20240420 第9節アウェイ川崎戦

アウェイ川崎戦。ヴェルディ川崎共に4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は右SBの翁長を高い位置に上げ、森田がアンカーのようになる3+1で、森田が受けると川崎のDHが寄せてくるので戻して背後やサイドから前進して縦の平行サポート(パラレラ)で背後を狙うか、CFに蹴って収めたり背後を狙うダイレクトな攻撃が多いのでプレスをひっくり返すのを主な狙いにしてる様子。奪った瞬間は相手陣形が崩れてる事が多いので縦志向になるのは当然なんですけど、ヴェルディの中盤同士の意思疎通がはっきりしてない部分があるので2CFへ預けた方が良さげに見えます。非保持はいつも通り4-4-2で川崎が3バックで全体的に後ろに人数をかけるので構えた所からボールホルダーに寄せていき後ろが連動する形。DHには後ろから寄せに行けてますし、降りてきたエリソンや脇坂がスムーズにターンする前に前方を塞げてる事も多く、積極的に迎撃して前向きの守備をしながらカバーリングもできているのでかなり機能してると思います。

川崎の保持時は右SBの瀬川が上がり3バックが大きく開いての3+2でに脇坂は降りてくる事も多くビルドアップの安定性を重視しているようです。前線は左SHのマルシーニョはサイドに張り山田が深さを作りますけど、エリソンと脇坂は流動的に動きながら降りて中盤の枚数を増やしてビルドアップの出口を作りながらエリソンは収め山田には背後を狙う縦パスを入れてチャンスメイクしてきますが、背後や左SHのマルシーニョへのフィードも結構あります。非保持はCFの山田とトップ下のエリソンが並ぶ4-4-2なんですけどDHは比較的深めに守りながら森田が受けたら迎撃に出る形ですし、バックパスには勢いよく追ってくるので前向きに奪うのを目的にしてる様子。

まずはお互い蹴り合う展開からスタート。川崎は後ろで数的優位を作りながらエリソンや山田に縦パスを入れながら中央ダメならサイドに叩いて前進します。

6分にスローイン奪ってから左サイドでオーバーロードを作って細かく繋ぎながらシュートまでいけましたが、段を作ってカウンターケアもできていたのは良かったと思います。

ファウルになる事が結構多いですけどトランジションの反応や寄せの強度は継続できてるのはいいと思いますけどここは川崎も同じですね。

ヴェルディは中盤で奪ってサイドから前進した時にSBが(斎藤見木共に内側に入る傾向が高いので基本オーバーラップ)上がってサポートできてますしJ1のスピード感に慣れてきたようです。

川崎が前向きのベクトル強めなのでヴェルディは背後へ縦パスを入れる事が多いですけどここを狙い目にしてるんでしょうね。

フリーキックから翁長のサイドチェンジを深澤の折り返してCBを越えて染野がフリーでシュート打てましたけどこれはチョンソンリョンの距離の詰めかたを誉めるべきかなと。そりゃあもちろんモノにしたかったですけどね。

ルヴァンカップでも感じたんですが、深さをとって相手を押し下げてからマイナスを使う意識がかなり上がってきたように見えます。確かに深い位置をとるとここが空きやすくなりますし、今季未だ無敗のレバークーゼンも狙い目にしてますからね。と書いてたら森田が見木に落として入れ替わりましたのでそのようです。それとCFが果敢にシュートを打つのはいい事なんですけど森田や翁長の方がいい状態で打てる状態でも自分で打ちにいくのは少しもったいないなと

川崎が後ろで保持する時間が長くなってしましたが、サイドに入れたとこに蓋をしながら中央を締められてますし、中央に差すパスの所には迎撃に出たりブロックしたりできてますので安定してますね。まあそうは言っても川崎の選手達は個のスキルが高いのでやられそうな雰囲気はありますが

押し込まれる時間が長くなってきて川崎のトランジションの反応もいいので2CFが時間を作れるとかなり楽になります。

ヴェルディも押し込めると前向きに迎撃に出たり中盤と挟んで奪えてますし、前向きで奪ってカウンター志向が強いのもよく似てますね。攻撃は深さと手前の使い分けがしっかりしてる分ヴェルディの方がチャンスクリエイトできてる印象です。

お互い球際が激しいですけど笠原主審がデュエルには比較的甘めな分やや荒さも感じます。川崎はイラついてる選手がいますけど狙い通りに奪えてないストレスもありそうだなと思ってたらカードが出るようになりました。

川崎は脇坂が絞ってトップ下に入るようになったので中央で受け手を増やしてスムーズに前進できるようにしてきたようです。

34分にチョンソンリョンのパスを引っ掛けた決定機はもったいなかったですけど、解説の松原さんが指摘していたようにヴェルディの選手が前に出ていくのもやや遅かったですね…

川崎もサイドでスイッチして中を狙うんですけどヴェルディのプレスバックが速い分ケアできてますし、今節は中盤で自由にプレーさせないのと背後を狙う選手にしっかりついていくのを強く意識づけしてるようです。

エリソンは駆け引きをしながらも強引なプレーが出てきましたけど、ここまであまりチャンスを作れてこちらの方が良さげに見えます。ヴェルディもボールホルダーにしっかり寄せて自由と選択肢を奪いながら身体を張る守備ができてますし(というかそれができないとJ1で生き残るのはまず不可能ですが)しっかり耐えられてますね。

基本的に川崎は保持して繋ぎながらサイドから中央へ縦パスを差し、ヴェルディは2CFが背後や収めてダイレクト志向の展開でしたけど、球際の攻防が激しくハイインテンシティで見応えがありました。お互い前向きで迎撃してカウンターに出るのを目的にしてる分ファウルも多かったのは事実ではありますが

ヴェルディの方が決定機が多かった印象ですけどxGは0.35対0.59とあまり差がなかったんですね。

狙い通りの所で奪えてる分ヴェルディの方が上手くいってる印象でしたけど、川崎の質はさすがだなと感じた前半。



後半いきなりセットプレーのこぼれからマルシーニョに運ばれて決定機になりましたが、ここまで前線同士の意思疎通がいまいちな印象があるんですけどそれより前線のスピードを活かそうって事なんだと思います。

川崎は橘田がやや高い位置をとるので中盤を使うよりシンプルに左サイドの前線に預けるようにしてきたようです。マルシーニョには翁長がつくんですけどその背後にエウベルが流れるので林がついて起点を潰しにいきます。J1の強度に慣れてきたのもあってデュエルで競り負ける事が結構減ってきましたね。

お互い縦志向なので運動量がかなり多くなってますし、ヴェルディの2CFはポストプレーや深さを作る所に守備で制限をかけると大忙しの展開。川崎が森田をケアする意識が高くなった分蹴る事が増えたのでやむを得ない部分はあります。プレスを剥がして前進できれば1番いいですけど最終ラインの練度を考えると現状では難しいですからね。

川崎はSHがサイド奥をとったらSBがインナーラップでサポートして厚みを作るようになってきましたのでいい流れの内に勝負をかけてきたようです。幅がとれるようになった分中央でのコンビネーションを使えるようになってきましたし、山田がサイド奥に流れてチャンスメイクする事が増えたのもあり押し込まれるようになりました。ヴェルディのチャレンジ&カバーは機能してるんですけど決定機を作られてるのでこの辺りはさすがだなと

ヴェルディも2CFへひっくり返すフィードでチャンスメイクはできてます。縦に速い攻撃が多くファークロス時に見木が余りがちになってるので(深澤が得点してた形ですね)上手く活かしたい所。

川崎は繋ぎの所で人を探すシーンがちらほらありますけど前線との意思疎通がそこまではっきりしてない様子なのは変わらず。それで助かってる部分もあります。

56分に染野がタメた所からようやく落ち着いてボールが持てるようになり、斎藤がDHに降りてマークされてる森田のサポートをして稲見が上がるように変えてきました。

川崎は個の能力を押し出すようになってきてエリソンに積極的に預けるようになりましたけどこちらの方が良さげに見えます。ヴェルディは2CFが収めたりファウルをもらってくれるので防戦一方にならずに済んでるって感じが続きます。

64分にエリソンとマルシーニョ→小林と遠野へと交代。この2人が効いてたのでもったいない感じはあるんですけど主導権を握れてるのでって事なのかなと。小林が右WG遠野が左WGに入り山田がCFへ移動し4-2-1-3へ代えビルドアップを4+2でやるようになりました。

67分に斎藤→チアゴアウベスへと交代。左SHに入り見木が右SHへ移動。

アゴアウベスが深い位置から折り返したりアーリークロスでチャンスメイクするようになりましたけどここまで深い位置を中々とれてなかったのでいいと思います。

70分に深澤からチアゴアウベスに縦パスを入れた時に稲見が平行サポートに入ってましたけど今まで見た記憶がないんですよね。こういう個人戦術の部分も進んできてる様子。

川崎が構えるようになった事もあり保持が安定してきて選手間に入る絶対のポジションをとりながらレイオフで前向きの選手を使うようになりました。もちろんターンして前を向けるなら向くべきなのは前提ですが

なんですけど相変わらず川崎のカウンターは強烈ですね。まあ本来カウンターが上手いチームではあるんですが

川崎もじっくり前進するようになったのでテンポが落ち着いてきましたけどさすがにこのテンションでずっといくのは難しいですからね。

72分にファンウェルメスケルケン際と山田→瀬古と家長へと交代。長い!家長は右WG瀬古は右DHに入り小林がCF橘田が左SBへ移動。

74分にチアゴアウベスがサイドで受けて森田が平行サポートして奥をとった所からマイナスを使うのは完全に狙いにしてますね。前節と同じく木村が深さをとってマイナスを空けるのも狙い通りにできてます。

実況の西岡さんが谷口はハムストリングスで2〜3週間離れると言ってましたが結構軽く済んだみたいですね。

川崎は押し込むとコンビネーションで崩そうとするんですけど個人の判断で流動的に動いてるように見えるので、その為に川崎をよく知る選手達を入れたのではないかなと。原点回帰ってやつですね。

防戦一方になってきましたけど寄せる所は継続できてる分耐えられてます。

83分に木村→山見へと交代。

川崎は2CFのプレスを引き出してフィードで前進する事が増えましたけど、ヴェルディは構えるより寄せに行く方針のようですけど前向きで守備ができる分こちらの方が良さそうです。

84分に脇坂→ゴミスへと交代。やっぱり伊東美咲に見えるんですよねCFに入り小林が右WG家長がトップ下に移動。

川崎のフィードが増えたと書いたら瀬古に深い位置まで運ばれチャンスメイクされました。構えれば運んでいくよって事なんでしょう。

デュエル面でも劣勢なので起点を作るのも難しくなってきましたので耐えられるか?の展開

山見はチャンスになりそうな所で立て続けにオフサイドになってしまったのでラインを見てポジショニングをしてほしい所です。

染野それは決めてくれよっていうのが幾つかありますけど、ここまで起点を作ったりファウル貰ったりする所での貢献が絶大なのでなんとも言えない部分が大きいかなと

最終盤にコーナーキックからチャンスは作れましたけど寄せる身体を張るを最後まで継続して耐えきり終了。



最後に、川崎相手に最終ラインが今季初めての組み合わせの中寄せる身体を張るを最後まで継続してクリーンシートで終われたのは自信になると思いますし、川崎のプレスをひっくり返すフィードで起点を作る事が多かったですけど持たれる事をある程度許容した上での判断だったんでしょう。

