20200819 第13節ホーム松本戦

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ホーム松本戦。ヴェルディ保持時2-3-5非保持時4-4-2。松本保持時3-2-4-1非保持時5-4-1。

ヴェルディは潮音がCFで晃樹が左IHで理仁が右IH。ハイプレスに行く時は3バックに3トップ、2DHに2IH、WBにSBを噛み合わせて4-3-3になります。もちろん相手の出方次第になるんですけどこの形なら奪った後に機能性を維持しながら攻撃できますね。

ビルドアップ時は松本が1CF2WGで寄せてくるかを見ながら福村片上げで譲瑠が降りて4バック化をして様子を伺い、片方のWGだけなら譲瑠がアンカーに戻り、WG両方が来なければ奈良輪も上がってCB2枚になります。寄せてくる枚数プラス1でのビルドアップは大分板についてきました。

松本の保持時はシンプルに前線に蹴るか、そうでなければ右WBの鈴木からセルジーニョとアウグストを使い、カウンターに行ける時は前と杉本を使って前進してきます。非保持時はセルジーニョが譲瑠へのコースを切り3バック化のHVに出た時にWGが寄せてハメ込もうとしてきます。

5分、橋内の縦パスを譲瑠がインターセプトして潮音→晃樹→松橋と繋がりカットインからのファーへのシュートの狙いはよかったですね。ヴェルディでもあるんですが、無理目の縦パスは相手が前を向いてカットできる分スムーズにカウンターに移行できるのでここは意識づけしていきたい所です。

今節は奪ったら右WBの鈴木と右HVの乾の間にスルーパスを入れていき、ビルドアップでも福村を上げてここから譲瑠へのレイオフや晃樹に渡してからここを突破しようとする事が多いです。前がかりになりがちなアウグストの裏に起点を作ってWBの鈴木を引っ張り出して広がったWBHV間を狙い所にしてるようです。

最終ラインから譲瑠へ縦パスを入れられた時はどちらかのサイドに叩いてSBがポケットに差し込むようなスルーパスを出してきますので松本のWBHV間を狙ってるのは間違いないですね。通す為の速いパスではなく、前節山の得点に繋がった理仁のパスのようにあえて差し込むようなスルーパスでWGが受けられるようにしてるのがポイント

12分に上記に書いた縦パスをインターセプトされてセルジーニョの運ばれカウンターを受けましたね…ネガトラ対応がいい分もったい所かなと。

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最終ラインからの縦パスを潮音が受ける時は深く降りて2列目の前が多いです。晃樹もそうなのでこの2人は流れの中でポジションを入れ替えながらやってます。(ちなみに端戸は最終ライン前のライン間が多いです)

右サイドはSBIHWGの三角形を廻しながら前進する構造は変わってないです。

今節はカウンターに行ける時以外は全然急ぐ素振りが無いですし、最終ラインへのバックも多いので松本を引っ張り出して間延びさせたいんでしょうね。それならアウグストの裏を狙うのと辻褄が合いますので。松本もこの狙いに気づいたのかセルジーニョとアウグストのポジションを入れ替えますが、アウグストの守備意識がそこまで高くないので譲瑠への縦パスがスコンスコン入ります。

18分のカウンターのシーンで晃樹が運んでる時に小池や潮音を見てから自分で仕掛けて撃っていったんですが、こういう積極性はいいと思いますよ。今までこういうケースでは受け手を探しながらで時間がかかりシュート撃てずにカウンターを食らう事が多かったので撃てる時は撃つ意識づけがついてきたようです(^^)

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セルジーニョとアウグストを入れ替えたはいいけどその結果縦パスを好きに入れさせていたからなのか、今度はシャドーの位置を入れ替えてきました。ここの修正は早いですね。

