20190602 第16節ホーム京都戦

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ホーム京都戦。フォーメーションはこちら。

京都は4-3-3で今までと変更は無い模様。攻撃は両サイドバックインサイドハーフを上げた2-3-5で守備は両ウイングを下げた4-5-1。

お互いに繋ぐスタイルでトップがライン間に降りて叩く形や前進が難しい時には無理に進まずにキーパーまででも戻してやり直したりする所も同じだけど対人で押し負けたりかわされたりして京都に持たれている事で劣勢に立たされる。

12分に石櫃からのパスを宮吉が佐藤をブロックしながら繋ぎ重廣がヒールで流して仙頭がハーフスペースからドリブルで仕掛けて引きつけてから一美に渡して強引に打ったシュートで失点。奈良輪に当たってコースが変わった事もあり運も無かったけどハーフスペースの所で崩されたからね…またしても立ち上がりに失点してしまう。

その直後にも宮吉が平をブロックしながらハーフスペースの一美に渡したようにこれを狙いにしている様子。仕掛けられる小屋松を右サイドに移動させたのもその一環なのかと。

京都は以前観た時もサイドを起点にしてハーフスペース(潮音の脇のスペース)から崩す形をやっていたので、もちろんヴェルディ対策もしているだろうけど京都のストロングとヴェルディのウイークが噛み合ってしまっているというのもあるかもしれない。

4-4-2で守ると京都のサイドバックが片上げになって3バック化して数的優位を確保するし、相手が1トップならこう、2トップならこうとビルドアップの形が仕込まれてる様子。

18分に安藤のフィードを重廣が胸でライン間の一美に落として左の仙頭へ展開して仕掛けを入れてからのマイナスクロスを福岡に決められてしまう。人数がいるのにボールホルダーに寄せきれていないというのはあるけどコースを撃ち抜いた福岡を誉めるべきかな。潮音が仙頭に当たってボールを奪い返したりいい形はあるんだけど全体的にはフワフワしている印象。

二点目を取れたからなのか小屋松と仙頭の位置を元に戻す。

佐藤のサイドチェンジを奈良輪がダイレクトでハーフスペースの小池に落としてシュートまでいった所でようやく攻撃が形になる。

京都は2点リードしたからなのか後ろを4枚にしてビルドアップをするようになる。前進できなくてもボールを持ってれば守備をしなくていいというともあるからね。

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この場面、小池が仙頭と宮吉どっちを見るの?となっているし、潮音がサポートにいけば福岡が空いてしまうというようにボールを前進させる為のロジックが落とし込まれているけどそれ以上にヴェルディの陣形が間延びしていて中盤5枚の裏のライン間にスコンスコンと縦パスを入れられてしまっているし、そこからサイドとのワンツーでハーフスペースから突破を図られるシーンが続く。

27分、本多の縦パスをライン間で重廣が受けてサイドの小屋松に渡して若狭の背後をとってカットインして仕掛けて宮吉のポストプレーからの落としを決められてしまう。2点とってる分余裕があるんだろうけどそれにしても落ち着いて決められてしまった。人数はいてもボールホルダーに寄せきれてないんだよね…

ますます余裕が出てきた京都は無理せず廻して時間を使いながら隙あらば狙うといった感じになる。

奪ったボールを上福元まで戻してやっとこさボールが持てるようになったので攻撃の形を、今日はセンターバック間に降りてくるのは潮音ではなく佐藤でサイドバックが幅、レアンドロが降りる事が多いので小池が深さをとる3-4-1-2~3-2-5といった所ではあるけど京都がしっかりパスコースを消してる事もあり中々ブロックの内側に入っていけないし、相手を寄せてからのサイドチェンジの形が一番ゴールに迫れているんだけどどちらかというと持たせられてるという印象の方が強いかな。

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最後の方にボールを持った時間帯があったのでボール支配率やパス本数成功率は拮抗してるけど決定機の数は歴然としていたし、平均ポジションは最後の方にボールを持てた時の形ですね。

京都は福岡重廣宮吉仙頭で潮音の周りを起点にして攻撃を組み立ててバランス良く攻撃ができていたし、ヴェルディは前からプレスに行くのか行かないのかで1列目と2列目の間が空く所やアンカーの脇を使われここまでの守備の問題点を徹底的に突かれて3失点もやむを得ないとしか言い様がなかった前半。



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後半頭から河野→陵平へと交代して3-1-4-2へ変更。4-3-3はサイドにはウイングとサイドバックしかいないのでウイングバックが浮く形になりボールを前進させやすくなるし、相手のサイドバックが出てきた時は陵平がその裏に流れて空いたスペースを使っていく。3トップに対して3バックの数的同数になるリスクは承知の上だという配置だけど京都がロングボールをほとんど使わないからいいだろうという計算もあると思いますが

サイドから進められる形ができた分京都も気にするようになったので中央でもレアンドロや佐藤が楔を受けられる形が出てきたのでボールを保持して主導権を握れるようになり、全体的にコンパクトになってボールホルダーにもしっかりいけるようになってきた。

