20211114 第39節アウェイ金沢戦

アウェイ金沢戦。ヴェルディは4-1-2-3で金沢は4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は、最終ラインでCBと深澤(加藤が降りてくる時もあります)で2CFに対して数的優位を作り、加藤や降りてきた佐藤凌我からサイドを使うのが基本線。左は福村が運んで新井が仕掛けたりして右は山下がシンプルに背後を狙うか人数かけて繋ぎます。

金沢の保持時は、CBからのロングフィードや縦パスをCFの丹羽が収めて大谷が背後を狙うのと、サイドに叩いてクロスを入れてくる金沢らしい形。SHが絞ってSBに道を空けるのも定番ですね。

ヴェルディの非保持時は、CBまで寄せていくハイプレス時はマンツーで捕まえにいきます。佐藤凌我が背中でDHを消しながら寄せにいってるのがいいですね。セットするといつも通り4-4-2なんですが金沢があまり手数をかけないのでセットディフェンスをする機会はあまりないんですけどボールホルダーに寄せて制限をかける事はできてます。

金沢の非保持時は、ヴェルディのCBに制限をかけてサイドに出させてからマンツーでハメていくいつも通りの形。ただマンツーなのにボールホルダーや受け手に寄せきれてないのは気になります。セットするとマンツー強めの4-4-2。

序盤の金沢はロングフィードや縦パスから大谷が背後を狙い、サイドに叩いてクロスとらしい形で攻めて守備ではマンツーでハメてカウンターを狙うと勢いよく入ってきます。

4分の梶川の決定機は、新井の切り返し切り返しで松田と庄司を引きつけたスペースを上手く使えました。仕掛けはいいんですが、切り返しの繰り返しは相手を引きつける事にもなりますけど、持ち過ぎてコネるシーンも目立ったので後は判断の所ですかね。

加藤を見張る為に大谷が降りて4-2-3-1のようになる時は1CFになる丹羽の脇を持ち上がってるのでビルドアップ時の状況判断が良くなった分バリエーションも増えてきたのでだいぶ板についてきた印象。

ただプレスでハメられて背後に蹴らされるみたいなシーンも立て続けにあったので、GKを使って作り直したりしてもう少し引き出してスペースを作っても良さそうな感じはあります。

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晃樹が細かく首を振って状況を確認した上で自分が受けた時に寄せてくるのがDHの大橋であると判断して寄せてくる方向と逆にボールを置きプレスを剥がしました。以前理仁のプレーでも貼りましたが、この後どうプレーするか?からの逆算ができていたと思います。このシーンでボールを止めていたらボールは逃がせても身体は逃がせませんけど、ファウルをとってもらえなかったら一気にカウンターを受けてしまいますので大事なプレーになります。ただポストプレー等制止してボールを受ける事も多くあるので止めて蹴るも大事なんですけどね。

7分と10分にボールの空気圧が足りてないようなシーンがありましたけど珍しいですね。

10分に右サイドで山下深澤晃樹梶川が絡んでパス回ししてて肝心の中央にいるのが佐藤凌我だけになってますし、奪われた時の陣形が崩れてるのでカウンタープレスが効かずにカウンターから決定機を作られるのはこのクラブ伝統の悪癖ではあるんですけど減らしていきたいです。

12分くらいから加藤が自由に動く事で金沢の1列目を動かしてスペースを作るようになってきました。そのスペースに佐藤凌我が降りてきますし、相手のマークを曖昧にして受け手がボールを収めて前を向ける時間を作れれば相手も寄せきれなくなってくるので判断がいいですね。

金沢の寄せが少し緩くなってきたのでレイオフポストプレーで前進できるようになってきました。

17分に嶋田のシュートブロックをした時に若狭がハンドにならないように後ろ手を組んでた事でモロに顔面で受ける形になってしまいましたが、いい判断でしたしガッツあるプレーでした。感謝!