と思ったらその後は戻ってました(^^;)どうやら流れの中での成り行きだったようです。なので引き続きアウグストの裏をメインにしながらWG-DH-WB間を使い攻めていきます。右サイドでも奈良輪が持った時に杉本か寄せてくれば譲瑠経由で左サイドと同じようにこの背後を使ってます。ここまで崩れてはいませんがアタックゾーンまでどう運びどう崩すのかの意図ははっきりしてます。ただ無理はしません。

34分、セカンドボールを拾った福村から晃樹に出し塚川をかわして松橋→中央へのグラウンダークロスは小池に合いませんでした。ここまでで最大のチャンスだったんですが

生え抜き選手達が献身的にプレスにいったり身体張ったりと泥臭さやがむしゃらさみたいなのが出てきましたね。ウチの生え抜き選手って確かに技術はあるんですがその分綺麗にやろうとして泥臭さやがむしゃらなプレーをするのはカッコ悪いと思ってるような感じがあるんですがここの意識が変わってきたような印象があります。結論から言えばどっちも大事ですしチームに貢献する事で個人も活かされますので。

カードを貰う事は誉めてはいけないんですけど、カウンターを受けた所で松橋がアウグストを止めたプレーもそうでしたね。

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両軍のシュート数からしてもチャンスやピンチのシーンはほとんど無く平面的な展開でした。前節の前半は体力温存して後半勝負と言われても( ̄~ ̄;)ってなりますが、今節は意図的に相手を動かし疲弊させるのをプランにしていたようです。3-4-2-1↔️5-4-1は両WGとWBへの負担が大きいのでここが疲れてくると狙いであるWB-HV間が広がってきますからね。今のルールではここ4枚を総取っ替えもできますが、過密日程の中では次も考えなきゃいけない部分もありますし

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潮音のコメントからも読み取れますね。

静かな展開でしたけど後半仕留めるプランに向けてしっかり撒き餌をしたという感じの前半。



後半頭からセルジーニョと塚川とアウグスト→阪野と高橋と久保田へと交代。阪野がCF高橋が左WBで久保田が右WGに入り前が左DHで藤田が右DHへ移動。

セルジーニョと阪野はローテーションでやってるようですし、右WGと左WBにフレッシュな選手を入れてきました。

松本がハイプレスをかけてきたのでシンプルに蹴って回収され、松本も蹴ってくるので中々落ち着かない入りになってます。

阪野は譲瑠へのコースを切りながら寄せてくるんですが、WG2枚はそうでもないので譲瑠への縦パスからサイドに叩いてプレスを剥がし、IHが松本の2DHの脇から前進する形ができていますがそこから先に中々進めません。

51分くらいから松本はミドルプレスに切り替えてきました。プレスを剥がされてたのもあるかもしれませんが本来のプラン通りなんでしょう。

押し込んで奪われた時に前線がカウンタープレスやプレスバックを献身的にこなしてくれるのでカウンターを受けるシーンがあまり無いですね。

55分、晃樹と松橋→井出と山下へと交代。後半はロングボールで前進する事が多かったので運べる選手を入れてきたようです。

57分のコーナーキックを逆サイドにクリアされ、拾った譲瑠がCBGK間に速いクロスを入れたのが小池合いませんでしたがいい判断だったと思います。

59分の鈴木のクロスは理仁のみぞおちに入ったみたいですね…

61分、理仁→佐藤へと交代。

松本の1CF2WGに対して今度は佐藤が降りて4バック化すると潮音がIHに降りて井出が開き山下がハーフスペースに絞ってストラクチャーを維持します。ここの整備も進んでるようですね。その後も井出と山下はレーンが被らないようにお互いのポジショニングを気にしてました。

松本はコーナーキックの守備がゾーンなのでショートコーナーでタイミングをズラすのは効果的ですし、瞬間的には自分のマーカーがいないので井出がミドルで狙っていったのは良かったですね。相手を押し込めて背後にスペースが無い場合は全体的に下がってる分積極的にミドル撃っていっていいと思います。

