20230528 第18節ホームいわき戦

ホームいわき戦。ヴェルディは4-2-3-1でいわきは4-4-2でスタート。

ヴェルディの保持時は右サイドはバスケスが降りてきて受けて左SBの河村を引き出してヴェルディの河村がサイドに流れてスペースを狙い、左サイドは加藤蓮がかなり高い位置をとり北島を経由して加藤蓮が仕掛けてチャンスメイクする事もあり今節はSBというよりWGのようなタスクですね。それと前線(サイドも含む)へのロングフィードを使い分けしてカウンター又はサイドからのクロスが基本線。非保持はいつも通り4-4-2のハイプレスで自由に蹴らせず後ろが回収しやすくなるようなラフなボールを蹴らせる形。後ろは深澤がCBに入ってますけどラインを上げた所からいわきが蹴る瞬間に下げるようなラインコントロールができていて安定してます。

いわきの保持時は2トップを狙ってロングフィードを入れながら両SHが絞って後ろからDHやSBが出てきながら全体が2.5レーン以内に収まるように圧縮して縦に攻め込んでくる相馬町田のようなスタイルで、フィジカルや走力に強みがあるいわきにはうってつけだと思います。非保持は密集を利用してカウンタープレスが基本線ですが、持たれた時には思ってたよりはハイプレス志向ではなくセットしてきますのでペース配分をしながらなのかなって印象でもあるんですけど寄せの強度はそうでもないように見えます。

まずはボールが行ったり来たりしますが、ヴェルディは奪ってもいわきの囲みを抜け出せずに蹴って回収されながらいわきのフィードを跳ね返しお互い様子見って感じの序盤戦。

6分のセットプレーでいわきはグラウンダークロスを入れてきたんですが山田がよく反応しましたね。

ヴェルディが安定してボールが保持できるようになりましたが中々決定機を作る所までは至らないんですけど、同サイドからの崩しとサイドチェンジでピッチを広く使っていわきの守備を動かせてますので対応が後手に回る事も結構ありある程度ストレスを与えられてるようです。

いわきの狭く速い攻撃に対して競り負ける事がかなり少ないのはいいと思いますし起点を潰して背後のケアもしっかりしてるので非決定機を作らせない対応はできてます。

いわきがそこまでハイプレス志向ではなく強度もそこまででもないように見えるのはありますが、ボールを安定して保持できていて前後左右に動かす事やサイドから前進した時にポケットに入っていく所もできてるんですけどそこから先外と中の意図が中々合わずに決定機を作る所まで至りません。

お互い相手の良さを消し合うような展開なのであまり変化が無く書く事は少ないんですけどお互いキツいと思います。

いわきはいつものような前半から飛ばしていくと70分くらいからインテンシティが落ちてくるのである程度持たれる事を許容して体力を温存するようにしてきてる様子に見えるので前半0で抑えられればOKなプランなのかなと。

43分に北島が受けてターンし内側に入っていってミドルシュートがありましたけどこういうシーンを増やしていきたいですね。

お互いの良さを消し合うような展開であまりリスクをとらなかったので決定機はほとんど無かったですけど走る競る闘うシーンが多く見応えのある試合でした。

ヴェルディはいわきの2トップに満足に仕事をさせない対応ができてましたけど、サイドと中央で意図が合わずにシュートまで至らなかった印象です。切り返しでエグれればそれはそれでいいと思いますけど中で待ってる方からすればいつ来るのかがわからすタイミングを掴めなくなりますしアーリークロスを増やしても良かったかなとは感じました。

全然そんな事はないんですけどスタッツだけ見たら間違いなく塩試合だと思うだろうなと感じた前半。



後半、かなり暑かったんですけどお互い交代がないので後半勝負のプランの様子。いわきはGKまで寄せにくるかなりのハイプレスになりましたのでこの変化にどう対応できるかが鍵になりそうです。

加藤蓮がそこまで上がらなくなり左サイドに張るのが北島になりました。後ろが時間と選択肢を削られていれば当然の対応だと思います。

いわきのインテンシティが上がってきて後ろからどんどん人が出てくるようになったので前半よりは押し込まれる事もあるんですけど、起点を潰したり背後のケアはできてますし、ハイプレスを剥がしてビルドアップの出口を作れてるのでヴェルディとしては想定内の様子。

サイドで起点を作ってポケット侵入やクロス時にエリア内に人数をかけられているので後は精度ってシーンがいくつかあるのでここがもう少し上がってくればもっと得点力がつきそうですけど、ショートカウンターの威力は引き続きありますのでポジトラで密集を突破できれば決定機を作れそうな展開。

いわきもカウンターでチャンスを作れそうになってきましたのでお互いリスクをとるようになってきました。

57分に右サイドで作って中央で潰れて逆サイドSBの決定機の鉄板パターンは正直モノにしたかったですね…

57分に北島と河村→マリオと阪野へと交代。阪野はCFに入り山田がトップ下に移動。

58分に芳賀→江川へと交代。右SBに入り宮本が左DHへ移動。いわきは回収からの前進がスムーズになったのでこれが本来の配置なんでしょう。

ヴェルディは押し込んでエリア内に人数もかけられてる中でのシンプルなクロスが多くなったんですけどいわきがハイプレスになった分テンポが上がったのも関係してるのかもしれませんね。もちろんハーフタイムでの修正があったのかもしれませんが

67分にショートカウンターを受けた所からトリッピングでPKを与えてしまいましたがマテウスが救ってくれました。ありがとう!