決定機をモノにできてればとは思いますけど、2CFが起点を作ったりファウルを貰ったりしてチャンスメイクをしながら守備でも積極的に追っていき後ろが連動する事ができてましたのでどうこう言う事はできないかなと

xGは0.96対1.26と上回れてましたしゲームプランを遂行しながら粘り強く守備ができてましたので内容は大満足でした。

千田は積極的に起点を潰しにながら対人能力を活かせてましたし、蹴る判断も良かったのでこれからも試合に絡んでくるでしょうからルヴァンカップ組の刺激にもなるでしょう。まあ選手達の成長なくしてJ1で闘う事はできませんし、正直松橋もJ1でこれだけやれると思ってませんでしたので、フェアな競争をしながら新戦力が台頭してくるいい循環を回していきたいですね。

川崎はアタッカーを並べてダイレクト志向な所からヴェルディの失点が多い終盤には原点回帰と点を取る為に色々試行錯誤してるようでしたけど、こんなにトランジションの反応良かったっけ?って位インテンシティが高くなってた印象です。

20240413 第8節ホームFC東京戦

ホームFC東京戦。ヴェルディFC東京共に4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は2CBとアンカーのようになってる森田の2+1でエフトーが寄せてくると両SBが降りてきて中央の森田から前進する事もありますが、エフトーが構え気味でもサイド奥へのフィードが多く、サイドでCFが起点を作ったら逆サイドSHがトップ、SBが幅をとるくらいサイドに寄ってから繋いで速いクロスを入れてきます。背後を狙う時は2CFが近い位置でプレーしてお互いサポートしながら深さをとるので今節はあまり繋ぐ意識は高くなさそうです。非保持はいつも通りなんですけどエフトーが後ろに人数をかけるので構えるんですけどプレッシングトリガーを引けないのであまり守備がハマってないんですけどここは対策されてるんでしょうね。ただ人を掴みにいける時は積極的に迎撃に出れてますしラインコントロールもできてるので守備に問題があるって感じはないです。

エフトーの保持時は2CBに2DHと2SBが比較的低い位置をとる2+4のビルドアップで左CFの仲川も降りてくるので繋ぐより盤面をひっくり返すのを目的にしてるようで、縦パスやフィードを当ててシンプルに前進をしていきそのまま前進できればそれでいいし、奪われてもそのまま前向きでプレスにいければいいって感じです。繋ぐ時はサイドに6人くらいかけてオーバーロードを作ってコンビネーションでポケットを狙ってきますけど、ポゼッション時にロストしてもカウンタープレスをしてこない珍しい形。非保持は4-4-2で陣形が整った時は最終ラインに寄せてこない訳ではないんですけど構えるのを重視しているようなので奪って背後を狙うのを基本線にしてるようですけどヴェルディの陣形が整ってない時は寄せてきます。

キックオフで染野をターゲットに右サイドへ蹴って前進するのはすっかり恒例になりました。

ヴェルディはサイド奥へのフィードで起点を作り、エフトーは小柏や俵積田が背後を狙う形でお互い蹴り合う展開がしばらく続きますけどトランジションの意識高めで堅く入ってきました。お互い相手の陣形が整う前に攻めきりたいのもあるんでしょうけど中盤(ヴェルディは森田と絞った斎藤、エフトーは2DH)を経由はしますけど縦の攻防が目立ちます。

ヴェルディは三角形を作って繋いで前進する事はできてるんですけどパスが緩くなった所を狙われてるので落としや横パスのスピードに気を配ってほしい所です。

エフトーは仲川や俵積田が低い位置まで降りて献身的に守備をしますし、仲川に関してはほぼ中盤のタスクをこなしてますけどチームとして後ろに人数をかけるのは問題なさそうです。

押し込んだ時はエフトーが中央でコンパクトなブロックを作るのもありサイドに入れて様子を伺うような事が多く、クロスやミドルがメインで無理に縦パスを入れようとしないので前向きで奪われスムーズなカウンターを受けるのを警戒しながらって感じのようですけど前半ならこれでもいいかなと。

25分に深澤のフィードを流れた染野が受け白井の股を通してニアゾーンに入ってきた見木に渡してた所をアフターで安斎が倒してPK獲得。ヴェルディとしては狙ってた形からチャンスメイクできてたと思います。ただPK判定で悪質なファウルとは言えない安斎が警告されたんですけど軽減されないんですかね?これを見木が決めて先制します。

ビハインドになった事でエフトーはDHが前に出てくるようになったんですけど、後ろで持ってる時は人数をかけるのでやり方自体は変えてませんね。

お互いトランジションとカウンターを狙ってるようなので比較的セーフティなプレーが多くあんまり書くことがない展開。


横パスがズレて奪われた後の縦パスを宮原が前向きでインターセプトしてからのクロスを染野のボレーで追加点をとります。リバースカウンターは相手の陣形が崩れてる事が多いんですが、木村が深さをとってその手前にスペースを作った上での染野のボレーが素晴らしくトランジションの隙を突けました。

エフトーがプレスをひっくり返すのは変わりませんがSBが高い位置をとるようになったので厚みは出てきました。ビハインドなのもあるでしょうけど繋ぐ意識はあまりなさそうです。

球際の攻防が激しいですしトランジションで上回れていて見応えはあるんですけど試合の中でも起伏が少ないのであまり書くことがない展開は変わらず

37分に谷口がハムストリングス?を痛めてしまったようです。大事に至らなければいいんですが…

39分に谷口→山越へと交代。右CBに入り林が左CBへ移動。

守備は引き続き縦横のスライドがしっかりしていてコンパクトにできてますし、トランジションで上回れてますけどエフトーは前線のタレントでゴリ押しもできるので隙を作らないのが大事になります。

43分に安斎がアフターで見木の足を踏んて2枚目の警告で退場になりました。トランジションの局面なのでわかりますけどカードを貰ってる中では軽率なプレーだったかなと

エフトーは仲川が右SHに降りて4−4−1になりました。ビハインドなので人基準でのハイプレスに出てきて後ろが跳ね返して奪ったら前線に預けて突破を計るとプレーがシンプルになった分スピードが上がってきました。数的劣位になった事で意思統一が進むのはあるあるですね。

とはいってもヴェルディは数的優位なのでプレスを剥がして前進できるんですけど2点リードならもう少しボールを大事にしても良さそうです。

お互い相手を引き出した背後のスペースを狙って比較的シンプルにプレーしながら押し込むとサイドに人数かけてカウンターケアをしながら崩しにいくので失点のリスクを負わない固い展開だった中チャンスをモノにしたなって印象です。

なりふり構わず個で打開しようとしてしてきた時にやや危うさはありますが、トランジションで上回れてましたし2CFを近づけてフィードでひっくり返すプランがハマっていたと思います。

2点リードで数的優位とこれ以上ない展開でしたけどチャンス数やブロックの強度を含め内容は五分五分だったなと感じた前半。



後半、エフトーのビルドアップはそのままSHが上がる2−4−3になりますがあまり幅をとらないのでやり方は変えてませんね。

ヴェルディとしては2点リードで数的優位なのでCBには寄せに行かず受け手に寄せていけばいいと思うんですけどハイプレス志向はそのままです。エフトーはプレスをひっくり返しながらトランジションで勝負しようとしてる中わざわざ相手の土俵に上がる必要あるのかな?とは思います。それと保持時にゆっくり回してテンポを落としながらプレスを引き出してひっくり返すでもいいと思うんですけどそこまでではないので前半と同じくボールが行ったり来たりする忙しい展開になってます。まあ0-0のつもりで試合に入らないと不安定になる傾向が高いからっていうのもあるのかなと

繋ぐ時にパスが緩くなって前向きで奪われるのは避けたいのでタッチラインを割ってもいいのでもう少しパススピードを上げたい所です。

オフサイドになりましたけど木村が背後で受けてシュートまでいったように、エフトーはリスクを許容してラインを上げてるので金沢でヴェルディと対戦したような感じでも良さそうなんですよね。

53分くらいから染野が仲川くらい降りてきてパス回しに参加し安定してボール保持ができるようになりましたけど、エフトーが無理に寄せにくれば蹴ればいいのでこれでいいと思います。それで押し込めればカウンターを受けるリスクが高い角度のない縦パスを避けながらゆったり保持して時間を使いながらサイド攻撃を続ければいいかなと

相手を見ながら保持するようになったので主導権を握れるようになってきました。これならエフトーは前に矢印向けられませんのでカウンターケアをしながらこれを続けていけば安定しますね。

61分に俵積田と小柏→遠藤と寺山へと交代。

62分に木村と斎藤→山見と翁長へと交代。山見は左SHに入り見木が左CFへ移動。エフトーが死ねばもろともくらいの特攻プレスを仕掛けてくると踏んで山見を入れ、バングーナが高い位置をとり左サイドからの攻撃が多いので右SHに翁長を入れて蓋をするって事なんでしょうけどプレスをひっくり返すなら木村は残してもいいんじゃないかなとは感じます。

また縦志向の展開になってきたんですけど折角安定してきたのにもったいないなと思ったらすぐ後ろで回して安定するようになりました。中盤へ縦パス入れてながらプレスを引き出せれば蹴ればいい位でいいと思います。

バックパスでGKまで寄せにいくシーンが出てきましたけど後ろに人数がかかってる時は蹴らせてもまず危険はないのでいいと思いますし、クリーンに最終ラインに渡されそうなら行かないので行く行かないの判断はしっかりしてますね。

山越からの縦パスを白井に前向きでインターセプトされて運ばれ逆サイドから入ってきた遠藤に決められ1点返されます。その前にも似たようなシーンがあったんですけどタッチラインを割ってもいいのでもう少しパススピードを上げたいんですよね。ここまでチャンスらしいチャンスを与えてなかったんですけどその中で決めてくるのがJ1なので

当然エフトーは前向きの矢印が出てきましたのでもう一度落ち着けたい展開

71分に稲見が高い位置でインターセプトしてのショートカウンターはもったいなかったですね。上記したのと真逆な事を言うようですけど高い位置で奪って相手の陣形が崩れてるようならシンプルにゴールを目指してほしい所です。

73分にバングーナ→長友へと交代。

エフトーはシンプルなフィードが中々機能してないのでレイオフが増えてきましたけどこちらの方がプレスを引き出せると判断したのかなと

ヴェルディは寄せに行く行かないがやや曖昧になってきたのでメンタル面への影響があるのかもしれないんですけどまだ1点あるので落ち着きたいですね。浮足立つとまでは言いませんが中途半端が一番危ないので

エフトーは横圧縮して縦志向で繋ぎながら前向きでプレスと今までやってた形になりヴェルディが受ける展開になってきました。これをさせたくなかったんですけどね…

そうしたら76分にくらいからまだゆったり保持するようになったので基本的に意思統一はされてるんだと思いますがやや不安定さは感じます。まあ数的劣位になって意思統一がはっきりするのはあるあるなんですが