金沢の寄せが緩くなってきたんですが、加藤を誰が見張るのか?からのズレと佐藤凌我が降りていくのをCBが捕まえにいくのか?が定まってないのが大きい印象です。佐藤凌我がフリーならここで収めればいいし、CBがついてくれば中を閉めて3バック化するのでWGがフリーになるし、金沢のDH脇でIHがフリーになりやすくなるよね?で意思統一されているように見えるので今節のゲームプランなんでしょう。

21分の得点は、ンドカからのフィードを山下がフリーで受けた所から仕掛けと、新井と福村も関わってクロスも通常とマイナス、グラウンダーを組み合わせで綺麗に崩せました。新井の切り返しで2人を引きつけられたのが大きかったかなと。

ヴェルディが得点してから明らかに金沢の寄せが緩くなってきました。前から行こうとしてた所からひっくり返されての失点だったので慎重になるのはわかるんですが行く行かないの判断が中途半端になってる印象です。

ヴェルディのハイプレスは、受け手を背中で消せる時はGKまで寄せていきますが、新井の寄せ方が中切りなのに中に入れられてしまっていてどこに制限をかけるのかがちと曖昧になってるのでここは修正かなと。

ビルドアップはマテウスも含めて低い位置からゆっくりやるようになりましたが、リードしてますしこれでいいと思います。実際ンドカに丹羽が寄せてきてそのプレッシャーラインの背後にいる加藤に通し、そこに金沢のDHが寄せてくればヴェルディのIHがフリーになるのでそこから崩しにいけますからね。

新井や梶川が最終ラインまで降りてくると相手もどこまでついていくか?と迷わせる事ができますし、失点した事や中央の加藤と佐藤凌我をどう見張るのか?等の複数の要因で金沢の出足を止められてる様子。それが攻め急がない精神的な余裕にも繋がってる印象があります。

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33分の得点は、佐藤凌我のプレスバックで攻撃を遅らせた所から新井が奪って運び、切り返し切り返しのクロスをフリーで佐藤凌我が合わせました。実質2人だけで完結させましたね。

36分に晃樹のサイドチェンジを新井が受けた時に福村がオーバーラップしたんですが、仕掛ける時はオーバーラップを待った方がスペースが生まれやすくなるので少し待ってほしかったなと。

ヴェルディは更に余裕が出てきてより急がなくなりました。もちろんスペースがあれば前進しますけど無理はしません。

金沢の寄せが緩く加藤への縦パスがスコンスコン入るので楽に前進できてますし、無理ならポゼッションを優先するので主導権を握れてます。

マンツーでハメられて押し込まれた序盤以外は終始主導権を握ってゲームを進めながら2得点とほぼパーフェクトな内容だった前半。



後半、金沢は前半の序盤にあった最終ラインからのフィードを丹羽が大谷に落とす形が出てきて、原点に立ち返ってやるべき事を再確認したって感じに見えます。

ただ、中央の加藤や佐藤凌我をどうケアするのか?はまだはっきりしてないのでどちらかが収める事は引き続きできてます。なので金沢のDHの脇でヴェルディのIHが受けやすい環境なのも同じです。

佐藤凌我が降りてポストプレーをする時にCBの庄司がついてくる分金沢の最終ラインが絞るのでWGがフリーになりやすく新井の仕掛けが目立ちます。制止状態から仕掛けられる選手は貴重なのでありがたいんですが、福村が斜め後ろやオーバーラップでサポートしてるのも効いてます。

50分に晃樹がDHの藤村に倒された時にボールを手で触れてしまったんですが大坪主審はファウルをとってなかったので晃樹のハンドになりました。これも笛が鳴るまでプレーを止めないのと同じでセルフジャッジになるので気をつけてもらいたい所。競技の性質上厳しいコンタクトもあるので熱くなるのはわかるんですけどクールにいきましょう。

今節はやりたい事が概ねできていて得点も取れてるのもあるかもしれませんが、前重心で奪いにいってバランスを崩すシーンがありませんね。数的不利の状況等行ってはいけない所で我慢できてるのは◎

53分の得点は、大谷が加藤へのコースを切りきれてなかったのを見逃さなかった若狭と氷の上を滑ってるようなパスを出した加藤と新井が仕掛けたこぼれを拾った福村が効いてました。もちろん仕掛けた新井や跳ね返しを拾った梶川もそうなんですけどね。

