20240825 第28節ホーム鹿島戦

ホーム鹿島戦。ヴェルディは3-4-2-1で鹿島は4-2-3-1でスタート。

ヴェルディの保持時は鹿島が後ろ3枚に3枚を当ててくるので2DHがその背後に構える3+2でWBは左の翁長が高めで右の宮原は低めで噛み合わせ上浮きやすいWBへのフィードで前進してSBの背後やライン間でシャドーが受けて起点を作るのが基本線のようですけど、かなりの確率でSB背後にCFやシャドーが流れてポケット侵入を試みたりファークロスでチャンスメイクする方が多いです。今節は逆WBがあまり絞らず跳ね返しやこぼれ球を拾う意識が高い分中央の枚数は減りますけど横に揺さぶりながら2次3次攻撃に繋げやすいのでこちらを選択してるようです。繋ぐ時は間を使いながら中央を使ってからサイドを使えてますし、もう少し落ち着けたいなと感じる事はありますけど構造は良くなってきてると思います。非保持は5-2-3のハイプレスでSBにつけない側のサイドは外切りで寄せにいってDHはDHを見張りながら中央のスペースを埋めライン間は最終ラインが迎撃に出る形と中央を締めてサイドに出させた所にその高さによってシャドーかWBが寄せにいきます。これが自由に動く鈴木をどう捕まえるか?対策なんでしょうし、今節は中央のスペースを埋める意識が高くいつもより意思統一がはっきりしてる印象です。構えるといつも通り5-4-1になります。

鹿島の保持時は三竿が前柴崎が後ろになって2CBに両SBが柴崎と同じ位の高さをとる2+3のビルドアップで鈴木が左サイドに流れる事が多い分左は繋いでポケットを狙いながらバイタルを使ってチャンスメイクしてきて右はシンプルに縦を使う傾向が強く、鈴木がチャンスメイクしてSHがサイド名古がヴェルディが迎撃に出た背後を狙うのが基本線のようですけど鈴木と名古が役割を入れ替える事もあります。SBの上がってくるとSHが絞ってオーバーロードを作ると相変わらず構造自体はかなりシンプルですね。非保持は前2枚と左SHの仲間がヴェルディの最終ラインに枚数を合わせる4-3-3でバックパスには追ってきますけど基本的には蓋をするように構えて出た所に寄せにいく形で組織というよりも1vs1の局面を作って上回っていくって守り方のように見えます。構えると4-4-2になります。

右サイドへのロングフィードでスタートしましたが今節は山田楓喜をターゲットにしてきました。山田楓喜も180cm超えてますからね。

奪った後斎藤が左サイド奥へ蹴って木村を走らせていたので今節は濃野の背後を狙っていこうって事なのかなと

5分に森田のパスを受けた山見が濃野をかわしてサイドを突破した後ズレを作ってクロスを入れましたが大学の後輩だけあって特徴をよくわかってるようですね。コンディションはよさそうですけど数的劣位でも寄せに行って相手をフリーにしてしまうシーンはまだまだあります。

ヴェルディは木村がアンカーのようになってる柴崎を見張りながらシャドーが寄せに行ったり中切りで寄せに行ったりするようになりましたけど中を切って外に誘導するくらいで意思統一されてる様子。

鹿島にボールは持たれてますけど外誘導ができていて空中戦にも対応できてますし、地上戦はやや難しそうですけど寄せる埋めるがはっきりしてる分特に問題はなさそうです。まあそうは言っても理不尽な形で失点する可能性はあるんですけどね。

ただ構えると5-4-1で後ろに重くなる分前線に人数がいないのでポジトラがやや不安定になる面があるので可能な限り意図的な形で奪えるようにしたい所ですけど、SBの背後を狙う意図ははっきりしてるように見えます。

保持すれば間を使って前進する形はありますし、色々な事ができるようになってきですので後はポジトラと保持の時間を作る所なんですけど全てが繋がってる分バランス調整が難しそうな印象もあります。

サイドからのファークロスが基本線なんですけどWBが絞らなくなってこぼれを拾うようにしてきたので中央の人数は減りますが攻撃回数自体は増やせそうです。

鹿島が保持しながらフィードを跳ね返してヴェルディがSBの背後を狙う形が続いていて五分五分の展開。ヴェルディはリスタート等安定して保持できる時は急がずドライブやプレスを引き出してスペースを使えてますのでポゼッション率は低いですけどやるべき事がはっきりしてる分疲労感みたいなのは感じないですね。

今節はやるべき事をはっきりしやすいのもあるんですけど、30分の鹿島クイックリスタートに綱島が反応できていたのは良かったです。

31分に濃野を引き出した背後に木村が流れて翁長からのフィードを受け山見がサポートとSBの背後を狙うのは徹底してますし、ここから山見のカットインから木村へのスルーパスで決定機を作れましたので崩しの所は作り込んできたんでしょう。

