20191005 第35節ホーム岡山戦

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今季唯一の駒沢開催となったホーム岡山戦。

ヴェルディ保持時3-1-4-2か2-3-5非保持時栄直とジャイルトンの2トップと晃樹が左DHクレビーニョが右SBに降りる4-4-2。岡山保持時3-2-5非保持時4-4-2。

岡山はロングボールでイヨンジェや裏を狙い手数をかけずにシンプルに攻撃してきます。ヴェルディ相手に上から殴るのは効果的なので噛み合ってますね。


増谷のパスミスをジャイルトンが追いかけて奪いGKを引き付けてからの横パスを李栄直が押し込んで先制!しっかり追いかけた事が大きいんですが、仕掛けるだけでなくほんと周りが見えている選手だなと。

ヴェルディのビルドアップは岡山の前線のプレスが1枚か2枚で3バック化で奈良輪を上げ晃樹が降りる3-1-4-2と近藤若狭2枚で内田とクレビーニョがSBの位置にいる2-3-5を使い分けしてるようです。理仁を中央に置いて2トップを中を閉めさせてサイドを使い岡山のSHが寄せてきたら空けたスペースをライン間にいる梶川、クレビーニョ、晃樹が使って前進するのが基本線のようです。なので今日の左WGは実質奈良輪かと。

非保持時に奈良輪は最終ラインまで降りずにクレビーニョが右SBに入るので奈良輪の負担を軽減させるのが目的なんでしょう。

岡山は失点してもヴェルディのブロックを動かして外から前進してポケットを狙う形もあるので焦ってはいないようですし、ロングボールで前進が難しい時のプランも用意されている様子ですね。

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ゴールキックのシーンなんですが、内田のいる位置の反対側にクレビーニョがいないんですよね。インナーラップは約束事なんでしょうけど大外から中に入ろうとする梶川と被ったりもしてましたのでポジショニングの不安定さは要改善かなと。

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このシーンではクレビーニョがいるのでチームとしての約束事ではないんでしょうし

最前線にクリーンなボールがあまり入らず拮抗状態なんですが、お互い奪い所の設定ははっきりしていない様子です。ただヴェルディのデュエル勝率が低いんですよね…

しばらくすると岡山の3-2-5に合わせてヴェルディも5-3-2で数を合わせてきたので押し込まれた時のプランは用意してきているようです。


理仁が中央で楔を受ける事で2トップを引き付けてからサイドを使い、梶川が相手のプレッシャーラインの裏でフリーになってパスコースを作る位置的優位から前進したんですが、梶川はこういうポジショニング上手いんですよね。栄直が収めた時に斜め後ろでパスコースを作ってボールの逃げ場を作りロストを避けたのも同様です。

25分に飲水タイムがもうけられる程の暑さで本当に10月なのかと…

この後理仁と中に絞るクレビーニョに対して岡山のDHがついてくるようになったので、飲水タイムで監督から指示があったんでしょう。

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現行ルールでは3枚以上で壁を作る場合は相手は1メートル以上離れなければなりませんので、ボールとGK間とファーから巻くコースを消すのに色々と工夫してるなと。

終盤に岡山が保持した時間帯ではクロスでイヨンジェの落としやサイドチェンジからのマイナスパスからチャンスメイクしてきますが対応できてます。

理仁が上田につかれるようになった事でビルドアップを阻害されるようになったのでATに内田と理仁のポジションを入れ替えてきます。空中戦で競り合ったこぼれを拾うのは内田の方が長けてますし、理仁も3バックのサイドならSHと距離がありますから散らす時間が作れますし寄せてきたらその裏のスペースを晃樹が使えばいいという事なんでしょう。

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飲水タイム以降にボールを持たれる時間帯が続いた事もあり支配率で下回りましたが内容は悪くなかったと思います。

平均ポジションやアタッキングサイドで見るとヴェルディは奈良輪が上がり晃樹が降りるので左は低めですが、ジャイルトンが高めで梶川とクレビーニョが絡む形が多かったので右サイドからの攻撃が多めで、岡山はクロスやサイドチェンジでイヨンジェが中野や仲間に落とすサイド攻撃が多かったです。

シュート数が少なくチャンスも中々作れませんでしたが、ボールの運び方やネガトラ時にコースを塞いで攻撃を遅らせて帰陣する所は良くなってましたしファーストチャンスをモノにできたのが大きかったなといった前半。



後半、理仁を左SBに置いて岡山のSHが寄せてきたらその裏を晃樹が使い、奈良輪がSBをピン留めしてDHが寄せてきたら逆サイドを使うのはスムーズでしたので準備してきた形なんでしょう。

岡山の寄せが前半より速くなって時間を奪われて押し込まれる時間が続いてた中で栄直への縦パスを奪われた所からのショートカウンターで失点。対人上等!は岡山の土俵ではありますが、以前から立ち上がりの失点が目立ちますしアラートが入ってない印象があるんですよね…

後半頭から内田の横に梶川が降りてきてビルドアップの出口を作りにきてるんですが、その分ライン間が使えなくなってしまっているので差し引きマイナスになってるかなと。

ボールホルダーの自由を奪う事やこぼれ球への反応、デュエルで勝ててない事もあり序盤はやりたい事はほとんどできてません。

59分に内田→新井へと交代して左WGに入り理仁がアンカーに戻り晃樹が左IHへ移動。非保持時の4-4-2の時に誰がどこに入るのかをシンプルにして安定させたかった事と岡山が前からプレスをかけてくるので裏狙い要員を置きたかったんじゃないかと。保持時は4-3-3ベースのまま変えてないようです。

岡山がそこまで前からプレスをかけてこなくなった事もあり落ち着いてきたのか相手を引き付けて空いてる所を使ったりして時間とスペースを作れるようになり大外でWGが受けた時にIHがサイド奥を使ういつもの形ができるようになってきます。理仁がボールを持てる事が増えたのも大きいんですが

コーナーキックをとってもらえなかった事でボールホルダーを追いかけてましたけどそれくらいの強度でやってほしいんですよね…

83分にサイドに流れたイヨンジェのカットインから廣木→仲間と繋がれクロスの跳ね返しを上田に決められて逆転されてしまいます。

アタックゾーンまでは運べますがそこからどうする?も課題なんですが栄直がCFなのでシンプルにクロスを入れる事でもチャンスシーンを作れるというのはここ最近なかったので相手に脅威を与える事はできてました。

岡山はリードした事で急ぐ必要が無いので無理をせずにキープを優先してきますがこれは当然ですね。

88分に晃樹→澤井へと交代して右SBに入りクレビーニョが右IHに上がる

90+1分に栄直→姜修一へと交代してそのままCFに入る。

前線の選手を代えて攻撃的にしたんだと思いますが、残り時間が少ない中でもパワープレー目的ではなかったんですかね。

このまま終了して逆転負け。



最後に、高さが増した事やイヨンジェにマーカーをつけた事でセットプレーが安定してきたのは前進でしたが、相手の自由を奪う事やどこで奪いにいくかという所もそうなんですが、組織としてアラートになれてない時があるんですよね…現状ではまだ攻守が一体化されてないのでインテンシティの問題もありますし、理想の壁までの階段作りが道半ばになっているような印象です。

自信も持つとか気を抜くような時がある等のメンタル面に関しては歴代監督をもってしても越えられなかった壁なので永井監督がどうこうという事ではないんですが、ここをどうやって変えていけるかという所はクラブとして考えていかなければいけない所ですね。ヴェルディらしさはパスを回して相手を圧倒する為に高い技術が必要なんですが、どのようにゴールを奪うのかという構造については人に依存する部分が多く言語化されていないので曖昧になってるのかなと。