79分に見木と染野→松橋と綱島へと交代。ここまで走ってましたからね。松橋は左SHに入り山見が右CFへ移動。綱島は木村がやってた事をやってますしほんと色々なタスクをこなしてますね。

プレスが巻き戻ったので守備が安定してきました。

山越がカードを貰いましたけどここまで前線に比べて後ろは固定気味だったので急にビッグゲームに入る難しさみたいなのはあるのかなと。

83分に小泉と高→原川とジャジャへと交代。リスクを負って勝負をかけてきましたね。

綱島と稲見がポジションを入れ替えましたが稲見の足が攣っていたようです。

エフトーは腹括って前向きの矢印を全面に出してきたんですけどヴェルディは数的優位を活かしながら外すまでは難しそうな印象。ここも伸びしろではありますね。

エフトーが割り切って質で押そうとしてるのもあるんですけど、完全に受けに回るようになり数的優位を全く感じなくなってきたのでこれなら割り切ってブロック作った方が良さげに見えます。

時間使っていいスローインゴールキックにしてしまうのは本当にもったいないですね…全体的に不安定ながらも逃げ切る所はしっかりやってほしいです。

エフトーがパワープレーで放り込むようになたこぼれに寄せにいけす遠藤のミドルで追いつかれます。質的な部分で劣勢になってしまうのはやむを得ないんですが下がりながらの対応が難しい面もあるんですけど耐えられませんでしたね…

その後も押されたまま終了。



最後に、2CFを近づけロングフィードを効果的に使ってプレスをひっくり返しながらリスク管理をして2得点+数的優位(安斎の1枚目は悪質なプレーには見えないのでPK判定なら可哀想だと思いますが)と内容以上の結果になりましたが、後半メンバーが代わると意思統一が不安定になり劣勢になったしまったという印象が強かったです。

まあ数的劣位になるとチームの意思統一がはっきりするのはよくある事なので相対的に押される展開になったのもあるでしょうけど、相手がパワープレーでくるとわかってる時はラインを上げず前向きで対応してもいいかなとは感じます。もちろん強いターゲットがいるチームには使えませんけどそういう選手は機動力に難があるケースが多いのでこの守り方でいいと思います。

ただゆったり回しでテンポを落としながら時間を使ってプレスにきたらひっくり返せばいいって所はできてたのは良かったと思います。

質の部分はある程度飲み込む必要がありますし、1つのピンチで失点するのは理不尽かもしれませんけどそれがJ1ですからね。

スカッドの問題もあるので城福監督の責任かというとどうなの?とは思いますけど、今季は選手を成長させながら闘っていく方針でやってますので自分達に矢印を向けて取り組んでいってほしいです。

正直去年J2でも上位とのスカッドとはいえなかった中チームとしてのスタイルを信じてやってきてこの舞台にいるので、相手に対応するゲームプランはあっても今やってる事を続けていってほしいです。個人的にはこれでダメなら仕方ないよね?ってモノを見せてくれればかかる時間は変わりますけど必ず明るい未来が見えてくると思ってますのでこういう苦い経験を糧にしてもらいたいですね。

20240407 第7節ホーム柏戦

ホーム柏戦。ヴェルディ柏共に4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は最終ラインと森田での4+1のビルドアップですが、柏の2CFが森田を見張りながら最終ラインに寄せてきてSHをSBに噛み合わせてくるのでバックパスでプレスを引き出してから背後やライン間へのフィードでひっくり返す形が目立ちますし、マテウスも使って繋いでプレスを剥がせてた時はサイドから前進してえぐってのクロスか疑似カウンターのような形になる事が多いです。非保持は柏の最終ラインが2CB+ジエゴか白井3枚なので構えた所から中央を塞ぎながらジリジリと寄せにいってサイドに誘導しますがバックパスには背中でマーカーを消しながら追っていきます。

柏の保持時はCBが開いて左DHの白井が低い位置をとり左SBのジエゴがサポートする3+1のビルドアップでヴェルディの2CFを剥がして脇から前進していき、縦又はサイドから熊坂や降りてきたマテウスヴィオがハーフスペースを使いサイドに叩いてクロス、右SBの関根が運びながら島村がパラレラでサポートしてポケットへの入口を作って崩しにきます。フィードは右SHの島村に向けてが多いです。非保持はヴェルディの最終ラインに前線4枚を噛み合わせながらCFのプレスに行かない方が森田を見張りながらのハイプレスなんですけどヴェルディが蹴って後ろの連動を阻害する形が多いです。

まずはお互い蹴り合う展開からスタート。5分に染野のプレスでGKの松本のフィードを引っ掛けたこぼれを木村が拾った決定機はもったいなかったですね…

蹴り合う形なんですけどプレスで引っかけてのショートカウンター方がチャンスになりそうな展開。地上戦では引き続き劣勢ではありますがかなり慣れてきたように見えます。


マテウスパントキックジエゴと入れ替わった山田楓喜が運び、古賀が左を切りながら寄せてきた所を縦にいって逆足でニアハイに打ち抜き先制します。あの狭い所を逆足で打ち抜いてくるとは思いませんでした。

ヴェルディは構えてから距離を詰めて行き、柏は果敢に寄せてくる所以外はお互い似たような振る舞いですね。

染野がバックパスに追っていきますけど、古賀へのコースを切るように膨らんで松本に寄せにいったのは良かったですね。木村をそうですけど背中で消す守備が身についてきてるようです。それと引き続き空中戦ではかなりやれてるのでフィードからチャンスメイクもできてますし、意図した所に落とせる事もありセカンドも拾えてます。

構えてから出る分前向きで奪えてるので逆襲に出れてますし、最終ラインで回してる時に中盤や染野が絶対のポジションで楔を受けたり出口を作れてるのでパス回しがスムーズです。

柏も出口を作って前向きに持てるとコンビネーションを使って手数をかけずにポケットを狙ってくるので中盤にフリーで前を向かせてしまうと難しくなってしまいますね。

背中を使われてるからか柏が寄せてこなくなったのでヴェルディは最終ラインでゆっくり回すようになりましたが、リードしてますし出口に差す事もできてるのでこれでいいと思います。気温が高いですからある程度落ち着ける時間を作りたいですからね。相手を見ながら空いた所を使えてますし、ボールホルダーが前を向ければ前方にパスコースを作るサポートもできていて陣形が整ってる分カウンタープレスも効いてるのでここまで概ねやりたい事ができてるんじゃないかなと

コーナーキックは前節同様サイズのある選手を超えるファーサイドへのクロスが多いですが、空中戦で競り勝てるのもあるんでしょう。

柏のプレスをフィードで出足を鈍らせながら絶対のポジションをとってパスを循環させてプレッシングトリガーを入れさせない攻撃ができてましたし、空中戦で闘える分セカンドも拾いやすく陣形が整ってるので前向きで守備もできると概ねやりたい事ができていた理想的な展開だったと思います。デュエルではやや劣勢ではありますけどかなり慣れてきたように見えました。

得点自体は難易度高めでしたけどリードした事で余裕を持てたのもあるのかもしれませんね。

攻守共に自分達の良さを出しながら相手の良さを消せてた中で得点できて文句なしと言っていい内容だった前半。



後半頭から島村と熊坂→小屋松と土屋へと交代。小屋松は左CF土屋は右DHに入りマテウスヴィオが左SH山田が右SHへ移動。サイドでの運びや崩しがあまり機能してなかったのでそこのテコ入れなのかなと

柏は背後へのフィードが出てましたので細谷を活かしながら深さを作るようにしてきました。まあこの方彼の良さがでますからね。

繋ぐ時はDHが近い距離でサポートしてマテウスヴィオが絞ってチャンスメイクと中盤に受け手を増やした事で前半ほとんどできなかった中央からの前進ができるようになりました。SBが高い位置をとる分ヴェルディのSHが下がり気味になったのでファーストディフェンスがハマりにくくなった面もありますね。

ヴェルディがやってた事を柏もやるようになりがっちり噛み合う展開。前向きのデュエルは引き続きできてるのでヴェルディも受けに回るって訳ではなく中盤の攻防が激しくなってきました。

柏の前線がしっかりプレスバックするのでヴェルディはサイドで繋ぐ時に前を向きにくくなった分レイオフが増えてきましたけどこれでいいと思います。

白井が降りてビルドアップする時は4vs2の数的劣位になってしまうので運ばれてしまうんですが、1列目と2列目の距離が空き過ぎてるので受け手に寄せられず簡単に運ばれてしまうシーンが出てきました。細谷に決定機を作られたのもあって後ろはラインを下げてるのかもしれません。

柏の2CF(基本小屋松)がプレスのスイッチをはっきり入れる分後ろが連動できるようになったのでヴェルディの最終ラインは前半程余裕を持って保持できなくなってますけど絶対のポジションをとりながら前進できてるのでJ1の強度に慣れてきたのも大きいんでしょうね。

お互い縦志向なのでやや中盤が空いてきました。こうなると質の差が出やすくなるんですけどデュエルで十分闘えてるのでそこまで問題にならなそうですけどヴェルディは奪える位置が低いので前に出ていく出力が必要なのでスタミナが削られてしまってる状況です。

64分に山田剛綺と見木→山見と松橋へと交代。SH2人もそうなんですけど木村の消耗も激しそうな印象ではあります。

細谷が降りてきて叩いてまた前線に出ていくタスクをこなす時はマテウスヴィオがサイドに張るのでトップ下をどう使うか?は共有されてるようです。

プレスが剥がされて中央を使われる事はありますけどこちらもそうなのでがっぷり四つな展開。後半柏が深さをとったり前向きで守備ができるよう修正したので押し返されてきました。

71分に山田と木下へと交代。左CFに入り小屋松が左SHマテウスヴィオが右SHへ移動。

セットプレーからの跳ね返しをサイドチェンジで関根に運ばれポケットに流れてきた細谷とマテウスヴィオのワンツーからのクロスを木下に決められて追いつかれます。シュート自体は木下の誉めるべきですが陣形が崩れていてボールホルダーに寄せにいけませんでしたね。

ヴェルディも中央で持てるんですけど奪える位置が低い分時間が必要なので単調な攻撃が増えてきましたけど、盤面をひっくり返す為に山見を入れてるんだと思いますのである程度受け入れてるのかもしれません。

78分に深澤と木村→綱島と斎藤へと交代。綱島は左DHに入り稲見が左SBへ移動。押され気味なので中盤にフィルターを入れながら前線からの守備やチャンスメイクのテコ入れなのかなと

斎藤が降りたり流れたりしてボールを引き出しながら綱島が競り勝てるのである程度押し返せるようになりましたけど、柏が人につくので低い位置で出しどころを探しながらになる事が結構あるのでビルドアップでややギクシャク感があります。

89分にマテウスヴィオと関根→戸嶋と川口へと交代。

90+1分に森田→翁長へと交代。左SHに入り山見が左CF斎藤が左DHへ移動。

ヴェルディはスペースをひっくり返す事が多いので山見を上げた事でチャンスメイクできるようになってきました。

最後の最後に押し込めるようになりましたけどゴールを割れずに終了。



最後に、課題だった立ち上がりからプレスを剥がしたりセカンドを拾う所も修正されていて絶対のポジションをとりながらボールを循環しながら得点もとれて素晴らしい出来だったのは良かったですし前半は文句なしだったと思いますが、後半プレスのスイッチを入れ方を変えマテウスヴィオが絞って中盤での受け手を増やし、SBが高い位置をとった分ヴェルディのSHの位置が低くなったので逆の展開になったんですが、スタッツを見てもほとんど似たような数字なので引き分けは妥当だと思います。