京都は高さがないので陵平へのロングボールだったりクロスやコーナーキックでファーを狙う事も多い(ファークロスはボールが空中にある時間が長いので高さでの競り合いになる事が多い為)。なので55分に宮吉→闘莉王へと交代して高さ強さのある選手を入れて守備を5-4-1に変えてくる。ヴェルディも去年のホーム大分戦でやったように困った時の5-4-1は有効だもんね(vs金沢を除く)

ただ、後ろが重くなる分ヴェルディが自由にボールを廻せる時間は当然増えてくるし、京都もセットして守ってる訳ではないのでライン間を使う事もできてるので前半と違って相手にダメージを与えるパス廻しができている。


63分に猛攻が実る。佐藤の縦パスをライン間で潮音が受けて奈良輪に叩き、クロスを中央で陵平が胸トラップでレアンドロに落として左ハーフスペースから裏抜けした潮音が受けてグラウンダークロスがレアンドロには合わなかったけどファーの小池が合わせて1点返す。

ヴェルディもそうだったけど、今までのスタイルと大きく違うモダンなサッカーをやる時は前からプレスをかけられて時間を削られると不安定になり苦し紛れに蹴ったりしていたので京都にも前からのプレスは非常に有効な様子。正直緩さがあったのでそれ以前だという話しはあるけど前半からできていれば京都の秩序を乱して違う展開になってただろうね。

レアンドロが膝を痛めてしまい67分に栄直へと交代。まだ無理をさせられない状態なのかもしれないけど得点が必要なのでレアンドロを下げるという訳にもいかなかったというのはあるからね。特に何もなければいいんだけど

同じ時間に京都も重廣→エスクデロへ交代して仙頭がボランチに入りエスクデロは右ウイングへ

栄直が前線に入った事で前からのプレスがかけられるようになりロングボールのターゲットにもなる。京都が簡単には繋げなくなりヴェルディはハーフスペースのライン間を使ってチャンスメイクをしていく。


皓太が小屋松から離れてライン間でパスを引き出し、陵平が一度降りる動きを入れてオフサイドを外してからの決定機
若狭にボールがいくまでに皓太が小屋松から離れてライン間でパスを引き出して仕掛けて陵平が一度降りる動きを入れてオフサイドを外して闘莉王の背中から抜けてだして決定機を作ったのはよかったね。点差もあるから決めたかったのはもちろんなんだけど

フリーで持てる時は運んで相手を引き付けてからリリースできてるし、今まではなんだったんだろうかとは思うけど点を取りにいくしかないと割り切れたのもあるかもしれないね。

エスクデロと清水が連続してイエローカードを貰う事になったけど、カウンターの芽を潰したりキーパーがペナルティエリアを離れたリスクを回避したりする分にはいいと思うんですよね。むしろ異議とかで貰う方がずっと無駄な事なので

お互いになんだけどシュートまで行けずに膠着状態になったので84分に佐藤→ヴァウメルソンを入れて仕掛けられる選手を投入

その直後に皓太が黒木との空中戦での競り合いで着地時に足首を痛めてしまい復帰できずに10人になってしまう。軽症であればいいんだけど…

監督としても点差と残り時間を考えれば勝負手を打つのは当然だしほんと運がない…1人少なくなれば当然押し込まれるようになってしまうし流れも変わってしまった。

エスクデロループシュートで得たコーナーキックを安藤に合わせられて試合を決められてしまう…

この状態から好機を作る事は難しいしこのまま終了。



最後に、前からプレスに行くのか行かないのかで1列目と2列目が空いてしまったり4-1-4-1で2列目を前に出してプレスをかけるのか4-5-1(インサイドハーフを前に出した4-4-2)でしっかり守るのかという守備の基準点が曖昧になってる問題点をこれでもかというくらい突かれてしまった訳なんですけど、対人で負けたりボールホルダーに寄せられない事が多くなってしまうとどうやっても厳しいゲームになってしまうので。

以前にも結果がついてきてる時にチームに緩みが出たりしていましたが、この試合をきっかけに変わっていけたらいいなと思います。

それと、ふかばさんが書いていた戦術的ピリオダイゼーションの影響なんですが、この理論はシーズンは長いのでどこかにピークをもってくるというより常にコンディション80%くらいで試合に挑みましょうという考え方なので、試合と試合の間をどうマネジメントするかという事が焦点になりますので日や月ではなく週単位でトレーニングを構築します。基本的に週の半ばにかけて徐々に脳と身体に負荷を上げていき、週末にかけて下げていく事で疲労を残さないようにトレーニングをしていくので、負荷を下げる事で緩くなったと感じるというのはあるのかもしれませんが、脳や身体に疲労を残して試合を迎えてパフォーマンスに悪影響が出たら元も子も無いんですよね。この理論はロティーナ監督時代からやっていたはずなんですが

こちらの記事は戦術的ピリオダイゼーションをわかりやすく解説して下さってるのでリンクを貼っておきます。