20190928 第34節アウェイ柏戦

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ヴェルディ戦で永井雄一郎が解説するのは初めてかな?というアウェイ柏戦。柏は大谷が上がり江坂が降りた4-3-3。

ヴェルディ保持時2-3-5非保持時新井が前に出た4-4-2。柏保持時瀬川が上がる3-2-4-1非保持時マテウスが前に出た4-4-2。

柏は瀬川が高い位置をとり、クリスティアーノが中ならオーバーラップ、大外に張った時はインナー(アンダー)ラップとここの縦関係はしっかりしてるなと。

柏はかなり人についてくるので相手を引き付ける事の意識づけをしていければチャンスメイクはしていけそうなんですが、今日の今村主審はフィジカルコンタクトには甘めなようなのでここは柏に有利に働くんじゃないかと。

マテウスからクリスティアーノを狙うサイドチェンジが結構ありますが、ここから瀬川が上がってきたりクロスを入れてくるのはヴェルディがタイトに中を締めてくるので横に揺さぶろうという事なんでしょう。逆サイドに振られてまた中へとなるとズレが生じやすいですからね。

ヴェルディもサイドチェンジを使ってサイドからコンビネーションやドリブルで狭い所を突破できれば良し、ダメならサイドを変えてポケットを狙うというのは共有されています。それと柏が人につく分梶川が外でクレビーニョがインナーラップするポジションチェンジは有効だと思いますが、前がかりになりすぎてネガトラ時に簡単に自陣にまで運ばれてしまっているのは気になりました。


近藤からのフィードを小池が受けた時に理仁がポケットへ侵入してマテウスを引っ張りフリーで受けたクレビーニョ(この時理仁がポケットに入ってマテウスが切ってるパスコースを外せればもっとよかったと思いますが)のクロスから瀬川のクリアミスを河野がボレー。決定的なシーンでしたけどこれは中村を誉めるしかないかなと。

今節の非保持時は今までよりスライドやラインの上げ下げとデュエルの意識は良くなってます。ファーストディフェンスが河野になりプレスバックを頑張ってくれる(レアンドロもパスコースを消して制限をかける守備はやってくれてますが)からというのはあると思いますが

30分にコーナーキックをオルンガに合わせられて失点。ボールの質や打点の高さからしてもこれはもう仕方ないですね…

先制した事からなのか柏の縦パスへの寄せが遅くなってきて前を向けるようになってきたので生かしていきたいんでがファウルで潰してきますね。もちろん後手になってしまったからというのはあるんでしょうけど、ファウルをする事にためらいを感じないのでセットプレーで怖さを与えられてない事も関係してるかもしれません。

ずっと共通してるんですが、柏はビルドアップ時に内田には運ばせてもいいという判断のようです。近藤だとロングフィード1本で小池を狙ったりできるので面倒な事になりますし、右利きの左CBというのも影響してるのかもしれません。非カウンターリスクも考慮して理仁とポジションを入れ替えてもよかったかなとは思いました。

38分にクリスティアーノからのサイドチェンジを瀬川がダイレクトで折り返してオルンガに決められてしまいます。こうやって左右に振られると対応が難しいんですが、その前に奪って奪われてからの切り替えが遅かったんですよね…

2失点して攻めなきゃいけないのは間違いないんですが、それで前がかりになってカウンターを受けてしまっています。
これ以上失点するとゲームが終わってしまいますし残り時間は十分あるんですからここの所のゲーム運びはもう少し整理した方がいいかなと。


新井が奪い返した所から奈良輪→理仁と繋ぎ梶川が相手の裏でフリーになってパスコースを作る位置的優位からのスルーパスで小池がポケットを使い、古賀にマイナスクロスのコースを消されたので河野が染谷の背中からファーに動いてGKCB間の速いクロスを受けようとしたんだと思います。チームとしての崩しの形が出せたシーンでした。

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柏は瀬川が上がってくる右サイドが多い印象でしたが、リードして無理をしなくなった事もありアタッキングサイドはバランスよく使えてます。

ヴェルディは新井奈良輪晃樹が絡んで突破とサイドチェンジが多く左サイドが多めでした。

ボール支配率で上回りシュート枠内シュートで下回ってしまう事が続いてますね…失点後は全体的に前がかりになりすぎてカウンターを受けてしまうようになってしまい正しい位置がとれてなかったかなと。

失点自体は札束の暴力みたいなものでしたが、攻守の切り替えや敵陣に入った時の配置に不安があった前半。



後半、最終ラインで廻してる時に2トップのボールと反対側の選手がアンカーの理仁につく事や、コースを切りながら寄せてきてSBに出したらクリスティアーノマテウスが寄せてくるので中々前進できません。柏の2トップがお互いをサポートしながら上手く制限をかけられているんですが、上福元もビルドアップに参加しているので理仁を背後に置いて2トップを閉めさせてその脇からCBが運ぶという形があってもよかったかなと。

河野が降りて縦パスを受けて起点を作ったりする前半には無かった形がありましたが、最終ラインまではちとやり過ぎじゃないかなと…それとクロス時に瀬川がセーフティにエンドラインに出していたのでやはりセットプレーを与える事を怖がっていない様子ですね。

ポジトラ時はスペースがあるのでアタックゾーンまで運ぶ事ができてますし56分に理仁から大外の奈良輪に出した所で新井がポケットを狙ってクロスというチームとして意図した形は出てましたが、ミスもあり中央で失ってカウンターを受けてしまってます。技術的なミスは仕方ない面はあるんですが、正しい位置に立てていればここまでカウンターを受ける事はない筈なので現状の完成度としてはまだまだのようです。

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63分に足を痛めた河野とクレビーニョ→若狭と平へと2枚代えをして3-4-3に変更。保持時3-2-5非保持時梶川が2列目小池が最終ラインまで降りる4-4-2から奈良輪も降りる5-3-2。

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後ろを3枚にしてビルドアップを安定させて相手の裏や間に立ってWBが幅をとりCBWBWGでサイドで数的優位を作ってポケットに侵入して崩すという事なのかと。

65分位から疲れが出てきたのかアクションが遅くなり寄せも緩くなってしまってるのでボールを奪う事が難しくなってきてます。

71分に内田→栄直へと交代。トップに入り晃樹が内田のいたDHに降りる。

ミスもあるんですが前に行きすぎてカウンターケアができておらず長い距離を走って戻る事と対人で勝てずにキープされたり奪われたりしていてこれがスタミナやメンタル面に影響が出てしまっているのかなと。

79分に奈良輪のクロスが古賀の腕に当たってたのも栄直が抗議してましたが、熱くなって執拗な異議で警告をもらってしまってはもったいないので避けてほしいとは思うんですよね。気持ちはよーーくわかるんですけど

80分にクロスの跳ね返しからのカウンターをジュニオールサントスが運んでクリスティアーノに渡してループシュートを決められてしまいます。時間帯的にやむを得ない部分はあるんですがここもカウンターケアの問題なんですよね…

ラッキングデータがないのでわかりませんが、守備でしっかり戻りながら奪ったら前線に出てくる梶川と小池と奈良輪の運動量は凄い事になってるんじゃないかと(^^;

