく中央へのコーナーキックのこぼれを谷口がボレーで合わせて追いつきます。CBのハットトリックってどこの闘莉王だって感じですけど過去小村もやってたそうですね。

お互いボールを保持するのが最大の守備!って展開で風間イズムを感じますけど、ヴェルディとしては保持でもイケるんだぞ!っていうのを誇示したいのかな?って印象はありますね。

ここまで互角にやれてますけどヴェルディの方が動きがいいので走力の違いが出てきてる印象です。

90+1分に城福監督が熱くなってたゴールキックの判定ですけど松村に当たって出てるように見えるので判定は正しいと思います。

ロングフィードをエリソン競り勝って山田が千田を抑えながらSB-CB間からのシュートで追加点を取られました。このカウンターの威力は相変わらずですしこれは山田を誉めるしかないかなと。

やむを得ないんですけどヴェルディの攻撃がやや雑になってきたので難しそうです…

このまま終了。



最後に、前半はチャンスメイクするのが難しく、やや緩い守備で2失点したのはいただけませんし、試合感もあった印象はありましたけどxGが1.55対2.36とスキルの差があったのは間違いないんですが、配置を噛み合わせて川崎の土俵で逃げずに真っ向勝負を挑んだのは良かったと思います。

それと配置を噛み合わせてプレスのスイッチを入れやすくした事で中央を使って前進もできるようになってきたのでやはりこのチームは守備からリズムを作るんだなっていうのも再確認できました。まあ特に序盤は保持するのが難しいのでプレスやカウンタープレスからのカウンターをメインにしていたってのもあると思いますが

ある程度J1の基準に慣れてきてからも保持してゲームを支配するのは難しいですけどボールを押しつけられてもそこまで苦にしなくなってきて押し込んだ所からも得点できるようになってきたので保持でも確実に成長してきてますからそれを計るには絶好の相手と最終盤にやれたのはチームや個人としても財産になったんじゃないかなと。

川崎は選手の入れ替わりがあって色々試行錯誤した結果疑似カウンターに落ち着いたんじゃないかって印象ですけどもちろん保持や狭い所を突破するスキルはさすがですし、相変わらずカウンターの破壊力もありましたね。

まあ以前のヴェルディも3点取れなきゃまず勝てないバカ試合がスタンダードでしたので懐かしさは感じました。当事者はそんな余裕はないですけど外から観る分には面白い試合だったんじゃないかなと