ヴェルディ的には5-4-1でセットされるより前から来て5-2-3になってる方がやりやすそうなので松本が勝負にきた所を刺していくプランのように見えます。

68分、スローインから常田がクリアしたボールを譲瑠が拾い中盤のラインが乱れている時にライン間にいる潮音へのコースが空いていたのでここに出してターンし、前半からやっていたポケットに差し込むスルーパスを山下が流し込んで先制!膠着気味になっていた時間帯に取れたのは大きかったです。

この直後に飲水タイムがあったんですが、松本が失点してやり方を変えてくるであろうタイミングだったのは運がよかったかなと。

70分杉本→イズマへと交代。まあ前線の圧力を強めてきますよね。

イズマも譲瑠へのコースを切る意識はそうでもないのでプレスを剥がして廻したり運んだりできてますので特にバタついてる感じは無いです。

73分、佐藤経由で譲瑠から井出に渡し、仕掛けた所から潮音→譲瑠へと下げてポケットに差し込むスルーパスはカットされたんですが潮音が奪い返して福村とのワンツーで突破しファーへのシュートが決まって追加点!ポケットに差し込むパスを徹底してますね。潮音のシュートもコースを上手くつけてたと思いますし、チームとしても理想的な崩しだったんじゃないでしょうか?

74分、乾→米原へと交代して4-2-3-1に変更。前線の人数を増やしながら狙われていたCBHV間のケアをしてきました。

松本はシンプルにイズマに当ててくる分テンポが早くなりがちなんですが、マイボールにした時は自分達のテンポを保とうと無理をしませんのでここは修正されてますね。

相変わらずネガトラの反応が良く押し込まれても対応できていて、奪ったらカウンターを狙いダメなら無理せず戻すので冷静に対応できてます。これはボールを保持して圧倒するスタイルをやるには必要なスキルなので体現できてきたんでしょうか。

マテウスから直接潮音に縦パスが入りサイドに叩くシーンも出てきたのでやりたい事がほぼほぼやれてる感じですし、松本の選手のメンタル面に効いてきてるような印象です。

84分、相手を動かしながら繋ぎ、井出のポケットへ差し込むスルーパスで裏を取った福村からのグラウンダークロスを小池が合わせて3点目!小池は全くのフリーでしたしこれも理想的な崩しだったのではないかと。

佐藤からのサイドチェンジを山下が受け、井出福村潮音で三角形を作って廻しライン間の井出からポケットへ差し込むスルーパスで山下が裏を狙います。今節はこの崩しの形を徹底してますね。

87分、奈良輪と譲瑠→澤井と阿野へと交代。澤井が右SB阿野が右IHで佐藤がアンカーへ移動。

アタックゾーンに入っても急がすに廻して時間を使いながら隙があればテンポアップと理想的なポゼッションができてますね。

このストラクチャーを維持したまま終了。

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ボール支配率70%ミドル~アタックゾーンで81%で3得点と理想的な内容でした。



最後に、攻め急いでカウンターを受け失点してしまうと大宮戦の二の舞になってしまうので前半は0-0のままでもいいと割りきって相手を動かし疲弊させていた事や、福岡戦みたいに相手のテンポに合わせて受けに回らずに自分達のテンポを維持していたのは成長ですね。

それと生え抜き選手達にがむしゃらさというか泥臭さみたいなプレーが出てきたのは嬉しいですね(^^)

崩しにも多くの選手が関わってポケットを使えてましたしネガトラの反応もよく奪い返したり攻撃を遅らせたりして、最終ラインは予防的なマーキングで起点を潰す事もできてました。

今季ここまでのベストゲームでしたしチームとしてやりたい事はほぼほぼできていたんじゃないでしょうか?

次節の北九州や強烈なインテンシティで襲いかかってくるでしょうから今節のように上手くいかない可能性が高いですが、ここまで積み重ねてきたものの試金石にもなると思いますので回復に努めて挑んでもらいたいです。