柏の選手の質が高いのは間違いないんですがサボらずハードワークする事やパスコースを切る上手さもあり展開を変えられずに終了。



最後に、スコアレスの間はまだよかったんですが、リードされてから攻め急ぐように人数をかけ非カウンターに対する備えができてなかった事が目立つ試合でした。

理仁のコメント

被カウンター時のリスク管理の部分に関して聞かせてください。

フロントボランチとの間でのリスク管理のコミュニケーションはチームとして共有すべきところだと思います。リスク管理も大事ですが、自分たちにとってまず大事なのはボールを失わないことなので、そのためのポジションに自分は立っています。カウンターが恐いから正しいポジションに立てないというのは逆にダメなことだと思いますし、まずはボールを握るためのポジションを取って、その後にリスクを考えるという形です。ただ、一か八かのパスを狙うのは良くないと思うので、正しいプレー選択も大事です。

ポジショナルプレーの概念やリージョの言う正しい位置はボールホルダーの斜め後ろでカウンターケアをしながらボールを失わないように逃げ場を作る事を兼ねているので、おそらくどこかでエラーがおきてるんだと思うんです。そう考えればクレビーニョの立ち位置がちとフリーダムな事も説明がつきますし、ここを攻守は一体となってますからここを修正していけばボールを失わない事とカウンターケアの両方に好影響が出てくると思いますので

一か八かの縦パスを狙うのは焦ってる証拠ですし、ボールを失わない事が大事なので相手や目線を振り回すようなパス回しで組織に穴を開けようという所の落ち着きはほしいですね。それが無いとボールを支配して相手を圧倒する事はできませんので

20190922 第33節アウェイ大宮戦

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アウェイ大宮戦。ヴェルディはジャイルトンと潮音が逆配置。

大宮保持時3-2-5非保持時5-4-1。ヴェルディ保持時2-3-5非保持時レアンドロとジャイルトンの4-4-2。

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大宮はWBが幅を取りシモビッチに当ててセカンドを拾う為に近くにシャドーを近くに配置してきます。ヴェルディは高さが無いので上から殴るのが効果的だという事なんでしょう。

5分まででポストプレーで収められ、フリーキックコーナーキックでシモビッチにヘディングシュートを撃たれているのでセットプレーを与えないようにしていきたい事もそうですが、ゾーンディフェンスはボールホルダーを瞬間的にフリーにしてしまうので打点の高い選手にはマンマークつけるというのもありかなと。それとサイドから中に入れる時に奪われて内側から前進させてしまっていたのは気になりました。

永井監督のコメント

相手の守備ブロックの攻略を図る中でどのあたりが攻略の鍵になると考えていましたか?

我々の戦術の中で5バックのうちの3バックの両端2人をいかに引き出すか、というところが今週取り組んできたテーマでした。まだまだと言いますか、なかなかそこは賢く崩せなかったことは非常に悔しく課題であります。


ヴェルディはCB2枚で数的優位を作りシャドーの脇にSBと間にアンカー、DHの脇にIHを配置してHV(ハーフバックの略で3バックのサイドCBの事です)を引っ張り出して幅をとっていたWGがこのスペースを使うのが狙いのようです。それといつもやってるサイドで収めた時のパラレラ(サイドラインと平行のパスを受ける動きの事です)は後ろが5枚だとWBとHVに捕まりやすい反面食いつせられてスペースを作れるのでここも生かしていきたい所です。

大宮のクロスはシモビッチかファーからWBが折り返す形が多く、真ん中に絶対的なターゲットがいる分サイドが空きやすいのでここで2択を迫るのが狙いのようです。大宮のストロングポイントなので当然ではありますがしっかり整備されてるなと。

21分に高い位置で奪われた所から三門の枠外シュートを上福元が触ってコーナーキックになりましたが、ここまで危ない場面を作られてたプレッシャーもあったんでしょうね。出来るだけ自陣でセットプレーを与えたくない筈なんですが数が多いんですよね…

このコーナーキックを直接決められて失点。ここまでシモビッチ狙いとショートコーナーだったのでニアに速いボールは難しかったというのはあるでしょう

クレビーニョの意外なタイミングでのシュートを止めたのは笠原を誉めるべきなんですが、中央に密集して細かくパス回しをしていたのは気になりました。これでは奪われた時にサイドを使われて簡単に前進を許してしまいますし正しい位置をとれていない事になりますのでネガトラも想定して人数をかけてもらえたらなと。

この後から大宮はトランジションで奪えなければ自陣に退いてブロックを作ってきます。リードした事やヴェルディのネガトラを狙う方が効率的という判断なのかなと。高木監督はボールを持たない事を苦にしませんしヴェルディの縦パスでスイッチを入れ奪いにくるようです。

36分にレアンドロ→新井へと交代。左WGに入りジャイルトンがCFで小池が右WG、クレビーニョが右SBに下がり潮音が右IHに移動。クレビーニョとレアンドロがスペースの潰し合うようになっていたので変えたのかなと。レアンドロはハムストリングかな?長引かなければいいんですけど…

ジャイルトンが中央で相手を引き付けCBHV間に潮音が裏抜けして小池が酒井と勝負できるお膳立てをしていたので両WGは相手と1対1になった時は仕掛けてクロスやカットインシュートが約束事のようです。

ジャイルトンの裏抜けとWGの仕掛けで今までとは違う形はできてるんですが、サイドから中に入れた所を奪われカウンターを受けるのは同じでしたね…

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ボール支配率が6割超えでチャンスは大宮の方が多く大宮ペースで試合が進んでいきました。平均ポジションでは大宮はシモビッチに当ててシャドーが拾う形とイッペイシノヅカが高い位置をとりシモビッチやファーの奥抜や酒井を狙い、ヴェルディはWGが深さをとりレアンドロが降りるいつもの形で小池やクレビーニョがいる右サイドから前進してましたがブロックの内側に中々入れなかったですね。

ヴェルディのウィークと大宮のストロングが噛み合っている事もあり大宮のペースだった前半。



後半、大宮は先制してからと同じく自陣でブロックを作って待ち構えてきます。リードしたので無理をせずカウンターの機会を伺えばいいというのは徹底されてるようですね。ヴェルディは横パスをインターセプトされ数的同数以下でカウンターを受けてしまっていますので、こういう所のリスク管理は整備していってもらいたいです。

大宮はカウンターやサイドチェンジで前進する事が多く、サイドチェンジ時にWBの外をHVが上がっていく形は両サイドともありますのでクロスで高さを生かす事やWBがポケットを狙う事、なんならコーナーキックがとれればOKといった割りきりもあるように見えます。それと奪われるのがサイドになりやすいのでこれが非カウンター対策も兼ねてるのかもしれません。

ヴェルディのビルドアップ時にシモビッチの脇まで運んで2列目を引っ張り出してリリースする事ができていないので前線に時間とスペースの貯金を渡せずに中々前進できません。雨でピッチコンディションの問題もあるんでしょうけど単純な放り込みはほとんど効果が期待できないので空いてる所を使う為にも相手を動かしたり目線を振り回す所はやっていってほしいです。それと闇雲にブロックの外からミドルを撃てとは言いませんが、新井のいい仕掛けもありましたしエリアの少し手前くらいからなら狙っていってもいいかなと思います。

65分にシモビッチ→ファンマへと交代。これだけのターゲットマンを使い分けできるのはエグい…

CFは降りて受け起点作ってサイドに展開する偽9番(ファルソヌエベ)が主な仕事でしたが、ジャイルトンなら裏抜けしてCBを押し下げたスペースを使う方がいいんでしょうけどここの共通理解の切り替えが難しい面があるのかもしれませんがいまいち機能してないかなと。

