20210425 第10節アウェイ長崎戦

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アウェイ長崎戦。ヴェルディ保持時3-2-5非保持時4-4-2。長崎保持時3-2-5非保持時4-4-2。

長崎は秋野がCB間に降りSBを押し出す形か亀川片上げからエジカルやルアンをターゲットにしてロングボールを入れて起点を作るか縦パスでサイドに展開し、SBがマイナスを含めたクロスの他コンビネーションでハーフスペースから崩しにいきます。この2人の個人能力を生かそうとの事なのかと。

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長崎の非保持時は4-4-2ですが2トップがアンカーの理仁を見張りSHが高めの位置を取って2トップ脇を持ち上がるスペースを消してきます。そこから理仁へのコースを切りながら2トップが最終ラインのボールホルダーに寄せてくるのでヴェルディのビルドアップ対策なんでしょう。

なのでヴェルディは最終ラインと理仁でのパス交換が多く中々前進できません。長崎が対策してるのもあるんですが理仁がパスコースの影に入ってる事が多くパスコースを作る動きが少ないのは気になります。

ヴェルディの保持時は福村片上げの3バックですが前述したように中々中央を使った前進ができないので福村や小池への対角線へのフィードがメイン。ここから仕掛けるにも前線の枚数が少ないので攻撃に厚みを出せてません。

長崎に押し込まれた時のクリアボールをカイオに回収されてしまいそこから2次攻撃を受けるので我慢の時間が続きがちになります。

9分にエジカルの寄せが緩かったので理仁が反転して山下に出したのは良かったと思います、こういうマークを剥がす動きがもう少しあったらなと。

長崎がサイドに差し込みながら後ろで回すんですが、エジカルやルアンへのロングフィードを警戒してかヴェルディの1列目と2列目間が空いてきてルアンにフリーで受けられるようになりここの起点に攻め込まれます。

CFが収める所を潰せなければこうなりがちになりますし、新潟戦京都戦と似たような展開です。

15分くらいから梶川が大外で受けるようになって亀川を引き出せば背後、カイオなら広がったDH間に佐藤凌我が降りてきてようやく攻撃の形が見えるようになってきましたけどこの他はちょっと…

しっかしカイオは奪えてキープできて運べて散らせて当たりにも強いとこういう選手がいるとほんと楽ですね。

ヴェルディはIHが降りてきたり開いたりしてパスコースを作ったりはするんですが、前節同様推進力を出せるのがWGのみなので相手の陣形を動かしてスペースを生む所まで至りません。

飲水タイム後梶川と理仁のポジションを入れ替えました。梶川はパスコースを作るのもそうなんですけど寄せてくる相手を引きつけてからパスを出す事で時間とスペースを渡して受け手を楽にプレーさせる所はさすがだなと。

29分、長崎のスローインから秋野がエジカルへの縦パスをカットしたんですけどそのこぼれをカイオに押し込まれて失点。エジカルへの縦パスによく反応したんですけどね。

相手の陣形が間延びしてれば間で受けて前を向いてプレーできるんですけどコンパクトだと攻め手に欠けるのは前節の同じですね。実際これで前半シュート0本だったんですが(^^;)

高い位置で奪って山下のパスを受けた小池が亀川と正対した状態で止まって時間を作り味方の上がりを待つプレーは良かったですね。人間の構造上足が前後になってる状態から左右には動けないので亀川は飛び込めませんし、時間とスペースを上手く作れたと思います。ちなみにこのプレーをパウサ(小休止)と言います。

34分のショートカウンターから小池へのクロスからWGの左右が入れ替わりました。山下には高い位置をとる亀川の背後を狙わせて対角線のフィードを福村からもう1列前の小池に受けさせようという意図なんでしょうか?

守備はボールを動かされてもスライドして対応してますし、パスコースを限定して受け手にしっかり寄せ身体を張る所は継続できてます。それと前線まで寄せにいった理仁が戻りきれない時にそのスペースを山下や佐藤凌我が埋めるケアもできてるので安定してますね。ある程度精神的な余裕が出てきたからなのかパスミスが大幅に減りましたね。

ただ、劣勢時に攻撃が前後分断状態になるのは相変わらずのようで(^^;)

長崎はサイドを使いながらも中央のエジカル、ルアン、カイオの個の能力で収めたり突破したりできるので攻撃の幅が広いです。

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シュート1本でしたけど、前節と似たような内容でしたからね。

平均ポジションは長崎は両SBが高く押し込んだ時の形、ヴェルディは前進できずに後ろで回してる時の形がそのまま出てますしプレーエリアも同様です。

アタッキングサイドは長崎は両SBと澤田と中央での外国籍選手のチャンスメイクのバランスが良く、ヴェルディは対角線のロングフィードを小池が受ける形が多かったです。

過密日程では修正できる時間をとるのは難しいでしょうし、スタメンを見た時点でモビリティが少なくスペースを作れない中で3センターが前を向けるシーンはそうないだろうと思ってた事がそのまま出ていた印象の前半。



後半頭から平と理仁→ンドカと大雅へと交代。平に何かあったようですがエジカル対策としてはいいと思いますし、理仁は問題を抱えてたようでいまいち精彩を欠いてた部分がありましたからね。そもそも問題を抱えてる選手を何故スタートから起用したんでしょうか?

