20210529 第16節ホーム秋田戦

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沼津の監督をされてた頃からそうなんですが、吉田監督の受け答えは独特だなと感じるホーム秋田戦。ヴェルディ保持時3-2-5非保持時4-4-2。秋田保持時4-2-4非保持時5-3-2。

ちなみに吉田監督が攻撃面でもポイントをスペースの奪い合いと言ってましたがこれはサッカーの本質だと思いますし、守備面で陣形をコンパクトに保って前向きでボールを奪うのは理想的ですよね。

秋田は奪ってから手数をかけずに攻撃してきますのでロングフィードの受け手にはマークをつけて対応します。CBが勝てる時は加藤に落とすのは共有されてますし、セカンドを拾うのも含め空間認識能力の高い加藤をアンカーに置きそこから展開していくのが今節のゲームプランのようです。

秋田も斎藤のスピードを活かして背後を狙わせる事でヴェルディの最終ラインを押し下げたいようです。もちろん背後を取れれば1番いいでしょうけど

ヴェルディのビルドアップに秋田は2トップ+ボールサイドのSHでハイプレスにきますけど数的不利でも寄せにきてしまうのでヴェルディに剥がされて前進させてしまうシーンもあるんですが、進まれると猛然とプレスバックにきます。ただスタミナ面を考えるとここはもったいないなとは感じます。

左SB片上げのビルドアップはいつも通りですけど今節は山口がかなり高い位置を取って幅を作る分小池が早めに絞り山口が仕掛けやすくなるように作られているのでここで質的優位を作りやすいとの事なんだと思います。

お互い背後を狙う意識が高いのでオープンな展開になりやすそうな印象。

秋田はスローインからヴェルディに弾かせて再度スローインで前進してロングスローとラグビーラインアウトみたいな事もやるんですね。ロングスローをやると見せかけてショートで繋いでからクロスを入れる形もチームとして共有されているようです。

吉田監督は戦力に合わせて堅実な戦い方をしてる印象なのでここまで手堅く勝ち点を獲得してきたんでしょうね。

6分、スローインから右SHの沖野のクロスを若狭が跳ね返したセカンドを左SHの茂が拾ってシュートを撃ちマテウスが弾いたこぼれを斎藤→中村に押し込まれ失点。ロングスローだと思ってたのがショートだった所から押し込まれてしまいましたが、小池が沖野との距離を空け過ぎてたのは気になりました。手を伸ばせば届く位の距離がよかったかなと。

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若狭の軸足の位置からしても完全にラインを割ってますね。

秋田はヴェルディのビルドアップ時にSHが寄せるのを徹底してます
しアンカーの加藤へのコースを切る事もしっかりやってるので中々進めないんですけど、加藤が少し動いて切られたパスコースを外しにいくので秋田としてはめんどくさそうです。

若狭からンドカに出し右SHの沖野が勢いよく寄せてきた時に中村の外に流れて起点を作って沖野がいたスペースを突けました。加藤は若狭がンドカに出す前に首を振って周りを確認してるんですよね。

ここも首を振って周りを確認してからプレッシャーラインの背後でフリーになってパスコースを作る位置的優位を作り、半身の姿勢からボールから遠い足でトラップしてスムーズに前を向いてチャンスメイクできる形を作りました。

秋田はロングとショートを上手く使い分けてますし、セットプレーのバリエーションが多い印象なので得点源の1つになってるんでしょう。なのでヴェルディとしてはできるだけセットプレーにしたくないんですけどクリアして再度セットプレーってシーンが多く押し込まれるシーンが続きます。

秋田がセットディフェンスに切り替えてた時に右SHの沖野が下がって後ろが5枚になるのは山口のケアなんでしょうね。ヴェルディは背後を狙う動きが少ないので中々スペースを作れませんし、レイオフで前進できたシーンも少ないです。試合前に吉田監督が言ってた前向きで守備をさせてしまってる分ペースを握られてます。秋田の選手達がボールホルダーに寄せてプレスバックもサボらないのも大きいんですけどね。