デュエルはまだまだ劣勢ではありますけど空中戦は普通にやれてますし、ある程度余裕を持てるようになったのでJ1の強度に慣れてきた分耐える事ができてたのかな?って印象です。そりゃあもちろん前半の内に追加点が取れれば良かったですけどね。

これから暑くなるのでボールを保持する時間を増やしたいですし、守備がハマればそう簡単にやられる事はないでしょうから引き続きディテールの所を詰めていってもらえたらなと

柏は作季は2CFへの依存度がかなり高かったのでパフォーマンスに左右される分不安定になってた印象ですが、今季は保持する所が整理され頼る位になりバランスが良くなったように見えました。

20240403 第6節アウェイ湘南戦

アウェイ湘南戦。ヴェルディ湘南共に4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は後ろ4枚と森田がアンカー、稲見と見木がIHになって4-3-3になります。湘南がマークを噛み合わせてくるので逆サイドやCFへのフィードが多いんですけど、中央へは蹴らされてる感があるので収めたり背後をとるのは中々難しそうです。余ったCBが寄せにくるやや距離があるので降りてくる染野が浮きやすいんですけど効果的に使えておらずスムーズな前進が難しそうです。ただマテウスがプラスワンになって時間を作りながら森田がサイドに流れて前進したりできてるので前節のように手も足も出ずって程ではないです。そしてサイドから前進できるとSH-SB-CF-DHでオーバーロードを作ってローリング(このシチュエーションで選手はボールの進行方向と反対に回る事が多いので自分はフットサル用語のヘドンドを使う事が多いです)しながらズレを作ってポケット又はファークロスを狙っていきます。非保持はいつも通り4-4-2なんですけど、湘南が蹴るにもサイドに出すにも判断が速いので前線が制限をかけきれない事が多く、SBがWBのような位置なのでSBが寄せるにはやや距離がある分捕まえきれなかったり、湘南が横圧縮してサポートする所への対応もやや後手に回ってるように見えますので構えてから寄せにいく方が良さげに見えます。ただ判断が遅れると奪ったり制限をかける事ができてるのでここはいいですね。

湘南の保持時は左DHの田中が最終ライン左に降りて両SBを押し出してSHが絞り、ルキアンが降りて福田が深さを作る3-1-3-3で幅をとるSBへのフィードを合図に全体を押し上げてセカンドを拾う意識が強く前への推進力が強いですね。繋ぐ時はサイドから前進したら横圧縮してクロスや戻してからポケットや中央のCFに合わせるのが基本線のよう。非保持は上記の初期配置から左サイドはヴェルディの右サイドと噛み合わせ、右サイドは右SHの池田が絞って2CFと3枚でヴェルディの2CBと森田に噛み合わせて左SBの深澤には右SBの岡本が縦に寄せてきます。空いた見木には右CBの鈴木雄斗が迎撃にケアをして対人勝負を挑んできます。なのでCB/SBができる鈴木雄斗を右CBで起用したのかなと。セットすると5-3-2になります。

湘南の方がデュエル優位で出足がいい分ヴェルディは時間を作るのが難しそうですし、そんなに難しい攻撃はしてこないんですけど起点を潰せずターンされたりしていて劣勢な展開なのでここは慣れていくしかないかなと。

ヴェルディは押し込めるとサイドでローリングしながらズレを作ろうとするんですけど、中央に差すパスを奪われるとローリングしてる分こちらの陣形も乱れてるのでスムーズなカウンターを受けてしまいますので中央に入れる所は慎重にやってほしい所です。

湘南はファウルやGKがキャッチした時のリスタートではボールホルダーの前に立って遅らせるのをかなり意識してやってる様子。前向きの守備やセカンドを拾う所への推進力が強みなのは前節対戦した京都もそうでしたけど湘南のベースを作ったのは?なのでここは当然かなと。

12分に深澤が降りて右SBの岡本を引き出して見木が斜め前でサポートしてからのレイオフで木村が背後に抜け出せたのでここを使っていきたいですね。降りてきた染野に当てて岡本の背後を見木が使うでもいいと思います。

ヴェルディは湘南のプレスを引き出してひっくり返したいようですけど、湘南の最終ライン3枚が降りる所へのケアをしながら深さを作る所へ数的優位を保つので中々上手くいきません。ただ湘南が持とうとする所へ出足よく寄せていけてるのはいいと思います。

15分にプレスにいった所をひっくり返すフィードを福田に当てた落としを平岡がスルーパスで背後に抜け出したルキアンに合わせられ先制されます。寄せにいくスピードを落としてCB間を抜かれてしまうとにんともかんとも…

湘南はゴールキック時は2CBが開いて田中が中央に立ちますけど、繋げれば繋ぐでしょうけど基本的にはプレスを引き出すのを目的にしてるようです。

ビハインドになったので前から奪いにいくのは当然ではあるんですけど数的劣位でも寄せにいって剥がされスペースを使われてるシーンがありますし、数的同数で寄せにいってもいい時でも出足が遅く横から運ばれる事も目立つので行く行かないの判断をはっきりさせないですね。

守備でリズムを作らないと後手に回ってしまうのは前節と同じですけど、今節は球際(ここも劣勢ではあるんですが)より誘導や制限がはっきりせずプレスのスイッチが押せないのが要因になってるようです。まあ湘南のCBの運ぶドリブルが上手いのもあるんですが

ヴェルディが後ろで持てる(湘南がセットする)と相手を動かしながらバックパスでプレスを引き出して谷口が脇から運んでライン間へ縦パスを差して起点を作ってスムーズに前進する事はできてます。湘南の帰陣が速く中々決定機までは至りませんし押されてはいますけど前節より状況はいいですね。

湘南はフィードとトランジションで前進する事が増えましたけど、先制したのであまりリスクは負わずに効率よくって感じなんでしょうか。

湘南の2CF+右SHの池田がヴェルディの2CB+森田にフィルター張ってるので中々森田を使えないんですけど、最終ラインにプレスに行った背後のスペースに森田が流れて受けるようにしたのでようやく中央を使えるようになってきました。プレスがキツく奪い返される事は引き続き多いんですけど一歩前進ですね。

ヴェルディはシンプルに背後に蹴りながら中盤を使ってるのでやりたい事はわかるんですけど、背後は狙うというよりはややアバウト気味に蹴らされるみたいな感じもありますし、湘南の帰陣が速いので繋いで決定機を作るのも難しいんですけど前節よりは全然やれてます。まあ前節の前半が酷すぎたって話しはありますが

雨でスリッピーな分止まれないのでアフターでいってしまうんですけど、特に湘南に荒い印象はないですね。

今節はクロスはセットプレーでファークロスが多いんですけどサイズがあるキムミンテを超えるようにしたいのかなと

森田は不意にきた後ろからのチャージが腰骨に当たられたようですねその直後福田も不意にきたロングフィードがみぞおちに入りました。

湘南の変則的な陣形に中々対応できずにほとんど決定機を作れませんでしたし、球際でも劣勢ではあるんですけど、前節のようにプレッシャーに屈する事はありませんでしたし空中戦では優勢でしたので一歩前進したかなと。

ここは慣れていくしかないので今すぐどうこうではないですけどSBの背後をどう使うか?の所は選手達でもう少し対応してほしかったなとは感じました。

ハイプレスはいまいち噛み合ってない事が多かったですけど自陣ではしっかり寄せて身体を張る当たり前の事ができていたので決定機らしいのはほとんどありませんでした。まあその内の1つがにんともかんともではあるんですが…

決して誉められた内容ではないですしビハインドではありますけど短い間に球際の対応が結構進んでたのが収穫だったなと感じた前半。



後半頭から森田→山見へと交代。左SHに入り見木が左DHへ移動。森田はプレー続行が難しかったようですね…ただ特に高い位置をとる岡本の背後は狙い所でもあるので山見の投入は予定してたのではないかなと

染野のクロスに木村が合わせたり降りた所から背後を狙いましたけど、前半はあまりシンプルなプレーがなかったのでいいと思います。

山見が大外に張るようになったので深澤が内側に入ると役割分担がシンプルになりました。深澤がインナーラップすれば右SHの池田がついていきますし、右SBの岡本が上がれなくなったので最終ラインが蓋をされなくなったのと、湘南のプレスがある程度落ち着いた事もあり最終ラインでパスを回しながら中央へ縦パスを差せるようになりました。

ルキアンに起点を作られたり囮にされて決定機を作られたんですがここに意識が行き過ぎるとって所ではあるんですけどここも慣れが必要な部分ではあるのかなと

岡本が出てこれなくなったので池田もビルドアップに蓋ができなくなり前向きのプレスを受けてしまう問題は解決できました。それと相手のプレスが落ち着けば運んで剥がした所からチャンスメイクできますのでここまでの時間をどうするか?が引き続きの課題かなと

ただパスが緩くなって受け手が厳しい状況になるのもそうですけど、横パスをインターセプトされると勢いをもって出ていける上出し手受け手両方が置いていかれてしまいますのでパススピードはもう少し詰めていきたい所。まあパスが緩くなる所はお互い狙ってるようですが

ヴェルディも制限をかけきれないと中央を起点にスムーズに前進されてますけど湘南はあまり手数をかけないのでボールホルダーに寄せておきたいですね。

勢いもって寄せにこられると繋いだり蹴る精度が落ち前向きな守備をさせると押されるわかりやすい展開。再三書いてますけど慣れていくしかないんでしょう。

66分に山田楓喜→斎藤へと交代。

染野が降りて深澤を斜め前でサポートすると出口を作れそうではあったんですけどようやくここを使えてきました。

71分にヴェルディは深澤→松橋へと交代。右SHに入り稲見が左SB斎藤が右DHへ移動。湘南は福田→鈴木章斗へと交代。

ヴェルディは前節上手くいった稲見のフィードを活かしたいのかなと

湘南は両SHが絞って守備をしながらSBへも寄せにいける中間ポジションをとるようになったのでヴェルディのビルドアップへ蓋をしたいようです。

湘南はカードが多くなってきましたけど寄せの強度が生命線でもあるので山口監督からすると難しい所でしょうね。


見木のフリーキックを大外で山見が受けて岡本を半身外してのファークロスを谷口が合わせて追いつきます。クロス時にキムミンテの背後を狙うのはここまでやってましたからね。

77分に平岡と池田→阿部と茨田へと交代。

80分を越えてくるとヴェルディが走り勝てるようになってきましたけどこれが最終盤で追いつけてる要因だと思います。まあここで負けたらどこで勝つんだって話しではあるんですが

湘南はルキアンが収めて時間を作って押し上げたいようですけどヴェルディが起点を作らせないので主導権を握れてます。


稲見のフィードを山見が触って斎藤が身体を流しながら内側にリターンパスを出し山見がポケットに侵入してファーへ打ち込み逆転します。山見が触ってコースが変わったのを斎藤がリターンした分内側が空いたのとしっかりファーを狙えたので弾かれたとしても木村が詰められたでしょうから判断がよかったですね。