73分に右サイドで小池と酒井が1対1になった所で逆足カットインからのシュートがありましたが、こういうプレーがらあると縦と中で相手に2択を迫っていけますのでいい判断だったと思います。

74分に潮音→晃樹へと交代。そのまま右IHに入る

この直後のコーナーキックのこぼれを酒井に押し込まれて失点。

ヴェルディはワンタッチパスが多くて相手を動かせていませんし今まで取り組んできた事が出せてません。

84分に小池→姜修一へと交代。そのまま右WGに入る。

姜修一が逆サイドからのクロスに外から入ってきてましたが中々合いませんでしたね…

大宮のブロックを崩せず終了。



最後に、大宮は危ないと思ったらエンドラインに出してコーナーキックにする事を苦にしてないように見えましたし、怖さが無ければ対処も余裕をもってできるのでセットプレー時に高さが無い分どうやって点を取るかという工夫はあった方がいいでしょうね。

大宮の寄せが早い事もあり上手くいかない焦りやメンタル面の影響もあったのかもしれませんが、今までやってきた事が出来ていない部分が目立ったのでここの再構築もやっていきましょう。

20190914 第32節アウェイ新潟戦

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アウェイ新潟戦。佐藤がアンカーで理仁が右SBクレビーニョが右IHジャイルトンと潮音が逆配置。

ヴェルディ保持時2-3-5非保持時ジャイルトンが前に出た4-4-2。新潟保持時2-3-5非保持時シルビーニョとレオナルドが並ぶ4-4-2。

4-3-3と4-2-3-1では噛み合わせ上SBが浮きますし、非保持時の4-4-2時も2トップ脇を使っていけるのでSBの位置は高め。ジャイルトンが左WGなのは、新潟の左サイドは入念にジャイルトン対策をしてきてるだろうから意図を外すそうとしたのか、スピードのあるフランシスの位置を押し下げて非カウンターのリスクを軽減させる為なのかなと。実際新井1人では剥がされてしまうのでフランシスが降りてダブルマークで対応していましたので

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やはりジャイルトンがいる左サイドから攻める事が多いですが、フランシスが間に合わない時は戸嶋が寄ってきてハーフスペースがガラ空きになる事があるのでここを使っていこうという意図もあるのかなと。

梶川が大外で持った時にジャイルトンがハーフスペースに絞り奈良輪のオーバーラップする形は再現性がありましたのでこれで相手の基準点をズラしていく事や、縦に速い攻撃の時のジャイルトンもそうですが新潟の右ハーフスペースを狙っていきます。

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佐藤が合図しているようにボールが逆サイドにある時は絞りますが、そうでない時はWGは大外に張るのはチームとしての約束事になってるようですし、これを見てもチームとして幅をとる事やアイソレーション(逆サイドで空いてる選手を使う事です)は共通理解化されていると思います。

10分に右で廻してから左サイドに展開してジャイルトンを使う形が出てきました。合いませんでしたがこういう形を増やしていけたらなと。


大外でジャイルトンがキープした所を奈良輪がオーバーラップして渡し、梶川がサイド奥ジャイルトンがハーフスペースへ移動してポケットへスルーパスとWGIHSBで旋回する事で相手の基準点をズラす事で崩していこうという意図なんでしょう。

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結城さんのリサイクル旋回という言葉がわかりやすいかなと。

それとクレビーニョと理仁が頻繁にポジションを入れ替えるのはクレビーニョが絞ったら理仁が降りるようなのでクレビーニョ位置取りに合わせて理仁が動くって感じなのかなと。

20分にシルビーニョが両チーム合わせて最初のシュートを撃った後にヴェルディは左右のWGを入れ替えます。新潟が慣れてきたというのもあるのかもしれませんが、左サイドからの攻撃に対応できてきたので今度は右という事なのかと。


内田が運んで大外の潮音へ渡したら梶川がサイド奥に流れて相手を引っ張り奈良輪がハーフスペースに入って受けレアンドロがポケットを狙うという形でした。これも旋回での崩しのパターンの1つなんだと思います。

左サイドの大外が潮音になっても受けた時奈良輪がオーバーラップして梶川がハーフスペースにいる構造はそのまま残ってますので新潟の右サイドのハーフスペースを突いていく事は徹底している様子です。確かに新潟はここが空き気味になる事は多いようなので

右WGに移動したジャイルトンには堀米とSHの渡邉のダブルマークで対応してますしここは備えてきてたんでしょうね。

新潟の保持時は相手を崩すというよりはとにかく変な失い方をしてカウンターを食らわない事を最優先にしているような印象なので前節にあったようなジャイルトンのカウンターへの警戒が強いようです。


潮音がキープしてシルビーニョを剥がした所でレアンドロが少し下がってパスコースを作り逆サイドへのフィードをジャイルトンが受けて仕掛け、堀米をかわしてマイナスクロスでクレビーニョの決定機。これだけ質的優位で突破できる選手がいるのでオーバーロード(人数がいる密集状態のエリア)からアイソレーション(逆サイドで空いてる選手を使う)は効果的ですし増やしていければいいかなと。

コーナーキックが続いた後からはブラジルトリオの関係性で進める事が増えたので手薄になりやすい左サイドからも進めるようになってエリア内に侵入していけるシーンが多くなってきます。クレビーニョのIHやジャイルトンを右WGにもってきたのも今までとは違うパターンの崩しをやる為だったのかなと。

40分に非保持時に潮音が内側に入ってクレビーニョが外と前節にもあった形になってからジャイルトンが左サイドへ移動し保持時も左右のWGが入れ替わります。20分40分と時間きっちりですしユニット優位(選手同士の阿吽の呼吸の連携で作れる優位性の事です)や崩しのバリエーションを試してるのかも知れませんね。

何度かカウンターを受ける事がありますがレオナルドへの警戒はしっかりアラートをかけて対応しています。

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シュート撃った時間帯が集中していましたがボールポゼッション6割超えでの枠内シュート率が高かったてすし、敵陣深くまで入っていけてました。平均ポジションやアタッキングサイドから見ると新潟は左サイドに片寄せさせてフランシスのいる右を狙うのが基本線のようですし、ヴェルディはポジション移動があったので位置に関しては何とも言えませんがジャイルトンが高めで左サイドを使う事を徹底していました。

点は取れませんでしたが崩しのバリエーションを増やしながらボールを保持する時間帯が多く、永井監督が目指す所に近づいてきたかなといった前半



後半からジャイルトンが右WG潮音が左WGとまた入れ替えました。試してきた中でブラジルトリオの連携が得点機会が高いという判断なんでしょうか。

新潟も右サイドで廻して相手を寄せて左サイドの渡邉を使うと前半とは逆サイドから前進する形が出てきます。ヴェルディはジャイルトンが右にきてこちらから前進するだろうからその裏を突こうという事なのかと。

51分、近藤が2トップ脇からレアンドロに当ててハーフスペースのクレビーニョに叩いて突破した所を堀米が後ろから足をかける形になって倒れてPK獲得しこれをレアンドロが決めて先制します。

先制された事で当然新潟は前に出てきますが上福元を含め後ろで廻して相手を引き込んでスペースを狙ったり敵陣で廻しながら隙を伺う意図も感じますので課題だった先制した時のゲーム運びの整理が進んできた様子です。もちろん速い選手て突破できるようになった事で相手が2枚で対応せざるを得なくなったというのも大きいと思いますが