大雅は右IHに入り梶川が左IH佐藤優平がアンカーへ移動。

最終ラインから大外で山下が受けた時に大雅が背後を狙うようになったのでSBの亀川を引き出し背後のケアを秋野にさせる事で山下や降りてきた佐藤凌我が2トップ裏の中央にできたスペースを使えるようになりましたし、亀川に出るのか出ないのかを迫れるのでギャップを突きやすくなりました。

中央に起点が作れるようになった分長崎が絞るのでサイドも使いやすくなったので攻撃が詰まる事が減りました。

長崎のSHは前半と同じように高めで福村やIHへのパスコースを消すんですけど左CBの加藤からロングフィードで裏返すようになったので相手の出足を鈍らせる事ができますし、出てこなければIHが間で受けられるようになりますので長崎の2トップ脇を使えなかった対策をしてきました。

中盤のモビリティとSHの出足を鈍らせるロングフィードで押し込める展開になってきたんですけどこのメンバー変更なら想定内ではあるんですけどね。

コーナーキック等のセットプレーでもンドカがいる事で強力なターゲットが増えましたのでチャンスが広がりました。

57分、ルアン→富樫へと交代。エジカルと横並びになって4-4-2に代えてきました。

同じく57分、コーナーキックをンドカがニアでフリックしてカイオに当たったこぼれを小池が押し込み同点!ハーフバウンドで簡単ではないんですけど上手く合わせたと思います。

押し込んでる時は特になんですけど、横パスをインターセプトされると相手は前を向いて奪える分スムーズにカウンターへ移行できるのでここは気を配ってほしい所です。

後ろから加藤と佐藤優平のフィードがあって中盤でモビリティを出せスルーパスを出せる大雅と背後を狙い続ける小池と山下で主導権を握れてきました。

右サイドは大雅と山下で突破ができてますが、右~左サイドに展開する時に小池が張ってないと突破が難しいですし、長崎の両SBが誰を見張るのかが曖昧な分サイドが空いてきたのでここを使っていきたいですね。

山下がンドカに戻し富樫を引きつけてから梶川へ出して落としを受けて若狭に展開し長崎のプレスを剥がして前進できました。長谷部監督に鍛えられて上手くなりましたが低い位置でやるにはメンタルの強さも必要になるんですけどいいプレーでしたね。

WGからの落としを受けてIHが前を向いてボールが持てるので逆サイドポケットへのクロスで決定機を作れてます。長崎はSBの守備時の基準点が曖昧になってるんですが修正をする様子が見えないですね。

72分、福村→山口へと交代。SBの運動量が多かったですし、サイドのスペースを使わせるにはいいと思います。

74分、澤田→米田へと交代。

山口は幅を取って積極的に仕掛けるので中央にスペースができる事もあるので仕掛ける姿勢はいいんですけど、仕掛け過ぎな部分があるのでもう少し周りを見て判断できたらいいなと。

80分くらいから押し込まれるシーンが出てきましたが、外国籍選手で中央からゴリ押しできるのが大きいですし、カイオは複数人に囲まれても突破できてキープもできますからね。J2に来ないで!

85分、名倉→都倉へと交代。右CFに入り富樫が右SHへ移動。パワープレーも視野に入れてとの事なんでしょう。

長崎が前からいくのかスペースを埋めるのかが曖昧になってスペースができてるので間を使ってスムーズに前進できてます。こうなってくると押し込める事が楽になります。

88分、小池→端戸へと交代。右WGに入り山下が左WGへ移動。

オープンでの殴り合いでお互いにチャンスは作れてますけどこうなると個の質で勝る長崎の方が分かあります。

90+3分、梶川→アンカズへと交代。

最後に長崎はパワープレーに出てきますがこのまま終了。



最後に、ヴェルディは前半は中盤が使えずに停滞し、長崎はヴェルディの修正に対応できたとは言えなかったので痛み分けは妥当だったと思います。

ヴェルディは選手交代から後半巻き返しましたけど、大雅は推進力やスルーパスももうですが守備面でも効いてましたが、中盤でモビリティが出ればこうなるのは想定内ではあるんですよね…

相手を動かしてスペースを作れないと3センターがクリーンにボールを受ける事が無図ですし、これは前節も同様だったんですけどどういった狙いがあるのかがあまり見えてきませんでした。

守備に関してはボールホルダーに制限をかけて受け手にしっかり寄せる所や球際で戦う所は継続してますし、ンドカがエジカルを抑えられるので陣形の間延びを防げてました。セットプレーでも迫力が出ますしンドカがフィットしてきたのが1番の収穫だったかなと。

長崎はこの戦力で何故この順位なのかがわかるような気がしました。