最終盤に何がが起きるエンタメ性高めな展開ばかりなので一見さんには喜んでもらえるのではないかなと

88分に木村→綱島へと交代。右DHに入り斎藤が右CFGへ移動。中盤のフィルター役なんでしょうけど色々なタスクをこなしてますね。 

89分に畑と奥野→杉岡と石井へと交代。

当然湘南は前への推進力を出してきますが前線の選手がしっかり戻って対応します。

城福監督が残り時間を教えてるようですけどあと何分出し切れって事なのかと思いましたが山見が時間を聞いてるのでピッチ側が求めてるのかもしれません。

決して受けになる訳ではなくしっかりラインアップしていつも通りの守備ができてます。

いつも通りの守備からいい攻撃に繋げようとする姿勢を崩さないまま終了。



最後に、球際ではまだまだ劣勢ですし、勢いよく寄せられると繋ぎや蹴るのがアバウトになる所はありますけど、エアバトルはかなりよくなってきてるようにできる事が少しずつ増えてきてるので勝った事が自信になるといいですね。

ビルドアップで蓋をされた時にサイドで引き出して出口を作る等もう少し工夫が欲しいのと、前線がサポートに降りたスペースを上手く使えるといいなとは思いますし、相手が元気な内のゲーム運びは引き続き課題ではあるんですけど、今節は自信を持ったりスタイルを信じ切るきっかけになってもらえればいいかなと

湘南は田中を降ろして両SBを押し出す変則的なプレスでヴェルディを押し込む事ができてましたし相変わらず球際の強さと推進力を武器にする形はしっかり出せた上で決定機を作れてましたのでどれか取れればって展開だったと思います。


J1で5646日ぶりの勝利だそうですけどそんな日の解説がなんでよりによって播戸さんなんですかね…

20240329 第5節ホーム京都戦

ホーム京都戦。ヴェルディは4-4-2で京都は4-3-3でスタート。

ヴェルディの保持時は、京都が人につく意識が高いので後ろ4枚で回しながら京都のSBの前にいるSHや上がったDH(見木)へのフィードやSBがいたスペースにCFが流れてチャンスメイクするか背後を狙う所に合わせる使うシンプルな形が多いです。繋ぐ時は森田がアンカーになり降りてボールを引き出しながらサイドを使っていきます。本来は上がりめの見木を使って内側から前進したいんですけど中々使えませんね。後半は相手の間の背後でフリーになってパスコースを作り(絶対のポジションってやつですね)ボールを引き出しながら中央を作って前進しながらサイドを使ってクロスとシンプルに背後を狙う形と併用しながらチャンスメイクしていきます。非保持はいつも通り4-4-2のハイプレスなんですけど京都は蹴る事が多く、SBが高い位置にいる分左SHの翁長が下がって5バックのような形になります。受けるというよりセカンド拾う隊を増やしたいのかな?って感じなのかなと。SBと上がってくるIHを誰がどう見張るのか?がいまいちはっきりしておらず押し込まれる事が多いんですけど、プレスでリズムを作れないのもありますけどデュエルで中々競り勝てずラインを上げられない影響の方が大きそうです。おそらく準備してきたであろう横圧縮の守備をさせてもらえない程京都の攻撃がシンプルかつ迷いなかった上で局面で劣勢だと難しいですね…

京都の保持時は両SBが上がってアンカーと2+1を作り両WGがかなり絞って密集を作った所やSBへのフィードでセカンドを拾い背後を狙えるなら背後、ダメならサイドに開いてクロスとこちらもシンプルな形が多く、当てたり収めたりするのをトリガーに後ろから選手が出てきてセカンドを拾ったりサポートする意識がかなり高いように見えます。繋ぐ時はWGとSBの余った方が持ち運んでからポケットを狙ったりGK-CB間に速いクロスを入れてきます。非保持は基本的に人につく意識が高いハイプレスで、両WGが1列目で原が少し下がって森田を見張りGKへ寄せる時は自分へのマーカーへのパスコースを切るように寄せていきます。それに合わせて後ろが押し上げて積極的に迎撃に出る意識が強いですね。ただ前に出る意識が高い分構えるとどこに制限をかけどこで奪うのか?がはっきりしない部分があります。

3分に跳ね返しがバウンドした所をトゥーリオのフライスルーパスし抜け出した豊川に繋がれましたが、十分間に合ってたと思いますのでバウンドさせずに処理したかったですね…オフサイドに助けられましたけど特に立ち上がりはもう少しシンプルにプレーしてほしいなと

5分くらいからフィードで中々競り勝てずセカンドを拾われる事が増えてきました。もちろん競り勝てれば一番いいですけど、そうでなくてもセカンドを拾う事はできるんですけどここの意識や予測は京都の方が上手ですね。ただネガトラの反応は相変わらずいいのでトランジションからチャンスメイクする方がうまくいきそうな印象です。

10分過ぎくらいから守備がハマらず押し込まれて奪っても奪い返される事が増えてきました。守備でリズムを作れない分噛み合わないようですけど、京都のSBと上がってくるIHをどう見張るのか?がはっきり定まってないように見えます。

守備からリズムを作れない事がビルドアップにも影響してるようで、相手のプレスを受けやすくなるようなボール回しで高い位置で奪われて再度攻撃されるようになってきました。京都が対策をしてきたというよりヴェルディが両WGが絞りSBが上がってくる所へ対応しきれてない事がデュエルやセカンドを拾う所にも影響してるような感じもします。まあそもそもデュエルで競り勝てずセカンドを拾う所でも劣勢なので押し込まれるのは必然なんですが

京都は押し込むと両SBが上がりIHの位置も高いので背後へのフィードを使って深さを作ってもいいかなとは思うんですけどCFが収めるようなフィードがかなり多いんですよね。ここで収められるのなら構いませんけど現状ではそうでもないので背後を狙って深さを作りプレスの出足を牽制する方が良さげに見えます。

個で剥がされるシーンも出てきてにんともかんともな状態になってきました。ここはある程度想定内ではあるんですけど組織が分断されるような形だと個vs個のようになってしまうので難しいですね…京都が密集でセカンドを拾い、そのタイミングで後ろから選手が出てくる所に全く迷いがないのも後手になってしまう要因の1つだとは思いますが


ロングフィードを胸トラップしてからのボレーで失点しました。シュート自体は豊川を誉めるしかないんですけど誰も豊川に寄せにいけませんでしたね…再三書いてますけど京都は収めるのをトリガーにして後ろから選手が出てくるのでラインを下げたんだと思いますけど、ボールホルダーに寄せて自由と選択肢を奪うのはチームとしての約束事ですからね。

森田が降りてビルドアップのサポートをするようになって最終ラインではある程度落ち着きましたがそこから先が合わないので中々形にならないのは変わりません。プレスが噛み合わないのもありますが、京都の強みである球際の所で劣勢になる事がこれだけ多いと難しいなと

26分に跳ね返しを拾われて原がポケットに侵入した所へのスルーパスからのシュートで追加点を取られます。この展開だと後何点取られるか?って感じになってきました。

見木がプレスを剥がしてサイドに展開して宮原のクロスでチャンスメイクしましたが、京都はSBが上がる分サイドが空きますし、松橋が絞ればカバーも連れていけるのでここは積極的に狙っていきたいですね。

30分過ぎから後ろで回してプレスを引き出してその背後を使う事ができてきました。京都の寄せが速いので判断を迷うと危険ではありますけどようやく形を出せるようになってきました。守備では横に圧縮する事でマークを噛み合わせるのでおそらくこれが準備してきた形だったんじゃないかなと

京都のプレスの勢いがある程度落ち着いたのもあるんですけど、主導権を奪うまではいかなくてもある程度押し返す事はできるようになってきました。最終ラインでボールを持って落ち着けるようになった分浮いたポジションをとる見木を使えるようになったので攻撃の幅が拡がったのが大きいですね。

プレスがハマらない分ラインを上げる事ができずにリズムを作れなかったのはありますけど、球際やセカンド争いでこれだけ後手を踏むとさすがに厳しいですね…

京都のプレスが落ち着いてからはボールを持ってサイドだけでなく空いた所を使って中央から前進できてるシーンもありましたし、用意してきた形であろう横圧縮の守備もやれていたので今までやってきた事や準備してきた事はある程度出せてはいたかなと。

両SBがWGのようになってWGが絞り、ポストプレイヤーに入ったのをトリガーにして勢いよく出てくると特徴的だったのはありますし、セカンドを拾いやすくする為に中盤にフィルター役となる選手がいても良かったかなとは思いますが、デュエルやセカンドの所でこれだけ後手になるとそれ以前の話になってしまうなと感じた前半。



後半頭から翁長と山田剛綺→斎藤と稲見へと交代して4-3-3へ変更。斎藤は右WG稲見は右IHに入り松橋が左WG見木が左IH森田がアンカーへ移動。ビルドアップがにんともかんとも状態なので受け手を増やして保持しやすい形に変えてきたようです。

後半に入りデュエル面はある程度良くなりましたけどセカンド争いでは引き続き劣勢なので引き続き押し込まれる事が多いです。

49分にマテウスのフィードを染野が落として松橋が抜け出しましたけどようやくやりたい形が出てきました。積極的に前に出てくる相手には深さをとるのは必須なのでこれをやりながらサイドを使っていきたいですね。

ゴールまで25mくらいなんですけど京都は壁を3枚しか置かないので直接より合わせてくると判断してるのかなと

守備では構えてから前に出ていくようにしてSBに前向きで寄せられるようにしてバックパスには追っていく形になったので安定してきました。

京都はコーナーキックマテウスの前に人数をかけるようになりましたが、前半はほとんど弾かれていたので出られないように修正してきたようです。

56分くらいからビルドアップ時に京都がそこまで勢いをもって寄せてこなく(これなく?)なったのでプレスを剥がして前進できるようになってきました。プレスの矢印を折ってサイドを使う程上手くいってる訳ではないので京都としては狙い所だと思うんですが、ボールホルダーに寄せきれなくなってるのでプレスに出られなくなった時の対応が現状の課題なのかもしれません。ここまでの京都の試合を観れてないのではっきりはわかりませんが

ヴェルディは時間と空間を得られるようになって余裕が出てきた事もあり繋ぎながらもプレスをひっくり返して背後を狙うシーンも出てきました。これが本来やりたかった形なんでしょうけどこれを激しいプレスの中で精度を上げていきプレス耐性を身につけていくしかないでしょうね。それとデュエルで競り負けるのはある程度やむを得ないとしてもセカンドを拾う所も含めてですね。

京都は原と左IHの松田が並んで4-4-2構えるんですけど、森田が頻繁に降りてくるのでプレッシングトリガーが中々定まらずに後ろが連動しにくくなってる印象です。ヴェルディは後ろに重くなってるので本来はどっしり構えても良さそうなんですけど疲労やあまり慣れてないのもあるのかなと

