20210307 第2節ホーム山形戦

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山形がソックスを履いてないように見えるホーム山形戦。ヴェルディ保持時3-3-4非保持時4-4-2。山形保持時2-3-5非保持時4-4-2。

ヴェルディは3-1-4-2のような形で4-4-2の骨格を殴りにいこうというプランようです。山形は3バックにヴィニシウス左SH加藤アンカーの理仁には秀仁がつき左CBの加藤弘堅には右SHの中原が少し遅れて寄せてくるので山形の2DH脇をWBに使われて前進するのかな?と思ったらWBはかなり高い位置で幅をとりIHが開くんですけど2DH脇に選手がいない事が多いです。

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この2DH脇のスペースを使えてないのがもったいないですね。ここを起点にできればもっとスムーズに前進できると思うんですが。

非保持時は加藤が中盤に上がりWBが最終ラインまで引いてきて4-4-2になりますが、SBの背後を狙う位置から戻ってくる分距離があるので可変が大変そうな印象です。

ヴェルディの守備ブロックは誰が寄せて誰がスペースを埋めるのかが曖昧でブロックの内側を使われ山形にスムーズに前進されてしまってます。ここは前節と同じですね。

山形を前線を引き出してSBの背後を突いて前進できました。佐藤優平が持った時に小池と福村がニアに走り奈良輪がファーを狙う形はデザインされてました。

今節はWBをWGのようにしてサイドチェンジを受けSBの背後や手前を使っていくプランのよう。

山形は右SBの山田拓巳が高い位置でサイドに張って中原が絞る形が結構多いです。

12分、中原のコーナーキックを野田がピンポイントで合わせてマテウスが弾いたこぼれをヴィニシウスに押し込まれて失点。ゾーンディフェンスは人についてる訳ではないのでピンポイントで合わせられると難しいですからね…これがあっさり失点してるように見える原因なんですがここはトレードオフにもなりますので

先制した事で山形は無理に前進せずゆったり回すようになってきたので中々奪えなくなってきましたし、カウンタープレスを受け回収させるシーンが増えてきました。速く攻める意識が高いせいか前線に飛び出すのが早い分間延びしてセカンドボールを拾えない場面が結構あります。縦志向ならポジトラの整備はもっと詰めていく必要があるのかなと。

阿野君がDHの前まで降りてから受けるようなタイミングになってしまうと相手のベクトルが自分に向き潰されてしまうので、ここは修正していきましょう。

山形は前線からハメにくる形が整理されてきたので佐藤優平が降りて数的優位を作りにきます。ここの判断はよかったですね。ただ山形のブロックは相変わらずセットしすると固いです。

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飲水タイム後にこのような配置に変えてきました。保持時は若狭片上げの3バックで右→左へのサイドチェンジは継続して左WGの奈良輪が背後を狙う形

山形のハメ方は同じですが、梶川が左サイドに流れた所には山田拓巳がついてきますね。山田拓巳は保持時にこちらのサイドで高い位置をとっていたので対応がスムーズに見えます。梶川が降りて山田を引っ張った背後を小池が起点にして阿野君のシュートまでいった所は空けたスペースを上手く突けたと思います。

ブロック守備でプレスにいく時にボールホルダーに寄せきれてないのが気になります。前を向いてボールを持ってる時には手を伸ばせば届く位の距離でないと相手の自由を奪うのが難しいのですからね。もちろん十分な体制でない時はガツンといく必要がありますが。

山形はボールを失った時に1人が寄せて周りはパスコースを切りながら寄せてくるので奪い返される事も多いんですが、ヴェルディも奪った時にまず前線に走り出すので距離が空く分奪われやすくなってるのもあり背後への飛び出しを使うレシーバーになる選手がいないんですよね…スペースに殺到し前後分断のような形になって押し込まれるのはクラブの伝統のようになってしまってる部分もかなりあるんですが、中継点をどうするの?も込みで整備していってもらいたいなと。

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まさに圧倒されたといってもいい内容でしたね(^^;)

平均ポジションはポジションチェンジがあった影響もありますが押し込まれた時間帯が長かった分低めで左サイドへのサイドチェンジやフィードで山田拓巳の背後を狙う形がほとんどで右サイドはほぼ使えてませんでした。アタッキングサイドは前節はビルドアップで回しながらでしたが今節は純粋に押し込まれてました。

山形の平均ポジションは中原が絞る分前線の距離が短いのが特長で押し込んでる綺麗な形がそのまま出てますし、中原秀仁松本の所から崩しにいく時間が多かったです。

奇策に対応されて元に戻したけどポジトラ時のレシーバーや守備ブロックの問題もありフルボッコにされてた中で晴也の頑張りが目立った前半。



後半頭から奈良輪→山下へと交代。右WGに入り小池が左WGへ
移動。

ビルドアップ時に福村が偽SBになって理仁と並ぶんですが、ここまで右SBの山田拓巳の背後を狙う事が多かった中で左利きを並べるとサイドチェンジで左サイドへ展開するのが難しくなるんですが…左サイドへの展開は3バックの左CBの加藤がやってますし貴重な左利きを無駄遣いしてる印象があります。

最終ラインからバックパスで相手を引き出して両WGへ展開する形が多いんですが、最終ラインは右利き揃いなのでここももったいないですね。中盤2人が窮屈そうにプレーしている印象がありますし前節のように加藤を上げた方が良さげな感じです。