ヴェルディが元気になってきましたしチャンスメイクから決定機が作れる事が増えてきました。

71分に山田→佐川へと交代。

晃樹が左サイドに流れる事が増えてきて佐川や加藤蓮と絡んでこちらからもチャンスメイクする回数が増えてきたのはいいと思います。

またボールが行ったり来たりする展開になりますが深澤は競り負けておらずポジショニングもしっかりしててラインコントロールも機能してますのでCBに対応できてますね。

84分に近藤→谷村へと交代。近藤は腰を気にしてますが何もなければいいんですが…

86分に嵯峨→加瀬へと交代。

オープンな展開にはなってないんですが今までよりトランジションが多くなってきてお互いチャンスが作れそうになってきました。

87分に深澤と加藤蓮→千田と奈良輪へと交代。

ヴェルディはクロスからかなり決定機を作れるようになってきたんですがそこからもう少しの展開

最後に寄せきれずに決定機を作られましたけどここは詰めていきたいですね。

後半の最後の方は猛攻を仕掛ける中ゴールを割れずに終了。



最後に、バスケスの所をしっかりケアされていたのでここであまり優位性を作りきれてなかったのもありますが、チャンスメイクまではいける中でクロスからの決定機をあまり作れなかったのは要修正かなと。上記しましたけど少し余裕がある中で切り返し等のワンプレーを挟む事で中がいつクロスが来るのかわからすにタイミングが合わなければ意味が無いですからね。ただ深澤がCBでも十分できるのと稲見が効いてたのは収穫ですし、マテウスの活躍で実質勝ち点ゼロを1にできたのはプラスに捉えていいと思います。


城福監督のコメント

試合を振り返ってください。
勝てなくて悔しいです。もちろんPKという相手にとって大きなチャンスを与えてしまいましたが、それ以外のところでいうと、勝ち点1という結果はなかなか受け入れがたいゲームをしてしまったと思います。台所事情などを含めてファン・サポーターから最後に拍手をいただいたことはありがたいですが、彼らも無念さを感じていると思いますし、この思いを次につなげたいと思います。ゲームに関してはとにかくクロス、我々の徹底しようとしているところが徹底できなかった前半でした。ちょっと色気を出して切り返すシーンはあまり見たくなかったです。余裕がありすぎたのか、こういうことをやっていると、このチームは勝てないです。シュートも前半何本打ったかわからないぐらい少ないですし、多少後半は徹底できた部分でビッグチャンスや入れるべきシーンはつくれましたが、前半からそれをできなければこのチームは勝てないと思います。それを徹底できなかった、徹底させられなかった自分の責任かなと思います。

前半の攻撃に関してもっと速いタイミングでクロスを入れていくというプランということでしょうか。
このチームはずっとそれをやっています。なぜそれができないのか、自分のアプローチが悪いのか、なぜなのかは今も消化できていないです。

チーム事情で初めてセンターバックでプレーした深澤選手の評価を聞かせてください。
素晴らしかったと思います。我々にはエクスキューズはないということを確認して、ピッチに送り出しています。それは彼だけでなくみんながこれだけセンターバックが不在だからということを感じさせずに、しっかりと試合を進められました。もちろん他にも不足しているポジションはありますが、チームとしては今出せるものをしっかりと出せたと思います。ただ、繰り返しますが、このチームは徹底できないと決して今の順位にとどまることはできません。それを強く選手たちが感じないといけない試合だったと思います。

少し余裕があった中でもクロスの前にワンプレーを入れる事がありましたし、山田や河村のコメントにもありましたがそれにより中との意図が合わなかったって事のようですね。町田もそうなんですけどやるべき事を全力でやり切る所を徹底できてるからこそこの順位にいれるのは間違いないですし(そうは言ってもこれができてるチームはほとんど無いのが現状ではあるんですが)どんなスタイルのサッカーをやる上でも必要な要素なのでここは締め直してほしい所です。ハーフタイムでの修正もあったようですが、後半いわきがギアを上げてテンポが上がった事でシンプルなプレーが増えてきたのであればそこに付き合う必要はないですからね。

正直に言えば現時点でのヴェルディが強いとは思ってないですしこの順位は少しうまくいき過ぎくらいの印象はあるんですけど、本気でやるべき事を当たり前にやりきる新しいクラブカルチャーにコミットする所をやりきる事が強くなれる過程で必要不可欠なのは間違いないですし、上手いだけでユルさが出てしまうとすぐに行き詰まるのは今まで嫌と言う程見てきましたのでここはブレないでほしいですね。

個人的にはこの部分に本気で取り組んでくれれば残留以上の結果(というかこれができてれば普通にこなせるミッションのはず)は求めてないんですよね、

いわきは前半耐えながら体力を温存して後半からギアを上げて最後までハイインテンシティを保てるようにしてきてる所は上手くいってると思いますし、方向性がブレないチームは強くなってほしいと思ってるので応援してます。