新潟に持たれた時はレオナルドやシルビーニョを警戒しながらラインコントロールをしてボールホルダーに寄せるという所は改善されてきました。その時その時の判断がもちろん大事なんですが、ラインを高く保ちたくてもボールホルダーがフリーで前を向いている状態ではラインを下げざるを得ませんからね。

60分頃から新潟が攻め急いでる事や疲労もあるんでしょうけどお互い選手同士の距離間が空いてきて前進できるケースが増えてきたので徐々にオープンな展開になってきます。

64分に理仁→小池へと交代してそのまま右SBに入り、オープンな展開になってきたからなんでしょうけど新潟も渡邉→本間に代えてきます。

ヴェルディは保持時にビルドアップから落ち着いて廻せてたのも前節から改善されてますし、新潟のポジトラが不安定な所があって即時奪還ができる事もあって主導権を握れています。

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ここまで理想的な展開ですね。

76分にクレビーニョ→河野へと交代。右WGに入りジャイルトンが左WG潮音が左IH梶川右IHへ移動

77分にコーナーキックシルビーニョに合わせられ失点。ボールの質が良かったというのもありますが…

ここから新潟に持たれる時間帯が増えていき矢野に起点を作られたりしてますがコースに入ったり身体を張って守ってます。

86分に梶川→藤田譲瑠チマへと交代してJリーグデビュー。アンカーに入り佐藤が左IHで潮音が右IHへ移動

シルビーニョとのフィジカルコンタクトはさすがに厳しいですが、プロの試合での感覚は練習試合とはまた違うでしょうし少しずつ速さ強さに慣れていってもらえたらなと

押し込んだ状態からカウンターを受けるシーンが目立ってきます。どうしても勝ちたいというのはよーーーーくわかるんですがネガトラ対応はやっていってほしいですね。

89分にジャイルトンが倒された時に主審が止めなかったのでプレーオンなんですが、この後善朗をレアンドロが止めたのが警告なのは仕方ないんですが、河野も執拗な異議でカードを貰ってしまったのはもったいなかったかなと。熱くなってたレアンドロを守る為だったのかもしれませんが、以前上福元を真っ先になだめてたのが凄く印象深かったので

コーナーキックを蹴らせてもらえずに終了。



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最後に、新潟のプレスや奪い所がいまいち定まってないというのはありましたが、近藤内田佐藤の所からのビルドアップが安定してましたし、レアンドロが起点になって前進してからの崩しの形の工夫もあってゴールに迫る事ができでました。それはボールポゼッション58%でパス数645本成功率86%。シュート15本枠内12本という数字やプレーエリアにも表れてました。

非保持時も修正はまだ必要ですがボールホルダーに寄せて相手が前を向けない時にラインを上げ向ける時は下げるとラインコントロールもできていたと思いますので個人的には内容は良かったと思います。

レアンドロが起点を作って前進するのはいつもの形ですしカウエがいたらここを潰しにきてたと思いますのでそういう意味ではよかったかなと。新潟としてはリードしたら出してくるプランだったのかもしれませんが。

20190908 第31節ホーム山口戦

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台風接近の関係でキックオフ時間が19時→16時に変更となったホーム山口戦。

ヴェルディ保持時2-3-5非保持時ジャイルトンが前に出た4-4-2。山口保持時2-3-5非保持時4-5-1

山口の非保持時はやはり高い位置からプレスをかけてきてボールホルダーの時間を奪い人にかなり強くきます。ゴールキック時もエリア内の2CBに対して工藤と吉濱がつきGKには二度追いをしてSBにはWGがついてビルドアップを阻害する対策は練ってきているようですが、近藤から一発でレアンドロに通してしまう所からしても守備組織に難ありといった所でしょうか。

ヴェルディの保持時は山口が前からくる分背後が空くのでここを速く使っていこうという事で起点になるレアンドロを追い越していくのでここは前節と同じ形なんてすが、梶川へのスルーパスだったりレイオフ(落としのパスの事です)からのサイドチェンジで前進していくので今節は意図的にやっているようです。それとクレビーニョがインナー(アンダー)ラップして梶川が大外に出るのは今までもやってましたが、ハーフスペースに絞りジャイルトンが少し降りてCBからWGへのパスコースを作るアラバロール(ファルソラテラル)もやってましたのでジャイルトンの突破力を生かす為に取り入れたのかなと思いましたけど再現性がなかったので何とも言えない所です。

山口の保持時は素早くサイドを使ってからのクロスとそこから戻りながら絞るかマイナスクロスのIH入れて工藤を狙っていく形が多くSBが高い位置まで上がってきます。

山口戦ではどうしても相手のテンポになってしまう事が多く今日も速い展開になっています。


10分、ニアへのコーナーキックを奈良輪が弾いたこぼれを梶川が拾って田中パウロを引き付けてから晃樹へループパス。これを運ぶドリブルで運んで後方から走りこんできたジャイルトンへスルーパスを出して相手をぶっちぎりGKを見て冷静に流し込んで先制!まあ速いのなんのって(^^;

※突破の為のドリブルはスピードを出す為に前傾姿勢で目線も下を向きますが、運ぶドリブルは身体を起こして遠くまで目線を確保して出し所を探しながらのドリブルなのでスピードは必要ありません。ちなみに前者をレガテ、後者をコンドゥクシオンといいます。

山口が工藤とIHの山下の4-4-2で前線からハメにくるようになりますがこの時は上福元含めた3人で数的優位を作り、理仁が相手を引っ張って降りてきたら上福元がIHを狙うのは以前からやってましたが空いてる所を使うという共通理解は進んできたかなと。


19分、近藤から大外のクレビーニョ、降りてきたジャイルトンに当てた落としをインナーラップして受けた所で高井に倒されたこぼれをジャイルトンが拾い、CBの楠本をぶっちぎってクロスを入れ逆サイドからファーに入ってきた潮音が押し込んで追加点!潮音のコメントでは練習でやってた狙った形だったそうですが、これが吹っ切れるきっかけになってくれればいいなと思います。余談ですがレアンドロはタイミングよく中に入ってくるのが上手いので左WGに置いてたのもこの形が狙いだったんじゃないかと。

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主審はアドバンテージサインを出してませんでしたしこれがノーファウルとの事ですか(^^;山口がセルフジャッジ気味に足を止めてましたし決まったので結果オーライではあるんですけど

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でも、その直後にクレビーニョが楠本に倒されたのは完全にアフターでしたのでこれはとってくれました。このプレーで楠本が警告されます。まあSBが前に出ている裏を使われる分身体張って止めるしかないので理解はできるんですけどね。

23分に山口は工藤と山下が前線で並び4-4-2に変えてくる。

非保持時は前からプレスをする場合は人につく所からコースを切りながら寄せていくので改善されているんですがリトリート時はボールホルダーを自由にしてしまっていて裏をとられたりしていましたのでここはまだまだといった所です。

山口が左からサイドチェンジで田中パウロを狙う事が多いんですがここは慣れてきたのもあるかもしれませんがスライドで潰せるようになってきます。

非保持時は4-4-2なんですがWGの潮音が中に入ってきて晃樹がサイド変えてきたんですが潮音の体力面を考えて走る距離を短くしたという事なんでしょうかね?