サイドに入った時に中央で平行サポートをしてボールを引き出す事もできるようになったので主導権を握れるようになってきました。

61分にヴェルディは深澤→山見へと交代。左WGに入り松橋が左SBへ移動。京都は豊川→宮吉へと交代。

山見や松橋も引き出す動きができてきてるので中断期間に城福監督の言う絶対のポジションをとる所は入念にやってきたんでしょうね。それと山見は縦横に仕掛ける意識が高くなってきたようでようやく持ち味を発揮できるようになってきたかなと

左サイドは山見が仕掛け、右サイドは斎藤が仕掛けるか内外からサポートする宮原を使う形で後ろは稲見と森田(もしくは松橋)がリスク管理してセカンドを回収する理想的な展開になってきました。とは言っても京都のプレスがかかりきらなくなったのとどこに誘導しどこで奪うのか?がはっきりしないのが大きな要因ではあるんですが

京都はフィードで収めたりスラしたりする所へのサポートが遅くなってきたのでボールを拾う事が難しくなってきました。出ていけなくなってきた時どうするか?が課題のようですけど、お互い尖った作りをしないと闘えない部分があるでしょうからある程度やむを得ない所もあるのかなと。これなら天皇杯の時みたいにはっきりローブロックで構えても良さそうではあります。

前後半ではっきり展開が変わりましたけど、年度末金曜遠方アウェイと三重苦の中来場された京都サポーター席から常に遠いサイドで試合をやってるのが申し訳ない所はあります。

ロングフィードに競り勝てない時でも距離が近くなった分セカンドを拾えるので、稲見が入ってフィルターになったのもあるんでしょうけどメンタル面の影響もあったのかなと

ヴェルディはかなり流動的なんですけど、誰かが空けた所に誰かが入るくらいで共有されてる様子。

京都は中央を固めてサイドはある程度くれてやるくらいな感じになってきましたけど、2点の貯金があるならこれでいいと判断してる様子。

74分にトゥーリオ→福岡へと交代。右IHに入り武田が左IH松田が左WGへ移動。

76分に松橋→綱島へと交代。左IHに入り稲見が左SBへ移動。見木より前目なので2CFのような形になりました。


78分に山見の仕掛けで左SBの福田と入れ替わった所で倒されPK獲得。果敢に仕掛ける姿勢が報われてよかったですね。これを染野が決めて1点差になります。

1点返したからか推進力が出てきたのでやはりゴールって大きいですね。

京都はSBの所にWGが前向きで寄せるようになったのでプレスでハメやすくなってきました。今までここがはっきりしてませんでしたからね。

京都がある程度持てるようになった分背後が空くのでオープンな展開になってきました。お互い決定機が作れるのでどちらに転がるか?といった所

ヴェルディは前線で綱島も収められるのでダイレクト気味な攻撃でも形を作りやすくなってきたのでサイドからのクロスが増えてきました。京都は原が頑張ってキープしてますけどサポートがやや遅いので疲労もあるんでしょう。

89分に原と松田→山崎と三竿へと交代。三竿は左SBに入り佐藤が左IHへ移動。

京都のプレス強度が上がってくるとまた技術や判断のミスが出てくるので時間を削られた中でフィードを含めどう剥がしていくか?が課題のよう


90+3分に稲見のフィードに綱島が競り勝って斎藤がフリーでGK-CB間へのロークロスに染野が合わせて追いつきます。綱島の所に2人いってしまいましたけど、ここまで走らされてきた最終盤にいっぱいいっぱいになってたんだと思いますがこれはヴェルディも経験してますからね。

パワープレーのようになってきましたけどゴールを割れずに終了。



最後に、このクラブはシンプルに球際で勝負してくる相手に苦戦するのは伝統ではあるんですけど、今節は城福監督が言うようにプレッシャーに屈したのは間違いないですね。

ただ京都のプレスが落ち着いた前半の終盤からはボールを持って絶対のポジションを使いながら内側を使って前進できていたので、しっかりポゼッションの準備をしてきたのはわかりました。

ただ厳しいプレスで時間と選択肢を削られた中でも空いた所を見て(相手の寄せ方を見てどこが空くか把握できるのが理想)使えるようにしていかないと難しい試合が増えそうな印象が強かったですね。

横圧縮のプレスは準備してきた形だと思うんですけどほとんど使う事ができなかったのでデュエルはある程度やむを得ないとしてもセカンドを拾う意識はもう少し上げたい所です。

ただ、形を変えたのもありますけど稲見と斎藤を入れて収められるようになってから押し返せてましたので、稲見や綱島のような中盤のフィルター役がいればデュエルやセカンドの所はもう少し変わったかなとは感じました。

松橋や山見がやるべき事をしっかりやった上で自分の良さを想像以上に発揮できたのは収穫ですし、今季は実戦の中で成長しながら闘っていくスカッドなのでそうでなくては困るんですけどね。

京都は攻守に渡って球際と出足を大事にするキジェ監督らしい振る舞いでしたけど構えた時の意思統一が今ひとつって印象でした。ただお互いJ1で闘っていくにはどこか尖った所を持たないと難しい所があるのは確かなのでどこでバランスをとるかは難解なミッションなんですよね。

20240316 第4節ホーム新潟戦

ホーム新潟戦。ヴェルディは4-4-2で新潟は4-2-3-1でスタート。

ヴェルディの保持時は左SBの深澤を上げて左SHの斎藤が絞る3-2-3-2から中盤に縦パスを入れてサイドに展開しニアゾーンに入り込んでクロスが基本線のようですが、角度のない縦パスが多い分プレスを受けやすく中央で奪われカウンターを受けやすい状況になってますね。それと片方のSBが中盤まで上がる3-3-1-3のような形で木村が深さ、SHが幅をとり染野がライン間にいてプレスを引き出せはそこ、そうでないならサイドからダイレクトで中央へ斜めのパスで前進する形もあります。非保持は4-4-2で新潟の2CBが大きく開くのでボールを持つCBにCFが寄せ、もう1枚はCFがその内側に立って上がったSBを背中で消しながらCBへのパスコースを牽制するハイプレス。新潟のDHが降りると見木や山田楓喜がついていき、山田楓喜はSBを背中で消すように寄せるので中央はもちろんサイドをビルドアップの出口にさせない対策をしてきたようです。DHがしっかり降りると2CFが制限をかけSHが新潟のSBを見張りながら中央を締め、蹴られても最終ラインがラインを揃えて上げて跳ね返せてるので前節から修正されてますね。それとCFが真っ直ぐ寄せる時はDHを背中で消しながらSHがSBを見張る形もあります。

新潟の保持時はCBと左DHの秋山が降りて両SBが中盤まで上がる3+3のビルドアップ。ヴェルディがマンツー気味についてくるので前線に当てた落としを右SHの松田へフィードして仕掛ける形は高い位置で奪った時も多く、バックパスでヴェルディのプレスを引き出してフィードでひっくり返す事も多いです。押し込むと左右SBの堀米が上がって小見が絞る3-2-5で高木が流れて右サイドでオーバーロードを作ってニアゾーンを狙い、左サイドでは小見は縦、堀米はポケットへ仕掛け残った方がサポートするシンプルな形が目立ちます。非保持は谷口と高木が並ぶ4-4-2でCBまで寄せてくるハイプレスに連動してDHが高い位置に迎撃に出る傾向が強く、ヴェルディの2CFに対してのCBも同様です。ただ構えると中央のスペースをどう管理するかがやや曖昧な所があるように見えます。

今節も前4枚と両SBを前線に張らせた形でキックオフ。フィードの受け手を増やしたいんでしょう。

見木から大外にいる右サイドの山田楓喜へフィードして相手を拡げ、染野がポケット外からサポートしてクロスに木村と斎藤が入ってくるので外から中のスペースに入ってくる所は共有されてるようです。


フィードを林が跳ね返したこぼれを拾った染野が倒されてのフリーキックを山田楓喜が直接決めて先制します。やや左サイド寄りでしたので新潟の壁やヴェルディ2選手のブラインドが右効きだったのもありますけど、距離があった所からアウトから巻いて左隅へと見事な軌道でした。

構える所は構えながら逆サイドのケアもしてますし、前向きに守備ができてるので前節より安定してるんですけど、インターセプトした縦パスを受けた時に周りを見ながら探すような所があるのでその間に囲まれて奪われる事がまだまだ多いですね。

後ろ3枚になった所に中切りで寄せて降りる所にもついていき、ラインを上げた背後のケアもできてますしインテンシティでも五分ではあるんですけど、デュエルで劣勢になるシーンが結構あるのとポジトラの意思統一がいまいちなので高い位置で奪われてますが慣れていければそうそう失点はしなさそうです。

バックパスで新潟が一気にスピードを上げて寄せてくる分ビルドアップの精度が落ちる面もありますので全体のパススピードを上げたいのと、後ろ向きに受ける時にレイオフをもっと活用してサイドに展開したりできればもっと安定しそうです。

22分に深澤のフィードを木村がスラして染野が戻して突破からフリーの染野に渡した決定機はモノにしたかったですね…まあこういう形を増やしていく事が目下の目標ではあるんですが

森田がボールに絡むようになってからテンポが落ち着いてきました。バックパスを使いながら保持の時間を作れれば息を整えながらチームとして落ち着けますので速い展開だけでなくテンポを落とすのも必要ですね。もちろんこのクラブ伝統である全く無意味なバックパスはするべきではないですよ。念の為

マテウスはプレスの矢印を折るようなディストリビューションはもちろん足裏を使ってプレスを引き出したスペースを使うのも上手いんですけど、今節はらしくないミスが目立ちます。映ってないのでわかりませんけど前線が捕まってるのか動き出してないのもあるのかもしれませんが

一方プレスはGKの小島には自分のマーカーを背中で消せない時以外は寄せにいきませんし、後ろ3枚が前を向けそうな時はSHの選手が前を塞いて寄せにいってますし、後ろが4枚になると最終ラインに寄せにいかなくなる判断もできてるのでよく機能してると思います。ただ中央とサイドどっちを埋めるか?の判断が曖昧になると一気に運ばれますのでもう少し練度を上げたい所です。

木村が秋山に引っ張られて審判にアピールしてましたけど、前節はプレーを止めなかったからこそ得点できたので、笛が鳴ってない以上ボールを守る所はしっかりやってほしいですね。

32分にコーナーキックをファーで折り返すような形で失点します。ボールが素晴らしかったのはあるんですけどマンツーで剥がされてしまうと難しいですね…

CFの谷口がシンプルに背後を狙いにいく形が出てきましたけどここでやり方を変えると思う壺になってしまいますので勇気を持ってラインを揃えられてるのは深さを作らせない面からしてもいいと思います。

36分に深澤が運んて降りてきた木村が森田に落として深澤に渡して倒されましたが、この試合始めてビルドアップの出口を作れましたので、プレスの矢印を折りきれない時はレイオフを上手く活用したいですね。元々このクラブはボールを持つスキルはありますけど、その反面無駄なバックパスでチャンスをふいにする事も多々あるんですが(^^;)

39分に左サイドに流れてた見木から中央の染野→右サイドの山田楓喜へと渡し山越もオーバーラップでサポートしクロスでチャンスメイクするシーンが出てきました。解説の松原さんも指摘してますが、中に3枚いたのでニア中央ファと入れてたら結果は変わったかもしれませんが、新潟のプレスは出足が速い中で自分達の保持の形を出せたのは大きな前進ですね。

42分に谷口の縦パスを見木に当てて平行でサポートしてた森田とのワンツーで突破しましたけど前節香川にやられてたのを参考にしたんですかね?