20分過ぎ位からヴェルディはサイド~サイドと横に揺さぶってチャンスを作れそうになってきましたけど、サイドで釣ってポケットを狙う動きはあまり目立ちません。

25分、山口のクロスを山下が折り返し小池が押し込んで同点!秋田を揺さぶってスペースを作れましたし狙い通りの形だったんでしょう。

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飲水タイム後マテウスが相手を引き付けてからパスを出すように変えてきました。これなら数的優位を作りやすくなるので前進しやすくなります。

永井監督はどちらかと言うとマテウスをビルドアップに組み込む事にあまり積極的ではない印象があるんですけど、繋いで前進するなら取り入れていってもいいんじゃないかなと。

それと保持時に加藤を最終ラインに降ろして(ハッキリ降りない事もあります)佐藤優平がアンカーの位置に入ってちと渋滞気味になってた中盤を変えてきました。

ここまで観てて加藤がいなかったらもっとどん詰まりになってたでしょうね…

飲水タイムで形を変えた分秋田のプレスを剥がして前進して押し込み幅を使った攻撃で秋田を走らせる事ができてきました。山口の所で優位性を作る形が目立ちますので約束事のようです。山口は縦の突破だけでなく逆足でのカットインを狙う数も増えてきました。自らの武器を活かす為にもいいと思います。

秋田からしたらプレスに行くかセットするかをはっきりさせた方が良さげなんですけど、奪って1刺しの形が思うように作れてないからなんでしょうか。

ヴェルディは崩せてはいないんですけど無理をしないので秋田を走らせた上でチャンスがあったらといった感じ。

41分の若狭からライン間の佐藤優平へのパスがありましたが、通す為のパスはこれくらいの速度が欲しいですね。

押し込んでる時にカウンタープレスはハマるのはいつも通りではあるんですけどこれで再奪取できてるのもペースを握れてる大きな要因の1つになってます。それと加藤がサイドに流れたり佐藤優平とポジションを入れ替えたりしてポジションが被らないようにしてきました。

秋田からしたらボールを奪った時に縦に行くだけでなく少し自分達の時間を作った方がよさそうな印象です。

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秋田は支配率が25%でパス数が68成功率が52%とハッキリ色が出てましたし、その中でチャンスも作れてたと思います。

秋田のパス数が68本なのでパスランキングはこうなりますよね(^^;)

ヴェルディの平均ポジションは山口が高い位置に張り小池が絞る崩しの前の形で加藤と佐藤優平が被り気味だったのも出てました。アタッキングサイドは両サイドを均等に使ってますがショートカウンターはほぼなかったので中央は少ないです。

秋田は奪ったら直ぐに前線を使うのでかなり縦長になるのはいつも通りなんだと思います。斎藤を使う事が多かったですがスペースを狙ってバーティカルアタックなのでアタッキングサイドはどこも平均的でした。

追いつけたのもあるんでしょうけど飲水タイムで大きく展開が変わりましたので(本当は指示を与えてはいけないんですが)実質クォーター制を上手く使えた印象の前半。



後半頭から端戸→井出へと交代。左サイドで質的優位を作れてたのでそこに推進力をプラスしたいって事ですかね。

47分に左サイドで小池井出山口の三角形を旋回させて秋田のマークをズラしてポケットを狙う形は以前からありましたが、ここの所あまり見ませんでしたね。

後半はロングフィードや早めのパスで前線に繋いでいく事が増えてきたので背後への意識を強めてきた様子。

お互いに背後を狙う事が多い分陣形が間延びしてきました。これなら中盤にスペースができるので繋いで前進できますしヴェルディとしてはありがたいです。

スペースがあるのもありますが、加藤がいる所で1人が中央ならもう1人はサイドにいくように整理されたので中盤で渋滞がおきなくなりスムーズに前進できるようになったのもありますね。

その後はサイドで突破を狙い無理そうなら戻して逆サイドに出し背後やポケットへのクロスとやりたい形は概ね出せてますが決定機を作る所までは中々いけません。

パスがズレる事もあるんですけど押し込んでる分大事に至ってないですし、この形ならカウンタープレスも効くので優勢ではあるんですけど…って時間帯が続きます。

60分、斎藤と中村→井上と吉田へと交代。2トップをそっくり代えてきました。

秋田はまたハイプレスをするようになったのでその為の交代だったようです。加藤や佐藤優平に自由に展開させていたのでその修正なんでしょうか。

ヴェルディは最終ラインで降りながらバックパスを受けて秋田の2トップを引き出して空いたスペースを使い前進するようになったので秋田のハイプレスへの適応はできてますね。