いったりきたりの展開から山口が持つ時間が増えていきますが、持たせておいてカウンターを狙うというよりは押し込まれてるといった様子で奪い所の設定がもう少しはっきりしてくればリードしてる訳ですしボールを持たずに主導権を握る事もやっていけるかなと。

40分にジャイルトンと潮音の立ち位置を入れ替えます。SBでも前の方が積極的に上がってくるのでその裏をつく意図なんでしょう。


上福元が工藤と吉濱を引き付けてからリリースした事でレアンドロに時間とスペースを渡してこの貯金をクレビーニョに預け潮音の決定機まで。結果的にオフサイドになりましたが、GKのミスはほぼ間違いなく失点に繋がる中で勇気を持って引き付けてリリースをやってくれた事が実を結んだシーンでした。

山口は4-3-3に戻して左右のWGを入れ替えてきたのはサイドチェンジから田中パウロの前進が対応されてきた事が影響してるかもしれません。

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ボールポゼッションやパス数は山口の方が多くヴェルディはカウンターを狙うという形でしたのでシュート数に対する枠内シュート率が高かったです。

平均ポジションはヴェルディは全体的に低くジャイルトンがカウンター要員になっていて山口は高めで綺麗な形です。アタッキングサイドはヴェルディはジャイルトンがいる右サイドの印象が強かったですが潮音、晃樹、奈良輪が絡んでの左サイドからの方が多く山口は前の攻撃参加やサイドチェンジから田中パウロを使う事が多かったので右サイドが多めでした。

試合展開としては山口のペースでしたがチャンスを決めきれた事でリードできたといった内容だった前半



後半頭から晃樹→小池へと交代して右WGに入りジャイルトンが左WGと前半の最後と配置は同じで潮音が左IHになる。晃樹は脳震盪だったそうですが山口は激しいというよりは荒いの方が近かったのでこれくらいなら大丈夫と判断して荒れる原因になってしまう事もありますので注意はしてほしかったかなと。個人的にはフィジカルコンタクトの判定が甘めなのは賛成ではあるんですが

序盤にクレビーニョが持った時に小池が降りて梶川が上がる振り子の動きがありましたが、こういう動きも相手の守備の基準点をズラせるので使っていきたいですね。やはりこの2人は隣り合ったポジションの方がお互いの良さが出やすいようです。

お互いにサイドチェンジを絡めて後ろから直接裏に蹴る事が多くいったりきたりの展開の中で菊地の縦パスを内田の跳ね返したボールをジャイルトンが奪って仕掛けエリア内で倒されPK獲得。


キッカーが蹴る前に両足がゴールライン上から離れてしまっている反則をしてセーブ(PKを止める)したのでGKの吉満は警告されてやり直しになります。

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今回はこのケースですね


そのやり直しを右上に決めて3点目。

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このやり直しでもゴールラインから離れてしまっているので土肥コーチに早急に修正してもらえたらなと。

3点差になったので山口は当然前への圧力を強めてきますが守備の連動性が怪しい事もあってプレスを剥がして前進する事ができています。


55分、右サイドからのフリーキックを跳ね返しを梶川が受け左ハーフスペースの理仁へ渡し右足に置いたボールをジャイルトンが引っかける形になりゴール右隅に流し込んで4点目!

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まあこれはおいっ!俺の!ってなりますよねw

4点のリードがあって十分アドバンテージがあるので敵陣でパス回しをしてボールを保持してれば休めますし、山口が嫌がるスローテンポにもできたのでやっていってほしいなと。もちろん隙を見せれば追加点を狙っていくべきですが、頻繁に攻守が入れ替わるハイテンポな展開は山口のペースなので相手の土俵で勝負して失点するリスクを負う必要は無いでしょうし、これからの事を考えてもゲーム運びや終わらせ方も大事になってくると思いますので

実際フリーでシュートを撃たせてしまったりして隙が出てきてしまい流れが相手に傾いていきます。

69分にクレビーニョからのフィードをジャイルトンが受けスペースがある中で仕掛けるだけでなく中の潮音に合わせてたのでドリブルで突進するだけでなく周りもしっかり見えてるんだなと。

72分にクレビーニョ→河野へと交代して右WGに入り小池が右SBに降りる

ボールを保持されて耐える事が多いですが、スペースがあれば進み無ければ戻してボールを保持する形がやっと出て来きます。もちろんネガトラ対策は必要ですがこういう時間帯を長くしていきたいですね。

83分に理仁→新井へと交代して左WGに入りジャイルトンが右WG河野が右IH梶川がアンカーへ移動

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途中出場で元気な新井が前に寄せられておらず簡単にクロスを上げさせてしまってましたが、これは上福元が怒って当然のプレーになってしまいますのでしっかり寄せてボールホルダーを自由にしない事は意識してやっていってもらいたいですね。

時々チャンスはありましたが猛攻を耐えきって終了。



最後に、山口のミスや上福元様様の大活躍で無失点に抑えられましたが、現状では失点してバタつく事があったりもしますので4点のリードがある中で相手のテンポに付き合ってピンチを招いてしまうのはもったいなかったなと思います。体力を温存しながらパス回しをして(こういう場合は相手や目線を振り回してゴールを奪う所から逆算するようなパス回しでなくても構わないと思います)全然ボール奪えないと思わせれば体力はもちろんメンタルにも効いてくるでしょうし、永井監督が目指す相手を圧倒して勝つサッカーに近づけるんじゃないかなと思う所はあります。

ジャイルトンの能力は間違いないでしょうし、よりフィットしてきたらどうなるのかは楽しみですね(^^)

20190831 第30節アウェイ長崎戦

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そりゃあ永井監督が長崎で試合するなら国見高校の話題になるよね思ったアウェイ長崎戦。ヴェルディは左右のWGが逆配置

ヴェルディ保持時2-3-5非保持時新井が前に出た4-4-2。長崎保持時2-3-5非保持時4-4-2。

序盤、SBのクレビーニョが持った時にWGの小池が降りてきてSBを引っ張りその裏にIHの梶川が流れるパラレラ(サイド奥を使いタッチラインと平行にパスを受ける事です)が出てくるのでこの形はチーム戦術として馴染んできたようですね。まあ小池と梶川ならユニット優位(数的同数であっても阿吽の呼吸のような連携で作れる優位性の事です)で前進できるというのもあるかもしれませんが

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長崎の非保持時の2トップはCBまでプレスをかけるというよりは1人がアンカーの理仁につき、寄せる時にもコースを切りながらきてSBに出させたらSHが寄せるようになっていて、最終ラインがどちらかのSBと3人にした時は同サイドのSHが出て対応してくるのでしっかり対策をしてきている様子です。

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GKの上福元に寄せる時にもアンカーへのコース切りは欠かさないのでここは徹底してるんでしょう。

ヴェルディはアンカーを見張る分2トップが開けないので2トップ脇から運んで長崎の2列目を引っ張り出して空いたスペースにレアンドロが降りてきていたので理仁へのコースを切られる事は想定内のようですが、相手をしっかり引き付けてられていないので受け手に時間とスペースを渡せず進めてなかったのでここはもう一度やっていってほしい所です。

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長崎はゾーンで守るので逆サイドにボールがある時は中に絞るんですが、奈良輪からの小池を狙ったフィードで前進してからは少し開き気味になり、香川がマークせずに小池を見張る(ビヒランシアといいます)守備をしていましたので、ロティーナ監督から学んだ事が生かされてるんだなと。

非保持時にヴェルディの前線が2人なので長崎はSB片上げとDHの秋野がCB間に降りてきてSBを押し出す形の併用でSBが降りてきたらDHの秋野が上がるので3人で数的優位を確保し、1人の時はCB2人でビルドアップをしていたのでここは整備されているようです。

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ヴェルディの非保持時は2トップはDHへのコースを切り(秋野が上がるというのもありますがカイオセザールへの警戒が強いように見えますのでここで起点を作らせないようにという事なんでしょう)SHが降りてきたら近い選手が寄せていき長崎の攻撃をサイドに限定させていく事がてきています。