プレスがハマらないと一気に運ばれるのは変わりませんけどエリア内に入れない守備はてきてるかなと

ヴェルディの守備は行く行かないの判断がしっかりしてましたが、ポジトラ時に味方を探しながらになって囲まれ奪われる所はまだまだだったかなと。ただ25分以降はある程度プレスを剥がして前進しボールを持てるようになったのは良かったと思います。

新潟は相変わらずビルドアップの精度が高いですけど、マンツーで捕まってる所からと外に追い出させるプレスで中々内側に侵入できなかった印象です。ただ剥がせた時は一気に運んでくるのはさすがだなと

どちらかと言うとヴェルディの良さの方が出ていた印象ですけど、プレス耐性がある程度ついてきた様子なのでもう少しボールを持ちたいなと感じた前半。



後半頭から山越と斎藤→宮原と翁長へと交代。山越や斎藤に問題があったようには見えませんでしたけど、守備強度の巻き直しと宮原に関しては慣らしの意味もあるんでしょう。

ヴェルディは木村が深さを作って染野がライン間に降りるようになりここからチャンスメイクしていく意識が上がった様子。ここまであまりに守備機会がなかったんですけど、新潟はライン間を使われた時DHのプレスバックも速いですね。

浅い位置からのクロスに逆サイドから相手の背中側から入ってくる去年からやってた形が出てきましたし、少しずつJ1の強度に慣れてきたように見えます。

新潟は後半に入ってから縦志向が強くなってきたので行ったり来たりの展開になってきましたが、お互いプレスバックも速いので中々シュートまでいけませんけどヴェルディのポジトラは運びながら探すようになったので前半よりはある程度改善してますね。

55分くらいから新潟が後ろで回すようになったので落ち着いてきました。中央を使いたい新潟と中央を締めるヴェルディという攻防。

GKに対するチャージはあってもキーパーチャージというモノは存在しないのでよろしくお願いします。まあもちろんフィールドプレイヤーと全く同じ基準ではないので難しい面があるのも事実なんですが

59分に新潟のゴールキックでCBからGKに出しましたけど、中央で持てる分ビルドアップ能力が高いGKならアリですね。これを初めて観たのはセティエン時のバルセロナでした。

61分に斜め斜めのパスでビルドアップの出口を作れてきましたし、ビルドアップ面でもある程度慣れてきたようです。今季は伸びしろで闘っていくんですから実戦の中で成長していくのは必須ですからね。ただ、相手の陣形が崩れてたり背後やライン間が空いてる時に縦を狙うのは全然いいんですけどまだまだ急ぎ過ぎな面がありますので、リスクとリターンのバランスが悪そうな時は保持を優先してもいいかなとは感じます。

ヴェルディのビルドアップの形が出てきましたので、宮原を上げた3-3-1-3のような形で木村が深さSHが幅をとり染野がトップ下のような位置でフィードが通せればここ、そうでないなら中央へ楔を入れながらサイドから前進しCFかDHがポケットへ侵入してサポートします。

67分に松田と高木と谷口→長谷川と太田と長倉へと交代。

新潟が4-4-2で構える分ヴェルディがボールを保持できる時間が多くなりましたけど、前進できるならすべきですけど、配置と息を整えるのも必要なのでボールを保持した守備の時間もあってもいいかなと。ただこれが無意味なバックパスに繋がりやすいのがこのクラブの悪癖なので難しい面があるのは確かなんですが

70分に緩くなったバックパスを長倉にインターセプトされて決められてしまいました。ミスはミスなんですけど正にこれなんですよね…

当然ヴェルディはプレスの圧力を強めますけど前向きの守備は継続できてますけど剥がされたリスクはある程度やむを得ないかなと

76分に木村→食野へと交代。食野はライン間で良さを発揮するタイプなので染野と役割を交代するようです。

CFの長倉は降りてくる事が多いんですけど、リードしたのでポゼッションの安定を優先させてるような印象です。まあ新潟の場合はボールを保持して守備をする方が向いてると思いますのでこれでいいんじゃないかなと

78分に山田楓喜→山見へと交代。左SHに入り翁長が右SHへ移動。山見はスペースを強襲するスピードは文句なしなんですけど守備対応や何をすべきか?の判断を上げていってほしい所です。今季は大きく飛躍するかこの程度で終わるかの分岐点になると思いますので大成してもらいたいんですが

染野と食野が縦関係になると思ったんですが、森田が上がって食野がDHのような位置にいる事が多いですね。

ヴェルディが前傾姿勢になったのもあると思いますが、新潟はシンプルに前線に当てて前進するようになりました。まあビルドアップのリスクを負う必要もないですからね。

新潟は中央を締めて構えるようになったのでスムーズな前進が難しくなってきましたけど、ヴェルディ程ラインは高くないのでライン間を使えそうな雰囲気ではあります。

82分に深澤→山田剛綺へと交代。CFに入り翁長が左SB、山見が右SH、見木が左SH、食野が右DHへ移動。4-2-3-1にしたようです。

83分に藤原→新井へと交代。カード対応もありそうです。

ヴェルディは楔を入れて戻してからとバックパスで引き出して背後を狙う事が増えましたけど、新潟が中を締めてる事もありそこから先どうするか?って感じです。ただら見木が絞って受け手を増やしてる分中盤で中央を使えてるので押し込む事はできてます。


見木から右サイドの宮原に叩いた所からのクロスを見木がフリックして逆サイドで詰めてた翁長が押し込み追いつきます。エリア内に人数をかけられてましたし、去年からやっていた逆サイドから入ってくる深澤が得点してた形で得点できたのは良かったと思います。まあ宮原への寄せがいまいちだったのも大きかったとは思いますが

喜ばずにすぐボールを拾って戻るのがいいですね。

こういう展開になるとオープンになる傾向が強いんですけどお互い丁寧に運んでいきやり方を変えるつもりはないようですけど最後の最後はオープンになりました。

一進一退の攻防が続きますがこのまま終了。



最後に、非保持に行く行かないの判断や中央を締めながらサイドに蓋をする所は良くなってますし(まあここが噛み合わない時はあっという間に運ばれてましたので完璧ではないですが)内容や決定機数は五分でしたので引き分けは妥当な結果だったかなって印象です。

前半の前半はにんともかんとも状態でしたけどその後はボールを保持できるようになったのと、自分達の形を出せるようになってきたのは収穫ですね。J1の強度に慣れてきたのもあるんでしょうけど新潟の出足が良かった中でできたのは自信を持っていいと思います。

ビルドアップでのミスはもったいなかったですけど、最終ラインからもう少し精神的な余裕を持ってボール出しができるともっと良くなると思いますのでここは伸びしろでカバーしていってほしい所です。少しずつではありますけど全体的に良くなってますし伸びしろで勝負するんだ!の方針なのでそうでないと困るんですけどね。

城福監督のコメント

あの失点シーンは相手陣でサッカーをやっていながら、バックパスが3回ぐらいあったと思います。本当にバックパス(の選択肢)しかなかったのかというシーンが3回ぐらい続いて、最後あのシーンにつながったように記憶しています。それはこのチームの悪い癖というか、そこには戻ってはいけないので、よりポゼッションをアグレッシブにやって、守備もアグレッシブにやることで勝点を積み重ねていくという意味では課題も感じられました。しかし半歩、少し前に出られたような気持ちにもなる2点目だったかなと思います。

ほんとここなんですよね…長年染みついたモノなので一朝一夕にいかないのは重々承知してますけど新しいサッカーを゙浸透させきるにはまだ時間がかかりそうですけど、確実に一歩一歩階段を登っていくしかないでしょう。

新潟はもう少し深さを作る動きがあっても良かったかなとは思いましたが、相変わらずビルドアップの精度が高かったですし安定してました。ただ前線はスタメンとサブが逆の方が良さそうな印象だったんですけどどうなんですかね?

20240309 第3節アウェイセレッソ大阪戦

アウェイセレッソ戦。ヴェルディは4-4-2でセレッソは4-3-3でスタート。

ヴェルディの保持時は右SBの稲見がSH並に高い位置をとり、2DHが2列目の前と中に立ち位置をとる3+2のビルドアップで、セレッソの左SBの登里が絞る分右サイドを上げるようにしてるようです。セレッソは1CFなのでCBに制限をかけきれない中でもラインが高いのでDHが降りてセレッソの2列目を引き出しながら背後へのフィードは片野坂監督の風味があります。左SHの斎藤が絞ると中盤の誰かが縦パスを受けられる事が増えますしそこからサイドに叩いて前進します。ボールを前進させられるシーンではSBが勢いよく出てくるので厚みを出すテコ入れをしてきたようですね。非保持はCFのどちらか(木村が多いです)が中盤の2人の間に立って見張り染野が縦横の中間に立ち右SHの山田楓喜が左WGの為田へのコースを切るよう立ちます。CB間やバックパスをトリガーにして寄せていくのは継続してますね。

セレッソの保持時は左SBの登里がアンカーの田中と並んで偽SBとなる3+2のビルドアップ。ヴェルディも構える割にはラインが高いので山田楓喜が出てる左サイドは背後を狙い、ここで収めたら左SBの登里がサポートしてクロスやカットインでチャンスメイクしていきます。右サイドは右WGのクルークスに当ててIHがセカンドを拾う形はエフトー戦でもやってましたけど対策というより自分達の強みを出しやすいと判断してる様子。クルークスが収めたら仕掛けたり毎熊がポケットに侵入する事が多いです。押し込むと3-2-5になりますがCFが深さWGが幅IHがライン間とポジションを守る傾向が強いようです。非保持は両WGと左IHの奥埜が1列降りる4-2-3-1で構え、CFの上門が縦ダメなら横を切るように追ってきます。数的劣位なのでCBに制限をかけきれないんですけどライン設定は高いですね。左SBの深澤に出ると右WGのクルークスが寄せてきて受け手に入った所から奪いにいくようになります。そこを突破されると前進4-5-1で縦パスを切るように構えます。

序盤に木村のポストプレーと前向きの守備で良さが出ましたけどここの精度は良くなってきてるようですね。

相手が1CFなので数的優位になる分谷口が脇から持ち上がって香川と正対しながら運んで右サイドの山田楓喜へのフィードがありましたけどビルドアップの精度はJ1でも十分やれてるかなと。この時エリア内に4枚入れてるのもいいですね。

フィード時2CFと斎藤が張ってるんですけどこれなら1人はライン間でステイしても良さそうな印象です。ただ奪われても後ろから選手が出てきて前向きで守備ができてるのと、奪った時に木村が登里がいた田中の脇を使ってチャンスメイクに関われてるのはいいと思います。

10分を超えてもお互い蹴り合う事が多く落ち着かない展開が続いてますけどラインが高いのと、序盤はあまりリスクを負わないって側面もありそうです。

ヴェルディは前向きで守備ができる時は安定してますけど、プレスを剥がされた時には根性でプレスバックして攻撃を遅らせますが、でききれてない時は後手に回る事が多いです。チェーンが切れてしまうと個々の個人能力での勝負になってしまいますので外や後ろに追い出すような対応をしたいのと、ゆっくり前進された時に登里をどう見張るのかが曖昧になる事がありますね。こういう時はもう一度構えて前向きで守備を゙した方が良さげに見えます。