拮抗した展開なので自陣でファウルをしなくないんですけど地上戦ではやや劣勢なのでやむを得ない部分はありますね。

陵平がドライブの説明をしてますけど、Jリーグでは持ち運びのスピードを含め誰を引き出して誰をフリーにするか?まで作り込まれてない印象がかなり強くあまり効果的でない事が多いんですよね。てかそれ以前にその考えが存在しないチームも…(以下自主規制)

鈴木がタイミングをやや遅くして斜めに降りる所を捕まえきれなくなり深い位置まで押し込まれるようになってきました。鈴木は相手のプレスの矢印を折るのも上手いので寄せきれないと剥がされる可能性が高いんですけど、鹿島は鈴木が収めるのを信じて上がってくる分リズムを作れますしこういう時間帯はあるのでここは耐える所かなと。綱島が寄せて鈴木が手を出してこなかったので自ら握りにいったのも鈴木にペースを握らせない駆け引きですね。おそらく鹿島組からの情報なんでしょうけどこれでまた遠慮なく寄せに行けますし

グラウンダーのフリーキックで鈴木に合わせた所に斎藤がブロックに出てましたし全体的に出足が速いように見えます。

カウンターから山見の決定機がありましたがどこに入るのか?は遅効含めはっきりしてますので、山見から木村へのスルーパス同様作り込んできた形を出せてるんでしょうね。

中央を締めサイドに誘導してバイタルを消しながらその横は最終ラインから迎撃する守備は概ね機能してましたし、カウンターから決定機も作れてましたけどポジトラがやや不安定だったなって印象でした。ただSBの背後を狙う意思統一はされていたので今までよりは良かったかなと。

もう少し保持して落ち着けたいとは感じましたけど、今節は狙い所がはっきりしてた分ある程度やむを得ない部分もあったと思います。

鹿島がやる事がある程度決まってたのもありますが、オープンプレーでは決定機を作らせてませんでしたし、攻守共にやるべき事をしっかりやれていたなと感じた前半。



後半、鹿島は濃野を上げて師岡が降りてマークをズラそうとしてましたがどこまで狙いだったのかはよくわかりません。

お互いウーンとなる判定がありましたけどまあこれでお愛顧って事で

ファウルになる事も多いですけど地上戦でもかなりやり合えるようになってきたのでハーフタイムで局面で闘う所を強調してきたのかなと。まあここで負けてしまうと後手に回ってしまいますからね。

鹿島は左サイドでオーバーロードを作る分サイドチェンジのボールを前向きでインターセプトできると一気にチャンスになるので狙っていきたい所です。

52分に森田が名古を剥がしてポケットの木村に出した所で植田に倒されましたけどその後の反応が遅れてしまい師岡に運ばれて名古にチャンスを作られましたが、確かにわかるんですけど笛が鳴るまでプレーを止めない所は徹底してほしいですね。

54分にカウンターに出た木村が植田に倒されましたけど関川がカバーに入っていた分守備競技者の位置と数の要件を満たしませんので大きなチャンスの阻止(SPA)で警告は正しいです。実況の桑原さんはジャッジリプレイに出演されてましたのでこういう所の解説はさすがですね。

結果的にフィードでボールを渡してから奪ってチャンスになりましたが、リバプールみたいに意図的奪われ方をコントロールできればもっとチャンスを作れそうですし、今の方向性ならこれもアリかなとは思います。

鹿島もフィードでチャンスメイクする事が多くなりややオープンになってきましたのでどちらに転ぶか?の展開。こういう時は質で殴りやすいんですけどヴェルディは狙い所を徹底してる分五分五分って感じに見えます。

59分に仲間→藤井へと交代。

オープンなので陣形が整わない事もあり2列目の横や間を使われるシーンが出てきましたけど、現状ではポジトラから落ち着かせるのが難しそうな印象なので続けた方がいいかもしれませんね。

62分に山田楓喜→見木へと交代。左シャドーに入り山見が右シャドーへ移動。


千田からのパスが内側にズレた分結果的に内側に入っていく形になったのかな?感はありますが藤井を剥がして持ち運んで鹿島の選手を4人引きつけてから山見へ渡してニアハイに打ち込み先制します。1人でこれだけの人数をピン止めできれば受け手をフリーにできますし素晴らしいドライブでした。山見はマテウスからの助言がヒントになったそうですけどあの角度からのニアは止めにくいでしょうね。

藤井のスプリントは脅威ですし鹿島とすればもう少しシンプルにプレーしてもよさそうです。

66分に師岡→田川へと交代。CFに入り名古が右SH鈴木がトップ下へ移動。

コーナーキックの跳ね返しを藤井が拾ってし柴崎に拡げてからのクロスに濃野が合わせてマテウスが弾いた所に詰めてきましたが今度は足でセーブとチームを救ってくれました。2本目によく足が出ましたね。