6分、理仁からのフィードを新井が受けてカットインからのシュートで早々と先制!奈良輪がインナー(アンダー)ラップで相手を引き付けているので大外の新井が余裕をもって受けられかつ、ハーフスペースに入る事でスルーパスを警戒してSB亀川も動けないので奈良輪のアシストも大きかったと思います。ヴァウメンソンやジャイルトンもいてポジション争いの激化が予想される中でJ2初出場初得点が本人の自信に繋がってくれたらいいなと。

9分からサイドチェンジで前進されて押し込まれますが、こういった状況の時に奪い返してからどう逆襲に転じるのかという所は引き続き課題ではありますが、WGが開いてレアンドロが降りて展開してからはSBやIHがどこから運んでくるかによってレーンが被らないようにWGが立ち位置を変えていたのは再現性がありましたのでこれはチームとしての約束事なんでしょう。

保持した時にせっかく間で受けられた時にワンタッチで叩いてしまうと相手を動かせず時間とスペースを使いきってしまうので、時間とスペースを渡していく意識づけはもう少しといった所ですね。速く攻められる時の形はレアンドロが必ず広いサイドに展開してくれる事もあり大分定まってきましたので後は相手の陣形が整っている時といった所です。

長崎が進めなくなった時は玉田がDHの位置まで降りてきて起点を作るパターンもあります。元々最前線に張りっぱなしというタイプの選手ではありませんが、自然にやっていたように見えるので中々ボールが来なくて降りてきたという訳ではなさそうです。

ヴェルディがコンパクトに守るのでサイドチェンジで揺さぶり、4バックで2トップとサイドハーフに対峙する分ポジション的に浮きやすいSBを(主に香川でしたが)使ってクロスやカットインを仕掛けてきます。

27分に中盤で奪われライン間で玉田が受けて引き付けてから大竹に渡して仕掛けたこぼれ球を玉田に豪快に撃ち抜かれて失点。奪われ方はあるんですがこれは玉田を誉めるべきかと。

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32分の小池の決定機に繋がっていったシーンなんですが、梶川がライン間でフリーになってキーパス(相手のプレッシャーラインを超えるパスの事です)を引き出す位置的優位を作れていたのでこういうシーンを増やしていきたいですね。

ここからしばらくしてコンパクトな陣形を保てなくなって間を使われるようになり、ボールホルダーへも寄せられなくなってきます。しっかり寄せるという所は元々課題ではあるんですが、ボールを持たれてる時間が長くスライド(特に2列目に降りる小池やサイドに開く晃樹は負担が大きい)でスタミナを奪われたという事もあるんでしょう。

39分に新井→河野へと交代。CFに入りレアンドロが左WGになる。何度かカイオセザールへのパスを通してしまい内側から前進させてしまっていたという事もあるんでしょうけど、右サイドからの攻撃が多いのでタイミングよく中に入ってくるレアンドロを左にもっていきたかったというのもあるかもしれません。

アタッキングサードで奪われた時にボールホルダーに寄せられておらずカウンターを受けるシーンが出てきてしまっているんですが、非保持時を含めリードした時のプランも整備していく必要があるかなと。

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スタッツからしても中々ボールを奪えずにボール保持率やパス数で上回られてました。

長崎の平均ポジションはSBが高い位置をとって幅、呉屋が深さをとってSHが絞り玉田が降りてライン間を使いながら香川を使った攻撃が目立ち、ヴェルディは全体的に左に寄って右から攻める事が多かったのはアタッキングサイドにも表れてますね。

ボールを持ちたいのに取り上げられてしまっている事でうまく歯車が回っていないなと感じた前半。



後半もボールを保持される事が多く、2トップがDHへのコースを切りサイドに誘導する事はできているので長崎もそう簡単には進めないんですが、その後寄せられてなかったり奪いにいくアクションができなかったりしてボールを運ばれてしまってます。

保持時に理仁が最終ラインに降りてくるとカイオセザールがついてくるので余程使わせたくないんでしょうね。

奪った時にボールの位置に対して前目のポジションをとるタイミングが早く、急いで攻めなきゃとなっているような事もあって出し手と受け手の意思疎通が噛み合ってないように見えますので速攻でいけるのかいけないのかという判断の擦り合わせがもう少しといった所です。

55分に玉田に代えて超合金ロボイバルボが出撃

前半にもありましたがアタッキングサードまで運べた時に相手のマークを外したり裏を狙うようなモビリティがなく進めなくなってしまい、ネガトラで奪えなかった時に広いサイドに出されてカウンターを受けてしまっています。ボールを保持できずリズムが掴めないというのもあるのかもしれませんが、ボールを保持するには相手に寄せてプレッシャーをかけて自由を奪い、どこで取り返すかという所もボールを保持して圧倒する為にはとても大事だと思いますのでやっていってもらいたいです。ここが定まっていないとどうしても守る時間帯が増えてしまいますので

66分にクレビーニョ→永田へと交代。左SBに入り奈良輪が右SBへ移動する。クレビーニョが何事もなければいいんですが…

70分にコーナーキックを角田に合わされて逆転される。

長崎はリードした事で無理をする必要がないというのもありますが、ここからもボールを持たれる時間が長く、保持した時に長崎が中を締めていて中々ブロックの内側に入っていけません。

GKからのイバルボを狙ったフィードで奈良輪を全く寄せつけずに受けて前進していく。そのうちロケットパンチを繰り出してくるんじゃないかと(^^;

83分くらいからは裏を狙ったりモビリティが出てきて相手の引き付けてからリリースする事で長崎の守備を剥がせるようになりましたのでそこは良かったと思います。

84分に小池→潮音へと交代。そのまま右WGに入る。

サイドチェンジから前進はできていましたがイバルボに持たれてあわやというシーンを作られこのまま終了。



最後に、相手に対策されてボールを保持できずに自分達のリズムで試合ができなかった事が響いたんだと思いますが、非保持時に中を切ってサイドに出させる事はできていましたし、ボールホルダーに寄せて自由を奪ってミスを誘発させたり奪い所をはっきりさせて連動性を高めていければ保持時も安定してくると思います。

どこから運んでどう崩すのかという設計図はあるんですがここの所失点してバタつくとうまく噛み合わなくなってしまっているように見えるのでここはメンタル面の影響もあるのかなと。後は低い位置で奪った時にどう攻めるのかという所の共通理解が進んでいけたらなと。

京都戦もそうでしたが負け方が派手なので印象に残りやすいんですが、まだ2敗目なので個人的にはもう少し長い目で見てもいいかなと思ってます。

20190824 第29節アウェイ水戸戦

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クレビーニョの写真が間に合わなかったのかフォーメーション表記が横浜FC戦以来のJ3仕様だったアウェイ水戸戦。

ヴェルディ保持時3-2-5非保持時河野を前に出した4-4-2。水戸保持時3-2-4-1非保持時4-4-2

序盤の水戸はやはり前からプレスをかけてきましたがやはりここは狙い所にされている様子

クレビーニョは大外を上下というより積極的にインナー(アンダー)ラップをしてきてWGの河野が幅をとって受けたらIHの梶川がサイド奥に流れて(パラレラ)梶川河野の役割が逆パターンもあり河野が絞ったら梶川が幅をとるので幅をとる事とパラレラはチームとして共有されていると思います。