秋田のハイプレスはいいんですけどセットした時に秋田が寄せきれてないのでボールは持つ事は難しくはなさそうです。

68分、深澤と輪笠がマッチアップしてたこぼれを山下が拾ってエリア内に侵入し相手を引き付けてからのマイナスパスを井出がファーに決めて逆転!佐藤優平の縦パスを山下がスルーした所からのチャンスになりましたが深澤のデュエルが報われましたし、山下も仕掛けを見せて谷奥を引き付けてマイナスのコースを空けたのが効いてました。

前半も得点で飲水タイムでしたけど、このタイミングで修正されてしまうのはなんか嫌ですね。

70分、沖野と茂→久富と武へと交代。今度は2列目を入れ替えてきました。再度ハイプレスの強度を上げていこうとの事なのかと。

秋田は奪ってから前線に当てる形が戻ってきたので起点を作ってチャンスメイクしてきましたが、ヴェルディはデュエルで競り勝てる分かなり潰せてます。

73分、GKの新井のクリアを佐藤凌我が拾って山口に展開してからのファークロスを小池がファーに決めて3点目!ンドカ→井出→加藤→佐藤凌我→井出とハイプレスを剥がすレイオフでスムーズに前進できたのが大きかったですね。

長身FWが比較的高さの無いSBと競る形を作るのは定石ではあるんですが(鳥栖の豊田はクロスが上がってきそうな時はほぼファーにいます)もう少し使っていってもいいかもしれません。

解説の永井が言ってたように、秋田はセットプレーが強みなので井出が引っ張り倒すよりサイドに追い込む方が良さげな感じはありますね。

77分、佐藤優平→梶川へと交代。

チャンスがあれば仕掛けますが基本的には無理せず戻して時間を使っていくようになりました。ヴェルディにとってはこれが1番固い守備なのでこれでいいと思います。

82分、山下→晃樹へと交代。右IHに入り井出が左WG小池が右WGへ移動。

秋田は疲れもあるんでしょうけど連動性が失われてきて中々ボールを奪えなくなってきました。ヴェルディとしてはやりたい事はほぼできてる状態は変わりません。

前線は前から奪いにいくけどボールホルダーにプレッシャーがかかってないので背後を狙われる分後ろはラインを上げられずに陣形の間延びして中盤のスペースを使われる形はヴェルディも往々にしてありますのでここは自戒を込めてという部分もあります。

90+1分、小池→持井へと交代。

90+2分にンドカと吉田がバッティングしたので榎本主審が直ぐに試合を止めたのはよかったです。五分五分なら頭を振りにいくのは仕方ないんですけど吉田は大丈夫でしょうか…

90+4分、吉田→飯尾へと交代。秋田の交代枠はまだ残ってましたが、脳震盪の疑いがある場合はそれとは別枠で交代ができます。

秋田はCBの谷奥を上げてパワープレーにしてきました。

持井がGKにまでプレスにいったプレーはよかったですね。その後の決定機もモノにしたかったですが

危ういシーンは作られましたけどこのまま終了



最後に、前節は相手に対応できるだけのプレス耐性がないとテクニックを活かせないと書きましたが、今節はデュエルで勝てる事が多かったので秋田がやりたい事を封じながらテクニックを活かす事ができました。

加藤がアンカーで相手を潰したり頭を抑えながら展開していく形はよかったんですけど佐藤優平とエリアの使い分けを整理して被らないように修正していってもらいたいなと。

押し込む事ができてた分狭い所でもプレーできる井出の投入も大きかったです。

デュエルで勝てる事が多くプレス耐性があり精神的な余裕が持てたのもかなり大きい要因だと思いますし、味スタのハイブリッド芝で足を滑らせてしまう事がありますが、ここも体幹の問題なのでフィジカルにも取り組んでいってもらいたいなと。