山見がラフなボールに追いついてからカットインシュートを打ちましたけどオープンな展開では中央で前向きに奪われるのは避けたいので狭くなる前に打ちきりたいですね。


飲水タイム後の再開でフィードの跳ね返しを柴崎が待った事で斎藤が奪ってからのシュートを弾いた所に山見が詰めて追加点をとります。奪えるかもこぼれてくるかもと足を止めなかったのがなにより大きかったかなと。そしてそこまで近くにいなかった宮原がすぐに駆け寄るいつもの光景。

お互いゴール近くでのセットプレーが多いんですけど中々チャンスに繋げられてないのはもったいないなと

82分に木村と山見→山田剛綺と松橋へと交代。

ヴェルディははっきり構えるようになったのでこの交代はそういう事なんでしょう。今節は本当にガス欠になってから交代してるように見えるのでバトンを繋ぐ事ができてると言えるかなと

鹿島が押し込みヴェルディが跳ね返すわかりやすい展開ですけど、鹿島は局面の所以外でどう崩すか?がいまいちはっきりしてない分ヴェルディとしては守りやすい面はありますね。

さて、前節に続いてまたジャッジの話しなんですけど、86分に名古のクロスを田川が競ったこぼれを拾った藤井シュートを綱島が弾いたシーンですが、まず千田がカバーに入っていたのでDOGSOはないですし(あくまでも守備競技者の位置と数で判断するのでGKがいるいないは判断材料になりません。開幕戦で上島が戻ってたからポープがDOGSOにならなかったのと同じですね)、PK(ハンド)の可能性でVARチェックが入ってるという事は故意に腕で止めたとは判断されていない(エリア内で退場の可能性がある反則なら自動的にPKになる為)ので残りは腕が肩か?の判断ですね。これはプレーオフ決勝の染野のと似たような感じでどっちと判断されても異論はない位なので笠原主審の判断を尊重します。それと綱島は大きなチャンスの阻止(SPA)もしくは偶発的に腕に当たった所から軽減されるのでノーカードになります。これで得たPKを鈴木が決めて1点返されます。

90 +1分に植田と柴崎と名古→樋口とミロサヴリェヴィッチとブレーネルへと交代。3-2-5にしてきたのでわかりやすいですね。

鹿島はシンプルに放り込んでくるかと思ってたんですけど結構下から繋いでくるんですね。まあ時間はたっぷり残ってるからなのかもしれませんが

90+4分に斎藤と翁長→深澤とチアゴアウベスへと交代。

90+6分に関川が頭で繋ごうとした所を森田が前向きで奪ってからのトランジション合戦から松橋がコーナーキックをとりましたけど、構えて耐えるだけではなく運んで時間を使うのも同じ位大事ですね。

藤井が言いたい事もわかるんですけど、それならミドルシュートで枠なんか狙うよりエリア内にいる相手の腕めがけて蹴ってPKとった方が効率的ですし、そうなると競技の性質が変わってしまうんですよね。

アゴアウベスが見木繋いでサイドに運んで3人に囲まれたんですけど反転ターンでファウルを貰う大きなプレーでした。

鹿島があまり放り込んでこなかったのもあるんですけど、しっかり身体を張れていてマテウスに助けられたシーンはいくつかありましたがそこまで危ないシーンは作られてませんでしたし、運んで時間も使えてたのでいいクロージングができた中で終了。



最後に、SBの背後を突くのを徹底してファークロスに逆サイドWBが敢えて絞らず跳ね返しやセカンドを拾って攻撃回数を増やす狙いが機能してましたしドライブも効いてました。なにより奪えるかもこぼれてくるかもと決して確率が高くない所に足を止めずに入っていった事が結果に結びついて成功体験を得たのが大きかったかなと。

守備はいつもより中央のスペースを埋める意識が高かったですけど降りてくる鈴木対策だったんでしょう。オープンになった時はややスペースがありましたが中央を締めサイドに誘導しながらスペースを埋める守備と身体を張るやり切る所はいつも以上によかったと思います。

正直どっちに転んでもおかしくない展開でしたので運の要素が大きかったですけどやるべき事を徹底して上位に勝てたのは自信になるでしょう。

鹿島は陵平が指摘してるように組織としてどうするか?があまりはっきりしてませんでしたけど、有機的な相互作用というより指揮命令系統って感じに見えるので難しい面はあると思います。ただヴェルディがそこを突いてきた感がある中でもチャンスを作れてるのてそこはさすがですね。それと鹿島は元々局面を作って上回るのがベースなのでこれだけ欧州に引き抜かれるようになった現代ではチーム作りが難しいでしょうね。