ヴェルディは三角形を作ったりサイドへの展開で素早く前進をしていく。相手が陣形を整えられていなければ時間をかけずに攻撃をするのがプログレッションの考え方なんですがボールも人もよく動くのでしっかり機能してると思います。

それとレアンドロが降りてきた時にWGが裏抜けして深さを作りIHがサポートに入る。前節はサポートが無くレアンドロが孤立していたシーンが目立ったのでそこの修正もされていますね。

ヴェルディの縦に早い攻撃に水戸は後手後手の対応でしたので想定外だったのかもしれませんが、相手の時間を奪って主導権を握る事に成功

ビルドアップはCB+SB1人+アンカーで水戸は2トップ+ボールサイドのSHで4対3(GKも入れて5対3)の数的優位を確保していて4-4-2はトップ下に人がいないので噛み合わせ上アンカーの理仁が浮き、DHがケアにくれば今度はIHが空くので配置的優位性も使えていて水戸に奪い所を定めさせないので安定しています。


19分、梶川からの落としを受けた理仁からのハーフスペースの小池に渡して晃樹へ横パス。これをボールと正対して受ける向きから身体を開いて流しゴールを向く事で細川を剥がして右足を振り抜き先制!相手とと駆け引きをして逆をとり躊躇なく打った事が実を結んだシーンでした。プロ初ゴールおめでとう!


内田→奈良輪に渡った時に小池が降りてきてSBの外山を引っ張って晃樹がSB裏を狙う。レアンドロの時もそうでしたが降りてきたスペースを使うという共有も進んできてるようですね。


21分、レアンドロが大外で相手を引き付けてからポケットの晃樹に渡し落としを受けたクレビーニョのクロスを小池がボレーで打ち込み追加点!右サイドで引き付けた事でクロス時には小池が1対1だったのでオーバーロード(密集)を上手く使えてました。

2点取った事でヴェルディがテンポを落とした事でゲームが落ち着いてきましたが上げる所は上げるので緩急が目立ってきました。

30分から水戸は非保持時に小川と黒川を縦関係の4-4-1-1にしてはっきりアンカーの理仁に見張り役をつけてハーフスペースをバンバン使われていたのでリトリート時は5-4-1で守るように修正。DH2枚で蓋をされて中々レアンドロに縦パスが入らなくなり大外とハーフスペースの関係性での突破もできなくなってきます。栃木戦山形戦を観てのというのもあるんでしょうけど長谷部監督の素早い修正はさすがといった所です。

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メインスタンドの上の方から観てリアルタイム分析した内容がイヤホンで長谷部監督に伝わってるんでしょうね。チームの問題点を見つけて報告するスタッフさんもこれからはより重要になってくるでしょう。

これで前に進めず逆襲を受けるようになって流れが水戸に傾いていきます。ネガトラ時の5秒ルールが浸透してきたからなのか奪い返す形はできてきましたが非保持時はまだまだで押し込まれて我慢の時間帯が増えていってしまいます。

37分からヴェルディの非保持時は4-1-4-1~4-5-1で守るんですが、左サイドの2列目脇を使われた時にクレビーニョが出てきて後ろが3枚になってるので戻しを逆サイドに展開されて突破を狙ってきます。クレビーニョがまだフィットしきれてないというのはありますが、水戸も相手のいない所から攻めるというのはしっかりしてますね。

これ以降水戸はSH浅野SB志知にDHの前を加わってヴェルディの右サイドを徹底して狙ってくるようになって相手を寄せたら逆サイドも使うよといった所。

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ボール保持率は高かったですがシュート枠内シュート数は互角でした。平均ポジションやアタッキングサイドからするとヴェルディは右サイドの河野梶川クレビーニョが高い位置をとって攻撃をする事が多く、水戸はフィットしきれてないクレビーニョのいる左サイドの浅野志知が高い位置をとるという形でした。試合の3分の2までは理想的なサッカーができていた前半。



後半、水戸の非保持時は変わらずにハイプレスをかけてきて時間を奪われ中々ボールを保持できなくなってきましたし、ボールホルダーに制限をかけられてないので自由にボールを持たれてしまってます。

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このシーンなんですが、内田が持ってる時に近藤、奈良輪、クレビーニョ、理仁へのコースを塞がれていて上福元に戻しても小川がプレスをかけられますし、水戸のカバーシャドウ(パスコースを消しながらボールホルダーに寄せる事)は相変わらず上手いです。

51分河野→端戸へと交代。トップに入ってレアンドロが左WGで小池が右WGへ

53分、黒川の落としを浅野が受けて仕掛け、右サイドの外山に出し小川を狙ったファークロスからのヘディングを上福元が弾いた所を福満に押し込まれる。

水戸が圧力を強めてきて一気に畳み掛けてくるのを耐える時間帯が多く、中に絞ってた志知がいた所から梶川が前進したシーン以外ではここまで効果的な前進はできてません。

水戸の攻撃はアーリークロスや中から外を使ってクロス、ペナ角から中へのパスやマイナスクロス、ポケットからのマイナスクロスと多彩ですがそれぞれのシチュエーションに合わせてチームとして共通理解が落とし込まれているようで迷いが無い分スピーディーな攻撃ができていて長谷部監督の手腕が見事というしかないですね。

保持時に持ち上がって相手を引き付けてから楔を入れたり逆サイドにフィードして幅を使う形はあるんですが中々ライン間を使う事ができません。

ヴェルディは梶川がアンカーの横に降りてきて理仁と並んでボールを持てるようになってきましたが、プログレッションをやるには絶え間なく動き続ける必要があって体力的にキツいので保持しながら休むという意図もあるのかもしれません。

70分に小池→若狭へと交代。右HVに入って後ろを5枚にしてレアンドロをトップにして端戸と晃樹がインサイドWGの5-4-1で守るようになる。リトリートして守るので守備は安定してきました。

77分にクレビーニョ→澤井へと交代。ポジションはそのまま右WBへ。

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1人で2つのコースを消しながら寄せる事で相手のパスコースを制限してくれてますし、追いかけまわす事は難しいかもしれないですがレアンドロは守備もしっかりやってくれてるんですよね。

押し込まれた時にロングボールを収めて陣地回復をする手段は実質的に使えないのでスペースに出したり仕掛けたり等のパターンは増やしていきたいですね。ベンチに姜修一がいれば預けて仕掛けさせるたりする事もできたかもしれませんが。

5バックで守っているので深い位置まで運ばれる事はそんなに無いですが、前線にレアンドロしかいないので跳ね返してもマイボールにするのが難しく耐える時間が続きます。

ゴールキックを端戸が落としたボールを追いかける瀧澤に対してレアンドロが内側から寄せる事でタッチに出させた所からまたようやくボールが持てるようになってきましたが残り3分+ATなら少しテンポ落として回してクロージングでもよかったんじゃないかなとは思うんですが、この展開ではメンタル面からしても難しい所はあるんでしょうね。

猛攻を耐えきって終了。



最後に、両指揮官で修正の応酬があって非常に見応えのある試合だったと思います。

ヴェルディとしてはプログレッションの精度を高めていくのはもちろんなんですが、絶え間なく動くのでその分消耗も早まってしまいますので、どこで休むのかというプランの整備も必要になってくると思われます。

それと後半後ろを5枚にして深い位置まで進ませない事はできていましたが、非保持時にどこに誘導してどこで奪うかとボールホルダーへしっかり寄せる所ですね。ネガトラ時には寄せられていますので

自分達の時間帯の時にしっかり決められてシンドイ試合をモノにできたのは自信になるでしょうし積み重ねながら進んでいけたらなと思います。