セレッソはクルークスへフィードを当てて奥埜が拾う形はエフトー戦でもやってたのでスムーズに前進できてます。それとヴェルディは両SBを上げるようになったので右WGのクルークスを前に出し2トップ気味にして自由に運んだりフィードする所を制限するようになりました。

前向きで守備ができてればしっかり迎撃出れてますのでセレッソのビルドアップを阻害できてます。後はポジトラ時に周りを確認する事が結構あるのでここの判断をもっと速くできれば決定機を増やせそうなんですよね。

その反面プレスを剥がされたり圧縮してるゾーンを突破されれば非決定機になりますけどここは根性で戻って対応するのが約束事やようですからそうなった時は頑張れ!って感じです。

ヴェルディはプレスを剥がして前方にスペースがあって運べそうな時でもフィードする傾向があります。もちろんゴールを目指すのは大事ですけどこういうシチュエーションでは成功率が低い攻め急ぎになってしまうので持つ所は持つとメリハリをつけたい所。

26分くらいからセレッソはコンパクトな守備で奪ってからSBが拡がりヴェルディをスライドさせてから逆サイドへフィードと揺さぶるようになってきました。

セレッソが拡がる分奪った時にスペースがあるんですけど味方を探すような感じで時間と空間を狭めてしまうのでリズムが出なくなってきました。ネガトラの反応はいいけどポジトラがいまいちなのを突かれる形なのでセレッソとすれば陣形を拡げて横に揺さぶってもそこまでリスクはないと判断しての対策なんじゃないかなと。まあここは個人能力の差もあり余裕がないのもありそうですが

セレッソはある程度余裕が出てきたのかヴェルディのプレスの矢印を折るようなパスが出てきて根性のプレスバックで対応して前進を阻む展開が多くなってきました。走り負けたら成り立たないのは大前提なんですけど、寄せる構えるの判断が少し曖昧になってる時があります。本当に少しなんですけどそれくらいの些細な事が命取りになってしまいますからね。

個のスキルで剥がされてしまう事はあるんですけどそこは慣れも必要なのでやむを得ない部分はありますが、それで寄せが緩くなっては意味がないのでこれでいいと思います。逆にここができなくなると一方的に殴られ続ける展開になりますし

深澤はクルークスの横を切るようなポジショニングですけど、カットインされるくらいなら逆足クロスならオッケーくらいな対応でいいと思います。個人的にはクルークスは中原の後釜で考えてたんですよね。

ヴェルディはビルドアップ時に相手ラインの背後でパスコースを作れる所にいない事があるので(要は門の間にいないって事です)コースを限定され蹴らされ回収される事が多いですけど、蹴るにしても繋ぎをチラつかせないと相手も対応が楽なのでここはもっと詰めていきたい所。

滑ったりパスがズレたりする事が目立つんですけどもう30分を超えてるのでもう少し対応したいですね…

左CBの船木はビルドアップが上手いのでコースを消しきれないとスムーズに前進されてしまうんですが、山田楓喜が左WGの為田へのコースを切りながらSBとの中間に立ち香川に見木がつくのでマークがはっきりしてきましたので修正してきたようです。

お互いいい守備からいい攻撃に繋げるスタイルですけど縦横のスライドがズレると決定機まで持っていかれそうな展開。ヴェルディは人数が足りてない時にも前進しようとして確率の低い攻撃が多いですけどここは個々のスキルの問題もありセレッソの方が優勢かなと

やれる事はしっかりやってるんですけど横に揺さぶられて中を使われてしまうと後手に回ってしまいます。ここはある程度飲み込む必要があるんですけど押し込まれた時にもう少し締めて逆サイドの大外はくれてやるくらいでも良さそうではあります。

42分にクルークスのクロスを逆サイドでフリーだった香川に合わせられて失点。ここまでクルークスの横を切る事はできてたんですけどここだけは切りきれてなかったですね…

いい守備からいい攻撃をする似たようなスタイルなのでどうしても個々のスキルの差が出やすくなってるんですけど連動した守備はできてますし、攻め急ぎの所もある程度やむを得ないなって印象です。

ここまでの対戦相手は何かしら問題を抱えてる所がありますけどそうでないと難しい部分はありますけどここは成長性で賄っていきましょう。ただ攻撃に関しては相手の間で引き出せる位置をとる所は修正してほしい所です。

決して悪くはないんですけど綻びを見逃してくれないJ1の厳しさを体感できた事に関してはよかったんじゃないかなと感じた前半。



後半、開始早々押し込まれますがセレッソはエリア内に人数をかけれてますし、カウンターケアの配置もいいので中々マイボールにできない時間帯が続きます。本来はヴェルディもこれをやりたいんですけど現状ではまだ難しそうなので体感して学んでいきましょう。

ヴェルディは稲見が上がらす後ろが4枚になりました。セレッソが4-4-2で構えるのでマークをはっきりさせてGKのプラスワンを活かして前線が数的同数になってる所を狙ってる様子。

セレッソは敵陣でも4-5-1で構えるようになったので、しっかり守りながら縦パスをインターセプトして反撃できればって感じで基本的な考え方がよく似てますね。

49分にセレッソが4-4-2に可変するんですけど、可変する時は必ず隙が生まれるのでそのタイミングで山田楓喜が大外から中に入って平行にサポートする染野に出したのはよかったと思います。

セレッソが構える分ヴェルディがボールを持てる時間が長くなりましたけど、セレッソのラインが高いので2CFのどちらかと逆サイドSHが背後を狙って幅と深さを作った方が良さげに見えますけど、1つ飛ばすパスが出てきたので相手を動かす事はできてます。

と書いたら背後を狙うようになったんですけど2CF両方が行ってしまうとライン間を使えないのでどちらかの方が機能しそうです。

右サイドに木村が流れてCBを引き出す事はできてるんですけど中にもう2枚残ってるのでDHがプラスワンを作れれば崩せそうな雰囲気ですね。


53分に稲見が下がりながらプレスを引き出して森田→見木から2CFが背後を狙って木村が押し込み追いつきます。ここまで2CFは段を作った方がいいと書いてましたが2人行った事で押し込めましたね…

染野とキムジンヒョンが交錯しましたけどオフサイドディレイがあるとこういう無駄に痛む可能性があるんですよね…できるだけプレーを止めないのはよくわかるんですけど選手を守る観点からするとGKと1vs1になる時は早めに判断してもいいと思うんですが。まあそのおかげで得点できたのもあるんですが 

それとセルフジャッジをしてプレーを止めなかった木村は良かったですね。

追いつかれた事で当然セレッソは前からの圧力を強めてきてWGが収めてSBがサポートするのと、WGにフィードを当ててIHが拾う形が左サイドでも出てきました。押し込むと左右に揺さぶりながら中央をうかがいますけどここには対応できてると思います。ただ奪った時にゴールまで距離があるので人数をかける所含めシンドいでしょうね。

またヴェルディは両SBを上げるようになったんですけどあまり機能してなかったので4枚で相手のSHを引き出した方がスムーズに前進できそうではあります。

65分に稲見がキムジンヒョンのパントキックを妨害して2枚目の警告を受け退場になってしまいました。本人とすればそこまでのつもりはなかったのかもしれませんけど、少なくとも1枚貰ってる状況でのプレーではありませんのでここは猛省してほしい所

66分に上門と奥埜→レオセアラとブエノへと交代。

ヴェルディは染野が右SH山田楓喜が右SBに下がって4-4-1になりました。

数的劣位になった事で4-4-1で中央を締めて木村がCBに縦に制限をかけSBに出たらSHが寄せますし、奪ったら染野に当てるとやる事がはっきりしてきました。1人減った事で意思統一がはっきりするのはあるあるですね。

70分に斎藤と山田楓喜→山越と翁長へと交代。

セレッソは押し込む時間帯が増えた分ややモビリティが少なくなってきたのでシンドいでしょうけど守りやすくはなったかなと

ヴェルディはマイボールになって押し込むとパス回しをしますけど、数的劣位なのでボールを持って守備をしながら休むのも必要ですしこれでいいと思います。だからといって攻める気がないって訳ではないですし

77分にクルークス→柴山へと交代。

83分に染野→松橋へと交代。この展開だと盤面をひっくり返すのが一番チャンスになりそうですけど守備の所で松橋っていうのもありそうです。

低い位置で繋ぐようになりましたけどある程度休みながらプレスを引き出してひっくり返す事もできますのでリスクはありますけどいい判断じゃないかなと

終盤右サイドで立て続けにセットプレーを得られましたけどどちらかはモノにしたかったですね…

90分にレオセアラに遅れて足をかけてしまいまたしてもPK献上。ここまで前を向かせない守備ができてましたのでもったいないんですけど、数的劣位でいっぱいいっぱいになってる所からなのでなんとも言えない部分はありますね

それと深澤を倒す形になったチャージは正当と判断されても仕方ないと思います。

これをレオセアラに決められ勝ち越されます。

90+4分に登里→鳥海へと交代。そういう事なんでしょう

90+5分に深澤→山見へと交代。左SHに入り翁長が左SBへ移動。

得点するにはそれなりのリスクを負う必要があるので山見が仕掛けてサポートに出るのは数的劣位でシンドいでしょうけどいいと思います。

攻め込みますがゴールを割れずに終了。



最後に、前向きの守備は相変わらず機能してたのはいいんですけどポジトラ時に味方を探すような形で時間と空間を使ってしまうのがもったいないなと思いましたけど、1人少ない中でも前向きの守備から保持時に上がっていくハードワークができてましたので結果以外はポジティブな印象です。

ここまでゲームチェンジャーをどうするか?が課題ではありましたけど、ここ2戦は何かしら問題を抱えてるチームとの対戦だったので、結果だけが中々ついてこないセレッソとはゲームチェンジャーを温存するより頭から出しても良かったかなとは感じました。

松橋が守備の約束事をこなしながらタメや仕掛けや深さを作る所ができてたのは個人的には嬉しい誤算でしたのでこれからが楽しみてわすね(⁠^⁠^⁠)

城福監督になってからヴェルディに一番欠けていた走る競る闘う所はしっかりしてきましたし、まだまだ足りない所があるのは事実ですが今やれる事は精一杯やってますし今までみたいな観るに耐えない無の試合ではないので個人的には楽しめてます。

もちろん結果が大事なのは間違いないですし早めに結果が出て欲しいですけど、若く伸びしろが多い選手が多いので目先の事だけみて周りが焦るとチームにとってマイナスの影響の方が強くなりそうです。05年や08年と違って現在の能力で闘ってる訳ではないのでもう少し長い目で見てもらえたらなと思ってます。

明らかに増えた新規のお客さんを引きつけられたのは成績面ももちろんあるでしょうけど、懸命に走り競り闘いながら何度でも立ち上がる部分も間違いなくあるでしょうし、伸びしろで勝負する分序盤に苦戦するのは想定内ではありますのでこれからに期待しましょう。