山形は前半に続き攻守に渡ってコンパクトな陣形ができていてスライドも速く組織化されてますね。

後半のコーナーキックの守備は打点の高いヴィニシウスと野田にはマーカーをつけるようになりました。

最終ラインで回して相手が食いついてきたら前線へのフィード、来なければ相手を動かしながら空いた所から前進していくようにしてるんですが、山形は元々ブロック守備を苦にしませんしリードしてる分余裕がありそうです。

奪う所を整備していかないとボールが持てませんし、しっかり寄せて奪う所と組織力の差がゲームの支配に繋がってる印象です。

相手の攻撃を遅らせたり起点を潰したりする所で加藤が効いてますね。こういう所はさすがだなと。

61分、阿野→佐藤凌我へと交代。

クロスを入れる時は基本的にファーから折り返しが多いですね。今までありがちだったこねて受け手がタイミングがわからないといったものは無くシンプルに入れてきます。

ヴェルディは最終ラインで保持した時にゆっくり回しレイオフ(落としのパス)で相手を引き出したのを合図にスイッチを入れサイドに流れた佐藤凌我が受けた所からポケットをとって崩しにいけました。合いませんでしたけどこの形はよかったですね。

66分、左サイドで三角形を作った所でマークを剥がされ國分の縦パスを受けた秀仁がドリブルでポケットに侵入してからのシュートをマテウスが弾いたこぼれをヴィニシウスに押し込まれて失点。曖昧な守備を突かれてしまいました。

今節は相手を引き出せなければ空いてる所を探すんですけど、山形の守備が固く2点の貯金もありますのでシンプルにWGを背後に走らせてもいいと思うんですがここまでそういったシーンがほとんどないので陣形を間延びさせられずに停滞してしまってます。

71分、中原→堀米へと交代。

73分から福村が降りて加藤と理仁が並ぶようにしてきました。WGへのフィードの数も増えてきましたしこちらの方が機能すると思います。

山形が無理をしなくなってきたのもあるんですがボールが持てるようになってきました。佐藤凌我が左右に流れたり中盤に降りたりして起点を作りドリブル突破もあって効いてますね。

79分、ヴィニシウス→木戸へと交代。

押し込めてればカウンタープレスが効いてくるのでまずは相手の陣形を間延びさせる方がプランとしては良さげな感じに見えます。

84分、佐藤優平と梶川→優安と山口へと交代。優安は左WG山口は左IHに入り小池が右WG山下が右IHへ移動。

もちろん山形が無理をしなくなったのを考慮する必要はあるんですけど推進力がプラスされた事で躍動感が出てきました。今節は当初このプランではなかったようですがこちらの方が良さそうな感じです。

山形はカウンターの形もオーガナイズされてるのでスムーズに移行できてます。

90+1分、加藤と秀仁→松本幹太と山崎へと交代。5バックに変えてきました。幹太君は初出場

猛攻を仕掛けますがゴールを奪えず終了。



最後に、奇襲を仕掛けた事が裏目に出てしまった印象で前節と同じようなプランのスタメンで可変した方が良かったかもしれません。

ここにスペースがあるという共有はできているように見えるんですが、みんなが行くぞ!となって中盤がいなくなってしまう問題は以前からありますし、ここは選手側の問題もあるんですけどどこに受けを作るかの整備をやっていってもらいたいなと。

それと福村と理仁の左利きを並べてお互い窮屈そうにプレーしてましたし、左利きを並べてたのがもったいないなと感じました。

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これを見ればわかるようにフルボッコにされての完敗でしたね…

永井監督の質疑応答

ボールを奪った後の最初のパスで相手の守備に引っかけられる場面が多かったですが、その辺りの改善点を聞かせてください。

非常に難しいところですが、我々はボールの保持率からまたその先に、今日は相手のサイドバックが非常に高い位置を取っていたので、まずは相手が2バックのうちに相手のスペースを突いて攻めようというプランがまずありましたが、その中で狙いすぎると縦に急ぎすぎることになり、なおかつそれが引っかかってしまうとマイボールにならない。その辺のところは非常に難しいと思っていました。きちっとそういうところを見られるように、またショートカウンター気味に攻められるように。そしてマイボールの時間を長く作るということをまた修正していきたいです。

いつも以上に大きな展開を狙っていましたが、理想的にはそこからどんな崩し方を想定していましたか?

相手のウィークのところが分かっていたのですが、そこを使って攻めたいという部分はかなり選手たちに伝えていました。難しいところですが、今日はそこを急ぎすぎてしまったことで、逆にマイボールの時間が少なくなってしまうというのは本末転倒です。あとは最初のマイボールになった瞬間のひとつ目のパスを相手にあまりに簡単に渡してしまうことが多かったので、そこはやはり個々での修正が必要な部分です。

相手のSBの背後を狙うのがファーストプランのようでしたけど背後を突く動きが目立ちませんでしたしそういうスタメンでもなかったように見えました。シンプルにSBの背後を狙うなら当然縦に急ぐ事になるので失いやすくなりボールを大事にする事はできませんが、この2つは相反する事なので狙いがボヤけてたように感じました。前回対戦時にフルボッコにされたので絶対リベンジしてやる!というのもあると思いますが。

山形は攻守に渡ってコンパクトな陣形を保ちスペースを狙いにいった背後を埋めるのもスムーズでよくオーガナイズされてました。

ヴェルディは加藤がカウンターの芽を摘みスペースを使わせない守備と縦パスが効いてましたし、佐藤凌我はサイドに流れたり降りたりして起点を作り果敢に仕掛けていったのはかなりのアピールができたと思います。