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加藤から新井へのパスはボールを蹴るというより叩く感じでフォロースルーを加えない事で氷の上を滑ってるようなパスを出したんですけどこれはファーストタッチに気を使わなくていい分受け手に優しいパスですね。これは遠藤保仁が得意にしてるんですが、フォロースルーを加えない分ボールの中心を叩く必要があるので難易度がかなり高めです。

相手を引きつけてフリーの選手を使えてますしやりたい事がほぼできてるので選手達が伸び伸びプレーしてますし、その精神的余裕が守備にも効いている様子。

56分に若狭→晴也へと交代。ようやく若狭が休みを貰えたって感じでしょうか。

守備でハードワークしながら奪ったら攻め急ずに息を整える時間に使う感じで理想的な展開です。

60分に渡邊と平松と丹羽→長峰と大石と杉浦へと交代。杉浦は左SH大石が右SHに入り嶋田が右CFへ移動。推進力を加えてきました。

フレッシュな選手が入った事によってモビリティが復活してきてハイプレスからのショートカウンターや蹴らせて回収とらしさが出てきました。

ただ回収できなかった時は誰がボールホルダーに寄せにいくかがはっきりしてない分主導権を奪い返す所までは至らないので引き続きヴェルディペースで試合が進んでいきます。

64分の得点は26本のパスを繋いで相手を動かしたスペースを使いながら前進して抜け出しでグラウンダークロスと綺麗に崩せたのでほんと理想的な形だったと思います。深澤がインナーラップから大外で受けて起点を作れてたのも効いてましたね。

66分に加藤が藤村と交錯した時にスパイクが顔に入ったんですが目じゃなくてよかったなと…

70分に加藤と山下と佐藤凌我→大雅と竜士と持井へと交代。竜士が左WG持井が左IH大雅が右IHに入り。新井が右WG梶川がアンカー晃樹がCFへ移動。

大石に渡ってしまった大雅のパスは3点目の加藤のパスをやろうとしたように見えるんですが、正確に蹴るのが難しいんですよね。

72分に大谷→瀬沼へと交代。パワーで殴る方向へシフトしたと考えて良さそうです。

76分に新井→小池へと交代。新井はここまでスタートからの起用がなかったので難しい所はあったと思います。

できれば奈良輪も出したかったんですけど仕方ないですね。

金沢が保持する時間もありますけど受けに回ってる感じではないのでセットプレー以外はそう問題はなさそうです。

81分に松田→力安へと交代。

引き続き空いたアンカーや降りてきたCFを使えてますが、ビルドアップのバリエーションが増えたのが影響してる印象です。今まではアンカー番をつけた4-2-3-1では全然進めませんでしたけど、1トップ脇から運んで背後やサイドに流れたIHを使ったりする事ができてきますからね。

セットディフェンス時に2CFになってる晃樹と大雅の間を抜かれてしまってたのでここは通させないようにしてもらいたいなと。

金沢の寄せが混乱気味になってるのもありますが、概ねやりたい事ができてるのは変わりませんね。

かなり走ってるのもありますが福村がかなり疲弊してます。奈良輪と交代する予定だったのがアクシデントで代えられなかったような感じもあるので頑張って!まあ頑張って走っても新井が全然使ってくれなかったのもありそうですが(^^;)

セットプレー以外はそう危ないシーンもなく概ねやりたい事ができていて今季一番の内容で終了。



最後に、金沢の強度やインテンシティが?だったのは間違いないんですが、浮いたポジションの加藤と降りてきた佐藤凌我をどう捕まえるのかがはっきりしてなかったのが一番大きかった印象です。

それによりDH脇で受けるIHや佐藤凌我に庄司がついていく事でSBが絞ってカバーする分WGがフリーになるので芋づる式に崩せたシーンが目立ちました。

ゲームプランがどハマリしたのが大きかったんでしょうけど守備でボールホルダーにしっかり寄せて制限をかけハードワークして奪って行く所で行く、行ってはいけない所で我慢するのができていたと思います。

今季一番の快勝なんですけど毎試合こうはいかないので引き続き強度やインテンシティを大事にして残り試合に挑んでもらいたい所です。